【特別企画】
ファミコン版「ギャラガ」が40周年! 元祖アーケード版の面白さを忠実に再現。名作シューティングの魅力を改めて振り返る
2025年3月14日 00:00
- 【ギャラガ(ファミリーコンピュータ版)】
- 1985年3月14日 発売
ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)のファミコン用ソフト「ギャラガ」が、本日2025年3月10日でちょうど発売40周年を迎えた(※)。
本作は1981年に発売され、長らくゲームセンターで人気を博した、同名のアーケード用シューティングゲームを移植したもの。十字キーで左右2方向に移動、AまたはBボタンを押すとショットを発射するファイター(自機)を操作して敵の昆虫型エイリアンを倒し、敵を全滅させればステージクリア。3面から4面おきに、敵が一切攻撃を仕掛けてこないので高得点が狙える「チャレンジングステージ」が登場するのも、本作ならではの大きな特徴だ。
以下、筆者が本作を購入して遊んでいた当時の記憶を頼りに、ファミコン版ならではの面白さを改めて振り返ってみた。
※本作の発売日を1985年2月15日と記載しているメディアもあるが、バンダイナムコエンターテインメントの公式サイト、および「ゲーム年鑑1983-1986」(アスキー刊)などの80~90年代に発行された書籍には3月14日と記載されているので、本稿では3月14日を発売日として執筆している。
敵の攻撃パターン、デュアルファイターの面白さを忠実に再現
筆者がファミコン版の存在を最初に知ったのはテレビCMだった。何の番組を見ている最中だったのかは忘れたが、「今度は『ギャラガ』新登場……」のナレーションとともにプレイ中の映像が流れ、大のお気に入りだった本作がゲーセンに行かなくても遊べると知り、即座に「欲しい!」と思った。
同年5月5日のこどもの日に、親から待望のファミコン本体を買ってもらった筆者は、定価の4,500円まで貯金がたまった秋頃に、発売日からしばらく過ぎたタイミングではあったが本作を購入し、以後しばらくの間、夢中になって遊びまくった。
ファミコン版は、元祖アーケード版に比べて「自機が大きく見えるなあ……」というのが筆者の第一印象だった。元祖アーケード版は縦画面だったので、普通の家庭用テレビの横画面で遊ぶと、奥行が短く見えたせいだったかもしれない。敵を倒したときに流れる、何とも形容しがたい本作独特の撃墜音も、アーケード版に比べるとやたら甲高く聞こえた。
とはいえ、画面上部に待機する敵の軍団が膨張~収縮の動きを繰り返し、やがて単独あるいは編隊飛行で攻撃を仕掛けてくる一連の動きは、まさに「ギャラガ」のそれであった。敵弾と体当たりをかいくぐって敵を倒す楽しさも、得点システムも飛行パターンも、そしてゲームオーバー後に表示されるリザルト画面(※ショット発射数、敵を倒した数、命中率の3種類を表示)が表示されるシステムもまったく同じで、「買ってよかった!」と心の底から感激したものだ。
「ギャラガ」の一番の醍醐味と言えば、自機を2機ドッキングさせることで攻撃力が倍増する、「デュアルファイター」と呼ばれるシステムになるだろう。ファミコン版でもドッキングはもちろん可能で、苦労の末に合体に成功して敵を倒しまくったときの快感は格別で、逆に敵にやられてシングルファイターに逆戻りしたときのショックもハンパなかった。
本作を買った直後、マニュアルを読んでいたら「攻撃中のボスを撃破すると、一定時間敵のミサイル攻撃が中断」と書いてあり、実施に試してみたらその通りだったので驚いたことも忘れられない。ゲーセンで遊んでいるときは、敵の攻撃が中断することにまったく気付けなかったが、ファミコン版のマニュアルを読んだことがきっかけで、アーケード版でも筆者のベストスコアが劇的に伸びたことでも本作は思い出深い。
約20年越しに疑問が解けたファミコン版の「謎」
先述したように、本作では3面、7面、11面、15面……と4⾯おきに、敵をすべて倒すとパーフェクトボーナスの1万点が獲得できるチャレンジングステージが出現する。敵が一切攻撃を仕掛けてこないので思う存分ショットを撃ちまくれて、さらには通常面には登場しない、特殊な敵キャラが出現してトリッキーな動きを披露する面白さを、ファミコン版でもちゃんと継承していたので本当に嬉しかった。
