レビュー
【Civ7】「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」レビュー
プレイしやすく中毒性はそのまま。待ち望んでいるファンの期待に応える出来栄え
2025年2月3日 23:00
- 【シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII】
- 2月11日 発売予定
- 価格:
- 通常版 8,800円(Switch版のみ7,700円)
- デラックス エディション 12,650円(Switch版のみ11,500円)
- 創始者エディション 16,500円(Switch版のみ15,400円)
多くのストラテジーファンが待ち望むPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC用ターン制ストラテジーゲーム「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII(以下、Civ7)」。2月11日の発売を目前に控え、期待に胸を膨らませるファンも少なくないだろう。
「Civ」シリーズは、文明を率いる指導者となり、自文明を発展させていくターン制ストラテジーゲームで、本作も大筋としてのゲームシステムは従来のまま。しかし、本作は文明が時代ごとに変化する「時代システム」や、都市運営が市街と郊外に分かれ、労働者も廃止される新たな都市開発システム等、大きな変化を取り入れたタイトルでもある。
すでに本誌では、2Kからゲームコードを提供してもらい、本作の序盤~中盤をプレイしたプレイレビューを掲載している。同記事でも書いた通り、本作は遊びやすさと中毒性の両立を試みたタイトルであり、中盤までのプレイでは確かな手ごたえを感じることができる作品となっていた。
そして本稿では、2Kからの提供で、いよいよ本作の終盤まで含んだフルレビューをお届けしたい。大きな変化を取り入れた「Civ7」の魅力をお伝えできれば幸いだ。なお、本稿は実際のプレイの流れを抑えつつ本作を紹介していく。新システムの大半は、先にあげた序盤レビューに要点がまとめてあるので手っ取り早く新要素の手触りを知りたいという方は、まずあちらの記事をざっと読んでいただければ幸いだ。
文明選びに大きな変化。「ミシシッピを率いる卑弥呼」にもなれる
「Civ」シリーズでは、覇権を握る文明となり、いくつかある勝利条件を他の文明よりも速く達成することが目的となる。「Civ7」でもこうしたゲームの大筋は変わらないが、文明の扱いはこれまでにないものとなっている。
ゲームをはじめるとまず、使用する指導者を選択することとなる。こちらはゲーム終了まで使用する、プレイヤーの分身的な存在だ。今回のプレイでは卑弥呼(倭の女王)を選択した。同盟を結んでいる指導者と双方の科学力を底上げする外交政策を独自に使用できる他、友好的な文明が多いほど科学力が底上げされる能力を持つ、所謂「科学指導者」となっている。
これまでの「Civ」では、指導者と文明がセットになっているのが通例で、最初に選んだ文明は、ゲーム終了まで変化することがなかった。今回のプレイでは、卑弥呼を選択したのだから、当然文明は日本になると予想するのが普通だろう。しかし、「Civ7」ではそうはいかない。本作ではゲームの時代が「古代」「探検の時代」「近代」に分かれ、それぞれの時代に対応する文明を選択し、変化しながら歴史を刻むことになる。
今回のプレイにおいて、古代で選択できる文明は全十種類。ギリシャやローマなども並んでいるが、卑弥呼でのプレイの際は同じアジアの地理的な選択として「クメール」が、戦略的に相性のいい文明として「ミシシッピ」がそれぞれオススメされた。ということで、今回のプレイでは、「古代のミシシッピを率いる卑弥呼」としてプレイすることにした。こうした史実では考えられない指導者と文明の組み合わせで自由にプレイできることが、本作の大きな特徴となっているというわけだ。
「古代」がスタート。まずは探索をして周囲を知ることに
早速ミシシッピ卑弥呼の歴史を刻んでいく。古代におけるゲームの流れが、そのまま本作全体を通しての基本的な進行となるので、少々尺を割いて紹介していこう。本作でもこれまで通り、ゲームスタート時点で保有しているのは小さな都市1つだけ。この都市で食料を生産することで人口を増やし、増えた人口を基に施設を作っていく。詳しくは後述するが、施設からは、建物をより速く建てるための生産力を得て、建物からは文明をより発展させるための新たな技術を得るための科学力や、文明の運営に役立つ政策を解禁するのに必要となる文化力、購入に必要なゴールドなどのリソースを得れる点も変化はない。
