レビュー

「Monster Energy Supercross - The Official Videogame 4」レビュー

オフロードバイクレースを存分に楽しむための多彩なモードを用意

 ゲームの主なモードについても触れておこう。「キャリアー」は、自分の分身となるライダーを作り、「フューチャー」とよばれる新人時代からレースやトレーニングを重ねて成長させていく本作のメインモードだ。成長すると5つのカテゴリーのツリーからアビリティをアンロックでき、自分だけのライダーを育成することができる。ストーリーなどは特に設定されていない質実剛健な内容ながら、レース中にクラッシュすると怪我を負い、治療費が払えないと一時的に能力が下がるといったイベント的な要素もある。

プレーヤーキャラクターをエディット。性別や体型、顔つきなどを設定して作れる
キャリアーで乗るマシンは、6メーカーのものから選べる。
トレーニングでは、走行によってポイントを稼ぐ
スキルポイントを消費して5カテゴリーのアビリティを身に付けられる

 「イベント」はライダーとトラックを選んでレースを楽しむ「シングルイベント」と、同様の条件で1人で走ってタイムを競う「タイムアタック」が存在する。上級の450クラスも選べるので、手っ取り早くレースを楽しんだり、トラックのレイアウトを確認したりするのはこのモードがいい。

100人近く収録されたの公式ライダーを選んでプレイするシングルイベント。もちろんキャリアーで育てたキャラクターを使うことも可能
プレーヤー単独で走るタイムアタック。大きくコースアウトすると、その周回のタイムが無効になるので注意

 「コンパウンド」はトラックのない広大なアウトドアフィールド上でフリー走行ができるモード。自然の丘や岩などを使ったトリックを行なったり、高低差を利用したダウンヒルやヒルクライムを体験したりすることも可能で、スーパークロスとはひと味違ったオフロードを存分に走ることができる。さらにフィールド上には収集アイテムも隠されていて、それを探すのも楽しみの一つとなっている。またこのフィールドに組まれたトラックでのイベントレースやタイムアタックもこのモードからプレイ可能だ。

海と山に囲まれた起伏のあるマップの上を自由に走れるコンパウンド
人やライダーの姿は見当たらないが、建物がある場所も
コンパウンドでのイベントレース。スタジアムのトラックとはレイアウトもずいぶん違う

 そして本作の目玉モードの一つ「コースエディタ」は、その名の通りスーパークロスのトラックをプレーヤーが作り、それをオンラインでシェアできるというもの。スタジアムの形とスタート地点を決めたら、後はコースになるようにパーツを繋いでいくだけ。スタジアムいっぱいを使ったり、いろいろなパーツを使ったりするのはちょっと頭を使うが、ちょっとしたコースならすぐに完成させられるはず。この手のエディットモードはプレーヤーが作ったデータで遊ぶのもお楽しみであり、どんなトラックがアップロードされるのか今から期待がかかる。

コースエディタにもチュートリアルが用意されている。一通り触れば理解できるだろう
テスト的に作ってみたトラック。最初は形だけを作って、後でフープやジャンプなどの障害物を置いていくといい
検証のためのテスト走行も可能。完成したらすぐに専用のサーバーにアップロードができるようだ

 本文中でも述べた通り、オフロードバイクの操作が難しくも楽しいゲームで、各種モードも充実していて、じっくり遊べる内容であることは間違いない。最新の選手データや会場となるレーストラックの存在もファンには嬉しいものだ。その一方で気になるのはやはり、スーパークロスやモトクロスに関する知識が多少なりないと、ゲームを進めることすら難しいという点だ。チュートリアルで説明されているスクラブが、操作のタイミングによってスクラブではなくウィップになることがあり、その違いは検索することでなんとなく理解できたのだが、そういうことはゲームの中で説明してほしいという気持ちは強い。今からこうした用語集やヘルプをゲーム内に追加するのは難しいかもしれないが、発売後の公式サイトなどで説明してもらえれば、もう少し取っつきやすくなるような気がした。

ポーズをかけてカメラモードを開くと、迫力のある写真を撮影することができる

 筆者もこれまでオフロードバイクレースは、ゲームは楽しんでいたものの、スポーツとして触れる機会はあまりなかった。しかも本作はスーパークロスという競技を知るいい機会にもなった。今回は製品版をプレイできたので、テクニックや選手のことなどをもっと調べて、せめて入賞できるぐらいまでは遊んでみたいと考えた次第だ。