「STAR WARS / ジェダイ・チャレンジ」レビュー

STAR WARS / ジェダイ・チャレンジ

君はジェダイマスターになれるか? ARを使ったリアルな「スター・ウォーズ」の世界を遊べる

ジャンル:
  • ARゲーム
発売元:
  • レノボ・ジャパン
開発元:
  • レノボ・ジャパン
プラットフォーム:
  • Android
  • iPhone/iPod touch
価格:
29,980円(税別)
発売日:
2017年11月30日

 本年12月15日には新作「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の公開が控えている「スター・ウォーズ」シリーズ。中学生の時からのファンである筆者としても、1日も早く見たいとじりじりしている最中なのだが、そこにまたこれが、ニクいゲームがレノボから登場した。

 その名も「STAR WARS / ジェダイ・チャレンジ」。これはARを使ったゲームとなっており、「Lenovo Mirage AR Headset」と呼ばれるヘッドマウントディスプレイ(HMD)のほか、これまたリアルなライトセーバーが付いていて、HMD越しに見ると手元のセーバーからビームが伸びていて、それで敵と戦うことができるという、ファン垂涎の代物なのだ! ゲーム自体はHMDにスマートフォンをセットして遊ぶことになる。セットにはHMDも含まれているので、なかなか迫力のあるパッケージになっている。

 この話をGAME Watchの編集長から聞いた筆者は「ぜひぜひぜひぜひぜひレビューさせてください!」と懇願してようやく触ることができた。1週間ほどではあるが触ることができたので、こちらについて順を追って紹介していこう。

【Star Wars: Jedi Challenges Product Tour - Train Like a Jedi in Augmented Reality】

リアルなライトセーバーで遊べる「スター・ウォーズ」の世界

 まずは何と言ってもパッケージがいい。カイロ・レンに対峙しているプレーヤー。まさにこれから戦端が開かれようとしている感じだ。そしてパッケージを開けるとライトセーバーが置かれている。このデザイン、まさに本物のライトセーバーっぽいじゃないか。持ち手の太い感じがなんともリアル。見ているだけで早くこれを使って戦いたくなる。

 これ以外に同梱されているのは、スマートフォンをHMDに取り付けるためのトレイ、プレーヤー位置を測るためのトラッキングビーコンがある。コネクタ類としては、iPhoneとHMDをつなぐLightning - MicroUSBケーブルのほか、Androidのスマホと接続するためのmicroUSB - microUSB変換ケーブルと、USB-CとMicroUSBを変換するケーブルが同梱されている。ちなみにサポートしているのはiPhone 6~8(Plus含む。Xは非対応)とサムスンのGalaxy S8、S7、S7 Edge、Google Pixel、Pixel XL、LG G6、Moto Z2 Forceとなっている。

 デバイスのセッティングだが、App StoreかGoogle Playから「Star Wars:Jedi Challenges」アプリをダウンロードして起動させるとインストールガイドが表示されるので、その手順通りに進めていけば使えるようになっている。HMDのスマートフォンとライトセーバーはBluetoothで接続されて動作するようになっている。なお後述するが、本作はライトセーバーを振り回したり、体を左右に動かしたりする必要があるので、かなり大きなスペースを確保してプレイする必要がある。レノボによると1.5メートル×3メートルの広さが必要、としているので、イメージとしては4畳半くらいの広さが必要かと思う。

同梱されている主なデバイス。左上から右にHMD、iPhoneを格納するトレイ、トラッキングビーコン、MicroUSBとLightningを変換するケーブル、ライトセーバー
ライトセーバー本体
iPhoneとのペアリングが完了すると、先端が光るようになっている
スマートフォンを格納するためのトレイ
スマートフォンはこのように格納される(写真はiPhone 7 Plus)
画面表示はこのようになる
HMDにスマートフォンを収めた状態。コネクタでこのように接続する
トラッキングビーコンは単4電池2本で動作。スイッチを入れると光るようになっている

3つのモードで遊べるストーリー

 ではゲームの内容について述べていこう。マップには「Naboo」、「Garel」、「Lothal」、「Hoth」、「Takodana」の5つの惑星に加えて、旅の終着点となる「The Core」がある。「Naboo」からスタートして、レベルアップをしながら惑星を次々と攻略していくわけだ。プレーヤーは「パダワン」、「ナイト」、「マスター」とレベルを上げながら、ジェダイの旅の目的地である「The Core」へ到達することになる。この惑星では、訓練を受けたジェダイの騎士だけが対決できる未知の課題が含まれているという。

