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「機甲神エルガイヤー」、「神聖騎士ウイング」企画開発インタビュー

子供時代のあこがれの人とタッグを組み、「最高最強の商品」を生み出す!

「元祖SDガンダムワールド 機甲神エルガイヤー」

7月発売予定

価格:5,400円(税込)

「SDX 神聖騎士ウイング」

5月発売予定

価格:11,880円(税込)

 バンダイコレクターズ事業部が、「SDガンダム」をモチーフとした新商品、組み立て式商品「元祖SDガンダムワールド 機甲神エルガイヤー」、アクションフィギュア「SDX 神聖騎士ウイング」を、プレミアムバンダイで受け付けている。この商品を思い入れたっぷりに企画したのがM氏だ。

 M氏は子供の頃からの夢であった組み立て式商品「元祖SDガンダムワールド ガンキラー」を実現させた人物だ。その時のインタビューも行なっている。そして、今回もこだわりたっぷりの話を聞くことができた。

 「元祖SDガンダムワールド 機甲神エルガイヤー」は1994年に以前の商品が出ており、今回は再立体化となる。「エルガイヤー」は当時も非常に凝った商品だった。M氏は前作を超えるべく、前作を手がけたデザイナー・大河広行氏に企画を持ち込み、2人で“究極のエルガイヤー”を実現すべく本作に挑んだという。今回はさらに金属パーツを使用した豪華なアクションフィギュアとして表現された「SDX神聖騎士ウイング」も紹介していきたい。

ガンダムにガンダムが乗る? 少年の心をワクワクさせた“機甲神”

 「元祖SDガンダムワールド」は、同じく「SDガンダム」をモチーフとしたホビー事業部のプラモデル「SDガンダムBB戦士」と双璧と言えるシリーズだった。比較をすると多少高価で、その分耐久性やパーツの色分け、シールによるリッチさを引き立てる雰囲気と凝ったギミックでファンをつかんだ。M氏は「ガンキラー」でシリーズを復活させ、「千生将軍」そして今回、「エルガイヤー」を手がけた。

 まずは「エルガイヤー」のモチーフ元を解説しておきたい。「SDガンダム」の世界は「ガンダム」関連コンテンツではあるものの、筆者のようなアニメ「機動戦士ガンダム」直撃の40代中盤のファンにとってもちょっと“遠い”独特な世界といえる。「SDガンダム」はガシャポンや組み立て式玩具で商品が展開する中、バンダイのカードゲーム「カードダス」を中心に物語が展開し、雑誌「コミックボンボン」でのコミックスやアニメでその世界観が補完されていく。1985年くらいから2000年前に少年時代を過ごした、特に“ボンボン読者”にはたまらないところがあるという。

神秘騎士ネオガンダムが搭乗する「機甲神エルガイヤー」
エルガイヤーを中心に6体の機甲神が“輝光合身(合体)し、「超機甲神ガンジェネシス」に!

 「エルガイヤー」は、1993年からカードダスで展開する「騎士ガンダムシリーズ」に登場する。エルガイヤーが活躍するのは「SDガンダム外伝 機甲神伝説」。“機甲神”とはこの世界における“ロボット”のような存在で、エルガイヤーには主人公キャラクターである「神秘騎士ネオガンダム」が搭乗する。キャラクターとしてのガンダムが、ロボットのガンダムに乗る……当時の子供は、このノリのワクワクしたのだ。

 しかもこのエルガイヤーは6の機甲神の1体であり、なんと6体の機甲神が“輝光合身(合体)し、「超機甲神ガンジェネシス」になるのである! 当時発売していた組み立て式商品である「元祖SDガンダムワールド」ももちろんこの輝光合身を再現、これまでの規格を超えたリッチな商品として子供達の心をわしづかみにしたのだ。今回商品化が決定した「元祖SDガンダムワールド 機甲神エルガイヤー」でもユーザーはもちろんこの輝光合身を期待している。

 「……それは、この商品がどこまでお客様に喜んでいただけるかにかかっています。『元祖SDガンダムワールド 機甲神エルガイヤー』はシリーズの命運を握った商品と言っても過言ではありません。だからこそエルガイヤーの立体化商品の“究極”を目指しました」と、M氏は語った。

 今回発売される「元祖SDガンダムワールド 機甲神エルガイヤー」は、1993年に「No.0008」のナンバーで商品化されている。今回の商品に関しては、前作を手がけたデザイナー・大河広行氏が協力し、その思い入れを込めて製作されているという。それでは、実際の試作品を見ながら、M氏、大河氏のこだわりを見ていこう。

【元祖SDガンダムワールド 機甲神エルガイヤー】
パーツの色分けや、メッキパーツなど非常に豪華な商品だ

究極の「エルガイヤー」を! 大河氏が20年抱えた想いを昇華

 今回の「元祖SDガンダムワールド 機甲神エルガイヤー」の最大の魅力は“コクピットギミック”である。エルガイヤーはネオガンダムが乗る“ロボット”である。商品ではネオガンダムが乗り込む過程を“体感”することができる。

新旧「元祖SDガンダムワールド 機甲神エルガイヤー」を並べる
旧商品のコクピットギミック。その連動ギミックは今でも衝撃だ。かなり凝ったギミックである
こちらが新しいエルガイヤーのコクピット。そのギミックの凄さは、ぜひ動画で見て欲しい

