インタビュー

「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(後編)

バディ、旧キャラの引き継ぎ、そしてハウジングおじさんは?

バディ、旧キャラの引き継ぎ、そしてハウジングおじさんは?

吉田氏によればハウジングおじさんはまた登場するという
「FF」シリーズお馴染みのマウントであるチョコボが、βフェーズ3からバディとして進化し、共に戦うようになる

――チョコボを始めとしたバディのスキルはどのようになっていますか?

吉田氏: バディが使えるようになったら、コマンドが用意されるので、これをクロスホットバーに入れて使う形になります。例えば「ついてこい」という命令だったら、単にフォローしてくるだけ。「帰還」は文字通り帰ります。「フリーファイト」はオレが戦うから、お前も自由に戦えという。「装備変更」は、βフェーズ3では単純なUIを入れたのでテスト的にお使い下さい。

――バディは、プレーヤーが殴らない限りは自分から勝手に殴りにはいかないのですか?

吉田氏: β3ではいかないです。ただ、正式サービスの時には、自分が回復役をやっているときに、「お前行け!」というのはできます。アタッカースタンス、ディフェンダースタンス、ヒーラースタンスというのがあるので、このスタンスを切り替えて命令してください。で、成長要素としてはポイントを稼いで、アクションを覚えさせます。アタッカースタンスのアクション、ヒーラースタンスのアクション、ディフェンダースタンスのアクションというのがあるので、それぞれポイントを消費してとっていってもらいます。ヒーラースタンスでケアルまでのチョコボを育てるのか、ケアルラまでにしたいのかというのは皆さんで決めてください。ただ、ケアルラまで取っちゃうと、その分アタッカースタンス、ディフェンダースタンスに割り振るポイントがなくなります。

――ポイントは上限があるということですか?

吉田氏: あります。全部はとれないです。全部取れたらそれこそ成長させる楽しみがなくなっちゃうので。ただ、スタンス切り替えはどれでもできます。

――チョコボ用のステータス画面もあるのですか?

吉田氏: あります。ですが、フェーズ3では成長要素を入れていないので公開していないです。そこまで入れてしまうと、さすがに正式サービスと同等になってしまうので(笑)。

――バディは複数持てますか?

吉田氏: 将来的には複数持てるようにするつもりです。

――自分がバディのマウントに乗って、後ろから別のバディについてきてもらうのは?

吉田氏: それは無理です。1対1にしているので。バディを呼ぶとミニオンが帰還するという仕様と同じです。常に1対1です。それにペットまで呼べたら、もう大行列じゃないですか(笑)。それこそさすがにメモリやキャラ表示数が破綻します。

――それではペット(召喚獣)とチョコボ(バディ)の組み合わせは?

吉田氏: 召喚士や巴術士のペットは大丈夫です。

――βフェーズ3で「旧FFXIV」キャラの引き継ぎテストも行なわれるということですが、これはこれまで「FFXIV」で作成された全キャラクターが対象ですか? 中には1人で何人も作っていた方もいると思いますが。

吉田氏: はい。βフェーズ3の間は特に制限なく、何人でもテストできます。ただし、正式サービスが始まったあとは、課金コースがスタンダードとエントリーがあるので、エントリーにしちゃうと1キャラのみになってしまいますが。

――みんな適当なところでログアウトしていると思いますが、どこからスタートするのですか?

吉田氏: それは全部調整しています。みんな特定の場所から始まるようになっています。それに関してはストーリーが絡むので、さすがにまだちょっとお話できないですが。

――「旧FFXIV」キャラが持っていたリンクシェルはどうなりますか?

吉田氏: リンクシェルは引き継ぎますが、今回データセンターがβフェーズ3から日本のデータセンターと海外のデータセンターに分かれます。そのテストも開始になるので、旧レガシーワールドも日本か海外かのいずれかに分かれます。ですので、皆さんにはワールド移転申請受付を行ないますので、移転したい場合には移転していただくことになります。ご面倒をおかけしてしまうのですが、移転に際しては、最大限のサポートをさせていただこうと思っています。リンクシェルのリーダーが移動した場合、リーダーは移転先ワールドにリンクシェルを持っていくことはできませんが、移転元ワールドに残ったリンクシェルは自動的に違うプレーヤーにリーダーが移動します。そのままステイしている場合は維持されます。

 あとフレンドリストは、今回「新生FFXIV」のフレンドリストって自分で勝手に登録するタイプではなくて、例えば僕が中村さんをフレンド登録したかったら、フレンド登録してもいいですかというメッセージが飛ぶので、中村さんが「いいよ」と押してくれないとフレンド登録してもらえない仕様になっています。「旧FFXIV」ってそうじゃなかったんですよ。僕が一方的に中村さんをフレンド登録できたので。「旧FFXIV」のフレンドリストに関しては、新生引き継ぎ時に、フレンドリクエストを全員に送信する前の状態になっていますので、改めて申請をしてもらうことになります。だから名前変えちゃうと「こいつ誰だっけ?」ってことになってしまうので、そこは気をつけてくださいというところではあります。

――装備もアイテムもお金もすべて持った状態になっているのですか?

