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吉Pも解説で参加! 東京ドームで「FFXIV クリスタルコンフリクト」日本一が決定

【ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー】

2024年夏発売予定

 スクウェア・エニックスは1月7日、「FFXIV ファンフェスティバル 2024 in 東京」の会場で「GALLERIA Presents クリスタルコンフリクト リージョンチャンピオンシップ 2023 Japan」を開催した。

 16時30分から始まった試合は、イベントの予定時間を1時間近く超過する白熱した展開になった。出場した4チームのうち、ファイナルにコマを進めたのはChronicleとMALIGEの2チーム。BO5(5戦のうち先に3勝したほうが勝ちとなるルール)で戦ったファイナルを、粘り強く戦ったChronicleが悲願だった初優勝を獲得した。

 今回は北米、欧州、日本それぞれのファンフェスでのリージョン大会だったが、今回解説者として参加したプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏は「いずれは世界一を決める大会をやりたいという気持ちはあります」とコメントし、ワールドチャンピオンシップへの道筋を残した。本稿では大会の模様をレポートしたい。

解説にしむらべいべー氏、実況so5uさん、解説の吉田直樹氏

日本一を決定するファイナルを東京ドームのステージで開催

 クリスタルコンフリクトは「FFXIV」内で遊べるPvPコンテンツ。以前にあった「ウルブズジェイル」と入れ替える形で導入された5対5のマッチで、他のPvPコンテンツに比べて競技性が高いのが特徴だ。5分の制限時間の間に、中央にあるタクティカルクリスタルをなるべく相手の陣地近くまで運んだほうが勝利する。

 ランキングのないカジュアルマッチのほか、いわゆる対人ガチ勢のプレイヤーが集まるシーズン制のランクマッチがある。ランクマッチの結果はサーバーごとに発表される。公式大会の「クリスタルコンフリクト Community Cup」や今回の「GALLERIA Presents クリスタルコンフリクト リージョンチャンピオンシップ 2023 Japan」は、このランキング上位のチームが集まる本格的なeスポーツコンテンツだ。

 今大会は優勝賞金が300万円。ほかにトロフィとゲーム内のアチーブメントと称号が手に入る。

 10月8日にブロック予選、10月28日と29日に予選トーナメントがオンラインで開催され、ファンフェス会場では残った4チームがファイナルを戦った。大会ではMCをにしむらベイベーさん、実況をso5uさん、そして自身もライブサーバーのクリスタルコンフリクトに個人参戦するほどの対人好きの吉田氏が解説を買って出た。

 クリスタルコンフリクトはeスポーツコンテンツだが、MMOの1要素でもあるため、他のeスポーツ専用タイトルのようにそれ単体の大規模な大会はなく、2023年に初開催された公式の「クリスタルコンフリクト Community Cup」のほかは、プレイヤーが自主的に主催している小規模な大会が主になっている。

 だが、今回はファンフェス会場、東京ドームでの大規模開催という初の大舞台。そこで今回アクティビティ「アスラ討滅戦」にも多数の試遊台を提供しているGALLERIAが、冠スポンサーとして参画。賞金付きの本格的なeスポーツ大会の形になった。大会で使用する機材にももちろんGALLERIAのFFXIV推奨パソコン「GALLERIA XA7C-R47」が使われている。

使用機材は、GALLERIAのFFXIV推奨パソコン「GALLERIA XA7C-R47」

セミファイナルに残った強豪4チームを紹介

 セミファイナルに残った4チーム、Chronicle、BREAK OUT、MALIGE、LimitBreakTVはいずれもクリスタルコンフリクトでは強豪として知られている。

 LimitBreakTVは対人戦の楽しさを伝えるためにYouTubeで配信を行なっている。今回は自分たちでお揃いのユニフォームを作っての出場。Lido Lado選手は「優勝します!」と短く意気込みを語った。

【LimitBreakTV】

 Chronicleも強豪ぞろいのチーム。Ame Miya'選手は「Chronicleは1年前にファンフェス東京で優勝するために作ったチームです。これまでユーザーの大会ではいい結果が出せなかったが、この前の試合では優勝したのでそのまま今回も優勝したいと思います」と決意をにじませた。

