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敵との駆け引きが熱いバトル! DeNAとメディア・ビジョンが放つ新作RPG「メギド72」

独自性溢れるシステムが魅力

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「メギド72」の3大ポイント

・DeNAとメディア・ビジョンがタッグを組んだ完全新作RPG
・序盤から引き込まれるストーリー
・バトルシステムは独創的かつシンプル

 「ワイルドアームズ」や「ケイオスリングス」といった作品を手がけ、往年のRPGファンであれば多くの人が知っているであろうメディア・ビジョン。そんなスタジオの新作として登場したのが、12月7日にDeNAがリリースしたスマートフォン向けアプリ「メギド72」だ。

 スマートフォン向けのRPGというともはや珍しさはなくなったが、ひとたびプレイしてみると世界観だけでなく、戦闘、育成のシステムでも独自性がいくつも見えてくる。今回は「メギド72」の魅力について、プレイレポートという形で紹介していく。

バトルの前にダンジョン探索。進化に必要なアイテムが手に入ることも

 本作は「フォトン」と呼ばれるエネルギーをめぐり勃発する世界の危機に立ち向かう、若きソロモンが主人公となるRPG作品。すべての終末「ハルマゲドン」が近づく中、人間の住む世界「ヴァイガルド」には、「フォトン」を求める幻獣たちが押し寄せる。そんなとき主人公である少年は、村を守るべく幻獣に立ち向かう。主人公は窮地に陥るが、その瞬間、身につけていた伝説の「ソロモンの指輪」が覚醒、「魔を統べる者」となり、仲間とともに世界の終末「ハルマゲドン」を止めるための旅に出るのだ。

 公式サイトやゲーム開始時に出てくる、涙を流す主人公たちのビジュアルも強烈なインパクトがあるが、ストーリー自体もかなりシリアスに寄っている印象だ。キャラクターの心情も序盤から大きく揺れ動き、ストーリーを読み進めることもゲームを続ける大きなモチベーションとなってくれそうだ。

 そしてストーリーを進めるためのメインクエストは、まずマス目状に広がったダンジョンの中を進み、最奥部で待ち構えている敵を倒すとクリアという流れ。クエストごとにダンジョン内を移動できる回数、「移動力」は決められており、この回数を超えてしまうとダンジョン内からアイテムの回収ポイントが消えてしまう。逆に言えば、ペナルティはアイテム回収ポイントの消失くらいなので、まずは宝箱のアイコンへの到達を最優先で考え、その後敵マークの地点までいけば問題ないだろう。

 ダンジョン内で手に入るアイテムは多種多彩で、中には味方キャラクターがアイテムを欲しがることも。これをプレゼントしてあげるとキャラクターは進化が可能になり、能力の底上げができる。進化を続けるとやがて超進化が発生し、見た目が変わるだけでなく新たな特性も入手できるのだ。

 またクエスト開始前にはダンジョン内でどんなアイテムが手に入るのかをある程度確認することも可能。キャラクターから要求されるアイテムの所持数が0のときは、そのアイテムが手に入るクエストまで瞬時に移動できる。インターフェイスや画面遷移にも細かな気配りが見られるのは非常に好印象。

既存のアプリではレア度の低いキャラクターは強化できないケースもあるが、本作ではすべてのキャラクターが最高段階まで成長可能。お気に入りのキャラクターを育成し続けても無駄にならないのも魅力だ

フォトンを駆使して場を制圧しよう

キャラクターには数字が割り当てられており、これが攻撃する順番を表している。行動順が早い敵から倒していくなどの工夫も必要だ

 敵とエンカウントしたところで、いよいよ本作の肝であるバトルがスタートする。バトルでは「ドラフトフォトンシステム」、「マスエフェクトシステム」という2種類のシステムを駆使して戦うことになる。

 「ドラフトフォトンシステム」はフィールドの中央に現われる「フォトン」を味方キャラクターに分け与えて行動を決めていくシステムのこと。フォトンには強力な「奥義」を発動するために必要な覚醒ゲージを2つ溜めるチャージフォトン、通常攻撃と同時に覚醒ゲージを1つ溜めるアタックフォトン、キャラクターごとのスキルを発動するスキルフォトンの3種類が存在する。

 登場するフォトンの数には限りがあり、しかも敵味方で順番に取り合うことになる。覚醒ゲージを溜めるだけでは、相手の攻撃を許してしまう。しかし通常の攻撃を繰り返すだけだと、今度は相手が覚醒ゲージを溜め、後々手痛い反撃を受けてしまう。ターンごとにどのフォトンを奪うのか、駆け引きが生まれるのだ。

 通常攻撃で細かくダメージを与えていくのもいいが、やはり効率的なのは覚醒ゲージを溜めてからの奥義発動だろう。短期決戦に持ち込みたいなら、特定のキャラクターにチャージフォトンとアタックフォトンを同時に投入すればすぐに奥義を発動できる。1ターンの間に全キャラクターを行動させてもいいが、ときには特定のキャラクターに集中させるのも作戦のひとつだ。

 ちなみに、バトルに参加するキャラクターは、オーブを装備することでさらに強化することも可能。オーブは種類によってステータスアップなどさまざまな恩恵を受けられるが、それだけでなく幻獣を召喚して、敵に大ダメージを与えられることも。オーブから幻獣を召喚するには指定されたターン数が経過すること、そしていずれかのフォトンを与えることが条件となる。決して難しい条件ではないので、準備ができたら積極的に使っていこう。

 バトル中の立ち回りも重要だが、RPGである以上事前のパーティ編成も勝負の決め手となる。そこで覚えておきたいのが、もうひとつのシステムである「マスエフェクトシステム」だ。

 本作のパーティは5体で構成され、全員が横並びになる。中央に置いたキャラクターはリーダーとなり、そのリーダーと相性の良いキャラクターを配置する。相性が良ければ、キャラクターごとの追加効果「マスエフェクト」が発生する、というのがこのシステムの要だ。リーダーによって相性の良さが変化するのはもちろん、誰をどこに配置するかによっても効果が少しずつ変化する。強力な敵に立ち向かうとき、配置を変えるだけで打開できる可能性もあるわけだ。

 キャラクターにはそれぞれ「ファイター」、「トルーパー」、「スナイパー」という3つのクラスのいずれかが設定され、三すくみの関係で相性が決まる。さらに短期決戦を得意とする「ラッシュ」、回復奥義など守りを固めることも得意な「カウンター」、自身の能力を強化でき、長期戦で威力を発揮する「バースト」という3種類のバトルスタイルも設定されている。クラスとスタイルの組み合わせ次第で、戦い方はガラリと変わってくる。戦いに出る5体の能力をきっちりと把握し、適切に入れ替えるのも勝利に向けた大切なポイントだ。

 「ドラフトフォトンシステム」、「マスエフェクトシステム」というオリジナリティ溢れるシステムのおかげで、他のRPGとは違った体験ができる本作。その一方で、実際に触ってみると「覚醒ゲージを溜めつつ攻撃」というシンプルな流れが確立されているので、戸惑うことも少なかった。少々使い古された謳い文句になるが、「シンプルかつ奥深い」を体現したような作品だ。スマートフォンで遊べるRPGを探している人、メディア・ビジョンの名前にピンときた人には、ぜひ体験してほしい。