「GALLERIA ZA7R-R36 7700X搭載」レビュー
GALLERIA ZA7R-R36 7700X搭載
AMDの最新CPU「Ryzen 7 7700X」搭載。配信しながらのゲームプレイも楽々!
- ジャンル:
- ゲーミングPC
- 発売元:
- サードウェーブ
- 開発元:
- サードウェーブ
- プラットフォーム:
- Windows PC
- 価格:
- 299,979円(税込)
2022年11月30日 00:00
サードウェーブのゲーミングPCブランド「GALLERIA(ガレリア)」シリーズは、いち早く最新のCPUやGPUを搭載したモデルをリリースすることで人気がある。いうまでもなく、CPUとGPUは、ゲーミングPCの基本性能を左右する重要なパーツだ。今回は、GALLERIAシリーズのデスクトップPCの中から、AMDが2022年9月に発表したRyzen 7 7700Xをいち早く搭載した「GALLERIA ZA7R-R36 7700X搭載」を試用する機会を得た。
このRyzen 7 7700Xは、前世代と比較して最大45%も性能が向上した高性能CPUであり、その高いCPU性能をフルに活かすには、単にゲームをプレイするだけでは物足りない。そこで、ここではフェイストラッキングに対応したアバターをゲーム画面に重ねて、VTuberとしてのゲーム実況ライブ配信にも挑戦してみた。早速その実力を検証してみたい。
AMDの最新CPU「Ryzen 7 7700X」とNVIDIAの「GeForce RTX 3060」を搭載
「GALLERIA ZA7R-R36 7700X搭載」(以下ZA7R-R36)は、CPUとして「Ryzen 7 7700X」を、GPUとして「GeForce RTX 3060」を搭載したミドルレンジモデルであり、コストパフォーマンスに優れたAMDの最新CPUを搭載していることが魅力だ。まずは、基本スペックを見ていこう。
【GALLERIA ZA7R-R36 7700X搭載】
CPU:AMD Ryzen 7 7700X(8コア/16スレッド、4.50GHz~5.40GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060(12GB)
チップセット:AMD X670E
メインメモリ:16GB DDR5-4800MHz DIMM(8GB×2)
ストレージ:1TB Gen4 NVMe SSD
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Home
本体サイズ:220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約14㎏
価格:299,979円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=13&tc=30&ft=&mc=11656&sn=0
ZA7R-R36の最大のウリは、PCとしての基本的な処理性能を左右するCPUに、AMDが2022年9月に発表したばかりの最新CPU「Ryzen 7 7700X」を搭載していることだ。Ryzen 7 7700Xは、「Zen 4」と呼ばれる最新マイクロアーキテクチャを採用した新世代Ryzenであり、最新の5nmプロセスで製造される。ソケットもAM5に一新され、PCIe 5.0やDDR5にもいち早く対応するなどプラットフォームも強化されている。Zen 4は従来のZen 3に比べて、クロック当たりの性能が最大13%向上しているだけでなく、動作クロック自体も向上しているので、シングルスレッド性能は最大29%、マルチスレッド性能は最大45%も向上している。
Ryzen 7 7700Xは8コアCPUで、インテルのCPUと同じく1つのコアで同時に2つのスレッドを実行できるSMT技術を搭載しているため、最大16スレッドの同時実行が可能だ。
3D描画性能を左右するGPUとしては、NVIDIAのGeForce RTX 3060が採用されている。RTX 3060はミドルレンジに位置するGPUだが、コストパフォーマンスが高く、最新ゲームもフルHD解像度なら最高画質で快適にプレイできるパフォーマンスを備えている。
メインメモリは16GBで、ストレージはPCIe 4.0対応NVMe 1TB SSDを搭載しており、こちらも必要にして十分なスペックといえるだろう。
デザインと機能性、使い勝手に優れたGALLERIAオリジナルケース
GALLERIAシリーズのデスクトップPCは、GALLERIAオリジナルのタワーケースを採用している。GALLERIAのタワーケースは、2020年夏に設計が一新された新ケースに変更されたが、この新ケースは、グラフィックボードの大型化といったPCの最新トレンドを見据えて設計されたもので、デザイン、使い勝手ともに優れている。
