先行体験
これはいいアサクリ! 「アサシン クリード シャドウズ」先行プレイ
弥助と奈緒江の切り替えプレイが面白い。柴犬も大量モフモフ
2025年1月24日 02:00
- 【アサシン クリード シャドウズ】
- 3月20日 発売予定
- 価格:8,328円
ユービーアイソフトは、プレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC(Win/Mac)用アクションアドベンチャー「アサシン クリード シャドウズ」を3月20日に発売する。
本作はユービーアイソフトの人気ステルスアクションアドベンチャー「アサシン クリード」シリーズの最新作で、多くのシリーズファンに永らく待ち望まれていた「忍者」のアサシンが登場する。
時代設定は安土桃山時代。群雄割拠の戦国の世をオープンワールドで表現し、くノ一の藤林奈緒江と、宣教師と共に海を超えて来日し、やがて織田信長に仕えたとされる弥助の2名が活躍する。
そして今回、そんな開発中の「アサシン クリード シャドウズ」をいち早く体験できるメディア向けのプレビューイベントに参加できた。昨年は良くも悪くも大きな話題に上がり続けていた本作。実のところ、肝心の“ゲーム部分”はどんな体験になるのかが気になっていた。さっそく、発売前の先行プレイレポートをお届けしていこう。
弥助と奈緒江、2人の導入パートが明らかに
今回のプレビューではゲームの導入から、弥助と奈緒江が既に協力関係を結んでいる作中のあるチャプター部分と、活動拠点を自由にカスタマイズできる機能「隠れ家」を実機で体験することができた。ただし、導入部についてはゲームの発売前ということで、ネタバレを最小限にするために簡単な紹介だけにとどめておきたい。
まず、ゲームの導入部は前半と後半で2つのパートに分かれていた。前半では弥助、後半は奈緒江といった構成になる。2人がどのような経緯で乱世の世を渡り歩くことになるのか、基本的な操作方法を交えつつも、それぞれの過去が描かれる。
弥助は宣教師のヴァリニャーノと共に織田信長に謁見し、そこで信長に可能性を見出され配下に加わることになる。異国の地からやってきた弥助は、その大柄な体格を戦場で存分に活かし、信長も目を見張るような戦いぶりを見せていく。一方、奈緒江は伊賀の忍びとして育てられたが、故郷を織田信長の軍勢によって襲撃されてしまう。父が里の中で護り続けていた、とある物が強奪されてしまい、負傷した父に代わって、奈緒江は奪い返すために敵の拠点へと潜入するのだ。
「アサシン クリード シャドウズ」では、ゲーム中に弥助と奈緒江を切り替えて、ストーリーや依頼、探索などをこなしていける。甲冑に身を包み、刀や鉄砲、槍といった武器で豪快に戦うパワータイプの弥助と、従来のシリーズのようにパルクールを中心としたスピーディなステルスプレイが可能な奈緒江。基本操作は変わらずとも、お互い異なる強みが備わっている。導入部はこうしたプレイフィールの違いを実際に体験しながら、世界観に浸っていけた。
黒田官兵衛登場。謀略巡る1エピソードを体験
早速、話題を物語のチャプターへと移していこう。メディアプレビューで体験したチャプターでは、「播磨」を舞台に黒田官兵衛の催す連歌会から一波乱巻き起こるというもの。この連歌会は播磨の国境を盤石にするため、盟約を結んでいる大名たちを招く催しとしている。
しかし、主催である黒田官兵衛には心配の種が一つあった。直近、明智光秀討伐のために秀吉軍が編成されるが、その戦力を削ぐために何者かが妨害しようとするという。その動きを、黒田官兵衛は事前に察知していたのだ。
そして連歌会には秀吉側の勢力の者たちが一堂に会することから、その襲撃の格好の機会となっている。黒田官兵衛は万が一に備え、弥助と奈緒江を呼び出し、連歌会に参加する大名たちの護衛と、裏で糸を引き妨害を画策している者の正体を暴く命を下した。
