レビュー

「星のカービィ Wii デラックス」レビュー

シリーズ伝統の面白さを追求したWii版をグレードアップ! マホロアを操作する新モードも収録

【星のカービィ Wii デラックス】

発売元:任天堂

開発元:ハル研究所、任天堂

ジャンル:アクション

プラットフォーム:Nintendo Switch

CERO:A(全年齢対象)

発売日:2月24日

価格:
ダウンロード版 6,500円
パッケージ版 6,578円

 任天堂はNintendo Switch用アクションゲーム「星のカービィ Wii デラックス」を2月24日に発売する。

 任天堂とハル研究所のタッグによる人気シリーズ「星のカービィ」の最新作にして、2011年にWiiで発売された「星のカービィ Wii」をNintendo Switchで蘇らせた
本作。「すいこみアクション」や「コピー能力」など、シリーズ伝統のゲームシステムを踏襲したアクションは、懐かしさと新しさの両方を感じられる手応えに仕上がっている。

 また本作では、最大4人でサブゲームが遊べる「わいわいマホロアランド」やマホロアを操作してステージを攻略する「マホロアエピローグ」といった追加要素も収録されている。

 本稿では、そんな「星のカービィ Wii デラックス」のレビューをお届けしていこう。

【星のカービィ Wii デラックス 紹介映像】
こちらは「星のカービィ Wii」
こちらが「星のカービィ Wii デラックス」。グラフィックスもキレイになっている
「星のカービィ Wii デラックス」の新要素

・「わいわいマホロアランド」
・「マホロアエピローグ」
・「おたすけマホロア」
・新コピー能力2種

「星のカービィ」シリーズ伝統の面白さを追求し、プレーヤーを飽きさせない完成度に仕上がった

 昨年「星のカービィ」シリーズが30周年を迎え、過去作品とは一線を画す3Dアクションの「星のカービィ ディスカバリー」が発売となった。シリーズに新たな世界観やゲームシステムを提唱した「星のカービィ ディスカバリー」とは異なり、この「星のカービィ Wii デラックス」は従来シリーズのフォーマットに則った2Dスクロールタイプのアクションとなっている。

シリーズ伝統のアクションを駆使して進むサイドビューのゲームが展開
「吸い込んではき出す」、「吸い込んでコピーする」、「空気を吸い込んでホバリングする」といったカービィの能力も健在だ

 カービィ達が暮らすポップスターに、空から突然宇宙船が不時着。それに乗っていた「マホロア」を助けるために、ポップスターじゅうに散らばってしまった船のパーツを集めるというストーリーが展開する。絵本のような質感で描かれたオープニングムービーはアニメーションが見ていて心地がいい。ここではデデデ大王やワドルディ、メタナイトなど、かつてのライバル達も登場し、彼らと共闘することも明らかになる。

空から落ちてきたマホロアの宇宙船を直してあげるために、カービィ達が活躍する

 新キャラクターのマホロアは、宇宙船のパーツ集めをカービィに依頼するお礼として、冒険を手助けしてくれる。彼の宇宙船「ローア」はゲームの拠点のひとつとなり、各ステージにある「エナジースフィア」という歯車の形をしたアイテムを集めていくことで、サブゲームやチャレンジステージ、コピー能力のお試し部屋など、内部にある様々な施設がアンロックされていく仕組みだ。

ボスを倒してパーツを持ち帰ろう
ステージごとに規定数手に入るエナジースフィア。巧妙に隠されていることも
集めたエナジースフィアの数でローアの中に施設がアンロックされる

 また本作からの新要素として、「おたすけマホロア」のシステムが導入された。これはピンチのときにマホロアが現れて助けてくれる救済処置で、カービィの体力が2倍となったり、穴に落ちたときに引き上げてくれたり、体力が減ったときに、たべものアイテムを投げてくれたりと、至れり尽くせりの内容。設定でオンにしておくことでアクションが苦手な人でも気軽にプレイできるだろう。実際このシステムをオンにしてプレイしたところ、中盤まで一度もミスをすることなくプレイすることができている。

