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大画面で快適に!モバイルタイトルをPCで遊べる「BlueStacks」、最新版で3作品を遊ぶ!
「PUBG MOBILE」、「デレステ」、「リネレボ」、新しい遊び方のススメ
2018年6月5日 17:00
スマートフォン端末の高性能化とともに、近年のアプリ、特にゲームに関してはプログラムの規模的にも、またグラフィックスなどのクオリティ的にもかなり高度なものが増えてきた。
高画質なグラフィックスをもっと大画面で楽しみたい、あるいはゲームをもっとサクサクと遊びたい……そんな風に思ったことがあるのなら、ぜひ「BlueStacks」を試してみるべきだ。
「BlueStacks」はWindowsで動作するAndroidのエミュレーターで、端的に言えばPCの性能と回線を用いてモバイル用のゲームを遊ぶことのできるソフトウェア。折しも最新アップデートで正式にAndroid 7.xに対応することになり、より多くのゲームへの対応と処理速度の向上が図られた。
"エミュレーター"というとなんとなく法的にグレーな印象を受けるかもしれないが、「BlueStacks」は逆に積極的にチートの排除やメーカーと協力体制を築こうとしているプロダクトだ。また、「BlueStacks」のビジネスモデルは広告収入に依るもので、基本的に無料で使用ができる。
さて、本稿ではそんな「BlueStacks」の最新版を用いて、リッチなグラフィックスにより動作が"重め"な「リネージュ2 レボリューション(以下、リネレボ)」、独自の操作モードに対応する「PUBG MOBILE」、そして若干変わりダネともいえる「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(以下、デレステ)」の3タイトルを実際にプレイしてみたので、その使用感をお伝えしようと思う。
そもそも「BlueStacks」のナニがいいのか?
「PC上でモバイルタイトルが遊べる!」といっても何がスゴいのかピンと来にくいかもしれないが、おそらくはたいていのユーザーが思っている以上に「BlueStacks」で遊ぶAndroidゲームは快適だ。
筆者は現在CPUにCore i7-4770K(3.50GHz)、メインメモリ16GB、ビデオカードはGeForce GTX 1060(6GB)という環境のデスクトップPCを使用しているが、当然ながらスペック上は通常のモバイル端末を遥かに上回る。また、安定して高速な光回線で有線接続しているので、モバイル端末とは異なり通信量や通信費、電波状況への不安などとは無縁だ。また、どんなに長時間遊ぼうと、電源の心配はない。
そして入力デバイスにマウスとキーボードが使える点も大きい。キーボードは文字入力が必要なときはもちろん、「BlueStacks」ではアプリの画面上に自由にショートカットキーを設定することができるが、この機能が実に強力。近年のゲームアプリは高解像度な画面を活かし、各所をタップすることでさまざまな機能を呼び出すことができるが、多用するものに覚えやすい、あるいは押しやすいショートカットキーを設定することで、操作性が驚くほど改善されるのだ。
なかでも圧巻なのが、後述する「PUBG MOBILE」だ。このゲームでは戦闘中に必要となる操作ほぼすべてにキーバインドがあらかじめ設定済み。キーボードで移動、マウスでエイミングと、まるでPC版と遜色ない操作が可能な状態になっている。もちろん、その設定をベースに好みに応じて自分なりにアレンジすることも可能だ。
また、言うまでもないが、タブレット端末とは比較にならない大画面でゲームを楽しめる点も魅力。いくらグラフィックスの解像度が高いとはいえ、スマートフォンやタブレット端末の小さな画面は、デスクトップ用のディスプレイと迫力の点では比べものにならない。
さらに、スクリーンショットやゲーム画面の動画を記録したりといった作業が容易になる点も個人的には捨てがたいポイント。例えばこの記事に使っている画像のなかには、動画として記録したものから切り出した画像も混じっている。動画配信でも機材やソフトの選択肢が広がる分、スマートフォンやタブレット端末を使うよりも作業は格段に楽になるはずだ。
最新版「BlueStacks 3N」で3タイトルを遊んでみた!