だが筆者は当時、チャレンジングステージでひとつの疑問を抱いていた。ソフトを購入前に見たテレビCMで、31面のチャレンジングステージに出現する敵「エンタープライズ」の飛行パターンをひと目見て「アレッ? 以前にゲーセンで見たパターンと違うなあ……」と思ったからだ。「もしかしたら、CM専用に映像を作ったのかな?」と最初は推測していたが、後に自力で31面に到達したら、やはりアーケード版と違うことがわかった。
また、ある日に背景の星々をふと眺めていたら、北斗七星とオリオン座が流れていることにも気が付いた。アーケード版では星座を見た記憶がなかったので、ファミコン版は子供心に「オシャレだなあ……」とも思っていた。
後年、筆者は拙著「ゲーム職人 第1集」の執筆にあたり本作のプログラマー、大森田不可止氏にインタビューをさせていただく機会に恵まれた。大森田氏によると、チャレンジングステージの飛行パターンが違ったのは「実機ではなく、初期の仕様書を見ながら作ったから」で、北斗七星やオリオン座を描いたのは「ささやかな自己主張」とのことだった。ソフトを購入して以来、20年以上もわからなかった謎が、開発者本人から聞けたことはまさに僥倖であり、忘れられない思い出となった。
自機や敵のデザインだけでなく、中世ヨーロッパの王家の勲章をほうふつとさせる、ステージ数を示す五角形マークのカッコよさも、筆者はアーケード版から大のお気に入りだった。
本作では、1面は小さな五角形が1個、2面は2個、3面は、3個、4面は4個表示され、5面に進むと数字の「5」が描かれた、少し大きいサイズのマークが表示される。10面に進むと、ひと際サイズが大きく、カッコイイ模様がデザインが描かれたマークが表示されるので、初めて自力で10面まで到達したときは、まるで勲章をプレゼントされたかのような嬉しい気分になったことを今でもよく覚えている。
いつのことだったか、ふとゲーセンで「ギャラガ」のデモ画面を見たら、今まで一度も見たことがない、鳥のタカのような絵が描かれた黄色いマークが表示されていたのでビックリしたことがある。アーケード版は、直前に遊んだプレイヤーが最後に到達したステージの表示マークが、次のプレイヤーが遊ぶまでずっと表示される仕組みになっていたからだ。
その後、上手なお兄ちゃんが遊んでいるのを見ていたら、そのマークは30面を示すものと判明したが「こんなマークがまだあったとは。なんてカッコイイんだ!」と、とても感動した。やがて自身もファミコン版で、さらにアーケード版でも30面に到達し、タカ型のマークが画面に表示されたときは「あの上手な兄ちゃんと同じ場所まで行けた!」と夢が叶い、多いに感動したことも今なお忘れ難い。
ちなみにファミコン版では、ゲームオーバー後のリザルト画面からタイトル画面に切り替わったタイミングでマークはすぐに消えてしまうが、それでも初めて大きなマークが表示されるステージまで進めたときはたまらなく嬉しかった。
本作は、Nintendo Switch用ソフト「ナムコットコレクション」のDLコンテンツ第1弾として配信されているほか、PS4、Xbox One、Steam版「NAMCO MUSEUM ARCHIVES Vol 2」にも収録されているので、今でも手軽にプレイできるのが嬉しい(※「NAMCO MUSEUM ARCHIVES Vol 2」は日本語には非対応)。アーケード版、またはファミコン版の片方しか知らない人は、この機会にそれぞれの違いを比較しつつ遊んでみてはいかがだろうか。
□PS4版「NAMCO MUSEUM ARCHIVES Vol 2」のストアページ
□Xbox One版「NAMCO MUSEUM ARCHIVES Vol 2」のストアページ
□Steam版「NAMCO MUSEUM ARCHIVES Vol 2」のストアページ
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