【特別企画】
「ギャラクシアン」ファミコン版が40周年! ゲーセンで大人気を博した、稀代の傑作シューティングが移植された意義を振り返る
2024年9月7日 00:00
- 【「ギャラクシアン」(ファミリーコンピュータ版)】
- 1984年9月7日 発売
ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)のファミリーコンピュータ用ソフト「ギャラクシアン」が、本日2024年9月7日で発売からちょうど40周年を迎えた。
本作は、1979年に発売されて大人気を博したアーケード用シューティングゲームを移植したもので、同社の記念すべきファミコン参入第1弾にあたる。以下、本稿ではファミコン版の発売当時は小学生だった筆者の体験を交えつつ、本作の魅力などを改めて振り返ってみた。
ゲーセンのゲームが遊び放題になる夢を実現
本作のルールはいたってシンプルだ。ギャラクシップ(自機)を十字キーで左右に移動させ、ボタンを押してショットを発射し、画面内にいる敵のエイリアンを全滅させればステージクリア。敵の弾や体当たり攻撃を受けるとミスとなり、自機のストックがゼロになるとゲームオーバーとなる。
筆者は本作の発売当時、まだファミコン本体を持っておらず、初めてプレイしたのは友人宅だった。アーケード版は縦長画面だが、ファミコン版は家庭用テレビゆえ、画面がヨコ向きになる。エイリアンの揺動音などSE(効果音)の音色は違っていたものの、星々がきらめく宇宙空間を舞台に、エイリアンが華麗な曲線を描いて飛び回る美しさと迫力は元祖アーケード版とそっくりそのまま。エイリアンはただ弾を撃つだけでなく、まるでこちらの動きを察知していたかのように、急に向きを変えて体当たりを仕掛けてくるスリル感も同じだったので、とても驚いたことを今でもよく覚えている。
そっくりなのは見た目だけではない。いざ遊んでみたら、かつてゲーセンで覚えた攻略法がちゃんと通用し、敵の親玉である「ギャルボス」を上手に破壊するほど高得点のボーナスが加算されるシステムも、アーケード版とまったく同じだった。
アーケード版が人気だった当時、筆者はデパートのゲームコーナーや駄菓子屋に出掛けたら必ず遊ぶ「お気に入り」のひとつであり、お金がないときには上手な大人や、年上の兄ちゃんたちのプレイを遠目に見ているだけでも本当に楽しかった。そんなゲームが、まさか普通のテレビにつないで遊べるようになるとは……。そんな本作の出現は、衝撃以外の何物でもなかった。
ファミコン版「ギャラクシアン」の功績
本作よりも先に、任天堂が1983年7月にファミコンのローンチタイトルとして「ドンキーコング」を、同年9月に「マリオブラザーズ」を発売しているが、いずれも「アーケード版とは違うな」と、遊んでいてすぐにわかるものだった。「ドンキーコング」は、アーケード版は1周4ステージだがファミコン版では3ステージしかなく、「マリオブラザーズ」のファミコン版はステージ間のデモ画面が省かれ、ステージのバリエーションが少ない、ファイアボールのサイズが小さいなどの相違点があった(それでもファミコン版「ドンキーコング」、「マリオブラザーズ」は、どちらもすごく面白かったのには違いない)。
これらのタイトルでアーケード版に比べ大きな違いがあったことも、筆者が「ギャラクシアン」の移植再現度の高さに驚いた要因だ。 ゲームのクオリティには文句のつけようがなく、今振り返ると後にファミコン本体を購入する大きな動機になっていたように思う。
ファミコンがあれば元祖アーケード版とほぼそん色のないシューティングゲームが遊べること、そして多くのゲーセン、アーケードゲーム大好きっ子が愛してやまない、「あの」ナムコの傑作が自宅でも遊べることを世に知らしめた本作の存在意義は、極めて大きいように思う。
本作は、現在でもNintendo Switch用ソフト「ナムコットコレクション」のDLCコンテンツ第2弾として配信されており、今でも手軽に遊ぶことができる。ファミコンブーム期を知らないお若い皆さんにも、発売から40年が経過しても色あせない、本作の面白さをぜひ体験していただきたい。
(C)1984 BNEI