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「あつ森」内に国際環境NGOコンサベーション・インターナショナルが「トレジャーアイランド」を建設

島内のレストランは現実世界にも近日オープン予定!

10月7日 発表

 国際環境NGOコンサベーション・インターナショナル(以下CI)は、10月4日の「世界動物の日」を記念し、生物の多様性をテーマにした水上都市「トレジャーアイランド」を、Nintendo Switch用シミュレーション「あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)」内に建設する。

 「トレジャーアイランド」は、環境意識が低いと言われる日本に住む若年層の環境問題への関心を高めることを目的に行なわれる企画。「国連人間居住計画(UN-Habitat)」で取り上げられた、気候変動をはじめとする様々な地球環境の問題を解決する可能性があると言われる「水上都市」をイメージして作られている。

 島内には、絶滅危惧種をモチーフにした様々などうぶつたちが暮らしており、豊かな自然の中で、釣りや虫取りなどの様々なアクティビティを楽しむことができる。ただし、虫や魚を採りすぎたユーザーには厳しい罰が与えらるなど、ゲームを通じて随所に環境問題に触れる仕掛けが施されている。そのほか、絶滅種を展示している博物館や、今後失われてしまう食材を学べるレストラン、エネルギーを自家発電で賄うための浄水・発電施設など、環境問題や持続可能性について、楽しく学べる要素が盛り込まれている。

 また、島内にあるレストランは現実世界でも近日オープンが予定されており、それに伴い「5年後は食べられないかもしれないフルコース」などが当たるプレゼントキャンペーンが実施される。

「トレジャーアイランド」遊び方

ガイド付きで遊ぶ

島に遊びに行く条件

・「あつ森」のプレイできるNintendo Swithを持っていること。
・ゲーム内で飛行場が利用可能であること。
・Nintendo Switch Onlineに加入していること。
・日本語か英語でのコミュニケーションが可能であること。

島に遊びに行く方法

 特設サイトの予約フォームより希望の日時を選択して申し込み、指定された日時にゲーム内の飛行場に行く。直前に送付されたパスワードを入力することで「おたから島」のツアーに参加することができる。
https://treasure-island.jp/

自由散策で遊ぶ

島に遊びに行く条件

・「あつ森」のプレイできるNintendo Swithを持っていること。
・ゲーム内で「ゆめみ」が出現していること。
・Nintendo Switch Onlineに加入していること。

島に遊びに行く方法

 特設サイトに記載されている「おたから島」の夢番地を確認し、プレイ画面から自宅のベッドに横たわり、コードを入力することで島を散策することができる。

【夢番地:DA‐1963‐2684‐0240】

【魚釣り場】
【虫取り場】
【住民エリア】

今後失われてしまう食材を学べるレストランもオープン!

 島では自然の恩恵によって様々な虫や魚が取り放題。一方で、現実社会では地球の環境破壊が問題視されている。トレジャーアイランドでは、「環境を保護し生物たちの多様性を尊重しよう」というメッセージを発信し、東京海洋大学勝川准教授監修のもと、島に生息する生物の実態を知って考えるきっかけをくれる。また、以下のような食材を使用したレストランを島の中と、現実世界にも近日オープン予定となっている。

【レストラン】

【食材として使用される生物】

スズキ

 実はここ2~3年で極端に水揚げ量が減少傾向にある。その資源量を保つためには、次世代を維持するために十分な量の卵を産ませる必要があり、できるだけ産卵期(10から2月)の漁獲を避けることが望まれる。産卵期前後のスズキはタマゴに養分をとられており、他の時期に比べて味が落ちるとも言われている。

サザエ

 サザエなど貝類のエサである海藻が年々減少傾向にある。地球温暖化に伴った海水温の上昇が関係しているのではないかと言われている。海藻はCO2削減の手法として注目されており、地球温暖化対策の一助となる海藻を守るために、わかめなどの養殖技術を向上することが必要となってくると考えられている。それによって安定生産だけでなく、温暖化対策にも繋がっていく。

ロブスター

 米国のロングアイランドのロブスターも、温暖化に伴った海水温の上昇により漁獲量が減少している。ロブスターの生息に適した水温は、12から18度の間だが、米国のロングアイランド湾では水温20度以上の日数が1999年以降、急速に増えている。また水温上昇により、若いロブスターを食べてしまうブラックシーバスが急増している。ロブスターを守るためにも地球温暖化防止のアクションを起こすことが今後ますます重要になってくる。