連歌会当日、黒田官兵衛の読み通りに会場には刺客が送り込まれ、弥助と奈緒江はこれを迎え撃つことになる。だが、この一件で連歌会に参加していた宇喜多直家の息子・八郎が誘拐されてしまう。黒田官兵衛と宇喜多直家は、近々新たな盟約を結ぼうとしていたため、このままではその話も通らない。そこで弥助と奈緒江は、八郎の行方を追うために、播磨の各地を奔走するわけである。
ここからは実際にオープンワールドの中を探索しながら、必要な手がかりを集めていくことになる。まずは奈緒江でプレイしてみることにした。馬を呼び出し、最初の手がかりが待つ港へと向かう。ここでは、襲撃の際に刺客の浪人たちから発せられた強いお香の匂いに、心当たりがあるという小西行長(宇喜多直家の家臣として連歌会を訪れていた)から、怪しい商人を紹介して貰って彼らを問い詰める。簡単な質問で早々に馬脚を現した商人たちが、複数人で襲いかかって来た。
連歌会での戦闘は味方がいたが、この戦いではひとりで戦うことになる。とはいえ、導入部のチュートリアルで既に基本操作は習得済みだし、何より過去作を大体パワープレイでゴリ押してきた忍ばないアサシンとしての自負があるつもりだったが、今作の敵は強い。こちらを取り囲んで良い具合に袈裟斬りを浴びせてくる得体の知れない偽商人を相手に、筆者の操る奈緒江は開始早々に土の味を確かめることになった......。
「いやいや、始めたばかりだしまだ戦いのセオリーも手に馴染んでいないから。これは事故に違いない」。そう自分に言い聞かせ、今度は慎重に立ち回ってみるものの、気がつけばやはりゲームオーバーを示す「シンクロ解除」の文字がうっすら画面に浮かび上がる。
座る姿勢を変えて目薬を差し、3回目のトライ。飛び道具を使って確実に敵を仕留め、囲まれたら武器を「鎖鎌」に切り替えての範囲攻撃。最後の1人になったところで受け流し、回避、スキル攻撃を満遍なく扱い、遂に突破することができた(でも難易度はノーマル)。
ステルスかパワーか。奈緒江と弥助のアクションははっきりと差別化
倒した商人から指示書を拾い上げ、荷物からさらなる手がかりを得るために、次は英賀本徳寺へと向かう。到着するとお寺なのに武装した足軽や商人たちがわんさかと集っていて、もうだいぶきな臭い。
寺の中を屋根伝いで移動しながら、怪しいを場所を探索し、しばらくは様子を伺うことに。しかし、ここに来て相変わらずのヘッポコアサシンぶりを発揮し、敵の存在に気付かず、足軽の目の前にのうのうと着地する大失態をやらかす。
1vs1のつもりが気が付くと敵は3人に増えていた。なんとかこれを退け、探索を再開。夜になるとフィールド全体はかなり薄暗いため、先ほどのような事故が多発しやすい。これを防ぐためにも、過去作から続く「イーグルビジョン」(敵の影がわかるようになる機能)は必要不可欠だ。
舞台が日本の安土桃山時代であるためか、建物が密集しているエリアは限られてくる。過去作では都市が物語の舞台になることが多く、建物の屋根をパルクールで駆けて地上の様子を観察したり、民衆の中に紛れてターゲットを暗殺したりもしていた。
今作ではロケーションにもよると思うが、身をかがめて草木などに紛れる割合が多い印象だ。忍者らしく、ほふく移動で地面を這って移動する、鉤縄を使い屋根に登るといったこともできるので、ステルスアクションの自由度は相対的に増しているように思える。
続いて弥助を見ていこう。手がかりを集めていくと連歌会の襲撃に加担してた者の正体が、宇喜多直家に縁ある者だとだんだん分かってくる。調査を続けると、何やら事情を知っていると思われる人物の徳兵衛が町の賭場で博打に興じているらしい。そんな徳兵衛に会うため、ターゲットの位置を特定してみると、彼はどうやら賭場の地下にいるようだ。
弥助は武器が豊富で力強く、真っ向から戦いやすいため、敵のいる施設へ堂々と切り込むには打ってつけのキャラクターである。鉄砲で地上の見張りを襲撃し、敵の数を減らしてから刀で残敵を確実に掃討していく。
奈緒江と違ってステルスプレイにこそ向かないが、攻撃力も耐久力も優れている印象なので、斬り合いになればこちらに利がある。複数人を一度に相手取っても、弥助であれば切り抜けやすいほどにタフだ。シリーズを幾つかプレイをしてきて何とも悲しい話ではあるが、正直筆者のプレイスタイルに合うのは弥助と認めざるを得ない。
