2019年4月19日 00:00
「GOKEN」はGIANTYが初の家庭用ゲーム機向けに送り出したタイトルで、2017年に「Steam」でリリースされて以来、多くのゲーマーに好評を博してきた。そんな本作がこのたび満を持してNintendo Switch版の発売を迎えた。
ゲームジャンルは昔ながらのクォータービュー型のアクションRPGでありながら、フィールドマップは全てがひと繋がりの「オープンワールド」形式を採用しており、気の赴くままに自由な探索を楽しむこともできる。本稿では懐かしさと新しさを同時に味わえる「GOKEN」の魅力をお伝えしたい。
人と神が同じ世界に暮らす、遊び心に満ちた世界観
本作の舞台となるのは、人と神が暮らすオリエンタルな雰囲気が漂う世界。はるか昔、神が創造した「五剣術」を与えられ、世界を統一した男を、人々は「五剣術を操りし英雄」と呼んだ。だが、生来の無法者の性格が災いし「神の祭事」を荒らしてしまった英雄は、神の怒りに触れ、その身を岩柱「ツルギ峰」に封印されてしまう。5,000年の時を経て、封印を解かれた英雄が「五剣術」を取り戻す旅に出るところから、本作は始まる。
オープニングで「無法者の性格」と紹介された主人公だが、その本質はイラストのイメージを裏切らない「ツンデレ」そのもの。ルックスは美少年、口は悪いが、頼まれるとついつい手を貸してしまうところなど、近年まれに見る清々しいツンデレっぷりを序盤から炸裂させる。旅の先々で出会うNPCも個性的な者が多く、遊び心のあるテキストから目が離せない。
練り込まれたゲームシステムの数々
快適なゲームプレイを実現したメカニクス
ダッシュ移動でのスタミナ消費は最小限。マップ間はシームレスな移動が可能。ボス戦で敗北しても戦闘前のイベントは自動でスキップ、などなど。移動面は極めて快適に設計されており、様々な点で痒いところに手が届く作りになっている。古典的なクォータービューでありながら、現代の技術によって実現された快適なゲームプレイが没入感を高めてくれるのだ。
多様なカスタマイズを可能にしたタトゥーシステム
本作はレベルアップ時に付与される「タトゥーポイント」を使用することで、ステータスや状態異常耐性などを強化でき、プレーヤーごとに自由なカスタマイズが可能。強化するたびにタトゥーが広がっていくので、視覚的にも強くなったことがわかりやすい。
また、チョイ悪テイストを増すタトゥーに中二心がくすぐられるため、プレーヤーはレベルアップに勤しむ→タトゥーが広がる→レベルアップ(以下略)という無限ループに陥るが、このループが実に楽しい。レベリングを苦に感じさせない工夫からは、オリエンタルな世界観に対する味付けに留まらない奥深さが感じられる。
戦略性のある骨太なバトルアクション
本作では武器によって解除できるギミックが異なるが、状況に応じた武器の使い分けが重要なのは戦闘においても変わらない。フィールドやダンジョンでは敵が群がってくるため、迅速に数を減らす必要がある。一方で、ボスエリアでは敵の攻撃パターンを見極めつつ、じっくりと攻略することになるため、異なる立ち回りが求められるのだ。
デフォルメされた可愛らしい見た目とは裏腹に、モンスターたちの攻撃は容赦がない。そこで、ボス戦などの1対1の状況下では振りが速く隙の少ない一ノ秘剣を構え、フィールド上で囲まれた際には攻撃範囲の広い二ノ大剣で突破口を開く……といった「選択」が戦闘の肝となるわけだ。
武器は振るうたびにスタミナを消費するため、特に敵の攻撃が激しいボス戦では攻撃ボタンを連打するだけでは、まず勝てない。スタミナゲージに注意してダッシュ移動や回避でボスの攻撃を避けつつ、ヒット&アウェイで攻撃を加える。そんな昔ながらのプレイスタイルが、本作では心地よい緊張感を生むのだ。
豊富なやり込み要素
メインストーリーを追いかけるだけでも、プレイ時間は約10時間を超えるボリュームとなっているが、他にも「コロシアム」や隠しダンジョンなどのやり込み要素が豊富にあり、プレーヤーを楽しませてくれる。
タトゥーや鍛冶システムを活用すると目に見えて主人公が強くなるため、アクションが苦手なプレーヤーでも強化を重ねることで活路を開くことができるし、アクション的な意味で「難易度が物足りない!」という強者ゲーマーはあえてこれらのシステムを使わない、といった"縛りプレイ"を楽しむこともできるだろう。
世界中の大人たちが子どもの頃に味わったゲーム体験を爽快なアクションプレイとシームレスなオープンワールドで再現し、懐かしさと新しさを同時に体感させてくれる本作。今回の「Nintendo Switch」での発売を機に、是非「五剣術を操りし英雄」として古き良きアクションRPGの魅力を体験してほしい。
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