 このコクピット搭乗ギミックは1994年版でも大きなウリだった。エルガイヤーの腰のフロントアーマーを前に引っ張る動きに連動し、両胸が観音開きで開き、ネオガンダムの乗る板が前にせり出してくるのだ。胴体に仕掛けられたギアがこれらの一連の動作を演出している。動かして楽しいギミックである。

 大河氏は「実は胸のエンブレムの開閉はこうじゃないんだ!」と、リニューアルにあたり強く主張したという。前作では胸のエンブレムは左側に固定されており、コクピットが開くと左右対称にならなかった。大河氏の解釈では、本来はエンブレムは正面に倒れる形でロックがはずれ、そして胸が開く左右対称になるというのだ。

 今作ではこの想いを実現し、まずエンブレムのロックを外してから開く形となった。そして今回のエルガイヤーでは、1993年版でも大きなウリだったコクピットギミックを昇華するために、コクピット周りのデザインにも独自解釈を入れた。コクピットに肋骨のような黒いフレームを追加し、ハッチが開く動きと連動し展開していくのだ! 内部骨格はハッチと同時ではなく、“時間差”で、メカニックな雰囲気たっぷりで展開していく。

 この時間差開閉のギミックは、M氏のこだわりで、大河氏はそのM氏の想いに応えて、デザインをおこしたとのことだ。組み立て式商品とは思えない非常に凝ったギミックで見ると大きな驚きがある。つい何度も動かしてみたくなる仕掛けだ。

 コクピット周りは背面のデザインなども大河氏によって新たにデザインされている。肋骨状のパーツも含め、“謎の力で動く神秘のロボット”という雰囲気が楽しい。また、ハッチ展開時に腕を奥にスライドさせることでより大きくハッチが開けられるところもポイントだ。

首が回せるのもこだわりポイント
旧キットは一枚のパーツなため翼の開閉ができなかった
ネオガンダムの造形も進化しているが、右の旧キット版もなかなかのクオリティだ。

 首はちょうつがいでコクピット展開時に大きく後ろに倒れるのだが、このギミックに加え、通常時は首を回しポーズがつけられるところもこだわりである。前作はコクピットギミックを優先したため、首を左右に振ることができなかったのだ。

 もう1つのポイントが、「翼の開閉」だ。今作の「エルガイヤー」では、翼の中央を引っ張ると上下のパーツも連動してスライドし、さらに大きく広がる。こちらも動かして楽しいギミックだ。また、コクピットに乗り込むネオガンダムの造形にも強いこだわりが感じられる。前作もかなり細かく力が入っていたが、今作ではアーマーの各所のモールドがはっきりしており、無塗装ながらミニフィギュアとしてディテールをチェックするのがより楽しくなっている。

 各部のモールドも見応えがある。以前の「元祖SDガンダムワールド」は低年齢層向けの造形的には“ゆるい”と感じる部分もあったが、今作は「ROBOT魂」などのシャープさを感じさせるものとなっている。ウィングのダクト部分や、肩アーマーのデザインなどとてもカッコイイ。赤いボディに映える白いラインの多くはシールで再現しているという。クリアパーツでの宝玉のデザインは前作でも見事だったが、今作でも同様に印象的だ。

 今作ならではの楽しい部分としては「メッキパーツ」もあるだろう。胸のエンブレム、額に輝く冠、そして金色の剣と銀の盾。どれもがキラキラとしていて、リッチだ。この“金ピカな感じ”は、子供の頃のワクワクを思い出させる。剣に関しては“肉抜き穴”をパーツで埋めているので、裏表どちらもちゃんと見栄えが良いのが自慢のポイントだという。さらに今作は可動も力が入っている。特に腕はSD体型の短いデザインなのに肘もしっかり曲がり、ポーズ付けの楽しさを実感できる。

【こだわりの数々】
コクピット周りの表現は圧巻だ
メッキパーツが非常に豪華だ

 「今回の『エルガイヤー』は、大河さんにとってのリベンジなんです」と、M氏は語った。今回の「元祖SDガンダムワールド 機甲神エルガイヤー」は、大河氏が1994年では実現できなかった、そして温め続けた想いを本作に込めたものだというのだ。前作はユーザーに高く評価されたが、それから今再び、「最高のエルガイヤーを追求しよう」、というのが今回の「元祖SDガンダムワールド 機甲神エルガイヤー」だというのだ。

短いにもかかわらず、腕の可動は優秀だ
組み立て式商品とは思えない高いクオリティを感じさせる

 エンブレムが前に倒れてロックが外れるところ、翼の展開ギミック、これらは当時の商品では実現できなかったこと。大河氏はこういった当時やりたかったことを実現しつつ、現在の技術を注ぎ込んでのブラッシュアップを提示し、M氏とバンダイの製作チームは現代の最先端技術とギミックで大河氏の想いに応えていった。

 当時子供であり、ファンだったM氏にとって、かつてあこがれの商品を手がけた大河氏に話を聞いて、当時の想いや、今だからこそ話せる裏話、設定やキャラクターへの想いを聞けたのは本当に幸せだったという。そして「今の大河氏の想い」を受けて、「最高のエルガイヤー」にチャレンジできた。「だからこそ僕と同じ、『SDガンダム』に夢中になったファンの方は、『元祖SDガンダムワールド 機甲神エルガイヤー』を手にとって欲しいですし、応援していただきたいです」とM氏は語った。

【プレミアムバンダイで購入】