【Chronicle】

 MALIGEはクリスタルコンフリクトのために結成されたチームで2023年に行なわれた「クリスタルコンフリクト Community Cup」で優勝した、今回の最有力候補。Mame Poporu選手は「チーム全員でまずは楽しんで、でもぜひ勝って帰りたいです」と和やかながら戦意をちらつかせた。

【MALIGE】

 BREAK OUTはプレイヤー主催大会を開催したりと、対人コンテンツを盛り上げる活動を行なっている。いずれのチームも実力、実績ともに申し分ない。Zsika Mu'(ムジカ)選手も「皆さん今日はよろしくお願いします。勝ちに行きます!」と和やかさの中に闘志をのぞかせた。

【BREAK OUT】

チームのジョブ構成やリミットブレイクの使いどころがポイント

 クリスタルコンフリクトでは、チームの連携はもちろん、ステージの特性にあったジョブ構成が重要になる。各ジョブは、チェーンキルが可能な忍者の「星遁天誅」や、相手を防御不可にする戦士の「原初の怒号」など、それぞれリミットゲージが満タンになった時に使えるリミットブレイクという必殺技がある。

 非常に強力な技ではあるが、すべてのジョブはダメージを90%軽減する防御と、回復、異常状態解除の技を持っている。強豪同士の戦いでは、そう簡単にはダメージをいれさせてもらえない。いくつかの技を組み合わせて大ダメージにつなげていくという戦いの組み立て方が勝敗を分けることになる。

 また、制限時間が終了した後はオーバータイムという特殊な状態に突入する。この時負けている側は、3秒以上クリスタルから離れるとその時点で試合が終了するため、だれかが常にクリスタル上に乗っていなくてはならない。攻め側はなんとか全員を引きはがそうとするが、それがターゲットをばらつかせるなどの隙を生み、ドラマチックな逆転劇につながることも多い。

 あまりにも展開が早いため、最初は何をやっているかわからないが、各ジョブのリミットブレイクを覚えれば、それぞれの立ち回りの意味合いも見えてくる。

忍者の強さはチーム力が生むと吉田氏

 セミファイナル1戦目はChronicleとBREAK OUT。ステージは1戦目のみ吉田氏がくじ引きで決定して、以降は負けたほうのチームが選択できる。

 1戦目は、Chronicleがとるが、続く2戦目はマップを選択したBREAK OUTがギミックも味方につけて押していく。Chronicleは制限時間終了後のオーバータイムにも粘りを見せたが、じりじりと押し負けてしまった。

 最終戦はギミックがないステージ、パライストラ。お互いの白魔道士のリミットブレイク「ハート・オブ・バーゲーション」が溜まるのを待ちつつ最初はにらみ合いが続く。今回もBREAK OUTが押し気味に試合を進めたが、Chronicleは星遁天誅からの反転で一気に逆転し決勝進出を決めた。

 「忍者が強いように見えるかもしれないが、そこまでのチームとしてのおぜん立てがすごい」と吉田氏。チームの総合力が、DPSの高さとして現れた格好だ。

大逆転の勝利に実況解説ブースも興奮

 セミファイナル2戦目はLimitBreakTVとMALIGE。今度は初戦がパライストラ。LimitBreakTVのSirataki Whitefall選手は、吉田氏が一度コーチングしてもらいたいというほど惚れ込む暗黒騎士で出陣、MALIGEはMame Poporuが戦士、Ritsu Nikuno選手が暗黒騎士という2タンク構成での対戦となった。

 戦いは拮抗し、互いに獲得点が50対50のままオーバータイムに突入した。こうなると、0.1でもタクティカルクリスタルを進めたほうが勝利する。LimitBreakTVがさみだれ式に落とされ苦しい展開になっていく中、最後はMALIGEの、Mame Poporu選手の戦士が、クリスタルに乗っていたGod Moaiを、相手を引っ張るブロートで引きはがして勝利した。

 2戦目の東方絡繰御殿はタクティカルクリスタルの道筋が直線的で、途中にある四つ角は激戦になりやすいポイントだ。マップを選んだLimitBreakTVが猛攻をかけるが、粘りを見せたMALIGEが最後の最後に逆転勝利をつかんで連勝し、決勝への権利を手にした。

