レビュー
「ブレイドアンドソウル2」レビュー
MMORPGファンにこそプレイして欲しい! モダンな遊びやすさと高いアクション性が両立
2023年8月31日 17:09
- 【ブレイドアンドソウル2】
- 8月23日0時~ 正式サービス開始
- 価格:基本無料(アイテム課金制)
NCSOFTはAndroid/iOS/PC(NCSOFTのクロスプレイサービス「PURPLE(パープル)」を経由)用のMMORPG「ブレイドアンドソウル 2」の正式サービスを8月23日に開始した。
「ブレイドアンドソウル2」は2014年にリリースされたPC用MMORPG「ブレイドアンドソウル」の正統後継作だ。舞台は「ブレイドアンドソウル」から長い年月が経った後の世界。東洋ファンタジー風の世界観のなかで、自分の好きなキャラクターと武器で世界を駆け回ることができる。アクション性の高い戦闘の魅力を活かしつつ、スマホとPCの両プラットフォームに対応するという特徴を持つ。
率直な感想としては、MMORPGとしてはモダンで遊びやすいスマホMMORPGの長所を盛り込みつつ、「ブレイドアンドソウル」らしいアクション要素の高めな戦闘や、「軽功」を使ったフィールド探索が印象的な作品に仕上がっている。
本稿では本作がなぜ遊びやすいMMORPGに仕上がっているのか、そして本作が持つ「ブレイドアンドソウル」シリーズ作品らしさについて紹介していきたい。
NCSOFTの本気を感じるモダンで遊びやすいMMORPG!
「ブレイドアンドソウル2」は、ゲーム内で受諾できるクエストを順にプレイしていくことで、ゲームシステムが徐々にアンロックして理解が進むし、序盤の必要なアイテムも手に入るし、キャラクターもある程度育つようになっている。レガシーなMMORPGに見られる、いきなり世界の中に放り込まれて、すべての機能が解放されており、好きなところに行ってもよい、というシステムと比較すると非常に遊びやすい。
本作のストーリーは、PC版「ブレイドアンドソウル」から長い時を経た世界。生命を破壊しようとする「修羅」と生命を守ろうとする「神獣」という2つの力を持って生まれた主人公がある事件の後に、長い旅に出るというストーリーだ。重要な場面では要所でカットシーンも入り、雰囲気を盛り上げてくれる。
戦闘関連では、最近のトレンドの自動狩り機能も搭載、片手間でゲームを起動しつつ、狩りをさせて経験値を稼いだりお金を稼ぐことができる。ガッツリやりこむときは、手動でクエストを進めたり、後述するアクション性の高い戦闘を楽しみ、でかけている間や寝ている間など手動でのプレイができない時は自動狩りで放置しておけば、帰ってきたときにキャラクターが成長しているというわけだ。
本作には武功(スキルのようなもの)自体の強化や進化というシステムもあったり、「ブレイドアンドソウル」にも登場したキャラクターを含めた様々なキャラクターが登場するソウルシステム、守護霊システムなどがあり、これらを組み合わせることでもキャラクターのステータスを上げることができる。
また、ダンジョンや毎日の依頼任務(クエスト)の報酬として獲得できるアイテム「秘玉」は、商店でソウルや守護霊を召喚したり、貴重な装備、能力値や経験値バフアイテムなどと交換することができる。さらに特定のイベント期間では、希少から英雄等級のソウルや守護霊が入手できるので要注目だ。
ほかにもオンラインゲームらしい門派(いわゆるギルド)システムや、PvPなども搭載しており、MMORPGに求めている要素はグッと詰め込まれている印象だ。
全体的にオーソドックスかつわかりやすく仕上がっているが、その中でもキャラクター育成の奥深さ、そして幅広さはNCSOFTの魂を感じる。
タイミング良く回避やパリィを決める快感!