ともあれ、最初の都市を建設しても周囲の状況は隠されていて全く分からない。有用な資源を得られる第二、第三の居住区を建てるための立地や、他の文明に会うためにも、まずは探索が必要となる。探索のための斥候を都市で生産したら、周辺調査に乗り出していく。
探索に乗り出すとすぐ、青く光るイベントが発生する地点を発見できた。本作の新要素であるイベントは、発見イベント以外にも文明の発展や、自然災害の発生、都市国家との関係などをトリガーにして発生し、後のイベントに繋がるストーリーが展開されるものもある。イベントの多くが選択式となっており、プレイヤーの選択次第で様々な報酬を得ることができる。イベントはプレイのたびに変化をもたらしてくれるので、複数回プレイするたびに新鮮さを感じさせてくれる要素となっている。
周囲を探索していくと、周囲のタイルに恩恵をもたらす自然遺産「レッドウッドの森」を発見。さらに、隣人としてローマを率いる「マキャヴェッリ」と、エジプトを率いる「ハトシェプスト」と出会うことができた。卑弥呼の能力を考えると、仲よくしていきたいところだ。
また、どの陣営にも属さない勢力である新要素「村」も発見。こちらは敵対的な村として出現すると、これまでのシリーズの蛮族のように襲い掛かってくるが、友好的な場合はこちらに利益をもたらしてくれる存在だ。
なお、本作では、他勢力との外交は全て、施設等から得られる「影響力」と呼ばれるパラメーターを使用して行なっていく。他文明とお互いが得するような外交支援を結んだり、村を影響下に起き、敵対的な村を友好的なものにしたり、友好的な村を発展させ都市国家にしたりといったことの全てを、影響力で行なうのだ。これまでのように、ゴールドを使って資源を購入したりといったことはできないが、外交はよりスマートでわかりやすいものとなった印象だ。
古代で進む文明の基盤作り。新たな都市計画や町の存在
探索と同時並行で、最初の都市であるカホキアの発展も進めていく。前段でも軽く触れた通り、都市では生産した食料に応じて自動的に人口が増えていく。これまでの「Civ」シリーズでは、人口が増加するとタイルに市民を配置し、労働者を生産して指示をだし、タイルに施設を建設するといった流れが基本だったが、「Civ7」ではよりシンプルなものに変更されている。
本作では人口が増えると、都市内のタイルを改善するか、専門家を配置するかを選択することができる。タイルを改善すると選択したタイルに応じて農場や鉱山といった施設が作られ、文明の境界にあった場合は都市の領土が広がることとなる。労働者がいなくても、施設が勝手に建設されるのだ。こうした施設が配置されたタイルや、その周辺の未改良のタイルは「郊外」タイルと呼ばれ、郊外に「図書館」などの施設を建設すると「市街」タイルに変化する。建造物はゴールドや科学力といったリソースを効率よく得られるが、郊外を潰し過ぎると食糧難になるので、ちょうどいいバランスで発展させていくことが重要となる。
また、市街タイルには2つの建物スロットが存在し、同じ時代の建造物2つを揃えることで「街区」となり、社会政策や隣接ボーナス等から様々なボーナスを受けることが可能となる。郊外と市街のバランスだけでなく、いかに効率的に街区を配置していくかも重要というわけだ。
市街タイルと並んで重要なのが「町」の存在。本作では開拓者によって新たに入植する居住区は町として建設され、施設の建設ができず、一部の施設をゴールドで購入できるのみとなっている。また、施設に専門家を設置しボーナスを得られるのも都市のみだ。その代わりに町の生産力は自動的にゴールドに変換され、ひとつの生産に特化ができる「専業化」が可能となっている。都市では施設を建設し、科学力を得つつ、食料やゴールドは町で稼ぐという動きが基本となる。ゴールドを用いれば町から都市にアップグレードすることも可能だが、文明の縁の下の力持ちである町の数が減りすぎると破産が見えてくるので、計画的に都市化をしていくのがいいだろう。
本作には居住区の上限も存在し、これを超えて入植しすぎるとペナルティを受けてしまう。どう都市を発展させるかだけでなく、どれだけ都市を増やし、町を維持するかの管理も本作は必要になるという訳だ。
今回のプレイではほとんど都市は作らない少数精鋭戦略を取ったが、状況によっては大量の都市を抱えるようなプレイも可能かもしれない。この適切なバランスを探すのも面白そうだ。
ツリーを進めて技術・政策を解禁。方向性はレガシーの達成が指針に
