「牧場物語 オリーブタウンと希望の大地」レビュー

牧場物語 オリーブタウンと希望の大地

新要素「クラフト」&「メーカー」! 牧場経営に便利な道具・素材を作りだそう

 本作の基本作業を語るのに随分と時間を費やしてしまったが、今回の新要素、目玉となるのは「クラフト」と「メーカー」によるモノ作りだ。Yボタンを押して手帳を広げた中にクラフトのタブがあり、そこからアイテムを作成できる。

 クラフトできるのは先ほど挙げたスプリンクラーや給水器、自動エサ入れマシンなど、農作業を楽にしてくれるアイテムのほかに、道や柵、街灯など、牧場に設置できるアクセサリーが作成できる。このほかさまざまなアイテムを加工するメーカーもクラフトで作成する。

 クラフトで製作できるアイテムは、素材そのものを使って作り上げるものだけでなく、メーカーから得られる素材を組み合わせて作るものもある。最初に作ることになるメーカーの「木材メーカー」は木を切り倒して得られる原木20個で作れるのだが、スプリンクラーはアイアンインゴット5個、シルバーインゴット3個が必要だ。その上位バージョンである「改良型スプリンクラー」では、アイアンインゴット10個、シルバーインゴット5個、ゴールドインゴット3個が必要になる。上位版のアイテムになるほど、多くの種類と数を用意しなければならないのだ。

 またメーカー自体についても同じで、先ほど挙げた木材メーカーは、原木だけで作ることができたが、インゴットを作るための「インゴットメーカー」は、岩石を割って得られる鉄鉱石10個、原木10個が必要だ。それが「マヨネーズメーカー」となると、インゴットメーカーで作ったアイアンインゴットが3個、木材メーカーで作った木材3個が必要となる。

 メーカーは上に挙げたもののほか、「ヨーグルトメーカー」や「液体調味料メーカー」といった食料品を生産してくれるものや、刈った草から糸を作る「糸メーカー」、それでできた糸から布を作る「布メーカー」のほか、作物を入れてその種を作る「作物種メーカー」、「きのこ種メーカー」などがある。

手帳の中にある「クラフト」からアイテムを作成していく
メーカーでアイテムを作成する。アイテムによって出来上がる時間が違う
スプリンクラーはアイアンインゴット5個、シルバーインゴット3個が必要
改良型スプリンクラーはアイアンインゴット10個、シルバーインゴット5個、ゴールドインゴット3個が必要
木材メーカーは原木20個で作成できる
インゴットメーカーはより複数のアイテムが必要に
メーカーをたくさん置いて一大工業地帯にしてみた

 なお、クラフトではその場でアイテムが出来上がるのだが、メーカーの場合は、入れた素材によって出来上がる時間が違うため、余裕をもって作ったほうがいい。しかし素材を入れたあとにどうぶつの世話をし、収穫した物を出荷しているだけでも結構な時間がたつので、それほど気にすることはないのかもしれない。時間がかかるものは、夜寝る前にメーカーに仕込んでおいて翌朝に回収、といったことも大事だろう。

 クラフトで作れるアイテムは、スキルのレベルによって次第に解放されていくのだが、基本作業を続けていけばちゃんともらえるようになるので焦る必要はない。ストーリーをしっかりと進めていけば、作れるクラフトアイテムも増えていく。新しいメーカーについても、スキルに応じてクラフト内に登場する。

牧場経営だけじゃない! オリーブタウンでの人とのふれあい

 本作では、主人公が過ごすもうひとつのエリアとしてオリーブタウンの町エリアが登場する。いくつかの施設はすでに述べたが、雑貨屋や食材屋、どうぶつ屋、ビストロなど、合わせて11件の店舗が用意されている。ここには人が住み、暮らしているので、いろいろな人と会話することもできる。

 さらに、町エリアには、主人公の恋愛対象となるキャラクター10人も住んでいる。どのキャラクターにアタックするかはそれぞれの好みだが、筆者は今回「ブレア」を選んだ。そのキュートないでたちは、石原さとみさんのようではないか(筆者の妄想)。顔を見た瞬間に一発で沈んだので猛アタックをし続けた。なお今回のプレイでは、主人公をうっかりと女性キャラにしてしまったので、山崎賢人似のジャック(筆者の妄想)でもいいかと思ったのだが、素直に好みに従ってブレアにお付き合いをお願いすべくストーリーを進めていった。

 ちなみに、気になる人と付き合うには毎日会うのはもちろんのこと、町のいろいろな場所に行った方がいい。思わぬところでイベントが起きることもあるからだ。ブレアの場合はバイト先であるビストロのほか、住んでいるホテルでもイベントが起きた。

