2018年4月26日 11:04
バンダイの「Figure-rise Mechanics(フィギュアライズメカニクス)」の最新作「Dr.スランプ アラレちゃん」が、4月21日に発売となった。
アニメや特撮などのキャラクターをプラモデル化する「Figure-rise」シリーズの中で、劇中のメカニックにフォーカスするこのシリーズでアラレちゃんが登場するというのもちょっと意外だが、原作を知っていて、なおかつキットを作ってみれば納得のラインナップだということがわかるはず。キャラクタープラモデルとしても完成度の高いこのキットをレビューしていきたい。
「見た目は人間、中身はロボット」を組み立てて再現できる楽しさ
「Dr.スランプ」が「週刊少年ジャンプ」で連載が始まったのは、今から38年前の1980年のこととなる。鳥山明氏が手掛ける最初の連載コミックであり、田舎町「ペンギン村」を舞台としたドタバタギャグと、同氏のセンスが光る絵柄で人気を博し、1981年にアニメ化された「Dr.スランプ アラレちゃん」は平均視聴率20%を超える国民的人気アニメとなった。現在もCMなどでアラレをはじめとした同作のキャラクターが採用されていて、当時を知らない人でもキャラクターの存在は知っているという人も多いはずだ。
バンダイもアニメ化のタイミングで「Dr.スランプ アラレちゃん」シリーズをプラモデルとして展開。原作の扉絵になったイラストや登場キャラクター、さらにはペンギン村の情景をシリーズ化したプラモデルなどを発売している。これらの一部は現在も再生産されることがあり、この4月末にもいくつの種類が店頭に並ぶようだ。
今回のキット化はそれとは別に、完全新規のFigure-rise Mechanicsシリーズとして設計されたもので、主人公のアラレちゃんこと「則巻アラレ」を劇中での一番ポピュラーなキャップとオーバーオールの姿で立体化している。
Figure-rise Mechanicsで発売となったのは、原作を知っている人はご存じの通り、彼女は自称天才科学者の則巻千兵衛博士が作り出したロボットであり、キットも劇中同様、「見た目は人間で、中身はロボット」というキャラクター設定を踏襲している。
同じFigure-rise Mechanicsシリーズで2017年11月に発売された「ドラえもん」と同じ仕様で、内部メカを素体として、本体をそれに組み付けていくという設計となっている。原作では人間と同じ肌色の体の中にメカが組み込まれた設定だったが、キットでは劇中でDr.マシリトが手に入れた「アラレちゃんの構造のすべてがわかるX線写真」に写っている内部メカのみを再現している。
組み立ては特に難しいところはなく、パーツ数も少ないので、初心者でもニッパー1つで簡単に作れるだろう。顔にはレイヤードインジェクションのような技術は使われていないものの、顔のまゆ毛やまつ毛、口と歯、目の白い部分などはパーツによって表現されていていて、口の中などの一部塗装や衣服のスミ入れなどを行なえば、よりクオリティの高いアラレちゃんのフィギュアが完成する。
さらに面白いのは、衣服を構成するランナーA1のパーツ群が、一部を除いてほぼそのままクリア成型のランナーA2として付属しているということ。これらを使って組み立てることで、Figure-rise Mechanicsにふさわしい内部メカの一部を見られる状態でのディスプレイが可能となるのだ。
この仕様があることで内部メカにもしっかりとディテールが施され、さらに本体パーツの着脱も容易な設計となっている。
(C)鳥山明/集英社・東映アニメーション