ケースのサイズは220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)で、カラーはブラックとガンメタリックを基調としている。フロントパネル周囲には、RGB LEDが配置されており、電源を入れると美しく発光し、通電状態だということがひと目で分かる。
このケースは、フロントパネルの上部が斜め45度にカットされており、その部分にフロントI/Oポートや電源スイッチが配置されていることも特徴だ。フロントI/Oポートとしては、USB 3.2 Gen1 Type-A×4と音声入出力端子が用意されている。フロントのUSBポートは、USBメモリのように頻繁に抜き差しするデバイスに使われることが多いが、4つもあれば十分だ。背面のI/Oポートも充実しており、USB 2.0×4、USB 3.2 Gen2×2 Type-C×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×1、USB 3.2 Gen1×6、サウンド入出力端子、2.5G LANポートも備えている。
正面から見て左側のサイドパネルは、一部が透明になっており、内部が見えるようになっている。ZA7R-R36では、CPU水冷ヘッドとラジエーター冷却用ファンにRGB LEDが搭載されており、通電すると光る様子がサイドパネル越しに見える。
左右のサイドパネルは、手回しが可能なローレットビスで固定されており、ドライバーがなくてもサイドパネルを外せるため、メンテナンスもしやすい。トップパネルはハニカム形状の穴が空いた樹脂パネルとメッシュパネルから構成されており、トップパネルの上にUSBメモリなどの小物を置くことも想定されている。
電源ユニットは80PLUS GOLD認証の750W静音電源を採用している。GeForce RTX 3060搭載グラフィックボードを採用していることを考えると、電源容量にはかなり余裕があるが、CPUの高クロック化による消費電力増加も計算に入れているのであろう。本体底面には電源ユニットのファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている。フィルタは引き出せるようになっているので、掃除などのメンテナンスも楽だ。光学ドライブは標準では非搭載だが、5インチオープンベイが用意されているため、BDドライブなどをBTOで追加搭載することもできる。
増加したCPUの発熱を冷やすために水冷システムを搭載
Ryzen 7 7700Xは、高性能化した分、TDPも105W(前世代のRyzen 7 5700XのTDPは65W)と増えている。TDPとは、Thermal Design Powerの略で、日本語に訳すと熱設計電力となる。その名の通り、冷却システムを設計する際に指標となる数字であり、TDPが105Wなら、最大で105Wの熱がそのCPUから発生するという意味である。もちろん、TDP105WのCPUでも、常に105Wの熱が発生しているわけではなく、通常はその半分以下である。しかし、条件によっては105Wの熱を発生する可能性があるので、そのCPUに装着する冷却システムは105Wの熱が発生しても、十分に冷却できるスペックが求められるわけだ。基本的にCPUの性能が上がれば上がるほど、TDPも増加する傾向にある。Ryzen 7 7700XのTDPは、前世代のRyzen 7 5700Xの約1.6倍に増加しているため、冷却システムもその分強化する必要がある。そこで、ZA7R-R36では、CPUを冷却するためにDeepCoolの水冷システム「GAMMAXX L240」が採用されている。水冷は空冷に比べて冷却能力が高いため、高TDPのCPUでも安定した動作を実現できる。ラジエーターには、RGB LED搭載の120mmファンが2基装着されており、高い静音性と冷却能力を両立させている。
さらに、リアに140mm静音ファンが1つ搭載されており、エアフローは十分に確保されている。ファンが静音仕様であり、通常時のファンの騒音は非常に小さい。負荷の高い最新ゲームを長時間プレイしても、ファンの騒音もあまり大きくならず、騒音によるストレスを感じることはなかった。
マザーボードには、拡張スロットとして、PCIe 5.0 x16スロットが1基, PCIe 4.0 x16スロットが2基の合計3スロットが用意されており、GeForce RTX 3060搭載グラフィックボードがPCIe 5.0 x16スロットに装着されているため、残り2スロットを利用できる。
そのほか、6Gbps対応のSATAポートが4基とM.2スロットが4基、マザーボード上に用意されている。M.2スロットのうち1基がPCIe 5.0 x4対応で、そこにPCIe 4.0対応のNVMe 1TB SSDが装着されている。
「オーバーウォッチ2」はフルHD最高画質で平均136fpsを達成!