こうして地下に向かってみると、そこに居たのは博打に負けて見ぐるみを剥がされたと思われるふんどし一丁の徳兵衛であった。弥助を前にビビり倒し、素っ裸で町中を逃走する徳兵衛。弥助としては敵意はなく、ただ話を聞きたいだけだったので、まずは彼を落ち着けて事情を聞くことにする。すると、徳兵衛は金で買収されて備前の武士を姫路城に受け入れただけなのだと語る。その武士たちの居場所を聞き出し、次は射楯兵主神社へと向かった。
エピソードのクライマックスは姫路城での対戦
だがそこにはなんと、連れ去られたはずの八郎がいた。八郎から話を聞きながら神社を後にしようとすると、今度は八郎の父である宇喜多直家がその場に姿を現す。八郎を迎えに来たと話すが、どうにも釈然としない。問い詰めると、連歌会襲撃も八郎の件も、全ては宇喜多直家の自作自演だったことが判明する。
その後、差し向けられた刺客を全て返り討ちにして、事の経緯を黒田官兵衛に明かした弥助と奈緒江は、姫路城に潜伏している宇喜多直家の手勢を討つために行動していく。このパートが本プレビューで公開されていたチャプター内におけるクライマックスにあたる部分だ。一連の騒動が大詰めになると、物語の進行に応じて弥助と奈緒江のどちらでプレイを続けるか選択肢が登場するようになった。せっかくなのでここで再び奈緒江を選択してみる。
夜の帳が下りる頃、姫路城内をコソコソと移動して怪しい兵を確実に暗殺していくつもりだった。恐らくターゲットを見つけて対象だけを倒せば良いと思うのだが、ステルスアクションが下手なのでとりあえず皆殺しにするしかない。弥助の一騎当千の戦いぶりに気を良くして、奈緒江でも挑んでみるのだが、そう上手くことは運ばず、ここでも一度はゲームオーバーに。結局、広いエリアに敵を集めて、鎖鎌で一網打尽にするという戦法を繰り返し、姫路城場外の戦いはなんとか乗り切れた。
奈緒江は弥助と比較すると、敵のちょっとした攻撃が致命傷になりかねない。複数人の相手を同時にするのは非常にリスキーだ。取り囲まれる前に極力敵の数を減らしておくか、倒した敵から回復アイテムをしっかり補充しておくなど、常に万全の態勢を心掛けておく必要もある。
ステルスプレイにおいては、ほふく移動に限らず、死体隠しや崖のぶら下がり移動、敵を誘いだして暗殺したり、シリーズ恒例の「イーグルダイブ」で静かに藁へ潜んだりなど、隠密行動の幅は広い。意識して遊べば、しっかり隠密プレイが楽しめたはずだ。弥助のようにゴリ押すにはある程度の練度が必要になるので、奈緒江での強行突破プレイには中々に緊張感が感じられた。
やがて追い詰められた宇喜多直家と対峙し、1対1のボスバトルへ。ここでは弥助を操作して戦うことに。戦闘に特化しているため、ボス戦でも相変わらず戦いやすい。戦闘中は敵が攻撃する直前に光の予兆が発生し、その光の色に合わせてこちらも回避やガードを使い分けることになる。
タイミングに合わせてガードをすると、敵の攻撃を受け流すことが可能だが、攻撃の予兆が赤い光の場合には受け流し切れない。この場合は回避が推奨されるといった具合に、戦闘には駆け引きが備わっていた。敵の種類によっては、この辺りのタイミングがシビアなこともあるが、そこがバトルの起伏とも言えるだろう。
今作は物語中に度々選択肢が出現し、何を選んだかでその後の展開が変化する。マルチエンディングは採用していないとのことだが、選んだ選択肢によっては、戦いを避けられたり、異なるルートを選んだりと、ゲームプレイの体験に変化があるようだ。
今回のプレイでも宇喜多直家を無事に倒した後、彼を殺害するか、それとも生かすかの選択肢が迫られることになった。筆者は心を鬼にして彼を殺害してしまったが、こうした選択肢に悩んでしまうプレイヤーには、オプション選択から選択肢が出現しない推奨ルート固定のモードを選べるとのことだ。
W主人公によって総合的に強化された「アサクリ」体験