 これらの惑星ではライトセーバーで敵と戦う「ライトセーバー・バトル」、クリーチャーを動かしてチェスのように戦う「ホロチェス」、ユニットを配置して敵と戦う「戦略バトル」の3つが遊べるようになっている。まずは1番の目的とも言えるライトセーバー・バトルからご紹介していこう。

 ライトセーバー・バトルは、各惑星にいるダークサイド・ヒーローと戦う物語。まず最初はチュートリアルとしてArchivistが戦い方をレクチャーしてくれる。ストームトルーパーとの戦闘が2ステージ終了すると、その星にあるダークサイド・ヒーローが登場して、ボス戦が始まるという流れだ。惑星とボスの状況は以下の通りだ。

【Naboo】
「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」で登場した惑星。ボスはダース・モール
【Garel】
「スター・ウォーズ 反乱者たち」で登場した惑星。ボスはセヴンス・シスター
【Lothal】
「スター・ウォーズ 反乱者たち」で登場した惑星。ボスは大尋問官
【Hoth】
「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」で登場した惑星。ボスはダース・ベーダー
【Takodana】
「スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒」で登場した惑星。ボスはカイロ・レン
【The Core】
まだ謎に包まれた惑星

 1番最初のNabooでは、ストームトルーパーはブラスターで攻撃してくれるので、それをライトセーバーではじき返しながら敵に当てて倒していく戦法。近接してくる敵もいるので、それは直接バッタバッタと切りつけて倒すことになる。このあたりはArchivistが教えてくれるので、それに従って慣れていけばよい。

惑星はこのようにアウター・リムの内部として存在している
ライトセーバーが伸びているのが見える。その先にいるのがArchivist
まずはチュートリアルで、切りつけ方を覚えていく
光のガイドが示されたら、それに合わせるようにしてライトセーバーを構えると防御できる

 防御方法のチュートリアルが終わると、最後はダース・モールとの戦いになる。ただしまだ序盤なので、ダース・モールであるといってもそれほど強いわけではない。ちゃんとガードしつつ相手を切りつければ、それほど難しくはないだろう。とは言ってもプレイしはじめはライトセーバーの扱いに慣れていないため、筆者は2回ほどやられてしまった。しっかりと守りつつ、相手の攻撃パターンを読んで戦うことが重要だ。

 次の惑星に進むに従って、ストームトルーパーの攻撃も、ただのブラスターによる攻撃からライフルに変わったり、上位のスカウト・トルーパーが登場して、複数が攻撃を仕掛けてくるなど、より激しくなっていく。

ダース・モール登場
ガイドラインが緑になると、防御できたということ。ちなみにやられると、画像のように赤いひびが入ってくる
ガイドラインが赤の場合はやられてしまったということ
このマークが表示されたら攻撃のチャンス
すかさずダース・モールを攻撃
なんとか倒すことができた

 ステージ2のGarelでは、フォースが使えるようになる。ゲージをためてライトセーバーのボタンを押すとフォースを発動。まずは「Push」が使えるようになっており、これを発動させると複数のトルーパーを一気に倒すことができるほか、中ボス戦でも敵をひるませて攻撃に転じることができたりする。また、ビットによる攻撃もあり、「エピソード4」でルークがミレニアムファルコン号で訓練していたボールが登場するチュートリアルもある。こういったところはファンとしてうれしいところだ。

戦うにつれてゲージがたまっていく
アイコンが光ったらフォースを発動可能
中央に見えているのがボール
攻撃してくるスポットが示されるので、そこにライトセーバーを合わせてビームをはじく

 ステージが進むと、途中からは体を左右に動かしたり、しゃがんで攻撃をよける必要があるなど、その戦い方もさまざま。若干狭いスペースだったのでスウェイすることでよけていたが、本当は横に飛んだ方がリアルな戦いを感じることができるだろう。

 それぞれの惑星にいる中ボスは特徴のある攻撃をしてくる。ライトセーバーを回転させて切りつけてくるセヴンス・シスターや大尋問官などの戦いでは、ライトセーバーを持ちながら手首で回転させて防御する必要があったりする。中ボスの中でもダース・ベーダーは本当に強い。あと一歩のところで切りつけられて死んでしまうことが多々あり、何回やり直したのか覚えていないほどだ。しかし冷静に見てみると、戦い方にはパターンがあるので、それを覚えて防御しつつ戦うことができればクリアすることができるだろう。

