2017年10月31日 12:09
Gaijin Entertainmentが手がけたカーバトルアクション「CROSSOUT」が、ついに日本でもサービスを開始した。パブリッシャーはDMMで、PC版は10月5日より、プレイステーション 4版は10月12日より。いずれも日本語版で、ビジネスモデルは基本プレイ無料のアイテム課金制を採用している。
本作は自作した車両を戦わせるカーバトルアクションだ。自由度が高く自分の腕次第で無限の可能性が広がる「クラフト」、爽快な「バトル」そしてその先にある盛大な「破壊」が待っている。
舞台となる世界は、「CROSSOUT」という正体不明のウイルスに汚染された2047年の地球。ウイルスにより人口は減り、生き残った人々もウイルス感染によりDNA情報が変わってしまい容姿の変貌や驚異的な狂気を持つようになってしまった。人の容姿を持ちながら人でなくなってた人たちは、生きる場所や資源を集めるため、文明が崩壊した世界で争い、創造と破壊を繰り返している。プレーヤーはその一員として荒廃した世界でバトルを繰り返すことになる。
とはいえ、ゲームの導入部分で世界観について詳しい説明があるわけではなく、唐突にゲームの世界に放り込まれるので、経緯等詳しく知りたい方は公式サイトにて確認をしていただきたい。ただ、パッと見た感じでも「北斗の拳」や映画「マッドマックス 怒りのデスロード」を彷彿とさせるものがあり、グラフィックもとてもきれいでわかりやすいため、特段詳しく舞台背景を知らなくても入りやすい世界となっている。
粗が目立つ部分もあるが、そんななかでもキラリと光る要素がある「CROSSOUT」。その魅力について語ってみたい。
愛車がなけりゃ戦えない、まずは「クラフト」で愛車を作れ!
いきなり狂気の世界へと放り込まれた君は即座にバトルへと放り込まれる。とはいえゲーム開始時点では与えられた1台の車両のみ。組み合わせるパーツさえ持っていない。バトルで勝利したり、レベルアップごとにもらえるパーツで徐々に手を加えてオリジナルのマシンを作ることになる。
この様々なパーツを組み合わせてマシンを作る「クラフト」が本作の1つ目の魅力だ。
本作では1からパーツを組み合わせて車を作成したり、「設計図」と呼ばれるモデルタイプの車に手を加えたりという感じで自由に自分だけの愛車を作ることができる。パーツの組み合わせは「キャビンというエンジンを搭載した運転席パーツを必ず1つ搭載すること」と「移動するためのタイヤやキャタピラなどを必ず付ける」という一定の条件を満たせば限りなく自由に作ることができる。性能重視でもいいし、機能美を求めてもいいし、見た目にすべてを注いでも問題ない。バトルには使えないけどとりあえず作ってみたいでもOKだ。そこから新たな可能性が見えてくることもある。
バトルを繰り返すと、他にも様々なパーツを入手することができる。タイヤやショットガンといった初歩的なパーツはバトルで入手できるが、一定のレベルになり、必要な素材を集めるとパーツ自体を作ることができる。
作成できるパーツは初期のチープなものとは違い、車の速度が早くなるパーツや、ダメージを抑える強固な外装パーツ、プラズマガンなんて突飛なパーツを手に入れることも可能。これらのパーツを自由に組み合わせて自分だけの愛車を作るのが最高に楽しい。
パーツの作製には「ファンクション」が関係している。プレーヤーは「ルナティック」、「ノーマッド」、「スカベンジャー」、「ステッペンウルフ」、「ドーンチルドレン」のファンクションからひとつを選んで所属することになる。開始時から所属している「エンジニア」というファンクションからは脱退することができないので、基本兼任である。所属しているファンクションごとに制作できるパーツの種類が異なり、ファンクションごとに守りを固めるために装甲が厚くなるといった特性や特攻向きのスピード重視といった特性があるので、自分好みのファンクションに所属してオリジナルの愛車を作ろう。
これらを組み合わせることでショットガンとキャタピラで装甲車のような車や、敵車をガッチリと挟み込んで大型のカッターで破壊する車のようなものも作ることができる。筆者が作ったのはスピードに特化したマシンだが、他のプレーヤーは空飛ぶ戦車といったマシンを作っていた。文明の崩壊とは一体………。
ちなみに、パーツごとにPowerScore(以下、PS)が設定されており、強力な装備ほどこの値が高く設定されている。マシン全体のPSの合計か後述するバトルのマッチングに影響する。
愛車を「バトル」で戦わせて、相手の車を破壊!
