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「LEGO Star Wars: The Skywalker Saga」、AAAタイトル以上の緻密な世界の描写とシンプルなゲーム性で、新しいユーザー層に挑戦する意欲作

 今年のワーナーの一押しタイトルが「LEGO Star Wars: The Skywalker Saga」である。"定番"ともいえるLEGOシリーズだが、今作は新テクノロジー、新エンジンで次世代の「LEGOゲーム」を見せてくれた。開発者のデモから明らかになった要素を紹介していこう。

 「LEGO Star Wars: The Skywalker Saga」は、映画「スター・ウォーズ」9部作、現在劇場公開前の「スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー」の内容も含む、全ての映画「スター・ウォーズ」の内容を網羅した作品となるという。

【LEGO Star Wars: The Skywalker Saga Official Reveal Trailer】

 今回紹介されたのは砂の惑星「タトウィーン」。ルークの故郷としてアナキンが生まれた地としても取り上げられたシリーズになじみ深い場所である。それが「LEGO Star Wars: The Skywalker Saga」で再現されているのだが……違うのである、そのグラフィックスの質感、描写、そこから広がる空気感、全てが、これまでの「LEGOゲーム」とことなるのだ。

 これまでの作品は「世界全てのモノがLEGOでできている」ということをアピールするため、ピクセルアートや"ドット絵風"のテイストが強かったが、本作のタトウィーンは本当に高画質の映画や、4Kの自然映像そのままの緻密で力の入った描写をしているのだ。キャラクターはLEGOフィギュアなのだが、こちらもつやや質感がこれまでと異なり、実物のLEGOフィギュアを目の前に置いているようなリアル感がある。巨大な乗用獣パンサなどは足下の汚れなどがリアルで生き物の質感が感じられる。

新エンジンによる描画。LEGOフィギュアらしさを保ちながら、リアルな表現を獲得している。風景などの質感もAAAタイトル以上の緻密さだ

 それでいながら「LEGOゲーム」らしさは変わらず持っており、C3-POはアクションで足が外れて別々で動けたりする。彼は一見役立たずだが、他のキャラクターでは理解できない機械語や異種族の言葉が話せ、クエストでとても役立つ。本作でもこれまで同様、キャラクターを使い分けながらクエストや探索を行なっていくという。

 そしてやはりルークである。彼はフォースで様々なものを動かせる。戦闘にも使えるが、パズルを解くのにも有用だという。戦闘ではライトセーバーを見事に使いこなす。他にもチューバッカは必殺のボウキャスターで狙撃を得意とするなど様々な要素がある。ちなみに今作は"ヘッドショット"の概念があり、狙撃武器を使うと有効だ。

「LEGOゲーム」はゲームファンも夢中になるゲーム性を持ちながら、その手法は非常にハードルが低く、ターゲットはより広い層を目指している。映画ファンをうならせるグラフィックスと世界へのこだわりが、映画ファンなどゲームにあまりなじみのない新しいファンを獲得できるか、作品からはその強いチャレンジ心を感じた

 タトウィーンの映画で出てきた様々な場所、そして宇宙、ミレニアム・ファルコンやスター・デストロイヤーなども大迫力で描かれる。「LEGOゲーム」はその独特のテイストから「子供向け」と見られてきたが、「LEGO Star Wars: The Skywalker Saga」はよりリッチになった描画エンジンと、クリエイターの魂のこもったモデリングで、AAAタイトルでもかなわないような、別次元の緻密な世界を見せてくれる。

 非常に凝った世界の描写と、低年齢ユーザーでもプレイできるゲーム性は、これまでゲームに積極的に触れなかった層を引き込もうという強い意欲を感じさせる。この開発者のエネルギーは応援したいところだ。