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【特別企画】「ROBOT魂 ドム ver. A.N.I.M.E.」サンプルレビュー

重MSの雰囲気を再現! ジャイアント・バズにこだわった関節設計に注目

4月23日発売

6,480円(税込)

 バンダイはアクションフィギュア「ROBOT魂MS-09 ドム ver. A.N.I.M.E.」を4月23日に発売する。価格は6,480円(税込)。今回は発売前のサンプルを触り、商品の魅力を見ていきたい。

重MSのドムならではの体型をきちんと再現している。今回、なんと3体のドムを触ることができた
腰を深く落とし、ホバーで移動するポーズも決まる
カバーを外すとモノアイを動かせる。胸部分が可動することで上を向かせることができる

 「MS-09 ドム」はアニメ「機動戦士ガンダム」において、グフに続く新型MS(モビルスーツ)として現われた。歴戦のパイロットチーム「黒い三連星」のMSとして見事な連携を見せ、ホワイトベースを追い詰めるが、ニュータイプとして覚醒したアムロとガンダムの力、そしてマチルダ少尉の命がけの行動で倒されてしまう。

 ドムは重装甲、重武装でありながら高速移動を可能にしているという、MSとして非常に斬新な機体だった。その秘密は脚部に取り付けられた熱核ジェットエンジンによるホバーユニットにある。これにより機体を浮かし、腰と足に取り付けられたバーニアで地上を滑るように移動することで、これまでのMSでは実現できなかった高速機動を可能にするのである。この機体の優秀さは高く評価され、後に宇宙用の「リック・ドム」として再設計による開発も行なわれる。

 しかし、ドムはインパクトの強いモビルスーツでありながら、ザクやグフ、ゲルググと比べると立体化やバリエーション展開が今ひとつだった印象がある。今回の「ROBOT魂MS-09 ドム ver. A.N.I.M.E.(以下、「ドム ver. A.N.I.M.E.」)」は、“ドムファン”を満足させる、非常にクオリティの高い商品となっている。

 実際筆者も、「ver. A.N.I.M.E.」シリーズの担当者である野口勉氏のインタビューの際、「ドム ver. A.N.I.M.E.」のサンプルを見て、かなり心が躍った。立体化の機会の多いガンダムやザクとは全く違う、“重MS”としての魅力が詰まった商品となっているのだ。

 サンプルを見ていこう。ドムの大きな特徴が、敵である連邦軍の兵士から“スカート付き”といわれた、足と腰の装甲板が大きく広がったシルエットだ。ドムの設定を知らない人が見れば、いかにも“悪役タイプの鈍重なパワータイプのロボット”に見えるかもしれない。しかしそれが高機動で滑走するからカッコイイのだ。

 商品をチェックすると、一見アニメの中から出てきたようなシンプルなデザインに見えながら、細かくチェックしていくことで多くの関節が盛り込まれているのがわかる。特に足は腰の装甲が分割し、前たれ部分は基部がスライドすることで装甲が前に大きく開く。足の付け根もスライドすることで、ぐいっと大きく足を前に曲げることができる。膝は膝裏の装甲板が沈み込むことで深く折り曲げられ、腰を深く落とした、ホバーで進むイメージのポーズを取らせることが可能だ。

 ドムで印象の強い部分は頭だ。これまでの立体物では首が全く動かない、ボディと一体化していると解釈している商品も多かったが、「ドム ver. A.N.I.M.E.」は、頭が左右と上下にかなり大きく動く。ポーズに合わせて“目線”を意識したポーズ付けが可能となっている。さらにモノアイは、頭部の赤いカバーを外すことで動かすことができる。モノアイは基部がボールジョイントになっており、グリグリと動かすことが可能だ。

 さらに胸部分の装甲が頭と一緒に動くので、上半身の関節と合わせることで胸を反らせ、頭を大きく上に向かせることができる。上空に向かって射撃するポーズも取らせられるし、宇宙用の「リック・ドム」を思わせる宇宙を高速で飛んでいるようなポーズも可能になっているのだ。別売りのスタンドである「魂STAGE ACT.5」と合わせれば、飛行ポーズで飾っておくことも可能だ。

 ポーズをつけていて感心させられたのが、背中のヒートサーベルの可動だ。取り付け部分のボールジョイントの可動域が広いのでかなり大きく動き、高速移動時や、見得を切った立ちポーズの時、サーベルを動かすことでポーズにアクセントが加えられる。

 そして手首の付け根と、ジャイアント・バズの基部が可動するところが特にうれしかった。「ドム ver. A.N.I.M.E.」はこの関節のおかげで、特にバズーカの構え方にはこだわれる設計となっているのだ。どうバズーカを構えるのが一番カッコイイか、そこをとことんまで追求できる、「ドムファンのための商品」となっているのである。

