インタビュー

開発キーマンに聞く!新作MMORPG「V4」の魅力とは

サーバーの垣根を越えた、他のプレーヤーとのやり取りから生まれる面白さ

9月24日10時 配信予定

価格:無料(アイテム課金制)

 ネクソンはAndroid/iOS/PC用新作MMORPG「V4」の配信を9月24日10時より開始する。

 「V4」は「HIT」、「OVERHIT」などアクション性の強いタイトルを開発してきたNAT Gamesが送り出すMMORPG。Unreal Engine 4を使った美しいグラフィックスやPCとのクロスプレイ、サーバーの垣根を越えて他のプレーヤーと遊べる「インターサーバーシステム」などが特徴のタイトルだ。

 今回は「V4」開発プロデューサーのイ・ソンホ氏にメールインタビューを行なった。氏は質問に対し、本作のコンセプトや魅力、気になる課金要素から運用方針まで多くのことを語ってくれた。別途お届けしているプレイレポートとあわせて、インタビューをチェックしてサービス開始に期待して欲しい。

【【「V4」】トレーラームービー】
NAT Games「V4」開発プロデューサー イ・ソンホ氏

「他のプレーヤーとの関わりから生まれる経験で、MMORPGの本当の面白さを提供したい」

――まもなく配信を迎える「V4」はそもそもどんなタイトル、どのようなMMOなのでしょうか?

イ・ソンホ氏:「V4」は、2019年11月に韓国でリリースされたMMORPGで、大規模のユーザーが集まって繰り広げる戦闘やボス討伐のようなコンテンツに集中したタイトルです。最近はグローバルサーバーがリリースされており、まもなく日本版のサービスが開始される予定です。

 「V4」―Victory Forは、それぞれ求めるものが違うユーザー同士が集まって努力することで勝利し、そこから各自が望むものを手にすることを期待して名付けたタイトルです。

 開発当時のモバイルMMORPGは、小規模のユーザー同士が集まって行動するタイトルが多かったのですが、「V4」ではパーティーより大きい、数十人規模のギルドが目標を決めて一緒にゲームを楽しめるようにデザインすることに重点を置きました。さらには、ギルド同士が連合を作り、1つのサーバーとして他のサーバーと勝利を競うことができるようなゲームを作ることに集中しました。

――「V4」のポイントはどんなところでしょうか?

イ・ソンホ氏:既存のMMORPGは“サーバー”という垣根の中でユーザー同士のやり取りに基づく様々なコンテンツが設計され、提供されてきました。しかし、「V4」はそこからもう一歩踏み出して、もっと多くのプレーヤーが一緒に遊べるゲームを作りたいと思い、そのために「インターサーバー」というシステムを設計しました。

 他のサーバーのプレーヤーたちと協力したり、競争したりできるように、色んなサーバーのプレーヤーたちが自由に出入りできる「ルナトラ」というフィールドを作り、強力なボスモンスターだけでなく、サーバー全体のユーザーに恩恵を与える「聖物争奪戦」などもインターサーバーに基づくコンテンツとして開発されました。このように“自サーバー”に限らず、“他サーバー”のプレーヤーたちとのやり取りの中で経験できる様々な楽しさを通じて、MMORPGというジャンルの本当の面白さを提供できると期待しています。

 既存の小規模なパーティ単位のプレイや、バランスが崩れやすいRvRの構造の限界を超えるため出した結論が、インターサーバーの導入でした。この構造は、パフォーマンスを出しながらもスムーズにゲームに溶け込ませるのが難しいため、PCのMMORPGでもあまり採用されなかったものです。ですが本格的なMMORPGの実現のためにはどうしても必要な機能だと考えました。そして、開発チームの頑張りもあって無事に完成させることができました。インターサーバーの導入により、ルナトラのフィールドから得られる報酬をかけてサーバー対サーバーの競争という大きな枠組みを作り出すことができました。

 プレーヤーは良い報酬が期待できる他サーバーのルナトラフィールドに進入できますが、同時に自サーバーのルナトラフィールドも守らなければなりません。しかし、同じサーバー内でもギルドとギルドの競争や連合が存在しますので、色んな人たちのやり取りの過程で、それなりのバランスが維持され、その中でそれぞれのプレーヤーが自分の求めるものを手にするために動くというのが、「V4」の基本的なプレイになります。

 もちろん、1人のキャラクターがどんなに強くなったとしても、1人で出来ることには限りがあります。なので、ギルドを結成して一緒にプレイをすることが推奨されますし、ギルド同士でも時には手を組む、またある時には敵対するといった瞬間もあるでしょう。

 「V4」のもう1つの特徴としては、ギルドシステムの強化があります。ギルドメンバーたちと攻略することができる、ギルド専用ダンジョンや、様々なギルド効果などを付与しています。

――これまで貴社は「HIT」、「OVERHIT」などアクション性の強いタイトルを展開されてきました。今回新たにMMORPGを開発することになったのはなぜでしょうか?