 先ほど書いたように左右に体を振り、しゃがみつつ攻撃をかわし、隙あらば腕を振り回して切りつけるという攻撃になるので、1ステージが終わった後はゼエゼエハアハアと、日頃の運動不足を認識する始末。何と翌日には太ももが筋肉痛になった。それほどかなり激しい動きになるので、運動不足を解消するのにもいいのかもしれない。それにしても、ジェダイへの道は厳しいのだ!

 こうして惑星を1周すると「First Encounter」は終了となり、次の「Second Encounter」(つまり2周目)が始まる。1周目ではジェダイのスキルも3つ程度しか集められないので、周回を重ねることで強化していくことになる。そして最後には、銀河系の中心にある「The Core」での戦いが待っている。果たしてどうなるのかは、プレイしてのお楽しみだ。

その名前の通り戦略が肝心の「戦略バトル」

 ライトセーバー・バトル以外の項目についても紹介していこう。「戦略バトル」は、左側を自陣、右側を帝国軍の敵陣として、攻めてくる帝国軍を撃退しつつ、ミッションを完成させるというのが目的だ。配置できるのは戦士のリーダーや砲台、ミサイル砲台などのほか、オビ・ワン・ケノビなどのジェダイナイトも配置できる。ミッションはライトセーバー・バトルのように3つに別れており、順々にレベルを上げながら進めていくことになる。

 これはシミュレーションゲームとしても本格的で、最初のうちは砲台などをたくさん並べて力押しで戦って勝てるが、難易度が上がっていくとリーダーをどこに配置するのか? 砲台は? ミサイル砲台は? など、しっかりと守りの布陣を固めていかないと負けてしまう。集中攻撃する敵を指定して戦う必要も出てくる。またマップも広く、意外に見落としがちなのだが足元の方までがエリアが存在するので、頭をぐるぐると回しながらマップ全体を見る必要があるのだ。

右が敵陣、左が自陣。戦い自体はオートで進む
ライトセーバーを上にあげるとメニューが表示されるので、配置したいユニットを選ぶ
砲台を配置したところ。円の中が攻撃してくれるエリア
頭を動かして丸いポインタを敵に合わせ、ライトセーバーのボタンを押すとターゲット指定が可能

クリーチャーを動かして敵を倒す「ホロチェス」

 「ホロチェス」は、クリーチャーをコマに見立てて戦うゲームだ。「エピソード4」でC-3POとチューバッカが遊んでいたのを覚えている人もいるだろう。当時は遠い未来の姿だと思っていたのだが、今ではまさにあのゲームを遊べるのだ! 円形の特殊な盤上に配置されているクリーチャーを動かして、敵のコマと戦う。1回に動かせるのは3体で、それぞれに強さが設定されているので、まずは強いコマから出して戦うことが重要だ。クリーチャーは1つしか動かせないものや2コマまで動かせるものなどがあるので、どの敵を攻撃するのかよく考えて戦っていく。全部の敵を倒すとゲーム終了となる。

このように駒が並んでいるので、動かすクリーチャーに頭を回して丸いポイントを当て、ライトセーバーのボタンを押すと選択が可能。動かす位置はライトセーバーで指定する
同じように丸いポイントを当ててライトセーバーの場端を推し、戦う敵を指定するとこのように攻撃してくれる

「スター・ウォーズ」ファンであれば絶対に買うべき!

 本当に「Star Wars:Jedi Challenges」は楽しい。やっぱり面白いのはライトセーバー・バトルだが、体を動かしてのプレイは、本当にジェダイになった気分で戦うことができた。思わず熱中して遊んでしまい、気づいたら体中で汗をかいているほど。真っ白な壁に向かって遊んでいたのだが、敵が本当に目の前にいるような気がして、向こうの方の敵を切りつけに行こうとして、壁にぶつかりそうになったこともあったほど。もちろん、そのあたりはプレイするときには十分気をつけてほしい。

 アプリがまだ英語にしか対応していないのが残念だが、日本語版をリリースする予定もあるという。「スター・ウォーズ」のファンであれば、ぜひとも手元に置いておきたいと思う一品だ。