「おたすけマホロア」をオンにしておくと、冒頭で体力が2倍になるクスリをくれる
うっかり落ちてしまったときも助けてくれる。彼がいれば落下によるミスはなくなるのだ

 ゲームシステムは冒頭でも述べた通り、「星のカービィ」シリーズのアクションを踏襲している。敵や物質を吸い込んで飛ばす攻撃や、空気をほおばってのホバリング、そして特定の敵を飲み込んでその力を得るコピー能力など、シリーズを遊んでいればすぐに馴染めるものだ。もちろん初めてシリーズを遊ぶ人や、アクションゲーム自体のビギナーでも楽しめる内容で、わかりやすい操作とチュートリアル、前述のおたすけマホロアの存在などによって、広いプレーヤー層をカバーしている。

特定のアクションを最初に使うときは、看板に操作方法が掲示。これがチュートリアルとなっている
特定の敵を吸い込むとコピー能力が発動
コピー能力は入力によって出せる技が変わるのも面白いところだ

 広い層のプレーヤーが楽しめる要素として、おすそわけプレイも見逃せない点だ。ゲームプレイ中に他のプレーヤーが乱入してマルチプレイができる仕組みで、ここで登場するのがデデデ大王、ワドルディ、メタナイトと、各々の個性的な力を発揮して活躍できるのである。

 また、乱入時は色違いのカービィも選べるようになっており、このときはすいこみアクションで他のプレーヤーを吸い込んでコピー能力を奪うといったお邪魔プレイの要素もあるなど、友達とのプレイが楽しくなるようによく考えられている。元のWii版からあった要素ではあるのだが、SwitchのJoy-Conの存在によってWiiのときよりも手軽に家族や友達同士が参加できるようになったのは大きい。

コントローラーが繋がっていれば乱入はいつでもOK。キャラクターも選べ、いつでも抜けられる
一緒に遊んでいる仲間をおんぶした状態でも行動可能。同時に攻撃を繰り出れば強力な攻撃が出せる

 ビギナーやファミリーもカバーするタイトルでありながらも、ゲーム全体がチープなつくりになっていないのが「星のカービィ」シリーズのいいところで、本作はWii版で構築された3DグラフィックスをSwitch準拠のものに置き換え、見た目も大きく進化している。

 またステージ内に落ちているエナジースフィアや、それらが隠された「異空間」が存在する場所が絶妙で、ゲームが進むと初見で全て回収するのは難しいところもあり、何度も挑戦して隅々まで探索したくなるレベルデザインには毎度感心させられる。

グラフィックスもWii版からかなり進歩して美しくなった。カービィ達は本当に愛らしい
コピー能力を駆使して、ステージのギミックを解いて進むのだ
異空間は持っていたコピー能力が全て失われ、進行方向と逆から迫る壁に追いつかれないように進まなければならない
異空間のラストには「スフィアローパー」なるボスが登場。その手前で手に入るコピー能力を駆使して戦おう

コピー能力は全26種類! 新たに「アーマー」と「サンド」が追加され、さらに多彩に

 ゲームの要となるのは、やはりコピー能力。本作では全26種のコピー能力が存在し、それぞれでアクションの手触りや使い勝手も大きく異なるので、新しい能力の入手が毎回楽しくなってくる。状況によって使い分けてもいいし、お気に入りを使い続けてもいいという選択肢もあるわけだが、コピー能力が手に入る付近で何らかの使い方をすることで、新たな道が切り開けるというのもお約束だ。

コピー能力はステージ構成に合わせて上手く使い分けができるとさらに楽しくなる
何らかの攻撃手段となるのでボスにも有効。倒したボスからもコピー能力を得られることは多い

 今回新たに追加されたコピー能力は「アーマー」と「サンド」。前者のアーマーはカービィがパワードスーツのようなアーマーを着込んで、キャノン砲やパンチによって攻撃を行うもので、ボタンを長押しして放つチャージによる攻撃が超強力だ。

 一方、サンドは砂を使った多彩な攻撃が魅力。チャージ攻撃では前方に砂の手を伸ばして敵やアイテムを掴めるという幅広いアクションがある。ともにゲームの比較的早い段階で使えるのでぜひ試してみてほしい。

