インタビュー
「モンハンワイルズ」辻本P「これまで以上、世界で盛り上がっている実感がある」とコメント
発売前夜イベントでインタビュー。徳田Dは「ラスボスをぜひ見て」
2025年2月28日 16:58
- 【モンスターハンターワイルズ】
- 2月28日 発売
- 価格:
- 9,900円(Standard Edition)
- 11,900円(Deluxe Edition)
- 13,900円(Premium Deluxe Edition)
2月27日に開催された「『モンスターハンターワイルズ』発売前夜イベント」にて、カプコン本作プロデューサーの辻本良三氏をはじめとした開発者へのインタビューを行なうことができた。
「発売前夜イベント」は、2月28日に発売となったプレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC(Steam)用ハンティングアクション「モンスターハンターワイルズ」の発売1日前に実施されたイベント。公式ファンサイト「モンハン部」の応募に当選した選ばれしハンターたちが招待され、共に発売前夜を盛り上げた。
イベントの模様はYouTubeにてライブ配信されたほか、配信終了後にはメディア向けの開発者インタビューが実施された。本稿では、インタビューの模様を中心にレポートする。
初心者でも味わえるモンハンワイルズの「醍醐味」
インタビューに応えてくれたのは、「モンスターハンターワイルズ」プロデューサーの辻本良三氏、アートディレクター兼エグゼクティブ・ディレクターの藤岡要氏、ディレクターの徳田優也氏。まず、「発売後、プレーヤーたちに最初に何をしてほしいか」という質問が出た。
辻本氏は、「まずはキャラメイクをやってもらいたいですね(笑)」と冗談交じりで答えた。続けて「でも、オープンベータで作ってる人はそのまま引き継ぐかもわかりませんし、その点では今作は本当に自由な形で遊んでいただけたらと思っています。今回は、ストーリーの導入シーンもあります。まずそのあたりで『モンハンワイルズ』の雰囲気が味わえるかなと。そこから冒険が始まるという、ワクワク感も味わっていただきたいと思います」とし、本作で力を入れたというストーリーの魅力をアピールした。
また、本作ならではのシステムの魅力については「色々ありますが、セクレトは便利なので個人的にもオススメです」とした。「移動時からピンチの時まで、すごく活用できるシステムになっています」と、セクレトの有用性を語った。
また今回の「モンハンワイルズ」の盛り上がりについては、辻本氏が「これまで以上に盛り上がってる感覚は正直、こちら側にも伝わっています」と述べた。
その盛り上がりは、日本だけではないという。「いろいろな各国のコミュニティの方やメディアの方と話をしていても、グローバルですごく盛り上がってる実感があります。普段生活している中でも、『モンハンワイルズ』の話をしている場面に出会ったりして、プライベートでも感じるくらいに盛り上がっていると思います」とした。
ディレクターの徳田氏は、同じくディレクターを務めた「モンスターハンター:ワールド」の頃は、海外に行っても「モンスターハンターって何?」みたいな質問が多かったとした。しかし、最近訪れたドイツの入国審査の際に「『モンスターハンター』? あれはいいゲームだよ」と言ってくれるなど、世界的な知名度が上がっている実感をしたという。「知ってることを前提に色々なことを質問してくれるようになったので、そこはもう大きく変わったなと思います」とした。
今作で新たに「モンスターハンター」を始めるプレーヤーに対しては、「『モンスターハンター:ワールド』以降はさらに詳細にプレーヤーの動向のデータが見られるようになりました」と辻本氏が話した。「初心者の方がどこで迷ってしまうのか、なぜそこで辞めてしまったのかなどをしっかりと分析し、僕たちなりに研究しました。そこにケアするような形で、今回は色々とやらせてもらいました」と、初心者向けの施策を多く取り入れているとした。
具体的には、「『モンスターハンター』の醍醐味であるモンスターとの駆け引きの部分は変えていませんが、そこにいかにスムーズにたどりつくかをしっかりとケアしました」という。ゲーム内のレクチャーをしっかりとこなせば、そうした醍醐味に「必ずたどりつけるようになっている」という。初心者の方にもぜひプレイしていただきたいです」と自信をのぞかせた。
