NCJ、WIN「雀龍門3」アップデート直前インタビュー
「本当に強い人が勝つ仕組み」の「雀龍門リーグ」。プロ参戦の可能性も
エヌ・シー・ジャパン株式会社は、Windows用オンライン麻雀ゲーム「雀龍門2」にて、9月27日にアップデートを実施する。合わせてタイトルを「雀龍門3」へと改名する。
「雀龍門2」は、麻雀牌の再現に物理エンジンを使用したゲーム画面のリアルさや、アーケードゲーム風の派手な演出、高速な対戦マッチングシステムなどで人気を集め、80万人以上のユーザーを獲得しているタイトルだ。
「雀龍門3」で大きく変わる点としては、実力勝負を掲げる「雀龍門リーグ」モードの追加が挙げられる。「雀龍門リーグ」は「雀龍門2」にある「熟練卓」に代わって入るもので、Dリーグ、Cリーグと区分けされたリーグの中で昇降格を争う。「初段」以上なら誰でも参加が可能。「真の麻雀の強さ」というコンセプトを打ち出した、「雀龍門3」の目玉のコンテンツとなる。
他にも、これまでゲーム内で奪い合ってきたポイント「雀珠」の代わりに、順位によって獲得できるポイントが固定されている新しいポイント制度の導入などがあり、「雀龍門2」とはまた違った印象を持つゲームになるようだ。
今回はこの「雀龍門3」について、開発を担当している韓国ncsoftの「雀龍門」開発チームのソング・ギョル氏と、エヌ・シー・ジャパンPRチームの金子晃利氏にお話を伺う機会を得たので、そのインタビューをお送りする。
■ 「本当に強い人が勝つ仕組み」で麻雀の真の面白さを目指す「雀龍門3」
ncsoft「雀龍門」開発チームのソング・ギョル氏 |
――今回の「雀龍門3」では、麻雀の実力を争うといった打ち出しが、これまでとは変わっていて印象的です。このコンセプトに至ったのはなぜでしょうか?
ソング・ギョル氏: 上級者のユーザーからの、「麻雀をもっと極めたい」という声に応えたかったのが大きな理由です。「雀龍門2」では演出やゲーム周辺の部分はある程度できていたので、そこから我々に何ができるかを突き詰めていった結果、この方針になりました。
今回から加わる新ゲームモード「雀龍門リーグ」 |
――それが「雀龍門リーグ」の実装に繋がっていったわけですね。こちらの見所はどこでしょうか?
ソング氏: 「雀龍門リーグ」は、上級麻雀嗜好をもったユーザー向けの新要素となるゲームモードです。「初段」以上のユーザーなら誰でも参加できて、最初はDリーグから始まり、Aリーグの上のSリーグが頂点となっています。上位リーグに上がれば上がるほどピラミッド構造のように人数が制限されていき、リーグに留まることが厳しくなります。ルールも一発や裏ドラをなしにするなど、運要素をできる限りなくすようにしているので、ユーザーの実力が試されるのが見所ですね。
――「雀龍門リーグ」が「熟練卓」の代わりに入るということですが、誰でも参加できるゲームモードの「一般卓」は残るのでしょうか?
ソング氏: 「雀龍門2」で「一般卓」と呼んでいた枠組みは、これまで通り残ります。
サポート機能は排除されるので、「チョンボ」も適用されるようだ |
――この「雀龍門リーグ」では、鳴きのサポートやドラ牌が光るなどのナビゲーション機能の排除も発表されました。PCならではの機能かと思うのですが、なぜあえて排除したのでしょうか?
ソング氏: ゲーム画面をより本物の麻雀卓に近づけたかったからです。緊張感が増しますし、サポートがなくても強いのが実力と考えています。「雀龍門リーグ」は、よりリアルで、本当に強い人が勝つ仕組みになっています。上のリーグでは、手牌の整理が手動になります。RPGに例えるなら、装備がだんだんと外れていって、敵がどんどんと強くなるイメージですね。
――上がれば上がるほどサポート機能がそぎ落とされていくのは珍しいですね。それほどまでに、実力勝負にこだわる理由は何かあるのでしょうか?
ソング氏: 麻雀のゲームとしての面白さ、つまり、麻雀の実力を競う面白さを突き詰めようという考えがあるからです。日本の麻雀は、コンテンツとして完成されていると思いますが、どうしても賭博要素のイメージがあります。「雀龍門3」では、そういった賭博要素を抜きにしたものを目指したいのです。「雀龍門3」を礎として、「純粋に完成された知的ゲーム」という認識を世界に広められたらいいなと思っています。
「雀珠」が廃止となり、新しいポイント制度が実装される。こちらは「雀龍門リーグ」の記録表 |
――それは、今回廃止された「雀珠」と新しく実装されるポイント制度にも大きく関わっていることだと思います。この新しいポイント制度はどのようなものでしょうか?
