「My Friend Pedro」レビュー

My Friend Pedro

俺のスーパーテクニックにみんなメロメロ! 超絶ガンアクションゲーム誕生

ジャンル:
  • アクション
発売元:
  • 架け橋ゲームズ
開発元:
  • Devolver Digital
プラットフォーム:
  • Nintendo Switch
価格:
2,050円(税込)
発売日:
2019年6月20日

 「My Friend Pedro」は“スタイリッシュなガンアクション”を心の底から楽しめるアクションゲームだ。最大の魅力はシンプル操作でカッコいいガンアクションが簡単に楽しめる点だ。

 主人公ができる事は、左右の移動とジャンプ、しゃがみ、転がり、自転によるかわし、キック、壁を蹴ってさらに高く上がれる2段ジャンプ、そして手持ちの銃をぶっ放すだけだ。これらのシンプル操作を駆使して、両サイドから迫る敵を同時に片づけたり、次々と出てくる敵をガンガン蹴散らせるのは気分爽快の一言だ。

 2Dのガンアクションというと、ファミコン時代のゲームはやたらと難易度が高かった印象があるが、本作では途中で死亡した場合でも、コンティニューが無限に行なえる。しかも再開ポイントは死ぬ直前にクリアしたところからとなるので、腕に自信がない人でもコンティニューを繰り返して、体で覚えて少しずつ進めていけば全ステージをクリアできる。

 筆者自身はアクションゲームはそれほど得意というわけではないが、テンポよく軽快に動き回る主人公の動きと、ショットガンもサブマシンガンにしても銃弾がシュバーっと敵に突き抜けていく、その爽快感がたまらず気がつくとゲームをクリア、さらなるカッコ良さを求めてやりこんでいる。難易度がそれほど高くないのも良い。ということで今回「My Friend Pedro」を一通りプレイし、カッコいいガンアクションを色々決めてみたので、動画と共に紹介していきたい。

【My Friend Pedro - Full Throttle Trailer】
2段ジャンプで壁を昇っていく操作がとてもスムーズ
致命傷となる敵の弾が飛んできた場合は自動でスローモーションになって回避を促す場合もある。ただし毎回発動するわけではないので過信は禁物だ。
奥に描かれた階段のみ、場所によっては上る事ができる場合がある

簡単操作でOK! 究極のスタイリッシュガンアクションがここに爆誕

 「My Friend Pedro」は5つのエリアが複数のステージで区切られており、各エリアのラストにはボス戦も用意されている。各ステージはビルや地下道などを舞台に上下左右にコースが設定されており、コースに沿って進んでゴールを目指す。

 本作のステージにはとにかく色々なギミックが用意されている。例えば高い場所から降りるような場合、エレベーターような仕掛けもあれば、滑車付きのワイヤーが用意されており、ワイヤーで急降下するようなアクションも用意されている。

 上に向かう場合、基本的には壁を蹴る事でひとつ上のフロアに上がれる2段ジャンプが主な手段となるが、壁がないような場所では、上に昇るためのワイヤーなどもある。他にもスイッチを押す事で稼働する床や、開閉する扉や壁など、ちょっとしたパズルっぽい要素も用意されているが、頭を悩ますほどの難しさではなく、じっくり動きを観察すればわかるような仕掛けばかりだ。

ワイヤーアクションは本作の基本とも言えるほどあちこちに登場する。とはいえフックに触れれば自動で掴まってくれるので難しい操作は特にない。主に高い場所から低い場所に向かう際に登場する。
上に向かう場所ではこうした掴まると自動でフックが上昇する昇降機のようなワイヤーが多く登場する。手を離すと落下してしまうが、奈落の底にでも落ちない限りは普通に着地してくれる。
歩いて通れないような狭い通気口はしゃがんで移動するとゴロゴロと転がって通過する。しゃがんで敵と戦う場合に間違えて転がってしまう場合もあったのでしゃがんだ時の操作は注意が必要だ。

 こうした仕掛けが施されたビルや地下道を進んでいくわけだが、実際の操作感はとても心地よい。移動はダッシュなどのアクションはなく、常にリズミカルにステップを踏んで歩く感じの動きだが、移動速度もほどよい感覚だ。

 2段ジャンプの操作もあまりシビアではないため、ちょっとタイミングが遅れた場合などでも比較的スムーズに操作できる。また、主人公をしゃがませると、そのまま前後にグルグルとローリングして移動することができ、これにより普通に歩いても通れない低い通気口などを通り抜けることができる。こういったアクションをまず動画で見て欲しい。

【「My Friend Pedro」、簡単操作で達人殺し屋アクション!】

多彩な武器、様々なオブジェクトを活用してバンバン敵を倒せ!