ZA7R-R36は、Ryzen 7 7700Xを搭載したミドルレンジモデルであり、気になるのはそのパフォーマンスだ。最新ゲームで検証してみたい。
まず、10月5日にリリースされたばかりのチーム対戦型FPS「オーバーウォッチ2」でのパフォーマンスを検証してみた。「オーバーウォッチ2」は、Blizzard Entertainmentが開発・運営しているFPSであり、2016年に発売され世界中で大人気となった「オーバーウォッチ」の続編となる。
「オーバーウォッチ」は6vs6での対戦だったが、「オーバーウォッチ2」は5vs5での対戦に変更されている。PC以外に、プレイステーション 5/プレイステーション 4やXbox Series X|S、Xbox One、Switchにも対応しており、クロスプレイも可能だ。PC版の推奨動作環境はCPUがCore i7またはRyzen 5以上、GPUがGeForce GTX 1060またはAMD R9 380以上とされており、エントリークラスのゲーミングPCでも十分遊べるが、高画質設定にするとそれなりに負荷は高くなる。
ここでは、画質設定を最高の「エピック」にして、CapFrameXを用いて実際のゲームプレイ中の1分間の平均フレームレート、最高フレームレート(厳密には95パーセンタイル)、最低フレームレート(1パーセンタイル)を5回計測し、その平均を採用した。解像度は、フルHD(1,920×1,080)と4K(3,840×2,160)の2パターンで計測している。
まず、フルHDでの計測結果から見ていきたい。マップはNEW QUEEN STREETで、平均フレームレートは136fps、最高フレームレートが167fps、最低フレームレートが102fpsという結果になった。最新の「オーバーウォッチ2」は、初代「オーバーウォッチ」に比べてより映像が美しくなっているが、フルHDの最高画質で平均136fps出るなら、フレームレート重視のeスポーツ選手や勝負にこだわるプレイヤーでも十分満足できるだろう。実際にプレイしてみたが、動きは非常に滑らかで快適にプレイできた。
次に、4Kでの計測結果を紹介する。こちらの計測時のマップはKING'S ROWである。平均フレームレートは83fps、最高フレームレートが98fps、最低フレームレートが66fpsという結果になった。フルHDに比べれば当然フレームレートは落ちているが、一般的なプレイヤーなら、それほど不満はないレベルだ。もちろん、画質設定を落とせばフレームレートはより向上する。
「GUNDAM EVOLUTION」もフルHD最高画質で平均119fpsを記録
続いて、チーム戦FPS「GUNDAM EVOLUTION」でのパフォーマンスを計測した。「GUNDAM EVOLUTION」は、「機動戦士ガンダム」シリーズに登場するモビルスーツを操り、6vs6で戦うチーム戦FPSだ。現時点でのプラットフォームはPC版のみだが、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One版も12月1日に正式サービスが開始される予定である。
画質設定を「最高」にして、CapFrameXを用いて実際のゲームプレイ中の1分間の平均フレームレート、最高フレームレート、最低フレームレートを5回計測し、その平均を採用した。こちらも、解像度はフルHDと4Kの2パターンで計測した。
フルHD最高画質でのフレームレートの計測結果(マップ:火力発電所)は、平均フレームレートが119fps、最高フレームレートが147fps、最低フレームレートが86fpsという結果になった。「GUNDAM EVOLUTION」は、現時点では最高フレームレートが120fpsに制限されているため、平均フレームレート119fpsというのは、ほぼ最高のパフォーマンスが出ているといってよいだろう。「GUNDAM EVOLUTION」は、モビルスーツならではの素早い移動によるハイスピードバトルが魅力だが、ZA7R-R36ならその醍醐味を存分に楽しむことができる。
4K最高画質でのフレームレートの計測結果(マップ:防衛装置制御エリア)は、平均フレームレートが54fps、最高フレームレートが62fps、最低フレームレートが41fpsという結果になった。フルHDの結果と比べると、ほぼ半分にフレームレートが低下している。実際にプレイしてみるとやや動きに粗さを感じるが、プレイアビリティを大きく損なうほどではない。4K解像度でよりフレームレートを上げたいのなら、画質設定を落とせばよいだろう。
VTuberとしてのアバターを使ったゲーム実況ライブ配信も余裕
ZA7R-R36は、AMDの最新世代CPUを搭載しており、高い処理性能を誇る。その活用法は当然ゲームのみに留まらない。そこでCPUへの負荷が高い使い方として、VTuberのアバターをゲーム画面に重ねて表示させながら、ゲーム実況ライブ配信を行ってみた。