施設によって得られた科学力と文化力は、それぞれ技術(科学)と社会制度(文化)ツリーの進行に用いられる。これまでとは異なり、各ツリーは時代毎のものが用意されており、社会制度ツリーには文明固有のものも存在している。
今回のプレイでは、第二の拠点として、「レッドウッドの森」の周辺に居住区をたてようとしたのだが、そこにマキャヴェッリが都市を建ててしまったので戦争で手に入れるべく、早急に固有ユニット「火矢」を解禁できるよう科学ツリーを進めていった。このように状況に応じて各ツリーをどう進めていくかも内政の重要なポイントだ。
また、社会制度ツリーで解禁される政策は、特定の収入の増加や、生産力の向上など、様々な恩恵をもたらしてくれる。こちらは解禁はもちろん、適切なタイミングで政策の付け替えを行なうことも必要となる。
なお本作には、時代の開始とともに提示された中から1つバフを選択する「政府」や、その政府のバフを発動し、政策スロットを増やす「祝宴」といった内政を助けるシステムも存在。また、指導者を強化する「属性ツリー」など、文明をまたいだ指導者の成長要素も存在する。本稿では詳しく扱うことは避けるが、どれも適切な選択でもって採用していく必要があるのは同様だ。
と、このように内政の方向性が多岐に渡る本作だけに、何を進めていけばいいかわからなくなりがちだ。そこで参考にしたいのが、時代毎に設定された「レガシーパス」だ。レガシーパスは経済、軍事、科学、文化の4つの分野に分かれ、それぞれが時代毎に達成すべき目標を段階的に定めている。これを達成していくことで、次の時代開始時に恩恵を得ることができ、スタートダッシュを決められる。
例えば、卑弥呼が指導者特性で得意とする科学のレガシーパスは、図書館を建設したり、ツリーを進めることで手に入る「写本」を展示することで進行する。他にも、居住区に資源を割り当てると経済パスが進み、他文明の居住区を占領すると軍事パスが進むといった具合に、レガシーパスを進めていけば、それに応じて文明も発展していくようになっている。全てのレガシーパスを達成することは相当難しいので、まずは指導者や文明の特性にあったものを進めていくといいだろう。
少し説明が長くなったが、本作の内政は目標が明確なだけに初心者でもプレイしやすいものとなっている。都市計画も労働者をいちいち操作するような煩わしさがなく、それでいてパズルのように郊外と市街を組み合わせる面白さを感じられる。
卑弥呼、火矢でローマを焼く
今回のプレイでは、科学力を活かした内政を進めていき、再序盤から火矢を解禁。マキャヴェッリが軍事ユニットを生産していないことをいいことに、一気に目標の都市である「ポンペイ」を占領。その先にあるローマの首都まで攻め込み、そのまま滅ぼしきることに成功した。
ちなみに、「Civ7」の戦争は新ユニット「司令官」を使用すればかなり快適に進めることが可能となっている。司令官は軍事ユニットを支援する存在で、ユニットを軍団として統合し、1つのまとまりとして移動することが可能。遠くのユニットを援軍として派遣することも可能なので、ユニットを1つずつ操作して進軍するストレスが皆無なのだ。
また、ユニットのレベルアップも廃止され、代わりに司令官の「昇進」へと置き換わった。司令官は昇進することで、周囲のユニットをバフしたり、居住区において内政のサポートをしてくれたりと様々なメリットをもたらしてくれるので、序盤から積極的に戦線へ送り出したい。
また、都市の占領では、都市中心部だけでなく、防壁の建てられた区域も占領する必要があり、最序盤を過ぎると攻囲ユニットが欠かせなくなってくる。攻囲ユニットを守るための前衛も当然それなりの数が必要なので、維持コストを考えながら軍拡をすすめなければならない。また、占領した居住区も居住区の上限にカウントされるので、無暗に占領せず、適度に都市を完全破壊する必要もある。
ローマを滅ぼし、占領したことで、卑弥呼のミシシッピは飛躍的に成長。エジプトと同盟を組めたこともあり、戦時中の内政の遅れも取り戻すことができた。その後は平和に過ごし、ナポレオンに出会ったり、各種レガシーパスを進めたりと、レガシーパスの達成に合わせて時代も進行。左上に表示されている「時代の進展」メーターが100パーセントに近づいていく。これが最大値になった時、古代が終わり次の探検の時代に自動的に移行することになるのだ。
時代が後半になると「危機」が発生。発展している文明ほどペナルティの大きい「危機の社会政策」を選択し、そのデメリットを受ける必要が生じてしまう。対処できるかで、次の時代への移行がスムーズにできるかが決まるので、なんとか耐えれそうなものを選んでいく。また、今回のプレイでは同盟を結んでいたハトシェプストがナポレオンと戦争を開始し、それに巻き込まれたこともあって内政が思ったように進まなくなった。危機の存在はスノーボールを止める役割があると感じたが、制約はかなり重く、ゴールドの収入や幸福度に大きなマイナスをもたらした。なお、危機の発生は設定でオン/オフを切り替えられる。
