素晴らしきかな魂アイテム

【魂インタビュー】アニメ劇中の決めポーズの数々を再現できる可動とデザイン、「METAL ROBOT魂 デスティニーガンダム」

題字:浅野雅世
【第24回 魂アイテム】
「METAL ROBOT魂 <SIDE MS> デスティニーガンダム」、2019年5月発売予定。価格は14,040円(税込)。2019年1月9日16時より一般店頭で予約受付が開始される。モチーフは、アニメ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」に登場する劇中の最強クラスのMS。劇中ではダークヒーロー的な雰囲気でも描かれ、独特の迫力を持ったファンの多い機体だ。商品では特に劇中のイメージを再現することに注力しているという
【話を聞いたクリエイター】
企画担当であるBANDAI SPIRITS コレクターズ事業部の小西諒氏。様々な商品を扱う弊誌でもおなじみの担当者だが、今回もこだわりのポイントをたっぷり語ってくれた

 今回取材したのは、「METAL ROBOT魂 <SIDE MS> デスティニーガンダム」である。「ストライクフリーダムガンダム」、「インフィニットジャスティスガンダム」に続く、アニメ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」に登場するMS、3体目の「METAL ROBOT魂」である。

 デスティニーガンダムは人気の高い機体だ。特に「METAL ROBOT魂」でのストライクフリーダム、インフィニットジャスティス発売以降、ユーザーからの強い期待が寄せられている。本作も設計デザインを担当したDRAGON STUDIOの坂埜竜氏の「可動」と「原作重視」のこだわりに満ちている。作品内で見せる様々な姿を再現させる工夫が随所に施されているのだ。

 今回は商品の完成形をイメージした彩色見本と、金属パーツの使用箇所が確認できる原型を前に、企画担当者であるBANDAI SPIRITSコレクターズ事業部の小西諒氏に話を聞いた。


劇中のイメージそのままのデスティニーを立体物で再現したい!

 デスティニーガンダムは劇中、最高の技術を集結した最強の機体を目指して開発されたMSである。搭乗者であるシン・アスカ専用機としての調整が施されており、シンがそれまで乗っていたインパルスガンダムが、換装によって様々な戦況に対応していた能力を、1つの機体で実現しようというコンセプトで様々な武器を搭載している。

 核の動力とバッテリー、戦艦による電力供給という2つの動力を併せ持つハイパーデュートリオンエンジンを搭載。巨大な剣「アロンダイト ビームソード」に、「高エネルギー長射程ビーム砲」、「フラッシュエッジ2 ビームブーメラン」、さらには隠し武器と言える手のひらのビーム砲「パルマフィオキーナ」を持ち、人間に近い動きを実現する可動部、圧倒的な機動力をもたらす光の翼など機能も充実しており、劇中でも最強クラスの機体となっている。

こちらは彩色見本の試作品。アニメに近いデザイン、関節の表現や、デカール、ボディバランスなど本商品の方向性が確認できる

 劇中では「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」が主要キャラクター達の群像劇へとシフトしていく中でその描かれ方にはファンが様々な意見を寄せたが、巨大な翼と大型武器、ダークヒーローのような雰囲気など、人気の高い機体である。ゲームでも遠距離、近距離のどちらでも戦える高性能機として描写されることも多く、立体物ではその盛りだくさんの武装と、劇中で見せたケレン味溢れるポーズをどう再現するかに注目される。「METAL ROBOT魂」ならではの表現はどのようなものになるのか、ユーザーの期待は高い。

 「METAL ROBOT魂 <SIDE MS> デスティニーガンダム(以下、「METAL ROBOT魂 デスティニーガンダム」)」は関節に金属パーツを使用、彩色見本では設定通り鈍い光を放ち、金色に輝く関節を持つストライクフリーダム、銀色のインフィニットジャスティスと対比をなす。「METAL ROBOT魂」のシリーズの特徴を活かしつつ、巨大な翼、背中に背負った大きな武器、ディテール表現と、デスティニーガンダムならではの表現を行なっている。

 本商品の大きな魅力はやはり金属パーツの使用だろう。動きを検証する試作品では金属の使用箇所が確認できる。関節各部に金属が使われており、手足をしっかりと支え、様々なポーズで固定できる。翼の基部にも大型の金属パーツが使われている。大きな翼をしっかり支えてくれるし、デザイン的にも説得力が増していて楽しい。

こちらは可動を検証するための試作品で、金属パーツの使用箇所が確認できる
膝や肘、股の付け根、翼の基部など、金属パーツにより様々なポーズをとらせ、そしてその姿で固定できる