「Chronicle VS MALIGE」となったファイナルは5戦目までもつれ込む熱戦に

 ファイナルはChronicleとMALIGEで5戦のうち先に3勝したほうが優勝する。初戦のマップはパッチ6.51で実装されたばかりの「レッド・サンズ」。灼熱という継続ダメージの付くギミックや流砂、ランダムに登場するモンスターなどギミックの多いマップで、実装されてから日が浅いため練習時間も少なく、波乱が起きやすい。

 2チームはいずれも戦士、白魔道士、忍者、吟遊詩人、機工士という同じ構成での対戦。Chronicleが勢いよく98.3%までクリスタルを運び、その後は乱戦の中でChronicleの吟遊詩人Ame Miya'選手が、MALIGEの白魔道士Vivi Ann選手をリミットブレイクで落とし、試合を決めた。

 2戦目はパライストラ。Chronicleは初戦と同じ構成だが、MALIGEは戦士、暗黒騎士の2タンク構成に変えて挑んだ。読み合いからスタートし、その後はMALIGEが3人が落とされるなど劣勢に立たされるが、2タンクの強みを発揮、Ritsu Nikuno選手の暗黒騎士がリミットブレイク「イーブンタイド」で奇跡の粘り強さを見せる中立て直して逆転勝利を収めた。

 3戦目はクラウドナイン。遠距離ダメージが出しやすいマップという特徴があり、MALIGEは戦士、白魔道士、忍者、吟遊詩人、召喚士と遠隔が多めの構成。逆にChronicleは戦士、白魔道士、竜騎士、忍者、吟遊詩人と近接を2人入れてきた。

 この戦いでは、地形の有利を生かしたMALIGEが危なげなくリードを取り、そのまま守り切って2勝。優勝へリーチをかけた。

 4戦目は東方絡繰御殿。今回もMALIGEが召喚士でChronicleは竜騎士、あとはすべて同じ構成で、一進一退を繰り返す展開。Chronicleが86%とリードした状態でオーバータイムに突入。劣勢側のMALIGEは常に人数が少ない状態でなんとかクリスタルに乗り続ける。しかし、リスポーンが間に合わずChronicleが勝利。お互いに2勝した状態で最終戦を迎えた。

 最後のステージはヴォルカニック・ハート。MALIGEは2タンクの戦士、暗黒騎士、白魔道士、忍者、吟遊詩人。Chronicleは戦士、白魔道士、竜騎士、忍者、吟遊詩人で最後の戦いに臨んだ。

 戦いはChronicleがバーストの起点となる吟遊詩人を狙い続けるという作戦が功を奏し、リードしたままオーバータイムに突入。クリスタルに乗ろうとするMALIGEの動きを阻んだChronicleが最後の勝利を掴んだ。

 MALIGEのMame Poporu選手は「みんな悔しいと思うけど、最大限楽しめました。笑顔で帰りたいと思います」と激闘を振り返りコメント。

 優勝したChronicleのAme Miya'選手は「私たちのチームはザ・フィーストやフロントラインなどでPvPの経験が多いチームなので勝てたと思います。これまで練習をしてくださったチームや、応援してくださった方のおかげだと思います。ありがとうございます」と締めくくった。

「3リージョンでついにチャンピオンが決まったということで、計画ができているわけではないですが、世界一を決める大会をやりたいという気持ちはあります」と吉田氏。Chronicleは東京で開催されたFFXIVの花火大会にも来ていたそうで、そこでも「勝ちます!」と声をかけられたそうだ。その気持ちが今大会、形となった。

 日本ではプレイしている人が少ない対人戦コンテンツだが、欧米では大人気で強豪選手がひしめいている。日本の選手がそんな欧米のプレイヤーたちとどんな勝負を繰り広げるのか。ワールドチャンピオンシップの実現にも期待したい。

アクティビティでもGALLERIAのPCが活躍中

 クリスタルコンフリクトの冠スポンサーであるGALLERIAは、ステージ横で開催されているアクティビティ「バトルチャレンジ アスラ討滅戦」では試遊用のPCを提供していた。その数はなんと200台弱。青いLEDが光る特徴的なデスクトップPCがずらりと並ぶさまは、客席から見下ろしても壮大だ。

【アスラ討滅戦】
【GALLERIAブース】