アーマーは攻撃だけでなくホバリングにも優れ、空中移動がしやすい
変幻自在の砂で攻撃するサンド。壁越しのアイテムを取ることもできる

 特定の場所にいる虹色の敵を吸い込むと発揮できる「スーパー能力」もある。こちらはコピー能力の超強力バージョンで、敵を蹴散らすだけでなく、周囲の地形の一部を削り取れるほどの力を持っている。瞬間的な能力ではなく、長時間使えるのが気持ちいいのだが、これを使って削った地形の中に異空間への入口が隠れていることもあり、そこに入ってしまうと効果がなくなってしまうのがもどかしくもある。逆に考えれば、この力を得たときは周囲に何かがある可能性が高いということでもあるのだ。

スーパー能力の「ウルトラソード」。いろいろな刃物で背景まで削り取る
「ドラゴストーム」は炎のドラゴンが前方を焼き尽くす

ゲーム本編を忘れて楽しめる「わいわいマホロアランド」と、エンディング後のお楽しみ「マホロアエピローグ」

 本作には「わいわいマホロアランド」という、「支配人マホロア」が運営するテーマパークが登場している。ここでは10種類のアトラクションがサブゲームになっていて、最大4人で遊ぶことができる。ゲーム本編とは別に用意されたオマケ的な要素なのだが、最大4人で遊べる10種類のゲームのクオリティはもちろん、パークのグラフィックスや演出までしっかり作り込まれていて、さらにインターネットランキングもあるなど、これだけでもソフト1本成立しそうな内容である。単に遊ぶだけでなく、ゲーム本編に持ち込めるアイテムを入手できるなど、プレイする意義を持たせているのもポイントだ。

わいわいマホロアランド全景。アトラクションがサブゲームになっている
遊べるサブゲームは10種類。1人から2人〜4人まで遊べる
アトラクションを楽しむことでもらえるスタンプをためるとプレゼントがもらえる

 さらに本作では、このマホロアが主人公となる追加エピソード「マホロアエピローグ 異空をかける旅人」も収録されている。ここでは、本編のストーリーでも非常に重要な存在となるマホロアがプレーヤーキャラクターとなり、異空のどん底から脱出する物語が描かれる。

 マホロアは敵を倒して手に入れる「まりょくポイント」を使うことで能力の強化が可能というシステムがあり、カービィのコピー能力とはまた違った手触りを味わえる。こちらはゲームクリア後にプレイできるので、本編ストーリーの余韻を味わいつつ、楽しんでほしい。

ゲームクリア後にプレイできる「マホロアエピローグ」。エンディングを見たあとプレイはより感慨深いものとなるはず

「星のカービィ」シリーズの面白さを改めて実感する1本。体験版を試してみるのもオススメ

 Wiiからのリメイクタイトルながら、グラフィックスや演出が大幅にアップデートされた。カービィは新たなコピー能力も身に着け、さらにゲームクリア後のエピソードが追加されるなど、単なる移植ではない盛りだくさんな内容だ。

 アクションの手触りもよく、複数のコピー能力やステージの多彩なギミック、エナジースフィアを見つける探索要素などにより、飽きずに長くゲームを楽しめるのではないだろうか。何より、けなげで表情豊かに冒険を繰り広げるカービィの姿を見るのは楽しく、その一方で意外にもハードな趣のストーリー展開にもワクワクさせられた。

 また「おたすけマホロア」のような救済処置はビギナーに優しいだけでなく、あまり肩肘張らずに心地よくゲームを進めたい筆者のようなプレーヤーにとってもありがたい要素で、好みや気分でオフにすれば本来の難易度で遊べるのもいいところだ。

 「星のカービィ ディスカバリー」で新しい方向性を見いだした「星のカービィ」シリーズだが、本作のように従来のゲームデザインを踏襲することも忘れてはおらず、これからの展開も大いに楽しみとなった。ゲームシステムやマルチプレイを試せる無料体験版も配信されているので、まずはそちらで手触りと完成度を味わってみて、気に入ったらぜひ製品版に挑んでいただきたい。