イ・ソンホ氏:NAT GAMESではアクションRPGの「HIT」や、キャラクター収集ゲームの「OVERHIT」に続いて、大規模のユーザーが相互作用する本格的なMMORPGを作りたいという気持ちがありました。開発が決まった時期には、スマホのパフォーマンスもどんどん発達していましたので、モバイルで数百人規模のプレーヤーが集まる3DのMMORPGをリリースするにも時期的に問題ないだろうという考えもありました。

 開発チームは、以前からPC MMORPGでの豊富な開発経験を持っていましたが、モバイルでは新しい環境に挑戦することになるので、原点に立ち返ってゲームのコンセプトに悩んでいました。そして、その結果として生まれたのが今回リリースした「V4」です。

日本でも 「V4」本来の魅力をそのままに!

――開発当初、最も苦労されたのはどんなところでしょうか。

イ・ソンホ氏:インターサーバーの導入が、最も苦労したポイントです。前の回答にもありましたが、既存のパーティ単位のプレイとは違う、大規模の戦闘のような経験を「V4」で提供することが目標でしたので、バランスが崩れやすいRvRとは違う方法でこれを実現しようとしました。ゲームデザインと、プログラムの技術という2つの側面で大きなチャレンジでしたので、かなり苦労しました。

 インターサーバーのシステムを無事に完成させた今は、このシステムを基にして、ワールドボスや次元乱闘戦のようなサーバー間の競争コンテンツを実装しており、ユーザーの皆さんからの反応も良いので、苦労した甲斐はあったと思います。

――韓国・台湾では既にローンチされていますが、現地での反響はいかがでしょうか?

イ・ソンホ氏:韓国ではもうすぐローンチ1周年を迎えます。相変わらず、多くのユーザーさんが「V4」を愛してくださっていて、直近で実装した新クラスの「マエストロ」に対する反応も、予想以上に良いものでした。台湾や、続いてリリースしたグローバルサーバーでも良い反応を得ています。この勢いを維持していくためにも、継続して新規コンテンツを準備しており、日本版でもある程度の時間差はあると思いますが、順次適用していく予定です。

――それはどんなところが受け入れられたとお考えですか?

イ・ソンホ氏:「HIT」と「OVER HIT」をサービスしながら学んだことは、ユーザーの立場から考え、ユーザーとの迅速なコミュニケーションが大事だということでした。開発チームでどんなに頑張って準備したものでも、実際のサービスでは予想と違う結果が出ることも多々あります。そんな時ほど素早くユーザーの皆さんのご意見を反映し、包み隠さずコミュニケーションを取ってきたことがユーザーに良い点として受け入れられたと思っています。

――韓国版、台湾版はどのような方針で運用されているのでしょうか?

イ・ソンホ氏:運営方針については、それぞれの地域の文化を考慮していますが、基本的にはプレイヤーの声に耳を傾けて素早く対応していくことをベースとしています。その中でも「V4」で重要視している基準の1つは、プレーヤーが積み上げてきたものの価値が損なわれないようにすることです。

プレーヤーが積み上げてきたものの価値を大切にする方針がある

――日本版ではどこに注力してカルチャライズを行なわれましたか?海外版との違いなど、主な調整ポイントとその意図を教えて下さい。

イ・ソンホ氏:日本はゲーム文化が最も発達している国であるだけに、他の地域に比べて守るべきルールは細部にわたって定められていると思います。そういったコンプライアンスを守るために、一部の仕様を微調整していますが、「V4」というゲームが持つ本来の魅力はそのまま守られています。また「V4」を楽しみにしてくださっているユーザーの皆さんも、本来の仕様に近い形を望んでいると聞いています。

――海外版と比較して、日本版コンテンツの実装速度はどのようなペースになりますか?

イ・ソンホ氏:日本版のコンテンツ実装速度は、少し早めのペースで進められる予定です。ローンチ後の最初の大規模アップデートは、まず新規エリアの追加になる予定です。その次の大規模アップデートでは、他のサーバーと競争する聖物争奪戦のコンテンツ、またその次は新規クラスを披露できるように頑張っています。こられは、韓国においては多少の間をおいて実装されてきたコンテンツになります。

リリース後のアップデートとして新規エリアの追加が行なわれる。そして新しいPvPコンテンツなどが順次実装予定だ

装備ガチャなし。課金アイテムは”時短”のために

――いわゆる「装備ガチャ」や装備の昇級、合成などが無いのは最近のゲームではかなり珍しい作りだと思います。このシステムを採用したのはなぜですか。

イ・ソンホ氏:開発チームでは、既存のモバイルMMORPGで残念だと感じた部分を補完しようとしました。ユーザーが努力して築き上げたものの価値を最大限保持し、取引所で自由に取引ができる環境を作りたい、という想いがありました。

――先日の発表会では「アイテムは基本的にはドロップで獲得できる」とおっしゃっていました。では主要なマネタイズはどのような仕組みとなっていますか?