 なお本作ではこれまでの「牧場物語」シリーズと同じく、異性を選んで付き合い、告白してOKをもらうと結婚式を挙げられるのだが、同性の場合でも「大親友の儀」を上げて一緒に住むことができる。これは前作と同じだ。

オリーブタウンにはさまざまな人たちが暮らしている
それぞれのキャラクターが今どこにいるのか手帳で確認可能だ
主人公が恋愛できるキャラクターたち(牧場物語公式サイトより)
キャラクターの好感度は手帳でわかる。ハート6個+必要なイベントの回収で告白できるようになる。告白するには雑貨屋で買える「告白のペンダント」が必要だ
ブレアはオリーブタウンを出てスターになるのが夢なのだが……
ブレアに告白のペンダントをあげると
ブレアからも好きだったと告げられる
はい。愛の炎は消えませんとも

オリーブタウンを発展! 町長のお願いを聞いて町を発展させる

 こうした主人公周りの出来事を追っていくほかに、町を発展させることも重要となる。これは市長が出すお願いを聞いてアイテムを納めていくと町が発展する、といった具合だ。市長のお願いは市庁舎の1階にある掲示板を見ることでわかる。

 町の発展は何段階かに分かれているのだが、最終段階まで達成すると大型船がやってくる。ここがストーリーの1つの区切りとなる。

朝起きると市長がやってきてお願いを告げる
市庁舎の1階にある掲示板でお願いを確認できる
アイテムを納めると報酬としてゴールドなどを得ることができる
市庁舎が改築された
発展計画は最後の段階に
ついに大型客船がやってきた
ここまでプレイすると感慨深い

足りない。まだ足りない。語り足りない

 ここまで随分と文字をつくして書いてきたのだが、まだまだ書きたいことは山のようにある。牧場物語はそれほどやりこみ要素が多いゲームであり、ストーリーの進み方は人それぞれでかなり変わる。それほど奥の深いゲームが「牧場物語」シリーズなのだ。

 しかしあまりにもやることが多すぎるので、自分のやりたいことを決めてプレイすのがいいだろう。すべてやろうとすると、とても時間が足りないからだ。ただし、基礎体力を作るためにも、春から夏にかけては農作業と牧畜、開墾に専念して進めたほうがいい。スプリンクラーで水まきが自動になり、ウシやトリがいいタマゴやミルクを出すようになったあたりで、今後の方針を考えよう。農地を広げて作物を育てるのか、それとも牧畜を充実させていくのか。それとも釣りに専念して、漁業へと手を広げるのか。自分がやりたいことを見極めていくことが大事だ。この間にはもちろん、好きな子へのアタックは忘れないように。

 楽しい牧場生活だが、本作の不満点が1つだけある。それはローディングの時間が長いことだ。牧場から町へ移動したり、町から牧場へ戻ったり、また、それぞれの店から町に出入りしたり、牧場の施設からフィールドに出入りするときにも時間がかかる。フィールド間の移動が長いと、ちょっとイラッとする。

 そういうことはあるにしても、本作ではこれまでの「牧場物語」シリーズで体験できたことに加えて、新しい要素であるクラフトやメーカーが加わったため、かなりやりがいのあるゲームとなっている。このアイテムを作るためにはこの素材をゲットして……と考えて、1つ1つのアイテムを作っていくのが何とも楽しいのだ。今回のプレイではゲーム内時間で1年を過ごしたところまでを体験したのだが、まだ作れていないクラフトアイテムやメーカーはかなりあった。これを攻略していくだけでも楽しい。モノ作りに楽しさを感じられる人ならば、本作は楽しめるはず。本作で自分なりの牧場生活を生きてみてはいかがだろうか。

途中で出会うコロポン。主人公を違う世界に連れて行ってくれる。中には簡単に素材をゲットできる場所も
謎の少女と出会うが、その正体は?
季節ごとに用意されているイベントも重要。つきあっているキャラと一緒に楽しめる
主人公の1日は午前2時を越えるとバタンキューとなり終わる。次の日のことを考えると、最低でも午後10時までには寝て、朝6時に起床という朝型のサイクルで行動したい
広い牧場は移動するのも大変だが、ストーリーが進むと馬を使うことができるようになるので少し楽になる
そしてさらに進むと、ストーリー冒頭で壊れてしまったスクーターが修理され、使えるようになる。スクーターちょっ早
町が発展すると登場するビューティーサロンでは、服を作ったり着替えたり、髪型を変えられる