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心地よい打撃感と超迫力の演出! ピュアRPGを見事にアクションRPGとして再定義した「FINAL FANTASY VII REMAKE」試遊レポート

【ファイナルファンタジーVII REMAKE】

2020年3月3日発売予定

価格:8,980円(税別)

 E3 2019の主要な話題の1つが「FINAL FANTASY VII REMAKE」の発売日のアナウンスだ。2015年のE3での初披露目から4年、ようやく「FFVII REMAKE」が遊べる日が確定した。日本では「FF」といえば15作もあり、どれが好きかは人によって分かれるが、海外、とりわけ北米では圧倒的に「FFVII」が愛されており、「FFVII」こそが「FF」そのものだという捉え方をするゲームファンも少なくない。

【E3会場入口に設置されていた「FFVII REMAKE」コーナー】

 満を持して登場した「Square Enix LIVE E3 2019」でも開幕タイトルとして取り上げられ、プロデューサーの北瀬佳範氏、ディレクターの野村哲也氏が相次いで登壇。「FFVII REMAKE」は分作となりその第1弾はミッドガルを舞台にした物語として、Blu-ray2枚組の大容量で描かれることなどが発表され、その後に行なわれたデモンストレーションでは、期待を上回る内容に拍手喝采が巻き起こった。北米のファンを魅了する「FFVII REMAKE」のゲーム性とはどのようなものなのか、今回、スクウェア・エニックスブースでついに「FFVII REMAKE」を体験することができたのでファーストインプレッションをお届けしたい。

【FINAL FANTASY VII REMAKE Trailer for E3 2019】

【「FFVII REMAKE」試遊コーナー】
巨大な魔晄炉が怪しい煙を放つ「FFVII REMAKE」体験コーナー

 今回プレイできたのは、「FFVII」のプロローグシーンである壱番魔晄炉爆破作戦の中盤から、魔晄炉を守るボスScorpion Sentinel(ガードスコーピオン)まで。クラウドとバレットによるパーティープレイで、チュートリアル代わりに雑魚戦がいくつか組み込まれていたが、基本的にはガードスコーピオンとの決戦を堪能するデモだ。

【ミッドガル】

 原作では、最序盤のボスということで、スコーピオン型のデザインをしたメカということ以外はほとんど記憶に残らず、メカ系の弱点であるサンダーを連打すれば勝てる、程度の存在だった。しかし、「FFVII REMAKE」では22年の時を超えて、ビジュアルも性能も演出も、まったく比較にならないほどパワーアップしており、あの雑魚ボスがこの次元で表現されるのなら、この後の展開はどうなるんだろうと、ある意味で不安になるほどの凄まじいクオリティで描かれている。

 ここでバトルシステムを紹介すると、□ボタンで攻撃、連打することで連続攻撃となる。×ボタンでコマンドメニューに移行し、時間の進みがゆっくりになった状態で、アビリティや魔法、アイテム、パーティメンバーへの指示を出すことができる。このあたりのプレイ感覚は、「ファイナルファンタジーXV」に近い。クラウドは大剣による連続攻撃を得意とするが、濃厚な打撃感があり、アクションゲームとしても良くできていると感じられる。そのほか、○キーで回避、△キーでスタンスチェンジ、デジタルパッドの上下で使用キャラクターを切り替えられる。最初から覚えるべきキーが多く、「どうせターン制のRPGでしょ?」と先入観を持って臨むと、その純粋なアクション性に思いのほかあたふたする。

【バトルシーン】

 そして攻撃を加えていくと貯まっていくのがATB(アクティブタイムバトル)ゲージだ。原作では、時間経過でATBが貯まることでそのキャラクターのターンが回ってくるという仕様になっていたが、「FFVII REMAKE」では、ATBを消費して、いわゆる必殺技を繰り出せるアビリティや魔法を使うシステムに変わっている。このATBゲージは2回分溜めることができ、それ以上はあふれてしまうため、1回分溜まる度に小まめに使ってもいいし、キッチリ2回分溜めてから連続して使っても良い。それからもう1つの小さなゲージがリミットブレイクだ。ここ一番の局面に使い、大ダメージを叩き出す。

 ガードスコーピオン戦ではこれらのシステムをフル活用しなければ倒せない。原作は最序盤ということもあり、「攻撃」コマンドを選び続けていれば勝てるぐらいの相手だったが、「FFVII REMAKE」では、それでは速攻で全滅するぐらいの強さだ。「FFXIV」の蛮神戦を彷彿とさせるような数回のモード変更、攻撃パターンの変化、そして演出面も合わさって、あたかもラスボスのような演出で濃密なバトルが堪能できる。

 筆者は試遊プレイで色んな技をじっくり試しながらプレイしていたため、「Square Enix LIVE E3 2019」のデモのように撃破までたどり着けなかったのだが、最後の1人になってスタッフに声を掛けられるまで夢中でプレイしていた。筆者は人並みに「FFVII」ファンだが、それを差し引いても純粋にアクションゲームとして良くできている。

 序盤はやはりクラウドだ。クラウドで回避行動を繰り返し、敵の正面に立たないようにして側面あるいは背面から連続攻撃を叩き込んでいく。ATBが溜まったらその都度繰り出し、ダメージを重ねる。敵にダメージを一定回数重ねると、バースト状態となり、ダメージボーナスが得られるようになる。それはガードスコーピオン戦の場合で60%という大きなもので、このバースト状態にしてから、ATBやリミットブレイクをフル活用して大量の攻撃を叩き込むのが基本セオリーだ。

 途中、ガードスコーピオンは飛び上がり、壁に張り付いて近接攻撃が届かなくなるので、そうなったら今度はバレットの出番だ。攻撃ボタンで遠距離攻撃を繰り出し、アビリティで痛い一発をお見舞いして相手を戦場に引き戻す。そのほか、バリアを張ったようなガード状態になったときは、相手の尻尾の付け根にある弱点を狙ったり、クラウドが捕まれた時は、バレットのアビリティで救出したりなど、2人パーティーながら、濃厚なパーティープレイが楽しめた。

 今回の初試遊では、夢中になって遊んでしまったため、バレットが持っているサンダーを使わなかったり、スタンスチェンジによる戦術転換など、ダメージアップの機会をかなり逃していたことに後で気づいたが、これはまぎれもなく「FFVII」であり、かつ「FF」らしい駆け引きが随所に盛り込まれており、そして非常に良質なアクションゲームだ。

 1つ意地悪な見方をすれば、このクオリティで個々のボス戦をデザインしていたら、「FFVII REMAKE」全体の完成まで一体どれだけ掛かるのか見当も付かないということだ。そこは北瀬氏率いる第一開発事業本部の開発力に期待しつつ、まずは「FFVII REMAKE」第1作目の完成を見届けたいところだ。

【今回出会えなかったキャラクター達】
ティファ
エアリス
そしてセフィロス