G-Star 2010レポート

ncsoft、「雀龍門2」開発者インタビュー

観戦モードや大会コンテンツ、iPhone版など多方面に企画中


11月17日 収録

会場:ncsoft本社



キム・デジン氏(右)と、ソン・キョル氏(左)

 エヌ・シー・ジャパン株式会社が提供している麻雀ゲーム「雀龍門」は、11月16日にバージョンアップを行ない、タイトルを「雀龍門2」に改名した。このニュースは既に弊誌でもお伝えしているとおりだが、本作を開発しているのが、実は韓国ncsoftだということは、あまり知られていないかもしれない。

 開発元の韓国では「雀龍門2」はサービスされていない。つまり日本向けのコンテンツ制作を、ncsoftが担当しているという構図だ。「リネージュ」や「The Tower of AION」のように、元々韓国でサービスされていたものを日本にローカライズしているのとは異なる、ユニークな関係である。

 弊誌では既報のとおり、ncsoftによる「G-Star 2010」の事前プレスカンファレンスのため、ncsoft本社を取材した。その中で少しお時間をいただき、「雀龍門2」の開発者の方にインタビューをお願いした。お答えいただいたのは、開発室長のキム・デジン氏と、メイン企画者のソン・キョル氏。




■ 「雀龍門2」と並行してiPhone版やiPad版も開発中

猫の手の印象が強い「雀龍門2」。もちろん他の部分も大幅にパワーアップしている

 まず最近の開発の様子について尋ねたところ、日本の「雀龍門2」だけでなく、他国に向けたバージョンや、さらにはiPhone版、iPad版の開発も行なっているという。いきなりの新情報に驚かされたが、iPhone版とiPad版については「来年にはお見せしたい」ということだった。タッチパネルと麻雀コンテンツの親和性の高さは説明するまでもないことなので、これは多くのiPhone/iPadユーザーからも注目のコンテンツとなりそうだ。

 先日実装された「雀龍門2」の開発については、基本的にユーザーからの声を受け入れていく形で進めており、“なしなし”や“3人打ち”もユーザーから常日頃から声が上がっていたことから実装したものだという。他にはグラフィックスの向上やボイスの追加などが行なわれている。中でも特に目立っていた“猫の手”については、「これを実装することでユーザーに喜んでもらえるのかと社内でかなり議論した。結果的には日本では好意的に受け入れられたので、評判がよければ他の動物も追加したい」という。




■ 待望の観戦モードは大会コンテンツと合わせて実装を検討

「雀龍門2」イメージビジュアル

 「雀龍門2」への要望といえば、やはり現在入っていない観戦モードの追加だろう。これについて実装の予定があるかと尋ねたところ、「来年には実装したい。日本では麻雀を打つだけでなく、観戦モードが重要なのはわかっている」と明確な答えが返ってきた。ただこれは単純に観戦できるようにするのではなく、「プロを呼んで『雀龍門2』をプレイしてもらう計画があり、その時に観戦モードがあれば喜んでもらえるのではないかと考えている。また来年はリーグやトーナメントといった大会コンテンツも用意するので、上位決定戦で観戦モードがあれば興味を持ってもらえるのでは」と、他の企画と絡めた形での実装を考えていることを明かした。

 その他の追加要素については、「来年の大きな計画として2つのキャッチフレーズを考えている」という。1つは「深みのある麻雀」。ただ麻雀を打つだけでなく、観戦モードの追加などによりコミュニティの活性化を図りたいとしている。もう1つは「みんなが一緒に楽しむ麻雀」。大会機能や地域別ギルドなど、多人数で楽しめるようなものを用意したいとしている。

 中で、リーグ戦の実装を急ぎ、その上でさらに追加の要素も考えたいという。そのアイデアとしては、コレクション要素の追加、より緊張感のある真剣勝負をを楽しめるようにするサブコンテンツの追加。具体的な内容は検討中ながら、「全てのプレーヤーが、対局後に達成感を味わえるようにし、継続的に遊んでもらえるようにしたい。例えばレートシステムのように、一時的なものではなく、また麻雀そのものに影響を与えない(イカサマではない)ものを考えたい」という。

 最後にユーザーへのメッセージをお願いした。キム氏は「みなさんが何を求めているか、常に耳を傾けていきたい。『雀龍門』は『2』で生まれ変わったと考えていただきたいですし、来年からはみなさんからの要望をもっと反映していきたい。来年の今頃は『雀龍門3』を期待していただけれるよう、努力していく」と語ってくれた。

 またキム氏より、この機会にユーザーに伝えたいこととして、「牌を操作しているのでは、と度々言われるが、公式掲示板で告知しているとおり、決してそんなことはない。ユーザーが実力で楽しめるように考えて開発している」という宣言もあった。またソン氏からは、「来年は九段以上の階級も考えている」という発言もあった。「雀龍門2」になったばかりのタイトルではあるが、いよいよこれからが本領発揮といったところのようだ。

 ちなみに筆者から「PhysX(物理エンジン)を採用した麻雀というのは非常に珍しく面白い。せっかくなので麻雀とは全く違う、例えば麻雀牌を投げたりできる遊びを入れませんか?」と提案してみたところ、キム氏に「日本のユーザーからそういう要望があれば検討したい」とバッサリ切られてしまった。真面目な麻雀が好きな方も、お遊びが欲しい方も、どんどん運営元のエヌ・シー・ジャパンへ要望を送ってみてはいかがだろうか。


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(2010年 11月 19日)

[Reported by 石田賀津男]