2017年12月27日 07:00
タカラトミーが2016年より展開しているオリジナル玩具「ダイアクロン」の最新商品となる「ビッグパワードGV」が、11月25日に発売となった。
同社が1980年代に発売していた「ダイアクロン」を現代の技術でリブートした新生のシリーズで、昨年その第1弾として発売された「ダイアバトルスV2」に続く大型商品となる。今回この商品を実際に購入し、そのプレイバリューについてレビューしてみた。
この「ビッグパワードGV」は「ダイアバトルスV2」などと同様に、1981年に発売された旧シリーズの「ビッグパワード」のコンセプトを継承している。「初代」と設定されている「ビッグパワード」は、「マッハパワード」、「ランドパワード」、「アースパワード」の3機のパワードマシンが「集合合体」して人間型のロボットとなり、さらに胸部にはダイアクロン隊員が搭乗する「パワードスーツ」が収納できるというギミックを持っていた。
無限に広がる合体変形の楽しさ
この「ビッグパワードGV」は初代「ビッグパワード」から数えて6世代目にあたるマシンであり、堅牢な装甲と各部に配された様々な武装システムで構成された無敵の重装甲戦闘マシンという設定がある。「GV」は「GATHER-V」の略であり、「集合合体」を意識しているようだ。それが表わす通り、「ビッグパワードGV」は5機のパワードマシンが合体するという構造なのだが、実際に商品を触ってみると、単純な「合体」だけでは片付けられないギミックが多数用意されている。
「ビッグパワードGV」を構成するパワードマシンは、パワード01からパワード05までの5機が存在する。そのうち左右の脚となるパワード04とパワード05は同一のデザインとなっている。もちろんこれらはダイアクロン隊員の搭乗ビークルとして単体でも遊べるほか、それぞれが合体変形機構を備えている。パワード01と02が「スカイパワードモード」、パワード03~05が「ガイアパワードモード」という2機の大型ビークルに合体し、ここからメインとなる「決戦モード」をはじめとする、様々なモードへの合体変形を実現している。
面白いのは、それぞれを単純に分離/合体させるだけではなく、合体のプロセスを楽しませる演出が施されている点だ。例えばパワード01とパワード02をスカイパワードモードへと変形させるとき、パワード02を01の上部へと乗せ、椀部ユニットを01側にスライドさせてから、パワード02中央部の「ボレットファイター」を取り外すというプロセスを説明書にて解説している。
単にスカイパワードの形にするだけなら、パワード02から椀部ユニットを取り外してパワード01に取り付ければいいわけだが、それをあえて「パワード01と02の合体→椀部ユニットのスライド→ボレットファイターの離脱」という合体プロセスを楽しませるというところに、強いこだわりが感じられた。実はこれは「ダイアバトルスV2」の合体にもあった設計である。
5体合体では全高27cmに! ファン待望の「基地モード」も搭載
5体が合体した「決戦モード」は、全高27cmにもなる大きさで、「重装甲戦闘マシン」の肩書きにふさわしい迫力を持っている。「6連速射破壊砲」や「フリーゾンミサイルポッド」、「グラビトンフィンガーミサイル」など、非常に多くの武装を持った攻撃的な機体である一方、合体時のモードによっては、輸送やメンテナンスなどの作業向きのマシンになるという一面を持っている。
それを象徴するのが「基地モード」の存在だ。旧「ダイアクロン」シリーズの「ロボットベース」から受け継ぐ、ダイアクロン隊員や各種ビークルなどを絡めた「基地遊び」を可能としていて、特に男性ファンは非常にときめくものがあるはずだ。またこの新生「ダイアクロン」ファンにとっても待望のモードであり、これまで集めてきたシリーズをさらに深く遊ぶことのできる存在として、その価値を高めている。
今回触っていて驚かされたのは、これだけ大きいサイズを誇り、さらに複雑な合体をするにも関わらず、余剰パーツがほとんどなかったということ。最大の決戦モードになったときでも、パワード01の戦闘指令車とパワード02のボレットファイターが機体として残るのみで、その他のパーツは全て合体に使用、または本体内部に収納される形となる。
収納などができない小さなパーツはボレットファイターの着陸脚1個だけなので、パーツを紛失してしまうことが少ないのも嬉しいところだった。この辺りはタカラトミーの「トランスフォーマー」などで培われた玩具デザインのノウハウが生きているところなのだろう。欲を言うなら、指が根元しか動かないので、ポーズに表情が付けられる平手や拳などのパーツが欲しかったところだ。
またパワード04・05のキャタピラを内部に収納するとき、パーツ同士のクリアランスが狭いためか、かなり固く感じられたので、既に発売が決定しているバリエーション商品などでは、このあたりの改善に期待したいところでもあった。
価格は27,500円(税別)とかなり高額ながら、それ以上の価値があるプレイバリューを誇っている感じられた。とにかくどう触っても楽しめる商品であり、さらにこれまでのシリーズと絡めることで、その価値は倍増する。市場にはまだ若干在庫があるようなので、懐かしくも新しい合体おもちゃの楽しさを楽しんでみてほしい。
(C)TOMY