「CROSSOUT」のもうひとつの魅力は爽快なバトルだ。オリジナルの物理エンジンを採用しているため躍動感のある走りと細かく作りこまれた破壊を見ることができる。
特に破壊に関しては、ダメージを受けたところ自分が狙ったところが重点的に壊れていくようになっており、せっかく作り上げた「車両」がどんどんバラバラになっていく。マシンガン、装甲、タイヤ……。徐々に徐々に削られていく。もちろんレベルの違いが大きければ一撃でやられてしまうが、ほぼ同じレベルだとじわじわと壊れていく。しかし、その壊れ方は鮮やかで、まるで映画の破壊シーンのようだ。
この「バトル」は大きくわけて「ミッション」、「レイド」、「ブロウル」という3つのルールがある。
「ミッション」は8vs8で行なわれるスタンダードなバトル。ルールは現在「相手の陣地を占領するパターン」と「1つの陣地を両チームで奪い合うパターン」の2種類ありどちらのルールも目的を達成するか、相手方を全滅もしくは相手チームより自チームの生存者が多ければ勝ち。勝てばパーツがもらえる。負けてもスコアが良いとパーツ製作で必要となるスクラップという素材がもらえる。スクラップは何かと使うので貰っておいて損はない。この「ミッション」は、PSが同じくらいのプレーヤー同士で対戦が組まれるため比較的バランス取れたバトルができる。
「レイド」はいわゆるCOOP的なミッションで、3~4人でチームを組んで決められた目的を達成させることがクリア条件となる。現時点でいくつかのクエストが用意されており、難易度も初級 中級、上級と分かれている。ミッションをクリアすると「銅」がもらえる。この「銅」はパーツ製作に欠かすことのできない素材なので確実に押さえたいところだ。
「ブロウル」は特殊な条件下での個人戦モード。車体が傷つくほどの嵐の中で戦ったり、全プレーヤーが同じ車両に乗ってバトルロワイヤル形式で戦うモードなどがある。「ミッション」と違いPSの強さがまちまちなので強いプレーヤーはとことん強い。最初の頃は負けが込んで心が折れそうになるが、操作に慣れ、愛車が強くなれば徐々に勝てるようになるので諦めずに楽しんで参加して欲しい。ちなみに、「ブロウル」では優勝者にのみ報酬がもらえる仕組みだ。
他にも「クラン」バトルや「ランクバトル」がある。ちなみに「ブロウル」、「クラン」、「ランクバトル」は開始時間が設定されており、その時間にならないと参加することができない。難点なのは、ゲームを起動しないと、どのバトルに参加できるのかわからないところだ。本当にタイミングが重要で、運が悪いと「ミッション」と「レイド」以外のバトルには一切参加できない時もある。筆者はタイミングが悪く、見事に1度も「クラン」バトルと「ランクバトル」に参加できなかった。
どのモードにも共通するのが破壊の美しさだ。マシンガンやタイヤなど狙ったところが壊れてくれるので操作していて非常に爽快。システムで決まった壊れ方ではなくプレーヤーが壊したい状況に持っていけるので、「攻撃力を奪う」や「とりあえず動けなくする」など戦略を練ることもできて楽しい。壊れ方が違うだけでこんなに楽しいとは思わなかった。
また、参加するバトルによって見られる破壊モーションが異なるのがおもしろい。「ミッション」バトルでは、対戦相手のPSが同じくらいなので、ドカンと一発!で壊れると言うよりはじわじわとバラバラになっていく。「レイド」や「ブロウル」では自車よりも大きな車や強い車と対戦することもあるので、愛車が一瞬で粉々になることもあるし、大きな車がどんどん壊わしていくさまはプレイしていてとても気持ちがいい。
余談だが攻撃の手段として「自爆」がある。この自爆の爆発は攻撃されて爆発するよりも爆発の大きさが2倍位大きい。なんとしてでも相手を壊してやりたいという思いが乗っているようで筆者が個人的に好きな破壊表現だ。
最後に
というかたちで本作の魅力を紹介してきたが、気になるところもある。ファンクションに所属したはいいものの、各ファンクション特有の武器や設計図が手にはいる以外、特にこれといって所属している意味が見つからない。各ファンクション特有のミッションのようなものがあってもいいのかなと感じた。
バトルでは「ミッション」の目的が2種類しかなくプレイを重ねていくと、早くも戦い方にマンネリ化が見られた。せっかくのチーム対戦PvPなので今後の改良に期待したい。
今後も開発に力を入れていくとのことなので、今後に期待したいところだ。個人的にはファンクションに絡めたミッションといった要素を盛り込んでもらえるとさらに魅力的になると思う。
というわけで細かい点は気になるものの、ポストアポカリプス的な世界観で、“クラフト”と“バトル”と“デストロイ”が楽しめる他にはない作品だ。また、自分で丹精込めて作った「愛車」をバトルでバラバラに壊し、相手が一生懸命考えて作った「愛車」を思いっきり破壊する「CROSSOUT」は最高のドSゲーでありドMゲーだと感じた。
それでは読者の皆様もドSとドMの心をもって、存分に愛車を作り、存分に壊して「CROSSOUT」の世界を楽しんでほしい。