インタビュー
「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(前編)
ついに発表されたPS4版、いよいよ完成間近のPS3版、そしてβフェーズ3についてたっぷり聞く
(2013/6/12 06:00)
「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」リリース年のE3がいよいよ開幕した。昨年のE3では表だった発表は行なわず、実質的な対外的なデビューは8月のGamescomが最初だったため、E3で大々的な出展を行なうのは、「旧 FFXIV」以来、数年ぶりとなる。
今回は、実機による出展はもちろんのこと、βフェーズ3よりいよいよ参戦となるプレイステーション 3版も公開し、さらにSCEAのプレスカンファレンスやスクウェア・エニックスのプレスカンファレンスでは、PS4版の展開が明かされるなど、8月27日の発売に向けて、これまでになく密度の濃い発表が行なわれている。
我々ゲームメディアに対しても、E3での数多くの発表に合わせて、E3直前にメディアインタビューが実施された。インタビューでは、E3トレーラーが披露され、PS3版の実機デモ、そして短い時間ながらもPS3版を試遊することもできた。内容盛りだくさんとなったため、今回も前後編の2本立てでお送りする。また、試遊に関しては、試遊レポートとして別稿にてお届けしたい。
インタビュー前編では、PS4版に関する情報と、気になるPS3版、そしてβテストフェーズ3について話を伺っている。インタビュー後編では、さらに「FFXIV: 新生エオルゼア」全体を深く掘り下げる形で、バトルやジョブバランス、バディ、発売日に関する覚悟、そしてハウジングおじさんまで、様々な情報について質問を重ねてみた。
E3トレーラー公開! PS4版の仕様、E3での出展内容について
(E3トレーラー再生)
――新たなストーリーの始まりを実感させる意味深なトレーラーになってました、最後のPS4版発表のサプライズは、「騙されたな」という感じですね(笑)。
吉田氏: 騙してませんよ(笑)。E3ではまず2014年にPS4版のリリースについて発表をさせていただきます。同時に僕の方からのメッセージとして、「新生FFXIV」PS3版をお持ちの方でPS4本体をご購入なさった方は、セーブデータも引き継げますし、PS3版からプレイしていて良かったと思っていただける施策をSCEさんとお話ししているところです。
――おー、PS3版について何かありそうですね。
吉田氏: はい。安心してPS3で「新生FFXIV」を始めていただいて、PS4が発売され、本体をご購入いただければ、簡単に移行できますという形をとらせていただこうと思っています。
――2014年リリースということはPS4のローンチタイトルではないのですね。
吉田氏: そうですね。ローンチからは少しズレます。ただ、思っているよりは早いのではないかと。
――というと2014年の前半ということですか?
吉田氏: まずはPS3版とWindows版の最後の追い込み中ですので、次回の情報公開をお待ち下さい。
――PS4版は基本的にはPS3版と同じUIを採用した高画質版というイメージでいいですか?
吉田氏: はい。ただ、どこまでやるかですが、メモリに空きがれば、マウス&キーボードモードもPS4版にそのまま入れてしまってもいいのかなと考えています。
――やはりメモリが8GBになるというのは大きいですか?
吉田氏: それはもちろん(笑)。
――グラフィックスについてはどのあたりを目指していますか?
吉田氏: PCの最高品質を見ておいていただければ、これくらいは普通にいきますよと。
――PC版はグラフィックスオプションの最高設定からさらに上の設定も開発中というお話しですが、PS4版は、現在の最高設定ぐらいを出せると考えていいですか?
吉田氏: はい。PS3版とPC版の正式サービス開始後に、専用チームを作って全力で高品質を目指します。
――当然1080p対応で?
吉田氏: そうありたいですね。
――それは楽しみですね。私自身、何度か、PS4版、次世代機向けへの展開の可能性について質問させていただきましたが、「まずはPS3ですよ」というお話しだったので、あるにしてもまだ先かなと思っていました。実はこうした質問をした時期には、すでに水面下でPS4版の話はあったのですか?
吉田氏: 何度もお答えしてきたと思うのですが、僕らはそもそもPC版を持っているので、それを移行させることはそんなに難しいことではないのです。今回PS3版も、PS3というハードの限界の中で相当いけたので、おそらくこの後、またPCでゲームをするという文化が広まってきているので、もっと高品質にやりたいなという声が出るのは間違いないと思っています。であれば、世界中1人でも多くの人にプレイしていただきたいので、用意はさせていただこうかなと。
――こうなるとXbox One版がどうなるか気になりますね。
吉田氏: コミュニティが形成できるかどうか次第ですね。
――ところでコミュニティでは突然「学者」が話題になってましたが、あれはどういう話なんですか?
吉田氏: お恥ずかしい話、発売日の発表に合わせてパッケージイラストを公開する予定が、事前にイラストが想定より早く漏れてしまいまして……。イラストに描かれた未発表のキャラクターが話題になりまして。特に北米とかでは、「これ学者だろ、どう見ても」って盛り上がってしまい、「もういいよ、伏せても仕方ない」と。5月30日放送のプロデューサーレターLIVEでは、「学者ですと、ローンチから実装します」という話まではしました。ただ、学者がどういったジョブで、どのような攻撃内容になるのかは動画も含めてE3会期中で発表します。
――E3は学者に重きを置く感じですか?
吉田氏: いや、そんなことはないです。今まで未公開だというだけですね。
――学者以外の新ジョブってあるんですか?
吉田氏: パッケージイラストのジョブが、正式サービス時のすべてだと思っていただければ。
――そのE3の生放送ではどのようなことをやろうと考えていますか?
吉田氏: 「新生FFXIV」はグローバルタイトルなのですが、僕らが日本にいるためどうしても時間帯が日本向けになってしまいます。今回は北米のまさに本拠地に乗り込んだ形になるので、北米プレーヤーに広く見ていただける放送にしたいなと思っています。今回E3会期中では、「SQUARE ENIX PRESENTS」と言う3日間ぶっ通しの生放送をします。今までのスクウェア・エニックスよりも砕けたイメージのリラックスした放送になるはずで、スクウェア・エニックスがちょっとずつ変わって行っているということを感じていただけると嬉しいです。
――このβフェーズ3は、E3会場で試遊できるのですか?
吉田氏: できます。MMORPGの場合、10分や15分触って面白さがわかるものじゃないじゃないので、ちょっとイベント用というか、参加してもらうタイプの試遊を考えています。
――スタッフが手ほどきしながら20分、30分たっぷりやってくださいという?
吉田氏: もう少し凝ってて、イフリートと戦ってもらいます。イベント用に調整したやつですけどね。皆でそれに勝てたらこのグッズを差し上げますというイベントをやろうかなと。
――それは盛り上がりそうですね。スクウェア・エニックスブースの中でやるわけですか?
吉田氏: はい、特設コーナーを作ります。
――SCEAさんのブースにも出すんですか?
吉田氏: いいえ。PS4一色になりそうなので、SCEAさんのブースではトレーラーを流していただいて、実機は弊社ブースに置きます。
――PS4版出しましょうよ(笑)
吉田氏: まずは自信作のPS3版御披露目が優先です(笑)。