アバター作成ソフトとしては、「Animaze」を利用した。Animazeは、Webカメラを利用したフェイストラッキングが簡単に実現できるソフトで、有償にアップグレードしなくても十分使える。フェイストラッキングによって、口や目、顔の向き、角度などをリアルタイムにアバターに反映することができるので、普通に話しかけるだけで、自然なアバターの動きになる。音声にエフェクトをかけるボイスチェンジャー機能も備えている。
配信ソフトとしては定番の「OBS Studio」を利用した。Animazeには、アバターの映像を仮想カメラとして出力する機能があり、OBS Studio側では、映像キャプチャデバイスとして認識される。また、ゲーム画面はゲームキャプチャで取り込める。ゲーム画面の上にアバターを重ねてライブ配信を行うわけだが、あまりゲームの邪魔にならない場所として中央右側にアバターを表示させることにした。ライブ配信のプラットフォームはYouTubeを利用し、映像ビットレートは6000KB、解像度は1,920×1,080ドットという、比較的高画質な設定でライブ配信を行ってみた。ゲーム側の解像度もフルHD(1,920×1,080ドット)にしているが、フェイストラッキングとライブ配信をしていても、ゲームのプレイ感覚はほとんど変わらなかった。
また、他のPCでライブ配信を視聴してみたが、配信のフレームレートも安定しており、画質も良好であった。ゲームをしながらアバターを動かしてライブ配信するというのは、CPUにかなりの負荷がかかる状況であるが、CPU使用率をチェックしたところ、ほとんど50%未満に収まっていた。ZA7R-R36のCPU性能の高さが、よくわかる結果となった。
SSDのシーケンシャルリードは6,800MB/s超!
さらに、国産MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークテスト「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を実行してみた。フルHD最高品質でのスコアは19,345で「非常に快適」という評価に、フルHD高品質(デスクトップPC)でのスコアは19,709で同じく「非常に快適」という評価になった。「暁月のフィナーレ」では、スコアが15,000を超えると、一番上の評価である「非常に快適」と判定されるのだが、本製品のスコアはその値を軽く超えており、「暁月のフィナーレ」はもちろん、より負荷が高くなる今後登場する拡張セットも快適にプレイできるだろう。
また、「CrystalDiskMark 8.0.4」を使ってストレージ性能を計測したところ、SSDのシーケンシャルリード(Q8T1)は6,813.62MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が4,980.54MB/sという非常に高い値が出た。本製品は、NVMe SSDの中でも特に高速なPCIe 4.0対応SSDが採用されているため、シーケンシャルリードはSATA 6Gbps対応SSDと比べて11倍以上も高速である。ファイルサイズが数十GBになるようなAAAタイトルの起動やマップの読み込みなども短時間で済み、とても快適だ。
ゲームはもちろん、VTuberとしてゲーム実況配信をやりたい方や動画クリエイターになりたい方にもおすすめ
今回、レビューしたGALLERIA ZA7R-R36 7700X搭載は、AMDの最新CPU「Ryzen 7 7700X」を採用し、高いCPU性能を実現している。GPUがGeForce RTX 3060なので、4K解像度最高画質では平均100fpsを切ってしまうゲームもあるが、多少画質設定を落とせば、4K解像度でも快適にプレイできる。もちろん、フルHD解像度なら「オーバーウォッチ2」の最高画質でも平均140fps近くを出しており、勝ちにこだわるFPS/TPSプレイヤーでも満足できるだろう。
さらに、今回の検証でも明らかになったように、CPU性能に余裕があるため、フェイストラッキングによるアバターを表示させながら、フルHD解像度で「オーバーウォッチ2」の実況配信を行っても、配信がカクカクしたり、ゲームのプレイに支障がでるようなことはなかった。その状態でもCPU使用率はほぼ50%を下回っており、まだまだ余裕がある。
GALLERIA ZA7R-R36 7700X搭載は、ゲームはもちろん、VTuberとしてゲーム実況配信をやりたい方や、動画クリエイターを目指す方にもおすすめできる製品だ。CPU性能に比べて、GPU性能がやや低いとも感じるが、現時点でのゲームをフルHD解像度で遊ぶには十分な性能だ。将来GPU性能を上げたくなったら、グラフィックボードを交換すればよい。さまざまな用途に対応できる製品であり、ミドルレンジゲーミングPCとしての完成度は高いといえる。
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※価格・構成については、2022年11月22日時点の情報です。最新情報についてはドスパラにてご確認ください。
※本製品はBTO製品の為注文時期によって内部で使用されているパーツが異なる場合があります。その為計測した結果と実際の数値が異なる場合があります。