 主人公の武器はピストルを基本に、サブマシンガンやショットガン、アサルトライフルやスナイパーライフルなどを活用する。武器には様々な特性があり、利用するとよりカッコ良く、派手に敵を撃てる。2丁拳銃で戦える武器は、異なる方向の敵への同時攻撃も可能だ。

 ピストル以外の武器は弾数制限があるが、近接戦闘では比較的威力が強めのキックを使う事もできる。さらに様々なオブジェクトを活用することでより凝った戦い方ができる。やりこむことでより多彩でカッコイイ倒し方が可能なのだ。

利用頻度が高くなりがちなサブマシンガン。使用する機会も多いし、弾数が多いため、注意していないと肝心なところで弾切れになる事も多い。
ショットガンの威力はかなり大きいが距離が遠いと拡散してしまうため、ダメージが与えられない場合もある。
自身の肉体も時には武器と化す。キックの一撃は敵にかなりの大ダメージを与えられるが、銃相手にケリだけで勝つのはかなり困難なので、うまく銃と連携することが重要だ。

 ビル内には色々ながらくたが落ちている。スケボーやフライパン、火薬、ナイフなど、建物内に転がるこうしたがらくたの一部はオブジェクトとして実際に蹴って飛ばしたり、敵を倒すのに利用できるのもユニークなポイントだ。

 床に落ちた「ナイフ」をうまく蹴り上げることで、敵を一撃で仕留めることができる。他にも敵の足元にある「火薬」に銃弾を撃ち込む事で誘爆させて敵を仕留めたり、「フライパン」を蹴り上げて、そのフライパンに銃弾を撃ち込むことで、跳弾を利用して普通に狙っても撃てない敵を仕留めたりすることもできる。

スケボーに乗ったまま窓ガラスを突き破って敵地に突入! なんてカッコいいプレイも簡単に楽しめる。スケボーは上から触れるだけで自動で乗ってくれるが操作性は少々シビアだ。
上から落下してきたドラム缶に潰されて死ぬなんて古典的なやり方も今となってはゲームの中でしか味わえない死にざまだ。
落ちてるフライパンを蹴り上げて跳弾で敵を仕留めることもできる。

 また「スケボー」は実際に乗って滑走させて敵に突撃する事も可能だ。具体的には敵陣の中にスケボーで飛び込み、周りの敵に銃を乱射して仕留めたり、スケボー上からキックで敵をガンガンなぎ倒すといったカッコいいアクションも行なえる。こうしたオブジェクトは実際に役に立ちそうなポイントにきちんと置かれているので、こちらがアクセスできるオブジェクトが見えたら何かしら利用できると考えた方がいいだろう。

【「My Friend Pedro」、全てを活用し、バンバン敵を倒せ!】

繰り返すことで見えてくる、よりカッコイイ殺し方

 後半のエリアになってくると、敵の防御が段々と頑丈になってきて、武器のチョイスが重要になってくる。また、敵の攻撃も激しさを増してくるし、登場するギミックも、触れると大ダメージを受ける謎の電磁波のような光線を発する機械などが出てくる。これをひたすらかわしながら、先にいる敵を倒しつつ、再度仕掛けをかわす、といった複雑なアクションも要求されるようになってくる。

 とはいえ、これらのギミックについても最初は驚く事も多いが、1度わかってしまえば、あとは冷静に分析し、タイミングや敵の出現位置などを見計らってうまくアクションしてやることで、かわせるようになっていく。1度でダメでも3度4度とやってれば突破の糸口が見えてくる。この“見えてくる”感じも自分がうまくなっていくような手応えが感じられて心地よい。

バリア! 見るからにダメージが通らなそうだが、最初は天井に設置された装置に気が付かず、何度もリトライして普通の攻撃でどうにかならないかとあれこれ試して玉砕しまくった。そんな中でふと天井の装置に気が付いて、無事撃退することができた。
エリアを進めていくと、謎の精神世界のエリアもある。ここでは武器は殆ど使わないが、特殊なルールに則った壁や床が消えたり復活したりするので、落下しないように注意して前へと進めるステージだ。

