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【gamescom2023】孫悟空が妖怪退治するダークなアクション「黒神話:悟空」を試遊

分身攻撃や如意棒巨大化、変身など法力を駆使したこれぞ孫悟空という爽快アクションに感動!

【黒神話:悟空】

2024年発売予定

 中国のデベロッパーGame Scienceが開発しているアクションゲーム「黒神話:悟空(Black Myth:Wukong)」は、ドイツで開催されたgamescom2023で、初めて中国外でのプレイアブル出展を行なった。8月20日にはSteamのストアページがオープンし、PC版の発売日を2024年と発表した。本作はPS5とXbox Series S|Xでも発売される予定だ。

 「西遊記」のヒーロー孫悟空といえば、中国人はもちろん日本人にとってもおなじみの存在だ。その孫悟空の世界を超絶美麗なグラフィックスで表現したアクションゲーム「黒神話:悟空」は、登場からその表現力の高さが話題を呼んでいた。

今回死闘を繰り広げた「頭目・蚰蜒精」

 gamescom2023では約30分間の試遊が可能なブースが出展し、筆者が見た限り最大3時間待ちの大行列ができていた。筆者も2時間半以上の行列に並んでプレイしてきたので、インプレッションをお届けしたい。

 今回の試遊では専用のクライアントにより、4つのボスがプレイできた。最初のボス「頭目・蚰蜒精」を倒すと、残り3体のボスが選べるようになる。今回は主に、最初のボスであるゲジゲジの化け物「頭目・蚰蜒精」との戦闘をピックアップしたい。

【Black Myth Wukong | 4K Extended GeForce RTX Boss Battle Gameplay】

孫悟空らしさを追求した爽快アクション

 孫悟空といえば、自由自在に伸び縮みする如意棒がメインウェポンで、本作でも当然基本攻撃は如意棒での攻撃となる。如意棒で殴りつける通常攻撃のほか、ボタンの長押しで溜めることで如意棒が雷撃のようなオーラ―をまとい、巨大になった棒を相手にたたきつけることで大ダメージを与えることができる。また、通常攻撃と強攻撃を組み合わせてコンボにすることもできる。

 回避は「B」ボタン(表記はXboxコントローラー準拠。以降同じ)。通常の回避は、攻撃を避けつつ地面を転がるだけだが、うまくタイミングが合えば、その場に分身を残しつつ攻撃を避け、すぐに反撃に移れるという非常にかっこいい回避が出る。このかっこいい回避を連続で決めると、多数の残像を残しつつ、様々なアクションで攻撃を避けるアクションムービーのようにかっこいいシーンを作り出すことができる。

 「RB」ではスプリント、「LB」はひょうたんに入った回復薬を飲む。回復薬は1回飲むことに減っていき、1回の戦闘で使える総量が決まっている。「LT」では如意棒をぐるぐる回して防御する(これもかっこいい)。右のスティックを押し込むことで、ターゲットをロックできる。

ひょうたんで回復する

 「RT」を押すと、「A」、「B」、「X」、「Y」ボタンと十字キーにセットした法力が選択できる状態になる。法力は、例えば一定時間相手の動きを止めるものや、自分を鉄の塊に変化させるもの、毛を抜いて多数の分身を呼び出し、自分の攻撃に合わせて一斉に攻撃を繰り出せるものや、別の妖怪に化けてその妖怪の力を使えるものなど、いかにも孫悟空らしい技がそろっていた。法力は非常に強力だが、一度使うとクールダウンが必要なので連射はできない。最初のゲジゲジ戦では2つしか使えず、最大8つまでセットできるようになる。

 十字キーには、如意棒のスタンスが3つ登録されており、「Smash Form」、「Pillar Form」、「Thrust Form」を切り替えることができる。今回は短い時間だったので、それぞれをじっくり試すことはできなかった。

【今回戦うことができた4種類のボス】
ゲジゲジの妖怪「頭目・蚰蜒精」
「頭目・赤尻馬猿」
「妖王・虎先鋒」
ステージ「挟魂崖」

強力な法力を使って大ダメージを狙う

 どの戦闘でも最初に死に戻り用のセーブポイントを設定するところから始める。このセーブポイントは小さな祠堂のような場所で、悟空は自分の毛を変じたお香をそこに立てる。そうすることで、死ぬとそこで復活できるようになる。

 最初のボス「頭目・蚰蜒精」はチュートリアル的な存在で、最初に操作の練習ができる動かない敵の卵が置いてある。その少し奥の円形のフィールドに降りると、うずたかく積まれた骸骨の山から白い巨大なゲジゲジの妖怪が飛び出してくる。

 動きは非常に早く、すぐにでも回避を使わないとあっという間に下敷きにされ、体をぶつけてくる連続攻撃でごっそり体力を減らされてしまう。敵をロックして、タイミングよく避けつつ、相手が連続攻撃をかけてくるタイミングでは体を硬化する法力を使い、そのあとは敵をスタンさせる法力と強攻撃を組み合わせて大ダメージを食らわせる。

 ゲジゲジの攻撃は、上からのしかかってくる連続攻撃と、丸まって猛スピードで突っ込んでくる回転攻撃、周囲に毒をまき散らす攻撃を繰り返す。動きはそれほど複雑ではないが、素早く連続でしかけてくるので一度攻撃を食らってしまうと立て直すまで時間がかかった。

 攻撃を食らわないように回避をうまく使いこなしつつ、距離を取りつつタイミングよく攻撃を仕掛けるといった戦い方が有効だった。うまく攻撃が入ると、大きく削ることができて爽快感がある。ある程度体力を削ると、子ゲジゲジを大量に召喚するので、その回転攻撃をよけながらボスに向かう。何度か倒されながら、無事クリアできた。

gamescom2023「Best Visuals」受賞の美麗グラフィックス

 すでにクライアントは日本語にも対応しており、設定すれば日本語で遊ぶことができた。日本人だと孫悟空というとマンガ作品のイメージが強いが、中国の孫悟空といえば京劇に出てくる姿が思い浮かぶ。本作でも、翎子(りんず)という頭の羽飾りをつけたフルアーマーを着て戦うシーンがある。声もサルっぽい甲高い声で、孫悟空のイメージをとても大事に表現しているのは、さすが中国のスタジオならではといったところだ。

 アクションゲームとしても、高難易度ながら解法があり、今回遊んだ限りでは理不尽さよりは爽快さがまさっているよう感じられた。gamescom2023では並み居るゲームを抑えて「Best Visuals」を獲得した本作。画面の美しさのみならず、ゲーム中のBGMやSEなどすべての要素がダークな世界観を盛り上げている。すでに来年のベストゲーム候補だと目されている本作を、一日も早く行列に並ぶことなくプレイしたい。