 劇中のポーズはMSを「キャラクター」として、パースなどの強調表現を行なうことでMSの魅力を際立たせていた。「METAL ROBOT魂 デスティニーガンダム」は、これまでの立体物では再現しきれなかった構図を可動によって実現できると小西氏は語った。全身にわたり考え抜かれた関節構造が躍動感のある動きを可能にする。デスティニーガンダムは人間のような動きができるという設定だが、「METAL ROBOT魂 デスティニーガンダム」はその設定を活かし、とても思い切ったポーズがとれそうである。

 可動機構でのポイントの1つがサイドアーマーと、手甲アーマーの工夫である。サイドアーマーと手甲アーマーには軸を延長したパーツが挟まっており、このパーツで腰や手首からアーマーを浮かせることができる。隙間が生まれることで可動範囲を広げることができるのだ。

大きく開く足、自由度の高い肩関節など、設計を行なった坂埜氏のこだわりが感じられる
重田氏の作画を思わせるアングル。胸パーツがまるで顔を隠すかのように持ち上がっている。これまでのデスティニーガンダムの立体物では難しかったポーズだ
装甲部分に軸パーツを挟みこむことで、本体から浮かすことが可能に。関節の可動範囲を大きく広げてくれる

 さらに「METAL ROBOT魂 デスティニーガンダム」では首を引き出し、大きく顎を引き、頭を下に向かせることができる。さらに胸の中央のブロックが動き、顔を隠すように近づけることができる。これはアニメでのデスティニーガンダムを下から描写した際の胸の中央パーツが跳ね上がったかのような独特のポーズを再現するための工夫であり、この機構があることで、ポーズの幅も広がる。

 腹部のブロックと腰ブロックも大きく動く。この接続はボールジョイントなのだが、まるでピッチャーがマウンド上でボールを投げているかのようなダイナミックな動きを感じさせる角度となる。大剣を横なぎに振るポーズや、掌底を叩きつけるように構えるポーズなどに活用できる。

首の引き出しと胸パーツの可動により、頭を下にできる

 頭部造形にも劇中イメージを追求するためのこだわりが詰まっている。1つめは、額の角と目の間の下から見ると“ひさし”のように目の上にできる隙間の部分。ガンダムの顔ではここに出っ張りができてしまい、見上げるポーズなどでは目立つのだが、本商品ではここがうまく隠され、見上げた際のバランスがとても良くなったという。

 またマスク部分の広さも注目ポイント。マスクの構造は重田氏の作画の特徴と坂埜氏が捉えているポイントの部分で、他の立体物では見られないバランスであり、坂埜氏のこだわりを強く感じさせるところだ。

 そして、上腕部分の丸みを帯びたデザインと、足の長さのバランスは、劇中のイメージを再現するのに実に効果的だったとも小西氏は語った。

 「今回の商品のコンセプトは、まさにアニメの決めポーズの再現です。アニメで印象的な見得を切ったようなポーズ、1枚の画として印象に残る劇中のデスティニーガンダムの姿を、商品で再現したい。今回の『METAL ROBOT魂 デスティニーガンダム』はぞのテーマを追求した商品です」と小西氏は語った。

マスク部分のバランスは、坂埜氏こだわりのデザイン
見上げたときの顔のバランスは小西氏のお気に入り


こだわりのギミックと塗装表現、「METAL ROBOT魂」の手法がさらなる広がりを生む

 「METAL ROBOT魂 デスティニーガンダム」は劇中の印象に合わせたプロポーションと、印象的なポーズを可能とする可動域を持つ。それだけでなく、全身に施された塗装表現もポイントだ。まず関節表現。これまでの「METAL ROBOT魂 SEED DESTINY」シリーズ同様にダイキャストに電解メッキを施すことで、劇中の描写を思わせる輝きを再現している。

マーキング部分の確認。全高約14cmのフィギュアだが、マーキングの密度は濃い

 外装の灰色はマット塗装、青と黒の部分は光沢を持たせたセミグロス、ウィングや腰部の赤はさらに艶のあるグロスで塗装される。いくつもの質感を使い分けることで全高14cmのボディに多くの情報量が盛り込まれる。

 特にウィングユニットは少し沈んだ赤色にグロス処理を施すことでまるで血が塗られたような“悪魔的”な印象を狙っていると小西氏は語った。ダークヒーロー的な描かれ方をされたデスティニーガンダムならではの表現だ。

 全身に施されたマーキングもとても細かい。このマーキングは劇中の機体にはないが、「実在の兵器としての存在感を感じられる商品にしたい」という想いから採用しているとのことだ。試作品を目の前にすると改めてその情報量の密度に圧倒される。それでいながら手軽に自由にいじり、大胆なポーズをとらすことができるのは、「METAL ROBOT魂」だからこそだ。

