【特集】

【PS Plusクラシックスレビュー】PS「ミスタードリラー」

地下深くを目指して掘り進め! アクション要素強めのパズルゲームシリーズ原点

【ミスタードリラー】

プラットフォーム:プレイステーション

発売日:2000年6月29日

価格:4,800円(税別)

 6月2日にサービスが開始される有料サブスク「PlayStation Plus」のプレミアムにてプレイできる1本に、この「ミスタードリラー」が入っている。1999年にアーケードゲームとしてリリースされ、当時としては比較的早い約7カ月後にプレイステーション他へと移植されたパズルアクションゲームだ。ここではゲーム機「プレイステーション クラシック」に収録されたものを使用し、その内容を紹介していく。

「ミスタードリラー」のゲーム画面。基本的な画面構成は現在も変わらない

落ち物パズルっぽさと下へ下へ掘り進むアクションが融合

 ゲーム画面は“落ちもの”のパズルゲームに近いが、プレーヤーが操作するのは主人公の「ホリ・ススム」で、舞台となるのは横に9ブロック分の幅がある地下の世界だ。ススムは手持ちのドリルで上下左右のブロックを掘り、目標となる地下のゴールまで進んでいくのが目的となっている。

ブロックは掘ると上にあるものがぐらぐら揺れて落ちて、同じ色が連結すると消える。潰されないように注意
茶色い「×」のブロックは掘ると酸素が減ってしまう。できるだけ連結させて消そう

 ススムの行く手を阻むブロックは掘ると空間ができ、上にブロックがある場合は落ちてくる。さらに「同じ色のブロックが4つ以上連結すると消える」、「繋がった状態のブロックはひと堀りで全て消える」、「繋がった状態のブロックは落ちたときに消える」といったパズルゲーム然としたルールが存在している。

 ススムはブロックに押しつぶされないようにしながら、時間で減っていく酸素をステージ中に落ちているカプセルで補給しつつ、ブロックを掘って下へ下へと進んでいくのが基本戦略となっている。ススムを動かして進めていくゲームシステムということもあり、パズル要素よりはアクション要素のほうがやや強めで、そのあたりが筆者の好みにもヒットし、本作とそれ以降のシリーズもプレイしている。

ブロックは左右にあるものを1段分だけ登ることができる
ススムの命を繋ぐ酸素カプセル。スコアにもなるので、できるだけ取っていきたい

 深く掘り進むと、ブロックの色数が少なくひと堀りで大漁のブロックが消えるステージや、酸素カプセルが簡単に取りにくいステージなどバリエーションが出てきて、さらに酸素の減りが早くなり難易度も上がっていく。

本作のメインとなる「アーケード」モードは1,000mがリミットとなるが、ノーミスでどこまで掘り進めるかを競う「とことん」モードは1,000mと2,000mから開始する難易度を選べ、上級者も楽しめるものとなっている。

色数の少ないステージはブロックがどんどん消えて気持ちがいい
深い場所はカプセルが取りづらくなり、難しくなっていく

 その他、「タイムアタック」モードは、酸素の概念がない代わりにタイマーがあり、設定された時間内のゴールを目指しつつ、そのクリアタイムを競うという、家庭用移植版のオリジナルモード。ステージ上には経過時間時間を減らすストップウォッチが存在し、それを取ってタイムを縮めていくのである。

タイムアタックは目標タイムを更新しつつ、さらにいいタイムでゴールしなければならない。ストップウォッチは必ず取ろう
ゲームモードは3種類だが、これだけでも十分楽しめるはず

 この「ミスタードリラー」はスマッシュヒットとなり、以降様々なハードでシリーズが続く人気作品へと成長していった。シリーズを重ねるごとに登場キャラクターが増え、ススムの両親が旧ナムコ時代の名作タイトルの主人公だったという設定が付けられ、それにより同社の多数のSFタイトルの世界観を包括する「UGSF(United Galaxy Space Force:銀河連邦宇宙軍)」に組み込まれるなど、その後の展開も実に面白かった。

主人公のススム君。後のシリーズでは、個性的な仲間達が増えていく

 近年新作の出ていないシリーズとなるが、一昨年から昨年にかけ各ハードで「ミスタードリラー アンコール」が発売された。2002年発売の「ミスタードリラー ドリルランド」のリマスター版となるが、現状の最新作である。その基本となるルールは当時から変わっていないので、もし今回のPS Plusプレミアムで配信される本作を遊んで面白いと感じたら、ぜひ「アンコール」も体験して、その成長の様子を味わってみていただきたいものだ。

まずは500mクリアを目指そう。1000mクリアは結構難しい
「ミスタードリラー アンコール」
「ミスタードリラー ドリルランド」