前項でアクション性の高い戦闘ということに触れた。そこについて掘り下げていきたいと思う。本作を進めていくと雑魚モンスターより少し強めな中ボス以上の敵と戦うシーンがある。
そういった敵の体力は雑魚モンスターと比べられないほどに多く、攻撃パターンもただ殴ってくるような一辺倒なものではない。振りかぶった大きな一撃を加えてきたり、こちらが気絶するような攻撃も繰り出してくる。特に前兆が表示される大きな攻撃があり、そのまま受けてしまうと戦闘がかなり不利になる。大きくキャラクタースペックの差があれば棒立ちでも勝てるかもしれないが、殆どの場合はそう上手くいかないだろう。
こういった敵に勝つためには敵の攻撃を避け、隙を見てこちらの攻撃をたたき込むという戦い方が基本だ。筆者もプレイを通じて何体かこういった敵と戦ったのだが、ポイントは敵の行動の見極めだと感じた。
例えば、弱い攻撃はあえて避けず回復薬を連打しながら耐えて攻撃をする。大きく振りかぶる攻撃は被ダメージが大きいので手動で横に移動して回避する、といった具合だ。
そして攻撃の中には前兆がアイコンとして表示される特殊なものがある。これはかなり強力で、受けてしまうとかなり辛いのだが、攻め時でもある。攻撃に合わせて「ソウルパリィ」という受け流しアクションや、「後方移動」といった特定のアクションで攻撃を避けることで、逆に相手の隙をついて攻撃を連続でたたき込めたり、気絶を奪えるからだ。
ボス敵との対戦では、耐える、避ける、アクションをする。この見極めが非常に重要だと感じた。正直本作にはなかなか手ごわいモンスターが序盤から登場する。正直、筆者も何度もダウンさせられたモンスターもいた。だがプレイしているうちにパターンが体の中に馴染み、最終的にはすんなり倒せてしまった。ここは単なるモダンMMORPGではなく、「ブレイドアンドソウル」ならではのアレンジが効いた部分だと感じた。
軽功を使ってフィールドを探索せよ!クエストで通過するだけではない。
そして本作は広がるフィールドを自由に探索できるオープンワールドゲームである。ただMMORPGのオープンワールドは、レベル帯ごとにモンスターが配置されており、適正レベルを越えたらボスモンスターを倒すときくらいにしかそのフィールドを訪れないということが往々にしてある。
だが本作にはフィールドを探索する「石碑」や「トモ」という要素があり、マップを探索する要素にも重きが置かれていた。
良いポイントだと感じたのが、マップに大まかな場所が表示されている一方で、ただ行ったからといって見つけられる物ではないこと。本作のフィールドは高低差がかなりあり、マップ上で示してある場に行った上でどうやったらたどり着けるのか少し考えたり工夫しなければいけないようになっていた。そこのバランスが絶妙だ。
そういった高低差を乗り越えるために必要なのが、「ブレイドアンドソウル」、そして本作「ブレイドアンドソウル2」の特徴の1つである「軽功」というアクション要素だ。
軽功は高いところから飛び降りて滑空をしたり、水面を走ったりすることができる特殊なアクションである。この軽功というアクションを使わなければ到達できないポイントに、ランドマークなどが隠されている。探索と軽功の活用という組み合わせが上手くマッチしていると感じた。
最初から使える軽功は少ないが、その他の成長要素と同じで、ゲームを進めていくと少しずつ習得できるようになっている。
「石碑」や「トモ」探しに加え、特定のモンスターを倒すなどのミッションをクリアするとポイントが獲得できる「冒険者システム」というコンテンツも存在する。各ミッションには点数が設定されており、一定の点数を超えればステータスにプラスの効果も見込める。他のクエストとは毛色が少し異なる、本作らしいユニークなシステムだと感じた。
「ブレイドアンドソウル2」はMMORPGを長く手がけているNCSOFTがこれまでのノウハウをたっぷりと詰め込んだモダンで遊びやすい作品であり、「ブレイドアンドソウル」の名を冠している特徴もあわせもった、挑戦作だと感じた。
MMORPGから離れていたファンにこそ触って欲しい!
といった具合で、本作ならではの細かいゲームシステムを紹介してきた。「堅実なMMORPG要素」、「アクション性の高い戦闘」、「様々なマップの探索要素」の3つが重なることで本作ではどんな体験ができるのだろうか。
軸となるのは、自動プレイを使いつつ、クエストを進めてストーリーを楽しみながらキャラクターを育てていく部分だろう。時には自動狩りでは太刀打ちできず、アクション性の高い戦闘が必要な強敵と戦うこともあるだろうし、戦闘以外でも本作のアクション要素を使ってフィールドを探索することもある。要所要所で手動でプレイを進めていくような、その組み合わせはまさに本作でしか体験できない遊び方と感じた。
まだエンドコンテンツまでいけておらず、今はキャラクターの強化とメインのクエストを進行しつつ、こういった遊び方をしているが、もっとゲームが進んでいけば、PvPやボス狩りなどの要素も出てくるかと思う。その際には、強化したキャラクターを使った新しい遊び方にも出会えるだろう。一方で、キャラクターをコツコツと強くするという遊びは変わらないのではないかと思う。
モダンなMMORPGの遊び方があり、ブレイドアンドソウル2ならではの遊び方もある。そういう意味ではMMORPGのファン、特にしばらくMMORPGから離れていたというプレーヤーにはこの機会に触ってもらえればと思う。