古代ではレガシーパスを達成しながら、次の時代へと向けた文明の基盤を作ることができた。都市の数もそれなりに増え、都市の出力も問題なさそうだ。とはいえ、次の「探検の時代」に移行すると、司令官や、世界遺産、居住区等は引き継がれるが、保有可能数を超過したユニットは削除され、前の時代の建造物は効果が薄くなるなどのリセットが行なわれる。
探検の時代では外洋に繰り出し、版図を広げる
古代を終えると、探検の時代が始まる前に、探検の時代で使用する文明を選ぶこととなる。探検の時代でもいくつかの文明がオススメされたが、今回は「ハワイ」を選択。領土が海洋地形に広がると文化力を得られる文明だ。
また、時代の始まりには古代のレガシーパスの達成度に応じて「レガシー」を選択できる。属性ツリーを進められる他、居住区の上限を増やしたり、特定の建造物を強化できたりといった恩恵を得ることが可能だ。
先に述べたように、ユニットの削除や建造物の陳腐化など多くの要素がリセットされてしまったが、居住区はそのまま。探検の時代では古代で築いた文明の基盤を拡大すべく、探検の時代のレガシーパスを達成していくこととなる。
探検の時代のレガシーパスは、外洋に飛び出て別大陸を開拓することで進行していくものが中心となっている。例えば、経済パスは首都と別の大陸で資源を得ることで進行していき、文化パスは探検の時代から採用できる宗教を他の文明に広げ、遺物を得ることで進んでいく。科学パスのみ内政で進み、都市に専門家を設置し出力を上げることで進行が可能だ。
古代の時点で自大陸には居住区の条件として整っている場所はほとんど残っていない。レガシーパスの達成もあるので、科学を進め、外洋に飛び出れるようにした後、別大陸の小島に都市を出していくこととなる。
外洋に繰り出していくと、古代では会えなかった別大陸の他の文明に出会うこともある。今回は「イブン・バットゥータ」と「アミナ」に出会うことができた。卑弥呼の能力は古代と変わらないため、新たな文明とも同盟を結んで科学にブーストをかけたい所だ。
今回は古代から解消されてしまったハトシェプストとの同盟を結びなおし、イブン・バットゥータとも新たに同盟を結んだのだ。同盟の力で科学を進め、文明の能力で外洋から文化を得て、宗教も創始。新たな建造物も解禁&改築を進めていき、とんとん拍子で文明が発展していく。
だが、ここで同盟に対しアミナが宣戦布告。外洋での戦争に発展した。探検の時代の戦争では、小島の攻防を海戦で行ない、本土で陸戦を行なうことになる。海戦は海上で船ユニットをまとめられる艦隊司令官を中心に据えて行なえるので、陸戦と同じようにストレスなく進めることが可能。今回のプレイでは新たに建設した小島を守った後、返す刀でアミナの本土に進行し、都市を占領することに成功した。
このように探検の時代は外洋への進出を中心にプレイすることになるのだが、サクサク進行していき、気付けば多くのレガシーパスを達成できていた。探検の時代にも終わりに近づくと危機が発生し、疫病の蔓延に苦しめられることとなったものの、これをなんとか生還。無事近代へ繋ぐことができた。
これまでの「Civ」シリーズでは、自大陸から出るかは状況に応じて判断する必要があり、海上ユニットを生産する手間を考えると基本的にはあまり外に出ず、最初の大陸で内政や戦争を行なうことが多かった印象だ。しかし、「Civ7」では探検の時代の存在で、必然的に外洋に繰り出すことになり、必然的に他国との関りや、別大陸での都市運営に苦心する必要が生じている。まだ勝利が見えていない中盤に明確な目的が生まれたことで、だれることなくプレイできた。
近代では勝利条件の達成を目指す
近代に移行する際も文明を選ぶことになるのだが、いよいよ近代では我らが「近代日本」文明を選択することができる。日本は建造物を建設すると、そのコストの半分を科学力として得ることができる他、固有の建造物として「日本型銀行」と「日本型重工業」を有している。また、この2つを1つの市街タイルにセットで建設することで固有街区「財閥」となる。固有建造物と街区は非常に強力で、大量のゴールドと生産力をもたらしてくれる。
近代でも探検の時代で得たレガシーを使用した他、今回は首都を変更。かつて奪ったローマを「東京」に名称変更し、首都として運用していく。