 個人的に頭を悩ませたギミックは最終エリアの後半のステージで登場するバリアだ。敵の周囲を薄い球状の物が覆っており、銃を撃ってもケリを入れても全くダメージが与えられないのだ。何度かトライして玉砕しているうちにふと球状の物が壁の奥から投射されている事に気が付いた。

 そこで投射元の装置を狙って銃を撃つと見事に破壊され、同時にバリアは解除されたので、無事に進める事ができた。このように初見ではちょっと頭を悩ませられる仕掛けもあるが、ちょっと観察すればわかる程度の難易度なので、全体的に比較的ストレスなくプレイする事ができた。

【「My Friend Pedro」、やりこむことで見えてくるカッコイイ戦い方】

手軽だからこそより華麗に、どこまでも突き詰めたくなるゲームバランス

 難易度が上がっても筆者の挑戦心を燃え立たせてくれたのが、本作のコンティニューポイントだ。本作の復活ポイントは非常に細かく設定されており、もしやられた場合でも、直近のクリアできたポイントくらいから再開できるので、1度クリアした場所を何度も繰り返しやり直す必要がなく、すぐに失敗したポイントに戻る事ができる。そのため、同じポイントに何度もトライすることで、初見では気がつかなかったオブジェクトの利用法、テクニックを活用し、よりカッコ良く戦えるのである。

 ステージのラストはボス戦が待っている。シンプルにボスキャラと撃ちあうだけのバトルもあるが、中にはカーチェイスしながら戦ったり、空中をフリーフォールで落下しながらのバトルなど、これまでのフィールドのアクションとテイストの異なる仕掛けも用意されていて、こちらも十分楽しめた。

最初のエリアのボス戦はカーチェイスだ。主人公はバイクで逃げながら追っ手を銃で撃退する。ボスは火薬を投下してくるので、食らう前に撃ち返す必要がある。投下位置が絶妙でダメージ範囲も広いため、かわすよりも撃ち落とす事を心がけた方が生存確率は上がる。

【「My Friend Pedro」、俺ってうまいかも! 自分に酔える楽しさ】

S級評価を目指せ! とにかくやりこみたくなるカッコ良さ

 最初にも触れた通り、本作の魅力はカッコいいガンアクションを簡単に決められることだ。ポイントとしては前述のオブジェクトを利用したアクションだ。スケボーが使える場所では積極的にスケボーを走らせて、華麗に敵を蹴散らせば、それだけで映えるアクションが楽しめる。

 個人的に気に入っているのは、低位置から2段ジャンプで飛び上がりながらのショットガンショットだ。敵が反撃する前にこちらの銃弾を叩きこめられるし、ショットガンのダメージはデカいので一撃で仕留める事もできる。当たり所が悪く、生き残っても反撃されずに再度トライできる。ショットガンを手に入れたら是非試してみてほしい。

【「My Friend Pedro」、シュパーと突き抜けていく弾丸が最高!】

 筆者の動画と解説で、皆さんも「My Friend Pedro」をやりたい気持ちがモリモリと盛り上がってきたのではないだろうか? 本作はボリュームもほどよく、アクションが苦手な人でもどうにかクリアできるバランスのよさ、それに加えてガンアクションの爽快感はしっかり楽しめる完成度の高さを確かに感じた。

 筆者も様々なジャンルのアクションゲームをプレイしてきたが、中盤以降に難易度が上がってくると、ある程度死んで慣れるのはお約束だと割り切っている。しかし、本作の場合、コンティニューで死ぬ直前の状態からスタートできるのがとてもうれしい。ほとんどの場合、本当に失敗したところだけをやり直せるので、モチベーションがあまり下がらずに何度もトライできる。アクションが苦手な人にはこのくらい親切設計の方がちょうどいいと改めて痛感した。

 ちなみに本作はステージクリア時にスコアとランクが表示される仕組みだ。ランクはS~Cまで見たことがあるが、筆者の通常のステージでのランクは毎回ほぼ“C”だ。理由はシンプルでステージの途中で1度でも死んでしまうとノーデスボーナスが付かないためだ。

ステージクリア時には倒した敵の数や経過時間、死んだかどうかなどでスコアが加算され、最終的にランクが表示される。普通に遊ぶと“C”になる事が多いが、ボス戦では死んでも“S”ランクになる場合があって、評価基準は不明だ

 上級者の人はノーデスかつ好タイムクリアを目指すことで、より高ランクが狙えるようになっており、上級者のやりがいにも繋がるようになっている。腕に覚えのある人もない人も、ガンアクションが好きな人なら誰にでもおススメしたい1本だ。