インタビュー

「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(前編)

いよいよβテストがスタート! ベンチマーク、世界設定、PS3版などなど気になる要素を聞いてみた

2月8日収録

スクウェア・エニックス本社

 スクウェア・エニックスが目下社運を賭けて開発中のMMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」。昨年末の12月27日にαテストを終え、約3カ月のインターバルを挟んで、2月25日からようやくβテストがスタートする。

 既報のように「FFXIV: 新生エオルゼア」のβテストは、フェーズ1から4までの4つの段階に分かれており、それぞれテストの内容が異なっている。ざっくりそれぞれの目玉を挙げるとと、フェーズ1ではF.A.T.E.(Full Active Time Event)、フェーズ2ではPC版ゲームパッドモード、フェーズ3では、新エリアとしてリムサ・ロミンサ、ウルダハエリアまで世界が拡張され、待望のプレイステーション 3版のβテストがスタートする。そしてフェーズ4は、ワイプ無し、キャラクター引き継ぎありのオープンテストとなる。

 「FFXIV: 新生エオルゼア」開発/運営チームでは、今回のβテストの実施に先立ち、日本、北米、欧州の3箇所でメディアツアーを実施し、堰を切ったように大量の情報を公開した。弊誌でも、βテストフェーズ3相当の最新クライアントでの試遊レポートと、プロデューサー/ディレクターの吉田直樹氏へのインタビューをお届けする。

 今回もロングインタビューになったため、前後編に分けてお届けする。前編では、メディアツアーの情報解禁に合わせて公開がスタートした、ベンチマークテストに関する話題を皮切りに、「新生FFXIV」の世界設定やPS3版、ゲームパッドモードなどMMORPGとしての基本仕様について話を伺っている。インタビュー後編では、フリーカンパニー、新種族、F.A.T.E.などβテストから実装される新規ゲームコンテンツについて話を伺っている。

【プロデューサーレターLIVEのテスト版?】
2月21日の21時過ぎに“ニー祖堅”こと祖堅正慶氏と、“もっちー”こと望月一善氏による謎のライブ「FINAL FANTASY XIV Letter from the Producer LIVE Part V TEST」がゲリラ放送された。22日のプロデューサーレターLIVEの前座に当たるような内容で、本当にどうでもいい雑談を交えつつ、いかにもテスト版らしい放送トラブルに見舞われながらも、祖堅氏の本業であるサウンドまわりの先出し情報としてウルダハのBGMが公開された。意図的なのか不明だが、音割れが酷かったのが残念(笑)。ベストな状態で再度聞いてみたいところ

ついにベンチマークが公開! さらにブラッシュアップされたグラフィックスをチェック

「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー/ディレクターの吉田直樹氏。後ろに見えるのはフリーカンパニーをあしらった新デザインのポスター

吉田直樹氏:東京を皮切りに昨日からメディアツアーをスタートさせてもらっています。日本のメディアの方達は、割と積極的にタイトルを調べて、事前に質問を考えてきてくださるんですが、欧州北米のメディアさんは「さあ集まりましたよ、何を言うんですか?」というモードになるので、まずはそもそも「FFXIV」って何なのか、リローンチって何なのか? と言うことを改めて説明するために今回はスライドを用意しています。

 GAME Watchさんはもう知ってる話ばっかりなんですが、そもそも北米欧州のメディアさんだと、「新生FFXIV」って「拡張パックなんだよね?」と誤解されている方すらいたりしますので、改めて基礎から全情報の徹底をと思っています。では、今回のメディアツアー用に用意した新しいトレーラーが1本あるので、まずはそちらをご覧いただきたいと思います。

【「FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn」ベンチマークトレーラー(ワールド編)】
今回の海外メディアツアーに合わせて公開された最新トレーラー。実はベンチマークプログラムの映像そのものという仕掛けがおもしろい。以下のインタビューではこのトレーラーの内容をベースに話を進めているので、ぜひ1度ご覧頂きたい。

吉田直樹氏:新トレーラーと言う割にはこれまでに公開している映像も入ってますが、実はこれはこのままベンチマークソフトになっています。

――今見たのはトレーラー、つまり動画ですよね? この映像がベンチマークソフトとしてリアルタイムレンダリングで動作する?

吉田氏: そうです。このトレーラーはベンチマークをキャプチャーしただけです。

――「ベンチマークトレーラー」とあるので、ファイル名を付け間違えたのかと思ったんです。実際はこれにスコア表示とかが入るわけでですか?

