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【PS Plusクラシックスレビュー】PS「JumpingFlash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻」
ムームー星人がかわいい! ジャンプ主体の一人称視点アクション
2022年6月2日 00:00
- 【JumpingFlash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻】
- プラットフォーム:プレイステーション
- 1995年4月28日発売
- 価格:5,800円(税別)
「JumpingFlash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻」はFPS視点の3Dアクションゲーム。1995年に発売されたが、発売当時の筆者には購入した記憶もゲームを実際にプレイした記憶も残っていない。しかし、昔の宇宙人のイメージをコミカルにデフォルメした本作のマスコットキャラクター「ムームー星人」は印象に残っており、当時は空気で膨らませる人形なども所持していた記憶は残っている。
ムームー星人の人気もあってか、翌年1996年には続編の「JumpingFlash! 2 アロハ男爵大弱りの巻」も発売されており、当時の筆者はよっぽどムームー星人が好きだったのか、プレイした記憶はないにも関わらず、ソフトは2本とも所持していた(つまり忘れているだけ?)。
折角手元にありながらプレイの記憶がないのはもったいない。そんな思いもあり、今回改めてゲームをプレイしてみたが、これを覚えていない己の記憶力を嘆いた。なんともったいない。ということで、今回は1作目「JumpingFlash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻」を紹介していく。
なお、「JumpingFlash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻」は有料サブスクサービス「PlayStation Plus」の最上位プラン「プレミアム」にてプレイできる。合わせて見ていただければ幸いだ。
独特のジャンプアクション! うさぎ型ロボット「ロビット」が活躍
起動するとオープニングムービーが流れる。悪の科学者、アロハ男爵が部下のムームー星人とともに悪事を企んでおり、それに対して宇宙市役所の役人がうさぎ型のロボット「ロビット」に搭乗して出動し、これに対処するというもの。ナレーションは講談師の宝井馬琴氏によるもので独特の雰囲気を感じさせる。
本作はDUALSHOCK登場前のタイトルなので、アナログスティックを使わずに操作する。全ての移動を十字カーソルで行ない、視点変更はなく、移動した方向を向くという仕組みだ。限られた環境の中で考えられたうまい操作スタイルだ。
初見プレイ時はマニュアルなどを何も見ずにトライした。本作は十字キー操作のみでの一人称視点アクションとなっているが、カメラの移動や回転がスムーズなので、自由にカメラ操作できない点を除けば意外と快適だった。
ただ、目的が分からなかったので、とりあえずフィールドに登場するカエルの敵などをガンガン攻撃して倒していたのだが、これが思いのほか気分爽快で、ついつい敵を倒しまくってしまっていた。
ところが、これだといくらプレイしていてもクリアできない。何度かのタイムアウトを経て、ここで初めてクリア条件が異なることに気が付いた。そこで改めて確認してみたところ、本作のクリア条件はフィールド内に散らばる「JETPOD」と呼ばれるニンジン形状のアイテムを全て集めて、ゴールに向かう事だという。
そうなるとショットよりも重要になるのがジャンプだ。ロビットは最大3段ジャンプでより高いところに飛び移ることができる。ただ2段、3段と段が増えるごとにタイミングが非常にシビアになり、思った通りにジャンプするのがかなり難しい。実際、3段ジャンプが成功していれば渡れるような場所も2段ジャンプ止まりでうまくいかず、落下してしまうことも多々あった。
ただ救済措置もあって、ちょっと遠回りすることで2段ジャンプだけでも高い場所に到達してクリアできるようになっていた。また、空に向かって回転する風車の上にジャンプすることで、風を活かしてより高く飛ぶべるなどのギミックやテクニックを活用することでさらに高い場所に移動も可能だ。
操作していて独特だなと感じたのが、ジャンプ1段目は正面を見たままのジャンプなのだが、2段ジャンプ時に視点が真下に切り替わること。そのため、どこに向かって飛んでいるのかをジャンプ前に把握しておかないと、2段ジャンプ以降に行き先を見失う危険がある。ここは注意だ。
順調にJETPODを集めてステージをクリアしていくと、ボスキャラが出現。こちらは完全なシューティングバトルとなっており、敵の攻撃をかわしつつ、こちらのショットをガンガン決めていく。敵の行動はパターン化されているので、このパターンを把握して、敵の攻撃を回避しつつ、反撃していくことでステージ1はなんとかクリアできた。
本作では他にも天井が低く、ジャンプをほぼ行なわずに迷路のようなフィールドを進むステージもある。このようなステージでは敵との戦闘は避けられない。それでもなるべく敵と戦わず、面倒そうな相手は無視して逃げる戦略も有効だ。
ムームー星人のキャラが強い! 初プレイならデモ画面が必見
無事ステージをクリアすると、ムームー星人のカットシーンが入る。プレーヤーにやられたムームー星人が大衆居酒屋にやってきて、別のムームー星人に愚痴をこぼしているようだ。ステージをクリアするとこんな感じの「ムームー星人同士の会話」というなかなかにシュールなビジュアルが堪能でき、ムームー星人ファンには歓喜のご褒美となっている。
それにしても本作はムームー星人を強く推す場面が多いのだが、説明らしい説明はゲーム中にあまり見られないので、当初筆者はムームー星人が主人公なのかと思っていた。前述の説明は全て後から調べて分かったことばかりで、色々と調べてみて、ムームー星人が敵ボス「アロハ男爵」の部下だと知った時はかなり驚愕した。ムームー星人がロビットに乗ってるわけじゃなかった!
とはいえ、本作のアクションはかなり中毒性がある。実際にステージを進めていると難所も多く、落下したら即死するような地面のない場所のジャンプアクションなども出現したり、JETPODのある場所までの経路なども難解になっていく。
手持ちの残機がなくなればゲームオーバーとなるが、ついついコンティニューを繰り返してしまう。なお、本作は1ステージ3ラウンド構成になっており、コンティニューする場合は、ステージの最初からやり直しとなる。
3Dアクションの動きが全体的にスムーズな事もあり、やり直すことで少しずつ攻略パターンが見えてくるため、何度もリトライしたくなるほどよい難易度になっているのが、中毒性の要因だろう。
そして、本作はタイトル画面でそのまま放っておくと、昔のアーケードゲームのようにプレイデモが始まる点も重要だ。このプレイデモでは、筆者が初見では気が付かなかった「JETPODを3本取ってゴールに向かえばクリア」というルールが紹介されるほか、左下にプレイステーションのコントローラーのアイコンが表示され、操作する時のボタンなどが表示されたまま、実際のステージのデモプレイが行なわれる。どのような操作でどのようにロビットが動くのか、3段ジャンプのタイミングなども分かりやすくチェックできる。
また、風車を活かすなどの役立つテクニックも紹介されるので、初見の人がプレイする際にはタイトル画面で何も開始せず放置して、これらのデモを見てからプレイを始めるのがオススメだ。
言わば、このデモがチュートリアル代わりになっている。これならマニュアルを読まなくても、チュートリアルがなくてもルールが把握できて、操作方法なども理解できる。そもそも一昔前のアーケードゲームには、大体このような操作説明を行なうプレイデモが必ず含まれていた事を思い出して、ちょっと懐かしい気分にも浸れた。
当時ならではの少し粗めのポリゴンながら、動きはかなりスムーズで、今見ても色褪せない爽快なアクションは思わずのめり込む要素が盛りだくさんだ。ムームー星人を取り巻く不思議な世界観も堪能できるので、この謎の生物の生態を確認するべく、是非プレイしてみてほしい。