ここまで「BlueStacks」でAndroidアプリを遊ぶ際のメリットをお伝えしてきたが、あくまでも「BlueStacks」はプラットフォームでしかない。けっきょくのところ、これで動かしたアプリがどういう遊び心地なのか。大事なのはここだろう。
そこで、「リネレボ」と「デレステ」、「PUBG MOBILE」の3タイトルを「BlueStacks」の最新バージョンで遊んでみたので、それぞれ手触りをお伝えしていこう。
情報量の多いUIは大画面向き?「リネージュ2 レボリューション(Netmarble)」
「リネレボ」は戦闘やクエストの進行がほぼ自動化されているなど、スマートフォンならではの遊びやすさ、手軽さに多大な配慮が見られるMMORPGだ。グラフィックスは高精細で美しく、スマートフォン用のRPGとしてはトップクラスのグラフィックスクオリティを誇る。しかしその分、動作はかなり重く、快適に動作させるにはある程度モバイル端末を選ぶという側面もある。
また、画面内に数多くの機能ボタンが配置されているうえ、サーバーに同時接続しているプレーヤーがレアアイテムを入手した、あるいは加工に失敗/成功したなどといったシステムメッセージが常時画面上に流れていたりと、画面の情報量は非常に多い。その点、「BlueStacks」を用いてデスクトップPCの大画面で遊ぶ本作はUIにある程度の余裕ができることで視認性が向上するうえ、美麗なグラフィックスをより楽しむこともできるのだ。
「リネレボ」の場合、「BlueStacks」上で専用のキーボードショートカットがある程度設定されている。これをベースにさらに自分なりのカスタマイズを加えていくと、操作性がさらに向上していく点も見逃せない。もうひとつ、ダンジョンに潜り込ませ、オートで戦闘をさせて放置、などというプレイも、PC上のプラットフォームである「BlueStacks」では他のゲームをプレイしながら、あるいは動画を見ながらといった「ながらプレイ」が可能となるのだ。もちろん長時間のプレイでも電源や通信量の心配はない。
やはりPCで遊ぶ迫力と操作性は大きな魅力。さらに本作ではセーブデータがGoogle Playのアカウントに紐付けされてサーバー側に保存されているため、自宅では「BlueStacks」で、外出先ではスマートフォンで、というプレイ環境に応じたデバイスの使い分けもカンタンにできる。
「BlueStacks」内の人気、売上の両チャートにおいて「リネレボ2」は常に1位を含む上位に位置している。これはPCプラットフォームとの相性の良さや、PCとモバイルの併用のしやすさがウケているから、という見方もできるだろう。
話題のバトルロイヤルゲームも快適にプレイ可能「PUBG MOBILE」(PUBG CORPORATION)
たった1作にしてバトルロイヤルというジャンルを一気に普及させた「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)」。モバイルにおいては類似タイトルに先行されつつも、満を持してリリースされた本家「PUBG MOBILE」は、やはりさすがの完成度。グラフィックスはもちろん、制約の多いスマートフォンでの操作性も「よくぞここまで」というレベルで練り込まれている。今回プレイした3作品のなかでは、ある意味この「PUBG MOBILE」こそ最も「BlueStacks」向きと言えるタイトルかも知れない。
何よりキーボードで移動、マウスでエイミング、とPC版に近い感覚での操作が可能であることが大きい。しかも画面が大きい分、遠距離にいる敵の視認などが段違いに楽なのだ。キー設定は「PUBG MOBILE」専用のバインドがあらかじめ用意されており、F1キーを押すことで「バトルロイヤルモード」に切り替えができる。バトルロイヤルモードではマウス操作で視点移動、右クリックでエイミング、左クリックで射撃など、PC版に近い操作感で遊ぶことができる。もちろんそれをベースに自分でカスタマイズすることも可能だ。
本作の操作性は前述のようにタッチパネルであることを踏まえたうえで、かなりよく考えられたものになっているし、カスタマイズの幅も広い。しかし、PCでの操作に慣れたプレーヤーがあえて「PUBG MOBILE」を遊ぼうとするときに、マウス操作を使用できる選択肢として「BlueStacks」を用いるというのは大いにアリだろう。「PUBG MOBILE」は基本無料でPC版よりは動作が軽く、それでいてPC版との完全互換を目指したタイトルであるため、PCでモバイル版を遊ぶというひと捻りした遊び方も十分有力な選択肢となりうる。
タッチとマウス、その操作方法の違いは明確で、タッチ操作のユーザーの中にマウス使用のユーザーが混ざるのはある意味"チート"に近い。しかし、「PUBG MOBILE」では接続時にエミュレーターが検知されると、エミュレーターを使用しているユーザー同士でマッチングされる対策がサーバー側で取られているので、操作デバイスによる不公平は生じないようになっているのだ。
また、はるか遠くまで見通せる広大なフィールドだったり、いくつもの家々が立ち並ぶ集落だったりと、多彩な景観のなかで撃ち合う「PUBG MOBILE」は、描画にかなりの端末能力を要する。それがPCであればほぼ確実にモバイル端末のスペックを上回ることができるので、グラフィックス的にも快適なプレイが可能となる。
手塩に掛けたアイドルたちのステージを大画面で!「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(バンダイナムコエンターテインメント)」