 マーキングは機体だけでなく背中の大型武器にも取り入れている。背中の武器は劇中同様変形し、構えさせることが可能だ。大型ビーム砲のウリはグリップの可動。取り付けられているグリップがスライドすることで腕の可動と合わせより広い角度でビーム砲を構えることができる。

 そしてデスティニーガンダムを象徴する武器とも言える大剣・アロンダイト ビームソードだ。「METAL ROBOT魂 デスティニーガンダム」のアロンダイト ビームソードは他の立体物と比べるとは先が幅広く造形されているように感じた。小西氏はデザイン時には設定画に近いバランスで、心持ち大きくしたくらい、とのことだが、刃先の迫力が増しているように感じた。刃先をこちらに向け、足を広げて立つデスティニーガンダムも定番のポーズだが、この剣ならば作画風のパースが付いたように見え、より見栄えが良さそうだ。

ビーム砲はグリップがスライドする
アロンダイト ビームソード。パースを強めにした構えにも映える

 デスティニーガンダムの立体物はギミックの多彩さを求められる。「METAL ROBOT魂 デスティニーガンダム」も盛りだくさんな内容となっている。アロンダイトの刃に加え、ビームシールド、パルマフィオキーナはエフェクトパーツが同梱されており、使用状態を再現できる。ビームブーメランと、ビーム・サーベルも付属、非常にプレイバリューの高い商品となっている。

多彩な武装はデスティニーガンダムの大きな魅力。エフェクトパーツにより、これらの武装はさらに楽しくなる

 今回の「METAL ROBOT魂 デスティニーガンダム」で、ついに主役級のMS3体、デスティニーガンダム、ストライクフリーダムガンダム、インフィニットジャスティスガンダムが揃うことになる。実は「METAL BUILD」ではインフィニットジャスティスは未発売であり、3体が揃うというのができるのは「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」ファンにとってとてもうれしいところだろう。

3体の主役級MSが揃えられるのはファンとしてとてもうれしいところだ

 そして「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」のMSをモチーフとした「METAL ROBOT魂」シリーズはまだまだ拡充していくという。発表はまだ先になるが、今後もこのコンセプトの商品の開発が進められているとのことだ。

 デスティニーガンダムまでの3体は作中でも特に人気が高く、迷いなく商品化選定できるラインナップと言える。その先までも「METAL ROBOT魂」になるのは、予想を大きく超えた「METAL ROBOT魂 <SIDE MS> インフィニットジャスティスガンダム」の反響だったとのことだ。原作アニメのポーズ再現を意識した可動、塗装、マーキング、ダイキャストの合わせ技により、劇中そのままの機体を手に入れたような気持ちにさせてくれるアイテム。「この手法で『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のMSを表現する、その反響の大きさ、コンセプトをユーザーに評価していただいたことがこそが、今後のラインナップの方向性を決定づけてくれました」と小西氏は語った。

対決シーンを演出するのは、フィギュアをコレクションする上で大きな楽しみだ。今後ラインナップが増えることで並べて飾る楽しさはさらに大きくふくらむ

 小西氏は企画担当者として、「METAL ROBOT魂」での好評さについて、金属パーツを使う事での表現に加え、アニメ再現にこだわり、フィギュアの可動に深い造詣のある坂埜氏の設計、さらに塗装とマーキングを凝ることで、従来の「ROBOT魂」やプラモデルとはまた異なるキャラクター表現ができたからこそユーザーから評価を得られたのではないか、と分析している。

 小西氏はユーザーへのメッセージとして、「『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のシリーズがご好評を頂いており、私達もやれることがたくさん増えてきました。デスティニーも高いクオリティーを実現できたと思います。その後のラインナップも企画進行中ですので、楽しみにしてください」と語った。

ファンの力が今後の方向性を定めてくれたと語る小西氏。「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」にはまだまだ印象深いMSが登場する、次の立体化はどの機体だろうか

 「METAL ROBOT魂」シリーズは筆者も個人的に楽しみにしているシリーズだ。手にすると高い満足感があり、思い切ったポーズで固定できる。そして高約14cmというサイズはポーズをとらせて机の横に置き、眺めて、手軽にポーズが変えられる。高級感と、サイズ感、可動範囲の広さが“飾って遊ぶ”のにちょうど良いのである。

 個人的に、デスティニーガンダムは、「METAL BUILD」の商品がお気に入りだが、こちらとは異なる魅力を持つ「METAL ROBOT魂 デスティニーガンダム」にも大いに期待している。TAMASHII NATIONで試作品が飾られてから発売を待っていた商品だった。今回試作品を見て期待はさらに高まった。今後のラインナップの発表も待ちたいところだ。