ウニ

 ウニの漁獲量も年々減少傾向にあり、中には身の入っていないウニもある。その原因が「磯焼け」。「磯焼け」とは、海岸に生えているコンブやワカメなどの海藻が減っていく現象のこと。磯焼けの原因としては、温暖化や沿岸環境、生物による食害などが考えられている。磯焼けを食い止めるために、藻類を食べるウニを駆除している地域もあり、駆除したウニを飼育して出荷する試みも行なわれている。

カエル

 カエルは牛や豚と比べると餌や水の必要量が少なく、温室効果ガス排出量も少ないため、実はエコな生き物と言われている。現在は牛や豚などの環境負荷がかかる食材が食卓に並ぶことが多いが、近い将来カエルのようなエコロジカルな食材が注目を浴びるようになるかもしれない。

ココナッツ

 ココナッツもエコな食材として注目を集めている。使えるのは中身だけでなく、ココヤシはほとんどの部分に何らかの用途がある。茎と葉は家屋や船舶、家具などの建材に、硬い殻は燃料を作る貴重な材料になる。また、ココナッツを収穫した後の廃棄物も大きな可能性を秘めており、余すことなく使えて環境に優しい食材となっている。

「トレジャーアイランド」プレゼントキャンペーンを実施

 ゲーム内のレストランで出されるメニューを実際に食べることができる「5年後は食べられないかもしれないフルコース」などが当たるプレゼントキャンペーンが実施される。詳しくはこちら

プレゼント(1) 5年後は食べられないかもしれないフルコース(10組20名)
プレゼント(2) 食糧危機を救う? コオロギおかし(20名)
プレゼント(3) Nintendo Switch本体+あつ森(1名)
プレゼント(4) オリジナルTシャツ(20名)

【海洋生物の生態系を脅かす環境問題(東京海洋大学准教授 勝川俊雄氏)】

 世界には、乱獲や海洋環境の破壊など多くの問題が存在する。現在、海洋漁業資源の約33%が過剰に漁獲されており、漁業が成り立たない状態まで、水産資源が激減した事例は数多く存在する。海洋漁業資源の約60%がこれ以上獲る余裕がない状態になっている。日本周辺の水産資源は総じて減少傾向で、漁獲量も直線的に減少している。

 漁業だけでなく、気候変動や水質汚染などによる海洋環境の悪化も、海洋生態系に大きな影響を与えている。人間の活動によって増加している二酸化炭素の多くは海洋に吸収されており、二酸化炭素濃度の上昇による海洋酸性が進行している。珊瑚や貝など、酸性化に脆弱な生物への影響が懸念されている。また、マイクロプラスチックなどの海洋ゴミによる汚染も大きな問題になっている。

【プロフィール】
1972年生まれ 日本の水産学者。東京海洋大学准教授。

 専門は水産資源学(主なテーマは、個体群生態学、不確実な情報に基づくリスク管理など)水産資源を持続的に利用するための資源管理戦略を研究し、日本水産学会論文賞および日本水産学会奨励賞を受賞。資源管理を理論的に研究する立場から、日本の漁業を持続可能な産業に再生するために発言を続ける。

代表著書:「漁業という日本の問題」エヌティティ出版(2012年)

【一般社団法人 コンサベーション・インターナショナル・ジャパン】

 一般社団法人 コンサベーション・インターナショナル・ジャパン(略称:CIジャパン)は、CIのグローバルネットワークの一員として、1990年より活動を開始した。地球上で最高レベルの生物多様性を擁するにも関わらず、既に7割以上が破壊されてしまっている「生物多様性ホットスポット」を優先的に保全している。

 また、国連の持続可能な開発目標に貢献する気候変動対策や森林保全プロジェクト、そして政策提言や企業連携を主な取組み分野として事業を展開している。科学的知見に基づく戦略と、革新的なアイデアを用いて、政府や企業、研究機関、NGO/NPOなど、様々な関係者とパートナーシップを組みながら、現場からの「ボトムアップ」と政策からの「トップダウン」双方のアプローチにより、持続可能な社会構築へ働きかけている。