イ・ソンホ氏:基本的に、装備品をはじめとするすべての成長要素はフィールドで獲得できるようにしています。課金は、その成長に必要な時間を短縮する部分に重点を置いているため、各自が自分のキャラクターの成長度合いによって課金をするか、しないかを選択することができます。

アイテムは基本的にドロップで獲得でき、ドロップしたアイテムは取引所を通じてやり取りできる

――「インターサーバー」システムによってどんな遊びが楽しめますか?

イ・ソンホ氏:インターサーバーシステムによって構成されるルナトラというフィールドは、他のサーバーのプレイヤーと競争することになるので、より良い報酬を提供します。このルナトラのフィールドで登場するネームドモンスターやフィールドボスを巡る競争の中で、PvPが活発に行われることもあります。

また、毎週定期的にインターサーバーを活用して他のサーバーから聖物を奪い、自分の所属するサーバーの聖物を守る聖物争奪戦が、今後のアップデートで実装される予定です。

――海外ではインターサーバーはどのような遊ばれ方をしていますか?

イ・ソンホ氏:他の地域では、現在インターサーバーを通じて聖物争奪戦以外にも、たった1つのフィールドを巡って全サーバーが競争する特別なエリアが実装されています。このエリアでは、自身が所属するグループの全プレーヤーが最高の報酬を目指して競争しているため、パワーバランスが激しく変化し、ダイナミックなドラマが繰り広げられています。そういった点を、ユーザーの皆さんも楽しんでいただいていると思います。

 今後は、すでに韓国サーバーでは実装されている機能ですが、他のサーバーとマッチングして行われる乱闘戦や、すべてのサーバーから厳選された最精鋭のメンバーが参加して決められた時間内に倒すために競争するワールドボス攻略戦のような、インターサーバーコンテンツが追加される予定です。

インターサーバーシステムにより構成されるルナトラというフィールドではネームドモンスターやフィールドボスを巡る競争が生まれることが予想される

――これまで2回にわたって生配信が行なわれてきましたが、現状の日本からの反応や手応えなどはいかがですか?

イ・ソンホ氏:日本版の運用を担当するNEXONから、生配信についてユーザーの反応を共有頂きました。ゲスト出演者の方たちのお力添えもあり、第1回、第2回と番組自体が非常に盛り上がった形で配信ができたと聞いております。ゲームに対する視聴者の反応も良く、いい形でカウントダウンに繋げられたと感じております。この勢いをそのままに、サービス開始まで繋げたいと考えております。

【【最速先行プレイ】第1回V4公式生放送「ぶいふぉーTV」】

【【リリース日発表!】第2回V4公式生放送「ぶいふぉーTV」】

――「V4」は今後、日本のMMORPG界でどんなポジションを狙っていきますか?

イ・ソンホ氏:「V4」は、数百人に及ぶ大規模のユーザーが同じ空間の中でやり取りをするMMORPGの原点に立ち返るべく開発されたタイトルです。モバイルではなかなか体験することが難しかった部分が今は可能となりましたので、日本のユーザーの皆さんに幅広く楽しんでいただければと思っています。

 モバイルMMORPGでもここまでのことが出来るということを見せられるタイトルを目指していきたいと思います。

――イベント開催など、ローンチ直後のスケジュールはどのようなものを予定していますか?

イ・ソンホ氏:こちらも運用を担当するNEXONとともに、ローンチ直後のキャンペーンなどを協議致しました。配信当日の9月24日からは最強のフィールドボスを最初に討伐した貢献度1位のユーザーにトロフィー(現物品)を授与する「最強ボスを倒すのは誰だ!?キャンペーン」、続けて9月29日からは「TVCM記念総額400万円分プレゼントキャンペーン」と「V4スクリーンショットコンテストキャンペーン」が同時開始いたします。同時にインゲームではキャラクターの育成を強力にサポートするアイテムが手に入る「GRAND OPENスペシャルログインボーナス」イベントなど、複数のベントを同時開催する予定です。

――最後に、「V4」の配信を待ち望んでいたファンの皆様に一言お願いします。

イ・ソンホ氏:日本でのサービス開始まで、あと少しとなります。開発チームとしても、期待やワクワクが止まらない時期です。「V4」は他のプレイヤーと協力して一緒にプレイする時に最も楽しく遊べるゲームとして作り上げてきましたので、気の合う友達や仲間と一緒に「V4」を楽しんでいただければと思います。