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「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」βテストレポート
ゲームパッドUIも実装し、クエストも充実。徐々に明らかになる「新生FFXIV」ワールド
(2013/4/26 00:00)
作り直すというニュースを初めて聞いた時には、そのあまりにも遠い道のりに不安よりも呆れを感じたものだった。2011年10月に正式に、再開発の発表が行なわれてから1年半、あの時にはとうてい不可能に思えた再開発がいよいよ佳境に差し掛かっている。
スクウェア・エニックスは、2月25日からプレイステーション3/Windows用MMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア(以下、FFXIV:新生エオルゼア)」のクローズドβテスト(CBT)を行なっている。2月25日から3月25日までフェーズ1が行なわれ、現在はフェーズ2がテスト中だ。
フェーズ1では「FFXIV:新生エオルゼア」からの新規コンテンツ「F.A.T.E(Full Active Time Event)」のテストがスタートした。また、レベルが30まで解放され、新たに2つのインスタンスダンジョンにもいけるようになった。フェーズ2では、Windows用のゲームパッドでのプレイが可能になった。
αテストのレポートでは、具体的に評価できなかった様々な要素も多かったが、CBTでは本作がやりたいことや目指す方向性が徐々に見えてきた。このレポートでは、CBTのプレイを通じて、主にクエストやバトルコンテンツをプレイして感じた本作の特徴や、面白さ、課題などを考えてみたい。
ミコッテ男性実装! βテストでもやはりミコッテ大人気
CBTはフェーズ2までは、週末の3日間に行なわれている。毎回、サーバー解放時にはアップデートが入り、そのたびに細かいバランス調整が入る。前の週で不満に感じていたことが、次の週には解決していることもあり、日々進化している。
今回のテストから新たにミコッテの男性とルガディンの女性が追加された。ゲーム内ではやはりミコッテの人気が高く、男女とも非常に多く見かけた。筆者は、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏が「使ったら負け」と言っていたミコッテ男性でチャレンジしてみた。
プレイ可能なエリアはαテストに引き続き、グリダニアと黒衣森のみ。スタート時に選べるクラスは、グリダニアにギルドがある槍術士、弓術士、幻術士の3つだが、βテストからはゲーム内でNPCに話しかけることで特例的に剣術士にもクラスチェンジできるようになった。
他にもCBTからいくつかの新コンテンツが実装された。「討伐手帳」はクラスごとに指定された特定のモンスターを必要数倒して経験値を獲得するというもので、暇な時に独りで遊べるちょっとしたコレクション要素だ。
「旧FFXIV」にあったグランドカンパニーも再び登場した。グランドカンパニーはエオルゼアの各都市が設立、運営している防衛隊のような組織で、所属することで色々な任務を受けられるようになる。今回はグリダニアにある双蛇党のみが選択可能で、NPCに話しかけるだけで簡単に入れる特別仕様だ。
また、呼び出すとプレーヤーの後ろをついて回るペットキャラクターの「ミニオン」や、プレーヤーの代わりにアイテムを売ったり保管したりしてくれる「リテイナー」も完全な形ではないが、体験することができた。
βテストの目玉「F.A.T.E.」は4種類が実装。ストーリー性は薄くサブコンテンツ的なポジション
さて、CBTで実装されたコンテンツのうち、もっとも注目度が高いのは「F.A.T.E.(Full Active Time Event)」だろう。F.A.T.E.はフィールド上の特定エリアに発生するイベントで、範囲内に入るだけで誰でも自動的に参加できる多人数参加型のコンテンツだ。
1つのマップ内には複数のF.A.T.E.があり、マップにはたいていいつもどこかにF.A.T.E.の発生を知らせるアイコンと範囲を示す青いサークルが表示されている。個人でもパーティーでも参加可能だが、ギルドリーヴを受注中にはギルドリーヴの方が優先される。
今回実装されたF.A.T.E.は4種類。エリア内に大量発生するモンスターを退治する「モンスター討伐」。NMを協力して討伐する「ボスモンスター討伐」。襲ってくる敵を撃退する「防衛戦」。そして拾ったアイテムをNPCに届ける「アイテム収集」だ。
低レベル帯でもっともよく見かけるのは、モンスター討伐だろう。画面を埋め尽くすほど大量にポップするモンスターを、制限時間内で倒しまくるというもの。F.A.T.E.の敵は占有できないので、複数のプレーヤーが一斉に攻撃を仕掛けてどんどん倒していく。筆者は今回幻術士でプレイしたが、敵をターゲットして詠唱している数秒の間に倒されてしまい、なかなかポイントに繋がる攻撃ができなかった。
どのF.A.T.E.にも敵が襲ってくる理由など一応の設定はあるが、ストーリー性は希薄で、突発的なボーナスステージといった雰囲気だ。攻防が切り替わる「レッドベリー攻防戦」や、3つのF.A.T.E.が連続して発生する「密猟王」といったボリュームのあるF.A.T.E.も存在している。
自分の周囲でF.A.T.E.が発生すると、それを告げるメッセージが画面上の見えやすい位置に流れる。ミニマップに表示されるアイコンをたどって範囲内に入ると、「F.A.T.E.JOINED」という大きな表示とともに、画面右側にF.A.T.E.の勝利条件が現われる。
発生と同時にワーッとプレーヤーが集まってきて、しばしのお祭り騒ぎの後、敵もプレーヤーも去っていく。終了すると、貢献度に応じた経験値とギルが手に入る。もらえる経験値は参加するタイミングや貢献度によるが、筆者が遊んだ限りではギルドリーヴと同じか、少し多いくらいだった。
メインクエストから少し離れた場所で発生するマイナーなF.A.T.E.には2、3人しか集まらないこともあったが、そんな時にはまったく知らない者同士だったプレーヤーの間に、なんとなく連帯感が生まれたりと友達を作るチャンスにもなりそうだった。
F.A.T.E.のような自由参加型クエストはいくつかのMMORPGにも存在する。例えば「Rift」では、タイトル名になっているRiftというコンテンツで、ゲームのメインストーリーにも深くかかわる重要なポジションにある。そういったものと比べると、F.A.T.E.はサブコンテンツ的な性格が強く、1回の参加に要する時間も短めに設計されている。
NPCに話しかけたりする手間もほとんどなく、F.A.T.E.は「FFXIV:新生エオルゼア」内に現在実装されている中では、もっとも気軽に参加できるコンテンツだ。しかし薄味が少々物足りない感じもする。2つめ、3つめのクラスを育てる時など、メインクエストがない時にはギルドリーヴとともに重宝しそうではある。