吉田氏: そうですね。今はスコア表示とロゴを消しているだけです。

――スクエニさんのベンチマークだと「FFXI」ベンチが有名ですが、「FFXI」ベンチとは設計思想がかなり違いますね。

吉田氏: 僕はやっぱりゲームのイメージが分かるものというのと、これまでPVとして出してきたものが実はPVじゃなくて「まさかこれが動くんだ!」という驚きを、ぜひ皆さんのPCで体感して欲しいというのがあったので、結構長い時間を掛けて計画していました。

――このベンチマークトレーラー、既視感のあるシーンも多く含まれてますが、フィールドの作り込みやキャラクター数、エフェクトがブラッシュアップされていて、かなりリッチな感じですね。プログラムの最適化はもうここまで来ているのだなと思いました。

吉田氏: 現状の最高品質ですが、そんなにハイスペックのPCでなくても出せますよ。皆さんのPCでも同じものが出せますよ。

――カメラワークが非常に秀逸でした。かなりこだわりが感じられましたね。

吉田氏: これはPRも兼ねているのでそこはこだわりました。ゲームのベンチマークソフトは、量販店さんやPCショップさんでも流していただけるので、これぐらいのグラフィックスを出したいならこれくらいのPCを買うといいですよという話ができますし、PR効果としてはものすごく大きいので。

【カメラワーク】
このベンチマークトレーラーはカメラワークも見所のひとつ

――このカメラワークは、イベント等のカットシーン用のカメラシステムを流用しているんですか?

吉田氏: そうです。あとは苦労して実機で撮っているものもあります。

――実際のゲームプレイでユーザーさんがあの視点で遊べるということは?

吉田氏: それはさすがにないですね。あんなフライスルー、それこそどのゲームだってあんなカメラワークできないじゃないですか(笑)。

――かなり俯瞰視点から撮ってますが、これはあえて負荷を掛けるため?

吉田氏: そうです。ベンチマークなので処理負荷を掛けないといけないじゃないですか。だからあえてキャラクターをたくさん出していたり、チョコボの大群が走っていたり、フリーカンパニーの集団で徒党を組んでみたりさせています。1つ1つのシーンにベンチマークの意味とPRの意味の両方を入れて作ったので、割と僕らとしても面白いチャレンジをしているかなと。

――途中でパーティー一行を先導するモーグリがいましたよね(笑)。

吉田氏: あれはPRだからですね。モーグリもいますよ〜と。

――あのモーグリが、何らかの形でゲームに関係してくるとか、ああいうシーンが実際にあるというわけではなく?

吉田氏: あれは関係ないです(笑)。要はあのシーンは「FF」シリーズのいろんなモンスターがいっぱい出ますよというPR要素です。あの後ろに超巨大なアダマンがいたりしますけど、そういう意図ですね。付け加えるなら、F.A.T.E.(Full Active Time Event)は、ああいうイメージですと言うメッセージでもありますね。

――なるほど、冒険者達が街道を走りながらその沿道でバトルが起こってましたね。

吉田氏: F.A.T.E.はあんな感じになります。NM戦とかはまさにあんな雰囲気です。

【F.A.T.E.っぽいシーン】
街道では多数のバトルが発生している

――トレーラー終盤のリミットブレイクシーンがかなりブラッシュアップされていましたけど、グラフィックスに関してはこれでだいたい完成に近い感じですか?

吉田氏: そうですね。例えばイエロードラゴンの皮膚感とか、しわのよった感じとかお気づきになったと思います。あれがモンスターに関しては、FIXクオリティだと思ってもらえれば。

――バトルスタート時にミコッテナイトがフッと上を向くじゃないですか。あれはトレーラー限定の演出ですか? それともそういう仕様が組み込まれていて、実際にプレイしてても大型モンスターの場合はああなりますか?

【ミコッテの視線】
ミコッテナイトがドラゴンに視点を変えるシーン

吉田氏: 仕様です。大型モンスターだと上をみたり、小さなモンスターだと下を見たりします。モンスターの大きさ毎に、プレーヤーの視点が設定されています。

――トレーラーのラストシーンのメテオの投下。これもまたエフェクト周りがかなり進化してましたね。あれがだいたい完成系ですか?

吉田氏: そうですね、おおむね完成かなと。グラフィックスが安定してきて煮詰まっているので、ブラッシュアップできましたね。

【メテオ投下エフェクト】
Gamescomのリミットブレイクトレーラーからかなり進化している。ぜひ見比べてみよう

――それから、バトルシーンの各種エフェクトや陽光のレンズフレアとか、あのあたりのエフェクトも良い感じですね。

吉田氏: そうですね。エフェクトはほぼ仕上がりました。実は年末にやったニコニコ生放送イベントでも言いましたが、さらにこの1つ上の設定もあります。超ハイエンドPC用向けのグラフィックスの制作はもうスタートしていますが、ひとまずはこのトレーラーのクオリティを皆さんのPC上で確認して頂きたいですね。

【エフェクト】
リッチなエフェクトも大きな見所のひとつだ

――ちなみにそのさらに上の設定というのは、いつ頃実装予定ですか?

