インタビュー
「Oculus Quest 2」は日本でもどんどん売る! 最新型スタンドアローンVRの戦略をOculusスタッフが語る
2020年9月17日 02:30
- 予約受付中
- 10月13日 発売予定
- 価格:
- 【64GB版】
- 33,800円(税別)
- 【256GB版】
- 44,800円(税別)
9月16日、Oculusよりスタンドアローン型VRヘッドセット「Oculus Quest 2」の情報が公開されるとともに、その予約が開始された。10月13日発売予定で、価格は64GB版が33,800円(税別)、256GB版が44,800円(税別)。
弊誌ではOculus Quest 2の製品版を事前にお借りしたレビュー記事を掲載しているが、本稿ではOculusスタッフによる説明会の模様をお届けしたい。説明会で話をしたのは、Facebook Reality Labs コンテンツエコシステムディレクターのクリス・プルエット氏、Facebook Reality Labs日本マーケティングリードの上田俊輔氏。説明会では、Oculus Quest 2のスペックのポイントや、日本での販売などについて話があった。
Oculus Quest 2はVRのスタンダードデバイスとなるか?
Oculus Quest 2のポイントは、前世代Oculus Questをベースとしながら様々な面でアップグレードしていること。単眼の解像度は1440×1660から1832x1920と約50%上昇しているほか、リフレッシュレートは最大90Hzまで対応する。Socは2019年末に発表されたQualcommのSnapdragon XR2を採用。RAMは4GBから6GBへと引き上げられている。
一方で、変わった点もある。まず、本体の重さは571g→503gと軽くなった。Oculus QuestでのIPD(瞳孔間距離)は無段階で調整できたが、Oculus Quest 2は3段階。レンズ部分を直接カチッ、カチッとズラして、58、63、68mmに調整できる。さらに、同梱のコントローラーは形こそ大きな変化はないが、電池の持ち時間が4倍ほどになっている。
さらにアクセサリーとして、ストラップやフェイシャルインタフェースなども販売されるという。装着に関するアクセサリーを別売りとすることで、より多くの人にフィットすることを目指しているそうだ。
加えて、プルエット氏はOculus Quest 2がOculus Linkに対応していることも強調した。Oculus LinkはOculus Quest 2をPCと接続することで、PC用のVRを遊べるようになる機能。純正のOculus LinkケーブルそのものはOculus Quest 2のパッケージには付属しておらず、別途アクセサリー品として購入できる。機能自体はOculus Questにもあるが、長らくβ版だったOculus LinkをOculus Quest 2ローンチに合わせて正式版としてリリースできるよう開発中だという。
「PC用のVRヘッドセットとしても、Oculus Quest 2はそこそこの性能があります」とプルエット氏は語る。RiftとQuest用のタイトルは完全に別物として扱われており、ストア自体も異なる。しかしこのOculus Linkを利用すれば「Oculus Quest 2ひとつで、だいたいのVRタイトルをカバーできるのではないか」とした。
Facebookは日本市場に本気! 日本向けコンテンツも用意
説明会のもうひとつのトピックは、Oculus Quest 2を日本でも本格的に販売する点だ。
Questは「正直、日本用に作られてはいなかった」とプルエット氏は振り返る。しかしFacebookは、日本市場を戦略優先順位をTier 1と位置づけて、積極的にマーケティングを行なっていく。
そのひとつが、コンテンツの強化。つまり、日本向けのコンテンツを用意することだ。具体的にはリズムゲーム「Kizuna AI - Touch the Beat!」、シューティングゲーム「Rez Infinite」、レースゲーム「リトルウィッチアカデミアVR ほうき星に願いを」、リズムゲーム「スペースチャンネル5 VR あらかた ダンシングショー」などをリリースし、今年から来年にかけてストアの内容を充実させていく。
さらに日本向けには、小売店と協力してより多くの販売体制を整えていくという。パートナーはビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、GEOなどで、店頭での販売はOculusとして初めてとなる。店頭では体験コーナーも設置する予定で、感染症拡大防止に最大限配慮しながら、より多くの人にOculus Quest 2を体験してもらいたいそうだ。
日本を重要視する理由として、上田氏はQuestの反応が日本ではよかったこと、日本のゲーム市場が大きいこと、さらには日本には優秀なクリエイターが数多くいることを挙げた。日本のクリエイターに声をかけ、ストアの内容を充実させて、その売上がクリエイターに返還されてエコシステムが機能する。発信力のある日本クリエイターのゲームは、きっと海外でも受け入れられるだろうという狙いもある。
なおプロモーションコンセプトは世界で統一されているが、日本だけは独自の内容で展開するそうだ。理由は、Oculusが世界と比べてもそれほど認知されていないこと、日本のVRユーザーはゲーム以外にも興味があること。この2点を鑑みて、より日本に浸透しやすいプロモーションを打つのだとした。
プルエット氏は「Oculus Questはとても売れて、在庫切れになった時期も多かった。受け入れられたのはよかったが、一方でほしいときに手に入らない状況も作ってしまった。なので、Oculus Quest 2は多めに製造することにした」という。日本での販売も「在庫は多く用意している」そうで、気合は十分といったところだ。Oculus Quest 2の快進撃に期待したい。