2020年11月5日 23:00
Xbox Series X|Sの発売まであと5日に迫ってきた。Xbox Series Xについては10月15日にプレビュー記事をお届けし、Xbox Series X|Sの最大の魅力であるロードの速さやクイックレジュームの素晴らしさについてお伝えしたが、本稿では新Xboxファミリーに欠かせないもう1つの次世代機であるXbox Series Sについてプレビューをお届けしたい。
Xbox Series X|Sファミリーの基本的な情報についてはXbox Series XプレビューやXbox Series X|S開封レポート等で紹介しているので、本プレビューでは極力繰り返しは避けながらXbox Series S固有の要素について掘り下げていく。前回同様、「とにかくXbox Series Sのパフォーマンスが知りたい!」という方は、3ページ目からご覧頂きたい。
【「Xbox Series S」プレビュー目次】
▼11月10日に向けて着々と準備を整えるXbox Series X
▼1440p/512GBをどう見るか? ユニークな立ち位置の次世代機
▼Xbox Series Xと同等のパフォーマンスで現行世代を突き放す
▼もう1つの確かな次世代機Xbox Series S
11月10日に向けて着々と準備を整えるXbox Series X|Sファミリー
10月頭にXbox Series X、10月中旬にXbox Series Sが編集部に届いてからというもの、ほぼ毎日のようにいずれかのハードを稼働させている。この間、本体やコントローラーに対するシステムアップデートも継続的に行なわれ、前回のXbox Series Xプレビューの時点では、まだ準備が整ってなかったXbox Game Passタイトルの動作や、後方互換への対応もほぼ完了し、初代Xboxの「クリムゾンスカイ」から、先日リリースされたばかりの「ウォッチドッグス レギオン」まで、4世代に渡る後方互換をついに実現した。まだDay1パッチを残していることもあり、若干の不安定さは残っているものの、筆者はこの素晴らしいゲーム体験を一足先に堪能している。
このところ集中的に触っているのはもっぱらXbox Series Sだ。このXbox Series Sというハードは、とにかく異質な存在だ。8Kだの、4K120fpsだの、12TFLOPSだのという、とにかくデカい数字ばかりが喧伝される中で、Xbox Series Sはゲーム性能は1440p、GPUの処理性能は4TFLOPS止まり。これは現行世代の上位モデルであるXbox One Xの4K/6TFLOPSよりもいずれも低い。「なぜMicrosoftは今頃こんなゲーム機を出したのか?」。この問いに綺麗に答えるのが本プレビューの目的となる。それではさっそく見ていこう。
最小&最安の次世代機「Xbox Series S」
Xbox Series Sがユニークなのは、本来同じ位置づけのプロダクトとなるPS5 デジタルエディションとは明確に立ち位置が異なるというところだ。Xbox Series Xと比較してサイズと重量は半分程度までコンパクトとなり、サイズはWii程度、重量はPS4 Slimよりも軽い。ゲームコンソールの展開パターンなら、その世代の後半になって登場するような“普及機”だ。ところがXbox Series Sは、Xbox Series Xと同時発売される。つまり、直接の比較対象として登場する。
Xbox Series SがXbox Series Xに勝る魅力はなんだろうか。まず、先述したサイズと重量、ここは地味に大きい。Xbox Series XやPS5は、圧倒的なパワーを制御する冷却装置を装備する関係で巨大だ。一方、Xbox Series Sは、据え置きタイプのNintendo Switchが置けるスペースがあれば無理なく設置できる。
次に価格。Xbox Series XやPS5が49,980円(税別)。スペックやパフォーマンスを考えればこれはこれで激安だが、Xbox Series Sはさらに2万円も安い29,980円(税別)。しかも、発表当初は32,980円(税別)だったものを途中で価格改定を行なった。これはPS5 デジタルエディションよりもさらに1万円安く、次世代機でありながら現行機と同等の価格設定を実現。これは魅力的だ。
そして最大の魅力は、上記のメリットを備えながら、“次世代機”であるというところだ。つまり、Xbox Series X|S世代のゲームが動作する。加えて、Xbox Oneで確立させた後方互換性を受け継ぎ、初代Xbox、Xbox 360、Xbox One、Xbox Series X|S、4世代のゲームを楽しむことができる。
まとめるとXbox Series Sは、小型軽量でありながら、2万円安い次世代機という極めて優秀なプロパティを備えた新ハードということになる。ただ、もちろん完全無欠の新ハードというわけではない。続いてウィークポイントを見ていこう。