吉田氏: 正式サービスの時にはたぶん用意できていると思いますよ。

――それはグラフィックスオプションとしてはどういう名称になるんでしょうか?

吉田氏: 今そこをちょっと悩んでいるところです。要は印象の問題で、例えばローエンドのPCで動かす時に、あんまりネガティブな名前を付けたくはないじゃないですか。「低品質」とは書きたくないですし、かといって「なんとか動きます」といった名称も微妙ですよね。やっぱり上にもうひとつ名称足すしかないのですが、なかなか良いネーミングを思いつかなくて(笑)。

――ベンチマークの基本仕様について教えて下さい。

吉田氏: 単純に標準、高品質、最高品質というタブがあって、まずはそれに合わせて好きなように設定して回していただければ。初期設定は標準で、影の表現が自分の背景のみであったり、LODの設定が有効になっているなど、標準的な品質になります。

――まずは標準で回してみて、自信がある人は設定をひとつずつ上げていくイメージですね。

吉田氏: 非常に快適みたいなのが出たら、1つタブを切り上げてみて、それでやや重いという判定が出たら、オプションをいくつか切ってまわしてみるという感じになるようにしてあります。

――何度か回してみて最適な設定を見つけていってほしいと。

吉田氏: それで、動作が快適そうな設定を見つけたら、もう一回それでベンチマーク映像を再生して、「このクオリティだったら俺は納得だな」と思ったら多分お使いのPCで大丈夫。「いや、やっぱりもっと上の品質がいいなあ」と思った方は、PCの買い換えやパーツのアップグレードを検討する、というイメージですね。

――ベンチマークのフレームレートは可変なのですか?

吉田氏: そうです。フレームレートに関しては無制限にもできます。宣伝用として使うことも意識していますので、ループで回す場合には60フレーム固定になります。

――さっきシャドウが切れるということですが、細かいグラフィックスオプションはどのようなものがあるんですか?

吉田氏: それはゲーム内でできるグラフィックオプションを全部ベンチマークに積んであるので、かなり細かく設定できます。

――おお! そのものを実装するというのは凄いですね。

吉田氏: そうあるべきだと思いますよ。だから、影の解像度設定や、背景のみ影を表示するとか。何でもできますよ。細かい草の表示量も調整できます。

(ベンチマークプログラムを動作)

――おー、このデモPCだとグリグリ動きますね。数字で十分なんですか?

吉田氏: 7,000越えたらもう快適ですよ。普通だったら5,000くらいですよ。一応プレイができるレベルっていうのは2,000が下限で、これ以上にあれば遊べます。18,000とかだと素晴らしい。

ベンチマークスコア表
【7000〜】 非常に快適:非常に快適に動作すると思われます。お好みのグラフィック設定でお楽しみください。
【5000〜6999】 とても快適:とても快適な動作が見込めます。グラフィック設定をより高品質にしても、とても快適に動作すると思われます。
【3500〜4999】 快適:快適な動作が見込めます。グラフィック設定をより高品質にしても快適に動作すると思われます。
【2500〜3499】 やや快適:標準的な動作が見込めます。余裕があればグラフィック設定の調整をお勧めします。
【2000〜2499】 普通:標準的な動作が見込めます。
【1500〜1999】 設定変更を推奨:ゲームプレイは可能ですが、処理負荷によっては動作が重くなりますので、その場合はグラフィック設定で調整する事をおすすめします。
【1000〜1499】 設定変更が必要:ゲームプレイは可能ですが、全体的に動作が重く感じられます。グラフィック設定で調整をした場合でもあまり改善は見込めません。
【1000 未満】 動作困難:動作に必要な性能を満たしていません。

――このベンチマークには「ワールド編」とありますが、他にもあるんですか?

吉田氏: 「キャラクタークリエイション編」があります。

――ファイルサイズは何MBぐらいあるのですか?

吉田氏: まだ圧縮中ですが、いま500MBくらいです。

――ベンチマークの結果をツイートできるんですね。

吉田氏: そうです。結果をツイートしてもらって、お互いにスペックを見せ合ってもらって、それで気になった人は自分でもやってみようと思って頂ければと。

(中村聖司)