チャプターを一通り終えてみると、やはり今作は過去シリーズと比較しても"異質"な構造だ。従来のアサシンたちの要素を踏襲した奈緒江と、アサシンではなく戦士の弥助という2タイプの主人公が並列に存在している。「アサシン クリード」は、シリーズを重ねるごとに徐々に戦闘システムがテコ入れされ、戦闘アクションの存在感が増してきたタイトルだ。だが、それは1人のアサシンに対して、隠密要素と戦闘要素を常に介在させることで実現してきた、いわば"ダイナミックに戦える暗殺者"としての進化の系譜だろう。
それが今作は隠密担当を奈緒江、戦闘担当を弥助と明確に切り分けた。過去作のアサシンと比べて奈緒江も十分戦うことができるキャラクターではあるが、弥助の、ステルスアクションを真っ向から否定するかの如き暴れっぷりを見ると、隠密行動が苦手なプレイヤーはド派手に戦闘を楽しむことができるという、もう1つの解法を提示しているようである。
また、弥助特有の真っ直ぐで豪快な戦闘スタイルに吊られるようにして、敵が皆強くなった。連続キルストリークを狙うため、剣を構えてジリジリ詰め寄るアルタイルやエツィオと見合っていた、やや消極的な動きの敵はもうとっくにいない。
そのため、奈緒江は過去作以上に隠密を意識して行動しなければ、囲まれてタコ殴りにされ即死亡するし、敵を正面から相手取れる弥助でも、刀を打ち合う瞬間は気を抜くことができないバランス感になった。隠密も戦闘もこれまで以上にハイレベルな仕上がりに昇華された印象で、シリーズ特有の体験は総合的に強化されているようだ。戦国時代と聞いてイメージする、合戦の如し過激なチャンバラシーンも含めて、そういった歴史モノ作品特有のケレン味は期待できるポイントだろう。
屋敷カスタマイズ要素「隠れ家」も体験
プレビューの最後は弥助と奈緒江の拠点になる隠れ家のカスタマイズ機能が体験できた。グリッド状に仕切られた隠れ家の中に、自由に建物を設置できる。
各施設の設置には材料が必要になるが、建物の中に置く装飾品から屋根、壁などのスキン変更にも対応している。コストの許す限りで、簡単に集落づくりが楽しめる。さらに床を砂地や石畳に変更したり、風情ある桜の木を植樹したり、柴犬を大量に飼ってみたりと自由度が高い。
カスタマイズ内容は本編マップ内に同期されており、地図を広げて確認すると、建物の配置がそのまま反映されていた。なお、こちらの隠れ家はプレビューの中でもお試しといった温度感だったので、ゲーム内でどのように機能するのか気になるところだ。
弥助は攻略面での優秀なパートナー。実際に遊ぶとちゃんと面白い
今回の体験会では「アサシン クリード シャドウズ」のゲームとしての面白さとプレイ体験の全体像を把握できるものだったと思う。
主人公の1人である弥助が大きな論争の火種にはなったが、ゲームシステムの観点から見ると、異国からやってきた体格の良い弥助が、武士を相手に怪力任せのパワープレイで立ち回る姿は勇ましくも爽快だった。
隠密行動が得意と言えない筆者にとって、弥助は攻略面での優秀なパートナーになり得ると思う。そういった意味でゲーム的にも、異国の弥助が主人公の1人として据え置かれているのは、それなりに説得力がある方なのではないかと思う。
「アサシン クリード」シリーズは、初期作の頃と比較しても戦闘部分のパワーアップが特に目覚ましい。コアとなるステルスアクションの部分も進化している上、くノ一である奈緒江が歴代主人公たちに引けを取らないアサシンぶりを見せてくれる。
何しろ忍者なので、これほど題材に相応しい人物もそういないことだろう。正直、今作の発表からここに至るまでの間、ゲーム業界を大きく騒がせてきた諸々の件はいちユーザーとしても残念に感じている。
だが、かつてシリーズ1作目から「アサシン クリード オリジンズ」までをめり込むように遊んだ日々の中で、日本の「忍者」を題材とした「アサシン クリード」を妄想しないことはなかった。今回のプレビューを通して、ゲームとしての面白さを確かめることができたので、あとは発売を心待ちにする決心が付いた次第だ。
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