吉田氏: はい。ただインベントリに入りきらなかったものとかは、専用のNPCが預かっています、そのNPCから引き出してください。

――ちょうど「新生FFXIV」と同時期に北米で「The Elder Scrolls Online」がリリースされそうですが、あちらは吉田さんがコアプレーヤーだった「Dark Age of Camelot」のチームが開発していますが、因縁の対決と言う感じですね。

吉田氏: 僕去年のE3で、「ESO」の方にお会いして、「DAoC」の話で盛り上がったり、「FFXIV」がんばってね、という感じなので、因縁の対決というのはちょっと(笑)。

――そうだったんですか。しかし、今年はおそらく色んな意味で風景が違うんじゃないですか?

吉田氏: どうなんでしょうね。グラフィックスの方向性がお互い違うので、双方あまり気にしていない気はします。

――「FFXIV」も日本語のボイスが入ってぐっとコンシューマーゲームっぽくなりましたね。

吉田氏: そうですね。パッドで遊べるMMOって僕らだけですからね。

サントラのジャケット
サントラの購入特典として付属する「ダラガブのミニオン」。ネタ的にはかなり強力なアイテムだ

――そういえば、祖堅さん(新生FFXIV」サウンドディレクター)がライブのテスト放送でサントラを発表しましたね。

吉田氏: 2つあって、1つは「旧FFXIV」の「Before Meteor: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack」っていう、全104曲入りのBlu-rayディスク。CDじゃなくてBlu-rayなんですが、サントラにあわせた音楽企画のブルーレイがレーベルとして新しく出ます。なんでCDじゃないんだよってところですが、もう入らないのですよ。CDだと8枚組とかになっちゃって。さすがに8枚組だと製造原価が高くなって1万超えのサントラになってしまうので、泣く泣くBlu-ray。ただその代わり音質にはめちゃくちゃこだわったので、マスタリングの時に本当にデータ取り込むだけで8時間かかっちゃってというくらい渾身の一作です。MP3ファイルも全部入れてあるので、Blu-rayの再生環境があって、なおかつ音のいい環境がない方は、そこからMP3データをモバイルに落としてもらって、移動中はそれで聞いてくださいというのが1つ。もう1つは、コレクターズエディションに6曲入りのミニサントラが付いてくるので、そのマスタリングを同時に2つやっていて、どっちも完パケました。

――ちなみに「新生FFXIV」の総曲数は何曲くらいなのですか?

吉田氏: ごめんなさい、カウントしてなくてですね。サントラの収録数よりは多い数だと思います。異常ですね(笑)。

――MMORPGって、BGMはそれほど重視していないタイトルが多いように思いますが、そのなかで「新生FFXIV」は異常ですよね。

吉田氏: こことここは共通でいいって言ってるのにどんどん増えるんです。

――やはり祖堅さんが作ったのが一番多いんですか?

吉田氏: 祖堅が一番多いですね。

――あとは水田さんと植松さん? この3人?

吉田氏: 「旧FFXIV」の曲も多少使っているのでもう少しいます。

プロデューサーレターLIVEで毎回ハウジング系のネタを毎回ポロリするため“ハウジングおじさん”という愛称で呼ばれている和田洋一氏。スクウェア・エニックス代表取締役社長として「FFXIV」の復活に尽力した人物でもある

――「新生FFXIV」は、和田社長という支援者の存在が大きいプロジェクトだと思いますが、今回和田さんが社長を退任することで、「FFXIV」にどういった影響が出ることが考えられますか?

吉田氏: 影響はまったくないです。

――まったくですか?

吉田氏: はい。ハウジングおじさんがしばらく登場しなくなっただけです(笑)。

――しばらくってハウジングおじさんはまだ登場するのですか?

吉田氏: また出てくれると思いますよ。

――松田新社長は?

吉田氏: 今後のお楽しみと言うことで!

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(中村聖司)