素晴らしきかな魂アイテム
【魂レビュー】オールレンジ攻撃! 「METAL BUILD ガンバレルストライカー」
雰囲気ががらりと変わる追加アイテム、オリジナルギミックもたっぷり!
2019年2月5日 12:00
【ライター:勝田哲也】
超合金と洋ゲーを愛するライター。1月から2月は待っていた商品がたくさん販売された。2月には「METAL BUILD エヴァンゲリオン初号機」も来る! ゲームもかなり楽しい作品が発売されるので色々忙しい中を乗り切っていきます(絵:橘 梓乃)
今回取り上げるのは、「METAL BUILD ガンバレルストライカー」。プレミアムバンダイの受注生産商品で、「METAL BUILD エールストライクガンダム」の換装を行なうことができる。オールレンジ攻撃を行なう“ガンバレル”を装備、宇宙空間での活躍を想像するのが楽しい商品だ。
筆者は開発者である前田哲也氏にインタビューしてからこの商品を心待ちにしていた。ストライクガンダムは、装備を換装して様々な戦場に対応できるMSである。アニメ「機動戦士ガンダム SEED」では、「エールストライカー」の他に、「ソードストライカー」、「ランチャーストライカー」の2つの装備が登場した。しかし、初の追加パックとして発売されたのは「ガンバレルストライカー」なのである!
ガンバレルストライカーは「機動戦士ガンダムSEED MSV」に登場し、しかもストライクガンダムには装備されなかった。ガンバレルストライカーを装備した、「ガンバレルストライクガンダム」はゲーム以外では登場していない機体なのである。今回、METAL BUILDならではのアレンジ、遊び方を提示してくれる、とても魅力的な商品としての登場となった。写真と共にレポートしていきたい。
ガンバレルを切り離さずスラスターとして活用! 高機動宇宙戦闘形態への“変形”が楽しい
ガンバレルストライカーは、ストライクガンダム用の追加装備として地球連合軍によって開発されていた。ストライカーパックの1つである。宇宙戦闘機メビウス・ゼロの装備されていた有線式誘導兵器「ガンバレル」を装備し、パック単体でも宇宙戦闘機として運用可能なように、コクピットブロックを持つ。ストライクガンダムと合体した際は、2人での戦闘も可能なほか、機首を切り離すこともできたという。
ガンバレルは使用に特殊な空間認識能力を必要とするため、本装備はメビウス・ゼロのパイロットであったムウ・ラ・フラガ専用装備として開発されていたが、ムウが連邦を離脱し、ストライクもそのまま奪われ、想定した活用ができない形となった。ガンバレルストライカーは、ムウと同じくガンバレルに適性を持つモーガン・シュバリエに渡され、ストライクの量産機である「105ダガー」に装備され、「105ダガー/ガンバレル装備」として戦場で使用された。
このように、ガンバレルストライカーを装備したストライク、「ガンバレルストライクガンダム」は劇中で描かれていないガンダム(ゲームでは登場している)であり、だからこそユーザーの想像力を刺激する存在である。本商品を手に取ったユーザーはムウが乗っているのを想像したり、キラがストライクに、ムウがガンバレルストライカーに搭乗し、2人で戦うシーンを想像するのも、全く別なオリジナルパイロットが乗っている姿を想像するのも自由なのだ。
原作の機体イメージを大きくアレンジしたMETAL BUILDだからこそ、活躍シーンも自由に想像できる。オリジナルギミックも豊富で、様々なポーズが非常にカッコイイ。「METAL BUILD エールストライクガンダム」はこの後も追加パックを販売する「ストライクプロジェクト」として発展していく。そのプロジェクト第1弾がこの「METAL BUILD ガンバレルストライカー」だというのがとても面白い。次はどんなパックが来るのか、想像もできない。
いよいよ「METAL BUILD ガンバレルストライカー」にフォーカスしていく。まずはパック単体の宇宙戦闘機として運用される形を見ていこう。「機動戦士ガンダム SEED」でムウの愛機として活躍していた宇宙戦闘機メビウス・ゼロを思わせるデザインだ。比べればメビウス・ゼロは機体の大きさが1周り以上大きく、ガンバレルの接続位置も異なる。ガンバレルは巨大なバーニアがついており、4つのガンバレルを装備した戦闘機形態は、宇宙空間で極めて高い機動性を発揮してくれそうだ。
機首を折り曲げることでストライクと接続できるストライカーパック用プラグが出現、これをストライクの背中に接続することで、ガンバレルストライクとなる。大型バーニアが背中に密集した姿は圧倒的で、METAL BUILDでのアレンジも加わり、ものすごい情報量だ。メカがみっしり詰まった感じ、そのリッチな雰囲気がとても楽しい。
そしてMETAL BUILDオリジナルギミックとして、ガンバレルを装着したアームが展開するのだ。ガンバレル部分の接続が伸び、「スター・ウォーズ」の戦闘機「Xウィング」を思わせる、X状にガンバレル部分が本体から離れて配置される。
ガンバレルは本来、機体から分離し、有線ケーブルで接続され、ジオングやブラウ・ブロのような有線式オールレンジを仕掛ける武装だ。「METAL BUILD ガンバレルストライカー」でももちろんそのギミックは搭載されているが、それだけでなく、アームを展開させるという“変形”要素を取り入れているのである。