ソング氏: これまでは、「雀珠」によってユーザー同士でポイントを奪い合うスリルを楽しんでもらっていた部分がありましたが、新しいポイント制度では、ポイントの変動が最終順位によって完全に固定になります。イメージとしては、F1などのカーレースのポイント制度に近いですね。奪い合うのではなく、自分の結果が自分の財産に影響を与えるようになりました。これまであった「熟練卓」のようなポイントによる卓の制限も廃止しました。ちなみに新しいポイントでは、「雀珠」では交換できなかった「牌譜ディスク」などのアイテムも入手できるようになりますよ。
■ 「黄龍杯」は今後も継続的に開催を予定。プロ参戦の可能性も
エヌ・シー・ジャパンPRチームの金子晃利氏 |
――アップデートに先立って、初となるオフラインイベント戦「黄龍杯」が9月3日に開催されました。こちらの開催に至った経緯を教えてください。
金子晃利氏: 「雀龍門3」から始まる「雀龍門リーグ」で競う楽しさをユーザーに先行して体験してもらおうという意図があって開催しました。「雀珠」による卓の参加制限をなくしたのは、新しいポイント制度のためという理由もありますが、この「黄龍杯」に誰でも気軽に参加できるようにしたかったこともあります。オンライン麻雀でのオフラインイベントはありますが、トーナメントを開催したのは、おそらく我々が初なのではないかと思います。
――賞品の総額も140万円分のBitCashと豪華なのが驚きました。
金子氏: 賞品についてはビットキャッシュさんにご協力いただきました。電子マネーとは言え、この金額は麻雀の大会としてもかなり豪華なもののはずです。第1回でこの総額なので、次回からどうしていこうかと悩んでいるところですが。
――ということは、この「黄龍杯」は、今後も開催するのですね?
金子氏: 先ほどソングからも申し上げたように、「雀龍門3」では賭けとは関係ない、麻雀そのものの面白さを広めたいと思っています。この「黄龍杯」もそのための仕掛けのひとつなので、継続的に開催したいですね。
――小島武夫さん、二階堂姉妹といった有名プロと対戦できるというのも、大会の注目点だと思いました。今後、「雀龍門3」でプロの方が正式に参戦することもあるのでしょうか?
金子氏: 可能性はあります。もし参戦していただくとしたら、「雀龍門リーグ」のSリーグを考えています。
■ レアアイテムを入手できる「幻宝」。英語のボイスも登場
黄金の卓など、レアアイテムが手に入る「幻宝」 |
――ここまでお話を聞いていると、上級者向けのコンテンツに注力したように思いますが、初心者でも楽しめるコンテンツは何かありますか?
ソング氏: より広い範囲のユーザーに喜んでもらうため、初心者の方へのフォローもしています。その1つが、今回実装する「幻宝」です。「幻宝」はプレイによって特典アイテムが得られる仕組みで、そのアイテムごとに特定の条件が列記されたシートがあります。それらを全て埋めると、そのアイテムが手に入るというものです。道のりは長くなりますが、お題はプレイスタイルに影響を与えるようには作ってはいないので、気長に楽しんでもらえればと思います。
「幻宝」では、これまではなかった「袖」部分の装飾品も登場する |
――どのようなアイテムが用意されているのでしょうか?
ソング氏: 例えば、これまでになかった、ゲーム中にプレーヤーの分身として登場する腕の「袖」部分の装飾品であったり、2Dアバターの装飾品であったり、米国の声優さんが英語で吹き込んだアガリ役読み上げのボイスだったりします。
――英語のボイスでアガリ役を読み上げるというのは新鮮ですね。
ソング氏: 実は私が今回来日したのも、この収録があったからなのです。この読み上げで、上がった時の画面がかなり陽気でアメリカンなものに様変わりしますよ。麻雀の役は、英語では様々な表現があるのですが、どの役にどういった英語が当てはまっているかというのも、楽しんでほしいですね。
――「幻宝」のアイテムは、有料で販売はするのでしょうか?
ソング氏: 今のところ考えていません。アイテムは「幻宝」限定にして、希少価値を上げたいと思っています。もし「幻宝」が盛り上がっていけば、サポートキャラクターの「メイリン」ちゃんの抱き枕をリアルで贈呈する、などがあってもいいかも知れないですね。
――「幻宝」の他に、今後の企画などありますか?
ソング氏: 今後の企画としては、初心者の方のために、上級者から麻雀を教えてもらえるようなものであったり、Aリーグ、Sリーグの観戦機能などを考えています。また、コミュニティ機能の充実も予定しています。
■ 「まずは日本のルールを充実させたい」。iPad版は「成功に向けて動いている」
今後の意気込みに加え、iPad版は「近いうちにお見せできる」と話してくれた両氏 |
――では、将来の話に移ります。「雀龍門」の今後について、教えてください。
ソング氏: 上級者と初心者の両方に楽しんでもらえることを考えながら、まずは日本にあるさまざまな麻雀のルールを充実させたいですね。「雀龍門」は今のところ日本だけのサービスなので、韓国で開発している我々も、もっと日本のユーザーの心理などを勉強しなければならないなと感じています。
――英語のボイスが登場と聞いて、ついに「雀龍門」が世界進出かとも思ったのですが……。
ソング氏: それはまだですね(笑)。ただ、麻雀にも世界ルールというのがあるので、将来的には新ルールや、世界ルールといったものも取り入れていきたいなと考えています。
――前回のインタビューでは、iPad版のお話が出ていました。現在の進捗や状況はいかがでしょうか?
ソング氏: オフラインイベントで少し言及したのですが、それ以上はまだお話しできるものではないですね。詳しくは言えないのですが、成功に向けて動いているところです。近いうちに、何らかの形でお見せできると思いますよ。
――それでは最後に、ユーザーへメッセージをお願いします。
ソング氏: 「雀龍門3」は、ただ数字を加えたのではなく、新タイトルを出す意気込みとスケールでやっています。ユーザーの要望になるべく応えていこうと思いますので、これからの動きにも期待していください。
金子氏: 「雀龍門」のアップデートは、その度にロゴの商標登録を取り直すほど気合を入れていますのでご期待ください。また、「黄龍杯」はどなたでも観戦が無料で、見るだけでなく、麻雀がその場で遊べるようにもなっています。麻雀を包括的に楽しめますので、また次回開催の際にはぜひご来場下さい。
――ありがとうございました。
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□「雀龍門2」のページ
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□「雀龍門3」のページ
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□「黄龍杯」のページ
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(2011年 9月 9日)