近代では、レガシーパスの達成がそのままゲームの勝利に繋がっている。例えば、科学勝利では、科学ツリーを進め、宇宙開発プロジェクトに乗り出し、宇宙へ進出することで勝利となる。他にも軍事勝利では居住区を占領することで解禁される、マンハッタン計画とアイビー作戦を完了することが、文化勝利では秘宝を集めることで解禁される世界博覧会の開催を行なえれば勝利となる。最後の経済勝利は、鉄道網を広げて工場で生産することで溜まっていくポイントが最大になると解禁される世界銀行支部の設立ミッションを達成することで勝利できる。古代、探検の時代と培ってきた文明の発展具合と、近代で選択した文明の特性から、どの勝利条件が一番達成できるかを考えたうえで進行するのがいいだろう。
今回のプレイでは、日本の特性を活かして科学勝利か経済勝利のどちらかを目指すプランで近代を進行。固有の街区「財閥」を都市に建設しつつ、得たゴールド収入で都市と町に次々に鉄道駅と工場を建設していく。途中、ナポレオンとアミナと戦争になったものの、これも科学で進んだ高品質なユニットを、高い生産力とゴールドの購入によって凌ぎきり、気付いた頃には勝利が目前となっていた。
最後は施設の建設時に科学力を得られる日本の能力もあって科学で独走。そのまま宇宙開発プロジェクトを達成し、有人飛行を成功させて科学勝利を果たすことができた。
近代では、勝利条件を目指し真っすぐプレイすることになるので、明確な目標が定められており、どの時代よりもプレイしやすい印象だった。また、前の時代から引き継いだ状況を見極めて、どう文明を勝利に導くかを考えるのは中々に楽しかった。
総評:プレイしやすく、中毒性はそのまま。リプレイ性に不安はあるもののストラテジーファンには是非プレイして欲しいタイトル
さて、「Civ7」を一通りプレイしての感想なのだが、まず多くの変更によってプレイしやすく、それでいて考えることがしっかり残っていることは好印象だった。レガシーパスの存在で古代から近代まで常にやることが明確で、内政から戦争に至るまで操作量が減ったことで煩わしさは減っている。それでいて、都市計画やレガシーの達成方法などには戦略性が欠かせない。文字通り「プレイしやすく中毒性はそのまま」の作品となっているのではないだろうか。
また、これまでの「Civ」に比べ、序盤からのスノーボールを時代の推移によるリセットや、危機によって抑えているので、序盤で勝利が確定している状況が減り、終盤まで飽きずにプレイできるのもポイントだ。文明の移り変わりも、なにを選択するかでリプレイ性を上げているし、前の時代からそのまま使用できる政策や固有街区の存在で、各時代毎の繋がりもしっかりと担保できている。
一方、懸念しているのは何十回とプレイしている中でのリプレイ性。まず、文明の数は各時代に10種類ほど存在するが、指導者の数に比べて足りていない印象だ。各時代に指導者の数と同程度の文明が存在すれば、文明と指導者の無限の組み合わせを、長期間楽しむことができるのではないだろうか。
また、時代毎のレガシーにも変化がないので、繰り返しプレイしていると、いくつか種類が欲しくなるのではと感じた。とはいえこれは、何十回もプレイする前提の「廃人」的な思考であることは間違いないし、今後のアップデートで追加の指導者や文明が来ることは間違いないので、そちらを期待していればいいだろう。
そんな本作だが、ストラテジーファンなら是非ともプレイして欲しい作品となっていることは間違いない。待ち望んでいるファンの期待に応え、不安を払拭してくれる出来栄えだ。ちなみに筆者は今後、最高難易度でプレイに挑戦したいと思っている。筆者は最高難易度一個下の難易度もクリアしているが、高難易度では、他文明のレガシーの達成が早いため時代がどんどん進んでいくので、より効率的なプレイが求められることとなる。正式リリース版でも、「あと1ターンだけ」と睡眠不足になるのは間違いなさそうだ。
(C)2024 Take-Two Interactive Software, Inc. Sid Meier’s Civilization, Civilization, Civ, 2K, Firaxis Games, Take-Two Interactive Software and their respective logos are all trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. All other marks and trademarks are the property of their respective owners. All rights reserved.