ガンバレル部分を接続したまま広げることで、宇宙空間での機動性がとても高くなりそうだ。「装甲騎兵ボトムズ」の主役メカスコープドックの宇宙装備「ラウンドムーバー」や、背中にX型に展開できるスラスターを装備した「機動戦士クロスボーンガンダム」のクロスボーンガンダムを思わせる。
さらにガンバレルそのものも攻撃態勢に変形させる。カバー部分が金色のセンサーとなり、内部から銃身とミサイルが出現、左右のカバーも翼のように展開し、後部のスラスターは球状のジョイントも現われる。スラスターはボールジョイントで自由に可動するため、角度をつけた表情付けも可能で、よりダイナミックな表現ができる。
アームを縮めた状態ではバーニアが1方向に集中できるため突進力が増し、猛スピードで戦場まで移動、戦場ではアームを展開、あえてガンバレルを切り離さないことで姿勢制御用バーニアとして活用し、その高い運動性で縦横無尽に戦う……というイメージはどうだろうか。アームを展開し、ガンバレルを変形させることで大きくイメージが変化する。「METAL BUILD ガンバレルストライカー」はこのイメージの変化が大きな楽しみである。
“マテリアル感”も本商品の大きなセールスポイントだ。ガンバレルストライクのウイング、アーム部分に金属パーツが使われていて、特にアームは展開させると細くなるが大型のガンバレルをしっかり支えてくれる。各部モールドは非常に細かく、見応えがある。エールストライク以上に情報量が濃く、特にガンバレルは変形するととても複雑なデザインになる。このリッチな感じは、手に入れた強い満足感をもたらしてくれる。
オールレンジ攻撃を支えてくれるベース。大型レールガンも魅力たっぷり
ガンバレルの最大の売り、オールレンジ攻撃を楽しんでいこう。「METAL BUILD ガンバレルストライカー」は、同梱されたケーブルでガンバレルを接続できる。このケーブルは中にワイヤーが入っており、指で押すことで自在に形が変えられ、その形で固定できる。接続パーツがしっかり接着されており、飾っていて抜けることはない。
本体から分離したガンバレルは支柱パーツで保持する。「METAL BUILD ガンバレルストライカー」では既存の台座に支柱を接続できるアタッチメントが用意されており、これを使うことで、台座部分や、ガンダムとの接続部分に支柱を接続できる。支柱は長いものと短いものの2種類が2本ずつ入っているので、これを自由に曲げ、オールレンジ攻撃を行なうガンバレルストライクを演出できるのだ。
ストライクフリーダムは無線式の誘導兵器「ドラグーン(スーパードラグーン)」を持ち、これを使ってオールレンジ攻撃を行なうが、ガンバレルストライクは、メビウス・ゼロ同様有線式のガンバレルで攻撃する。設定的には火力の差は大きいが、METAL BUILDで並べた場合、ガンバレルの凝った形状やしっかりとした支柱での固定、無骨さのある有線式の接続方法は独特の迫力があり、とても魅力的だ。
同じシリーズの「METAL BUILD ストライクフリーダムガンダム」や、「METAL BUILD デスティニーガンダム」と並べても引けをとらないボリュームと、アイテムとしての魅力がある。
他にも「METAL BUILD ガンバレルストライカー」には楽しいギミックが盛り込まれている。1つはガトリング。上部についているガトリングはアームで向きを変えられ表情がつけられる。ガンバレルストライカーのパイロットが、本体と別に攻撃できるとと考えるのも面白い。このガトリングは取り外し、手持ち武器としても活用可能だ。
オプションパーツとして「大型レールガン」も同梱されている。このレールガンを戦闘機形態のガンバレルストライカーに接続すると、さらにシルエットがメビウス・ゼロに似てくる。そして変形させガンダムに構えさせられるのだ。大型のレールガンからはバレルが飛び出し、雰囲気が変わる。スナイパーライフルを構えるような雰囲気となり、ガンバレルで近~中距離、レールガンで長距離の戦闘に対応するといった想像が面白い。
もう1つ、「METAL BUILD ガンバレルストライカー」のオリジナルギミックで、パック下部の大型のフィンを取り外し、ガンバレルを接続パーツを使うことで主翼に接続することで、戦闘機形態のガンバレルストライカーを背負ったような合体ができる。通常の接続と雰囲気ががらりと変わる。明確な設定はないが、ガンダムMk-IIがGディフェンサーと合体した巡航形態「Gフライヤー」を想起させる、戦場にいちはやく到着するための形態という考え方はどうだろうか。
「METAL BUILD ガンバレルストライカー」は、「METAL BUILD エールストライクガンダム」の魅力を大きくアップさせてくれるアイテムだ。次はどんなストライカーパックが出るだろうか? そろそろ標準的なソードやランチャーが来ると思うが、ここであえてI.W.S.P.やオオトリが出てくるというのも驚かされる展開だ。
「METAL BUILD エールストライクガンダム」は非常に魅力的な“素体”である。本体の色を変え、ストライカーパックとセットで販売するという戦略も考えられるが、その場合でもストライクパックのみ別売にして、「METAL BUILD エールストライクガンダム」に接続できるようにして欲しい。今後の発表を注目したい。
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