レビュー
「マイクロソフト フライトシミュレーター DUNE/デューン 砂の惑星 EXPANSION PACK」レビュー
40年もの歴史を積み重ねたフライトシミュレーターに、映画DUNEのトンボが舞い降りる!
2024年2月14日 01:00
- 【Microsoft Flight Simulator - Dune Expansion】
- 2月13日配信開始(米国時間)
- 価格:無料(無料アップデート)
2022年に40周年を迎えた「マイクロソフト フライトシミュレーター」(以下、MSFS)はPC上でとにかくリアルなフライトシミュレーションを行うべくその時代の最先端を行く3Dコンピューターグラフィックスで実現されてきたPCの性能を図るベンチマーク的存在でもあり、とにかく大空を自由に飛びまわりたいというファンの心をとらえて離さないシミュレーションソフトウェアです。
40周年とひとことで表されてしまいがちではありますが、2022年の40年前といえば1982年です。コンピューターの性能も現在とは比較すること自体が無意味に等しいレベルだった時代からなんとかそれを実現するべく研究・開発が続いています。MSFSのグラフィックスの進化はコンピューターの進化を感じられるジャンルの一つです。
2020年に新時代に突入したMSFSは“第2の地球”ともいうべき2PB(ペタバイト)越えの地形データをオンライン上に持ち、2Dのフォトリアリスティックを超え3Dで忠実に再現された地形や各都市、空港などが再現された空間を自由に飛び回れるようになりました。技術の進歩はすさまじく、数十万円出さないと構築できなかったPCはもとより、家庭用ゲーム機であるXbox Series X|Sでも同様の体験ができるほどになりました。
最新のMSFSは年に数回都市などの3Dデータをアップデートしており、よりリアルな風景を実現し続けています。そんなMSFSは映画などとのタイアップも行うようになってきました。2022年には大ヒットとなった「Top Gun: Maverick(トップガン:マーベリック)」から戦闘攻撃機F/A-18スーパーホーネットや飛行速度マッハ10を達成するダークスターといった航空機を無償アップデートで提供したり、Xboxでおなじみのゲーム「Halo Infinite(ヘイロー インフィニット)」からD77-TC降下艇ペリカンも無償アップデートで入手できます。
詳しい方ならダークスターもペリカンも架空の航空機であることがわかると思いますが、MSFSはこういった航空機を飛ばすこともできます。そして今回映画「DUNE/デューン 砂の惑星」とのタイアップが決定!劇中に登場するオーニソプターがEXPANSION PACKとして無償アップデートで提供されることになりました。当初2023年に登場予定でしたが2024年3月から公開される映画第2作公開に合わせて登場です。
映画「DUNE/デューン 砂の惑星」と“オーニソプター”とは
それでは映画「DUNE/デューン 砂の惑星」と“オーニソプター(Ornithopter)”を簡単にご紹介しましょう。映画DUNEは1965年に発表された『デューン砂の惑星』を映画化したものです。その物語の複雑さや重厚さにより映像化が困難とされていましたが2021年についに実現、2部作で構成され第2部「デューン 砂の惑星PART2」がこの2024年3月15日から公開予定となっています。
10190年、レト・アトレイデス公爵は家族と共に砂の惑星アラキス、通称“デューン”を訪れる。彼らはここでしか採れない貴重な資源(香料)によって利益を得るはずだったが、その資源をめぐる大きな陰謀により物語が進んでいく……。そしてその争いの中で登場するのが航空機“オーニソプター”です。
オーニソプターは実世界に存在する鳥や虫などの羽を高速で振動させることで推進力や滞空、滑空能力を持つ生物を模して作られた航空機です。日本人的にはジブリアニメ「天空の城ラピュタ」に登場するドーラ一家の飛行機“フラップター”がイメージとしては近いでしょうか。DUNEに登場するオーニソプターは“トンボ”の形状を模しています。トンボが持つ多彩な飛行能力を得たオーニソプターは劇中で大活躍し、劇中字幕では“羽ばたき機”と表現されます。
DUNE EXPANSION 導入
EXPANSIONの提供がスタートしたら、MSFSのメニューから“マーケットプレイス”にてキーワード“dune”検索、対象パックが表示されていたらダウンロードするだけです。データサイズは約6GBありますし、他にも無料アップデートがあるかもしれませんので時間の余裕をもってダウンロードしてみてください。
オーニソプターを飛ばしてみよう!
ダウンロードが完了するとオーニソプターが自分の機体として選択できるはずです。できなければダウンロード漏れがないか、XboxやPCを再起動させてみてください。格納庫にて機体を選択、ガレージに納まれば準備万端。さっそく飛んでみましょう!ちなみに、機体名の“ハウスアトレイデ”とは“アトレイド家”の意味です。劇中ではいくつかの種類がありますので今後の展開にも期待したいところですね!
一通り機体を飛ばしてみたところでEXPANSION PACKならではのアクティビティにチャレンジしてみましょう。すでに飛ばしているので操作自体はわかっているとこともありますが、チュートリアルで本来の機体コントロールを学べます。さらにチャレンジでチュートリアルで学んだ技術を使ってゲームを楽しむことができます。
チュートリアル:離陸で駐機状態のオーニソプターを翼の展開、出力上昇、アフターバーナー点火で目的地まで飛びます。最初の翼の展開の仕方がかっこいいので外部視点でよく観察してみてください!
チュートリアル:ダイブではオーニソプターらしさ全開のアクションを学びます。飛行中に翼を閉じることでダイビングモードになり、急降下を始めます。地表に激突しないように再度翼を展張して揚力を得てクリアします。
チュートリアル:着陸はオーニソプターがその場へ着陸できる機能を持つことを学びます。速度が出ている状態からブレーキをかけることでその場に滞空できるホバリング状態になります。出力を絞って降下、ポートに着陸します。
本来の機体性能を学べたら次はチャレンジをプレイしてみましょう。ここではデザートランをプレイしてみます。他の2つもレースとダイビングチャレンジということでそちらはぜひご自身の手でオーニソプターを操ってみてください。
チャレンジ:デザートランはエリア内にある3つのパッドに降下するという内容です。アフターバーナーが使える量には限りがありますのでこれをどこで使うのかが大きな攻略方法と言えるでしょうか。いかにロスを少なくするかも重要です。ランキングボードもあるので世界のプレイヤーと競ってみてください。単純な内容ながら細やかな操作も必要で楽しいですよ!
さらに大型アップデートを控えるマイクロソフトシミュレーター!
2020年に驚きとともに登場した「マイクロソフト フライトシミュレーター」はMSFS2020とも呼ばれています。そして今年2024年にはこれまでの蓄積した技術を盛り込んだ「マイクロソフト フライトシミュレーター 2024」が登場するとアナウンスされています。
MSFS2024はMSFS2020の知見をもとにスタンドアロンでの動作をベースとするようです。2PBもあるクラウドデータから一部を読み込むにしてもそれはなかなに時間がかかる作業ではありましたがスタンドアロンであれば必要なデータを絞り込めてより軽快な動作を行えると思われます。
そしてなにより航空機がかかわる仕事を体験できるようになるとのこと、山火事の消火活動・山岳救助・海底油田基地への輸送任務・救護活動・農薬散布・スカイダイビング・鉄塔の建設・現代のエアレース・空戦シミュレーション・熱気球といった空飛ぶ仕事を体験できるようです。
明確な仕様やリリース日は決まっていないようですが年内の登場に期待しましょう!
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