【ドム ver. A.N.I.M.E.】
足の付け根、装甲の付け根は軸そのものも可動する
手首の部分と、ジャイアントバズのグリップの基部が可動することで、バズーカの構えに微妙な変化がつけられる
腰を落としたポーズ。膝部分が深く曲げられる。足部分は引き出し関節も用意されており、腰を落とした姿勢をしっかり支えられる
別売りのスタンド「魂STAGE ACT.5」を使えば、躍動感のあるポーズでのディスプレイも
立ったポーズでもホバーの動きが想像できるのが楽しい

組み合わせてわかるバズーカエフェクトの秘密。シリーズ間の連動で楽しさ拡大

 開発者の「ver. A.N.I.M.E.」シリーズのインタビューでは“他の商品との連動”も強くアピールしていた。

「俺を踏み台にした!?」のシーンを再現してみる。バズーカのエフェクトを配置してよりこだわってみた
半分になったシールド。断面が裂けたような雰囲気になっているのがいい
近藤和久氏の「MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝」の1シーンを思い出し、ドムにザクマシンガンを持たせてみた。遊ぶ人の想像力で組み合わせはさらに楽しくなる

 「ドム ver. A.N.I.M.E.」も、これまで発売されている「ROBOT魂MS-06S シャア専用ザク ver. A.N.I.M.E.(以下、「シャア専用ザク ver. A.N.I.M.E.」)」と、「ROBOT魂RX-78-2 ガンダム ver. A.N.I.M.E.(以下、「ガンダム ver. A.N.I.M.E.」)」を持っていれば楽しさがさらに広がる。

 なお商品の組み合わせはあくまで筆者の“遊び方の例”であり、説明書に書かれたり公式ページで紹介されているような“オフィシャルなもの”ではないことは、書いておきたい。

 「ドム ver. A.N.I.M.E.」には“半分になったガンダムのシールド”が同梱されている。「ガンダム」ファンならばニヤリとさせられる。このシールドは黒い三連星から三位一体の攻撃「ジェットストリームアタック」をガンダムが食らった時の攻撃を受けたシールドなのだ。「これを『ガンダム ver. A.N.I.M.E.』に持たせ、黒い三連星との対決シーンを再現しよう!」という開発スタッフの直球のメッセージなのである。

 そしてジャイアント・バズの発射シーンを再現するためには「シャア専用ザク ver. A.N.I.M.E.」についている“バズーカの発射エフェクト”がぴったりなのだ。しかも今回商品を撮影する際に資料を調べてさらに楽しくなったのは、有名な「俺を踏み台にした!?」のシーンの際、ガンダムがかわすバズーカの攻撃がエフェクトパーツにそっくりなのだ! 開発スタッフはまさにこのシーンを再現させたくてバズーカのエフェクトパーツを設計したのではないか? 思わずそう想像してしまう。

 ドムにザク・マシンガンやヒート・ホークを持たせるのも「現地での武器を使う」というMSV(モビルスーツバリエーション)的なイメージを刺激するし、シャアザクにジャイアント・バズを持たせるとかなりごつくて、機体バランスを無視して威力を追求しているような雰囲気が楽しい。もちろん他の商品と組み合わせるのもありだ。ユーザーの様々なコレクションと組み合わせて遊ぶことができるだろう。

 「ver. A.N.I.M.E.」シリーズはさらに「ROBOT魂MS-07B グフ ver. A.N.I.M.E.」、「ROBOT魂MS-06 量産型ザク ver. A.N.I.M.E.」そして「ROBOT魂RX-77-2 ガンキャノン ver. A.N.I.M.E.」と続いていく。次はガンタンクか? それとも水陸両用MSに行くのか? 注目したい。

 「ドム ver. A.N.I.M.E.」は、かなり楽しいアイテムだ。ザクやガンダムと比べると商品化が少ないだけに、ちょっとした特別感があるし、ジャイアント・バズを構えさせ、腰を落として飾るとスピード感を感じられるのがいい。動かないように見える頭部の可動ギミックも面白い。オススメのアイテムである。

【商品を組み合わせて遊ぶ】
エフェクトパーツを使ったり、オリジナルの組み合わせを試したり、所有者のイマジネーションで、「ドム ver. A.N.I.M.E.」のポテンシャルを活用していくのが楽しい
やはりドムを3体そろえた時の楽しさは格別だ。構図やポーズ付けは格段に難しくなり、今回はかなり甘くなってしまったが、ファンならばとことんまでこだわりたいところだ

(勝田哲也)