食事シーンなどの描写のリアルさについては、藤岡氏が「リアルかどうかと言われると、実はリアルではありません。ですが、美味しそうに見えるような、感情が揺さぶられるような描写にはかなりこだわりました」とした。
また、イャンクックなど再登場のモンスターについて聞かれると、辻本氏は「今回は群れでの行動や、自然での豊かさや厳しさをしっかりと描きたい思いがありました。そういった本作のコンセプトに合うようなモンスターをチョイスしました」とした。なおタマミツネに関しては「四天王」とは関係なく、単独で追加されたものだという。
注目のモンスターについて聞かれると、辻本氏は本作のメインモンスター「アルシュベルド」の名を挙げ、藤岡氏は「ヌ・エグドラ」とした。「ヌ・エグドラ」はタコのように足をたくさん持ったモンスターで、「これまでも作りたいと思っていた」そう。技術的に難しかったところ、今回やっと実現できたのだとした。
徳田氏は「あまり言えないのですが、ラスボスは是非見て頂きたい」と予想外の回答で取材陣を驚愕させた。なお、ラスボスについては現段階で名前などは公表されていない。特徴などについて聞かれると「恐らく、ハンターたちが今まで経験した事のないタイプに仕上がっていると思います」と、含みを持たせるコメントとなった。
西野七瀬さんは「4」からプレイ。イャンクックも無事討伐
イベント会場には、メインモンスター「アルシュベルド」の防具となる「シュバルカαシリーズ」や、「モンスターハンターワイルズ」リミテッドエディション仕様のPS5やDualSense、近日中に予約開始予定の「セクレト羽根ペン」などが展示されていた。
来場したファンたちは写真を撮ったり近くから眺めるなどして、イベント開始前の時間を楽しんでいる様子が見られた。また、看板をバックにアイルーとの記念撮影も行なわれており、行列ができるほどの大盛況ぶりとなっていた。加えて会場にはメッセージボードも設置されており、ファンたちが熱い想いを書き残していく様子も見られた。
イベントのメインステージでは、辻本氏、藤岡氏、徳田氏が登壇し、開発の舞台裏などについて語った。ゲストには、本作のCMにも出演する俳優の西野七瀬さんが登壇した。
西野さんは以前から「モンスターハンター」シリーズをプレイするハンターの1人であり、今回ゲストに呼ばれた事を心底喜んでいる様子だった。「シリーズとしては『モンスターハンター4』の頃からガチでハンターやらせてもらってます。1年前くらいに『モンハンワイルズ』の新作映像が公開されて以来、ずっと楽しみにしていました。そこにCM出演の依頼がきて、すごく幸せでした」と本シリーズにかける熱い思いを語った。
新情報としては、2025年春のアップデートで新たにモンスター「タマミツネ」が追加される事が再度アピールされたほか、詳細については触れなかったが、辻本氏からアップデートについて「他のハンターとのコミュニケーション機能やイベントクエストの追加なども検討している」とし、モンスター追加以外にも新たな機能が追加になる可能性が示唆された。
他社とのコラボや小田急電鉄主催の「モンスターハンターワイルズAR」イベント、現在関西で開催中の20周年「大狩猟展」の紹介、加えて渋谷109で行なわれる発売記念イベントについてなどの情報が次々と公開された。
最後に一言求められると徳田氏は「発売後はみなさんの救援信号に駆け付けたいので宜しくお願いします」とコメント。藤岡氏は、「毎回発売前には不安がいっぱいですが、『モンハンワイルズ』はみんなと一緒に成長させたいタイトルです。これからも成長させていきたいので応援を宜しくお願いします」とした。
辻本氏は、「今回発表した春のアップデート以降も、色々と考えているので、引き続き最新情報をチェックしてほしいです。発売後は僕も救援信号を出すので、助けに来てほしい」とコメントして会場を笑わせた。
ゲストの西野七瀬さんは「今日の0時から一緒に新たなハンターライフを楽しみましょう! わたしも救援信号を出す側だと思うので、助けにきてほしいです。もちろんわたしもみなさんを助けにいきます!」としてイベントを締めくくる運びとなった。
(C)CAPCOM