「デレステ」はプロデューサーとしてアイドルを育てていく「アイドルマスター」シリーズの作品で、5人で編成されたグループが歌う楽曲にあわせて画面をタップしていくリズムアクションだ。
リズムアクションパートでは高難易度になればなるほどスマートフォンならではの「フリック」操作などが要求されるため、正直に言って「BlueStacks」では高難易度楽曲のプレイは難しい。
一応、各ボタンをテンポよく押していく、という点だけに関して言えば物理的な操作が可能なキーボードの利用はある意味スマートフォンのタッチパネル以上に快適ではある。しかも「BlueStacks」では複数の場所を1つのキーで同時にタップする設定もできるため、たとえば覚えられる範囲で1-2、2-3、3-4などと、それぞれ複数ボタンをタップする専用のキーを設定することもできる。さらにマウスジェスチャーなどでフリック操作をコマンドとして設定し、操作に組み込むこともできる……のだが、やはりスマートフォンでの直観的な操作には敵わない。
ではなぜ敢えて本稿でご紹介するのかというと、「BlueStacks」は「ミュージックビデオ」との相性が極めて良いからだ。「ミュージックビデオ」はその名の通り、リズムゲームとしてではなく純粋にアイドルたちの歌と踊りを鑑賞して楽しめるモードで、これは各楽曲の「MASTER」をクリアすると解放することができる。
勿論モバイル端末でもライブや撮影を楽しむことができるが、「BlueStacks」を使うことでより大画面、より高画質で楽しむことができるほか、外部のPC用ソフトウェアを用いて凝ったスクリーンショットの撮影や動画撮影なども可能になる。ゲームプレイこそモバイル端末に1歩譲るものの、アイドルのライブをフルに大迫力で楽しめるというこの1点において、「BlueStacks」には他の追随を許さないメリットがあると言えるだろう。
互換性にはまだまだ課題が残るものの、PCならではのメリットを体感できる「BlueStacks」
互換性についてはアップデート毎に対応タイトルを増やし、各タイトルが快適に遊べるように改善されてはいるものの、まだまだ最適化が甘い部分も見受けられる。
最新版の「BlueStacks」では、グラフィックモードとしてDirectXとOpenGLの2通りが選択でき、さらに「上位グラフィックエンジンモード」というチェックボックスが用意されている。つまり、計4通りの設定が使える形だ。
例えば「PUBG MOBILE」を遊ぶときには「上位グラフィックスエンジンモード」のチェックを入れるように公式からアナウンスされていて、OpenGLの上位モードにしないと起動できなかったり、途中でフリーズしたりといったトラブルが起こる。とはいえ、このモードにしても一部でテクスチャが欠けしまったり、表示されるべきオブジェクトが表示されなかったりすることもある。
その他にもベンチマークのスコアと実際の挙動の快適さが連動しなかったり、タイトルによっては動作の快適さと安定性が「Direct X」と「OpenGL」のどちらを用いるかで大きく変わってくるケースも散見される。「BlueStacks」ではCPUコア数やメモリを任意に割り当てることができるので、試しにCPUを2コア、メモリを2,400MB割り当てて1,920×1,200の解像度をフルスクリーン表示、「AnTuTu Benchmark V7.0.8」を用いて各グラフィックスエンジンでベンチマークを取ってみた結果が下記の表である。
通常のOpenGLの「668411」というスコアは、体感では「リネレボ」がかなり快適に動く数値だ。数字だけで見るとOpenGL(上位)がその3倍近いスコアと文字通り桁違いなのだが、テスト中の画面を見ても数字ほどの差はなく、それどころかこのモードでは「リネレボ」においてタイトルバックのお城が表示されなかったり、フィールド内でのテクスチャーがチカチカと明滅したりと不都合が多かった。OpenGL(上位)は現状では「PUBG MOBILE」専用モードと言ってもいいのかもしれない。
「AnTuTu Benchmark V7.0.8」での結果 | |
---|---|
DirectX | 358275 |
DirectX(上位) | 225509 |
OpenGL | 668411 |
OpenGL(上位) | 1875128 |
率直に言って、「BlueStacks」は互換性という点で完璧とは言い切れない部分が残っている。しかし、ある意味では専用のオプションとして「上位グラフィックスエンジンモード」や専用のデフォルトショートカットまで用意した「PUBG MOBILE」へ早急な対応を見てもわかるように、メジャーなタイトルへは個別に重点的な対処がされることもある。かなりの頻度でアップデートも行なわれるため、ここで述べた不具合に関しては、筆者の環境固有のものである可能性とともに、「現時点では」という注釈も必要だ。
まだまだ改善の余地はあるものの、何よりPC上でモバイルタイトルを遊ぶメリットは、PCのマシンパワーを生かして高画質、大画面で遊べることや、マウス・キーボードを使ってより快適に遊べることに尽きる。
モバイルタイトルの新たな遊び方の1つとして、「BlueStacks」は新たなプラットフォームとなりうるだろう。是非1度お試しいただきたい。
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