先行レビュー
古代祐三氏による渾身のBGMを多数収録。「アーシオン」試遊レポート【TGS2024】
令和に生まれたメガドラ向けシューティングゲームがプレイアブルで初出展
2024年9月28日 18:58
- 【東京ゲームショウ2024】
- 開催期間:9月26日~9月29日
- 会場:幕張メッセ
- 【アーシオン】
- 2025年 発売予定
- 価格:未定
「イース」や「ソーサリアン」、「アクトレイザー」など、1980年代から様々なゲーム音楽を手掛けてきた古代祐三氏が音楽を担当していることでも話題になったシューティングゲーム「アーシオン」が、「東京ゲームショウ2024」のハピネットブースに初出展されていた。
過去にもレトロゲーム系のイベントで本作の映像は見かけたことはあったものの、実際にゲームが遊べるのは今回が初めてとなる。ちなみに今回出展されていたものは、メガドライブの実機や互換機などで遊べるものだ。いわゆるレトロゲーム風のゲームとは全く異なり、令和のこの時代に本機でメガドライブ向けのシューティングゲームを作っているところにセガファンのアツい思いが感じられる作品だ。
このメガドライブで遊べるソフトは、カートリッジで発売されることも決定している。それ以外にも、パッケージ版としてはプレイステーション 5とNintendo Switchで発売されることに加えて、デジタル版ではSteamなどほかプラットフォームでの展開も予定されている。
今回の展示で特にユニークだったポイントは、通常の液晶ディスプレイに加えてブラウン管のモニターでも遊べるようになっていたところだ。これはメガドライブに限った話ではないが、ドット絵が主体だった当時のゲームは、グラフィックスもブラウン管の滲み具合まで考慮して作られていたのがほとんどだ。当然のことながら、本作でもブラウン管で遊んだ方がより作品の雰囲気を楽しむことができるのである。
今回は液晶とブラウン管がならべられていたので、グラフィックスがどれぐらい違って見えるか気になっている人は、ぜひ同ブースでチェックしてみてほしい。
普段シューティングゲームをプレイしていない人でも楽しく遊べる!
正直にいうと、銃で撃つ方のシューティングゲームはときおりプレイすることはあるものの、こうした往年のシューティングゲームはすっかりご無沙汰な状態となっていた。ましてや、敵や弾丸が矢継ぎ早に飛んでくるようなゲームではすぐにやられてゲームオーバーになるのでは? という不安もあった。だが、実際にゲームをプレイしてみると、意外と長くプレイし続けられることに驚かされた。
まず、出撃のシーンがめっちゃカッコイイ。巨大な宇宙船から戦闘機が出てきたかと思ったら、そこからローリングしてシューティングのステージが開始されるのだ。よくよく画面を見てみると、上部に「SHELD」と書かれた青いバーが伸びている。敵の攻撃を受けるとこのバーが少し減ってしまうのだが、すぐに回復していた。そのため、シューティング初心者でも遊びやすい作りになっていたのである。
このゲームで初めてやられてしまったのは、巨大な戦艦を倒した直後に出てきた謎の四角い枠だった。それがなんなのか全くわからなかったため、取りに行くものだと思い込んでいたのだが、あっという間にシールドがなくなり残機を失ってしまったのだ。しかし、今回の試遊では残機が7も用意されていたので、そのまま継続してプレイを続けることができた。
敵を倒しながら進んでいくと、ときおり緑のアイテムやパワーアップアイテムのようなものが落ちていたのだが、それらの具体的な効果は初見プレイでは把握することはできなかった。だが、あまり細かい事を考えずに楽しく遊べたのは、ゲーム自体のテンポの良さにある。
ひとつの大きな敵を倒したかと思いきや、その直後に別の敵が襲い掛かってくるなど、攻撃自体も間髪入れずに行なわれていくことがあった。当然のことながらプレーヤーとしての闘争心もかき立ててくれるのだが、それをさらに盛り上げてくれていたのが古代氏が作りあげた渾身のBGMである。こちらもゲームの場面にピタリと合うように、気持ちよいサウンドが流れてくるのだ。これがほんとうにメガドライブ向けのゲームなのかと感心させられてしまったほどである。
さすがにシューティングゲームではいろいろなところに気を回さなければならないため、じっくりと音楽だけを聴いているわけにはいかないのだが、遊び終わった後でBGMだけ流して余韻に浸りたくなってしまった。なお、今回試遊したものでは確認できなかったものの、サウンドモードなどの実装にも期待したい。
そうこうしているうちに、何やら画面に「WARNING」の文字が表示される。どうやら次の相手がステージボスということを表しているようだ。このボス戦は通常のバトルとは少し異なり、画面左上に「TARGET」のバーが表示される。ボス本体の下側にある赤丸の部分が弱点になっており、そちらに当てていくことで「TARGET」を減らしていくことができた。
演出も派手だったのだが、攻撃も激しく残機残り1というところまで減ってしまったものの、なんとか撃破に成功。その後スコアやクラスが表示されるのだが、そこには「曹長」と書かれていた。これがどれぐらいの地位を示しているのかまではわからなかったものの、何か仕事をひとつやり遂げたような気分であった。
ステージ2では、大気圏に突入するような演出が流れた後、宇宙空間より少し下の上空での戦闘が繰り広げられていった。雲の中に突っ込んでいくような場面や、多重スクロールの背景画像に見とれてしまっていたのだが貴重な残機もやられていきついにゲームオーバーに。まさか初見でここまで遊べるとは思っていなかったということもあり、想像上に本作の堪能した気分であった。
この「アーシオン」は、ハピネットブースでメガドライブ版がプレイアブルな状態で出展されている。このメガドライブ版に関しては、現在の完成度は80~90パーセントほどとなっており、今回ユーザーからのフィードバックを反映しつつ、内容のブラッシュアップが行なわれていくとのこと。何はともあれ往年のレトロゲーマーやシューティングゲームファン、セガファン、古代祐三氏のファンなど多数から注目を集めているので、リリースが待ち遠しいタイトルであることは間違いない。












































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