【特別企画】

「Delta Force: Hawk Ops」αテストプレイレポート

64人の大乱戦か、緊張のサバイバルか。全く異なるモードを楽しめる次世代FPS

【Delta Force: Hawk Ops】

配信日:未定

価格:基本プレイ無料(アイテム課金制)

 1998年に誕生したFPS「Delta Force」シリーズが、現代に蘇る。

 TiMi Studio GroupのTeam Jadeが手掛ける「Delta Force: Hawk Ops」は、単なるリブートを超えた野心作だ。基本プレイ無料という親しみやすさを武器に、壮大な64人規模の大戦「Havoc Warfare」から、緊張感溢れるPvPvE「Tactical Turmoil」、そして没入感抜群のシングルプレイキャンペーンまで、多彩な戦場体験ができる。プラットフォームはプレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC/Android/iOSでの展開が予定されている。

 「Delta Force」シリーズは、アメリカ陸軍の特殊部隊「デルタフォース」の活躍を描くFPS。本作は2001年に公開されたノンフィクション映画「ブラックホーク・ダウン」をイメージ・再現するタイトルで、プレイヤーは特殊部隊のオペレーターの1人となり、北アフリカのとある小国で繰り広げられる軍事作戦を遂行していく。なお、シリーズの過去作には2003、2004年に「ブラックホーク・ダウン」をテーマにしたタイトルがリリースされているが、今作はその続編というわけではないようだ。

 8月6日に幕を開けたαテスト(Steam版)は、全世界で多くのゲーマーがプレイしており、Twitchをはじめとする配信プラットフォームでは、数多のストリーマーが本作をプレイしているのがわかる。

 今回プレイしてわかった本作の魅力は、一見相反する2つのモードの共存にあるのだ。一方は熱狂の渦に身を投じる"お祭り"のような大規模戦。もう一方は、一瞬の油断が命取りとなる緊張感漂うサバイバル戦。この正反対の体験が、不思議と調和し、プレイヤーを飽きさせないのだ。

 今回は、このαテストで感じた本作の魅力について紹介していきたいと思う。

【Delta Force: Hawk Ops | Official PC Alpha Test Trailer】

64人の大乱戦が生む熱狂と混沌が生むドラマが魅力の「Havoc Warfare」

 「Havoc Warfare」は、「Delta Force: Hawk Ops」の中核を成す大規模戦闘モードで、最大64人のプレイヤーが32対32に分かれ、広大な戦場で激しい攻防を繰り広げる。

 このモードの最大の魅力は、その圧倒的な臨場感にある。64人のプレイヤーが入り乱れる戦場は、まさに混沌そのものだと言える。しかし、その混沌の中にこそ、このモードならではの醍醐味が隠されている。

多くの兵士たちが関わり合う広大な戦場。そこに本モードの魅力がある

 このモードの基本的な流れは、攻撃側と防衛側に明確に分かれた両軍の攻防戦だ。攻撃側の目的は、敵の拠点を次々と制圧していき、最終目標地点を占領することである。一方、防衛側はその猛攻を防ぎきり、敵のチケット(復活可能回数)を枯渇させると勝利となる。

 各プレイヤーは4人で構成されるスクワッドに属し、それぞれのプレイヤーが特殊なガジェットを駆使しながら戦う。索敵に特化した偵察兵オペレーターもいれば、味方を回復できる衛生兵的な役割を持つオペレーターも存在する。この多様性が、戦場での役割分担を生み出し、チームプレイの深みを増しているのだ。

 さらに、戦闘は単純なプレーヤー同士の撃ち合いに留まらない。戦車などの車両に乗り込めば、歩兵部隊を強力にサポートすることができる。ただし、小回りが利かないため、対戦車兵器を持つ敵兵士には要注意だ。歩兵との連携が重要である。

装甲車に乗り込んで前線に行くこともある。強力だが小回りが効かないのでほかの歩兵のサポートをもらいたいところだ

 索敵、回復、弾薬補給、リスポーンポイントの設置など、それぞれのプレーヤーが様々な役割を担うことで戦況を左右できる。特に、前線近くにリスポーンポイントを設置することは、攻撃の勢いを維持する上で極めて重要だ。

 1試合の所要時間は長く、30分近くに及ぶこともある。だが、試合が長いからと言ってゲーム展開がダレることはない。むしろ、たっぷりとプレイするからこそ、本モードはプレーヤーに数々のドラマを生み出させるのだ。

見知らぬ仲間との共闘。そこからドラマが生まれるのだ

 そのドラマの興奮はゲームが始まった瞬間から始まる。多くの兵士が雄叫びを上げながら一斉に前線へ突っ込んでいく光景は、それだけで大規模FPSファンの心を躍らせる。筆者自身、この開始時の熱狂的な雰囲気だけで、このモードに120点満点の評価を与えたいほどだ。

 もちろん戦場のドラマはそれだけではない。敵の猛烈な防衛線を突破し、拠点の制圧に成功した瞬間。あるいは、幾度となく敵の攻撃を受けながらも、最後の一線で踏みとどまって防衛に成功した時。そんな瞬間に、思わずモニターの前でガッツポーズを取ってしまうほどの達成感。これらの体験が、プレイヤーを戦場を駆ける一人の兵士としてゲームに没入させ、大規模戦闘ならではの醍醐味を味わわせてくれる。

 醍醐味は個人の活躍だけではない。名も知らぬ、初めて出会う兵士との共闘は独特の感動を生む。前線で倒れ復活を待っていると、遠くから走ってきて、自分が撃たれるリスクがありながらも、そのリスクを負いながら自分を復活させてくれるのもそうだし、猛攻をくぐり抜けて協力しながら拠点を確保できた時は、画面の向こうの見知らぬプレイヤーとハイタッチしたくなるほどだ。

 本モードは、一人ひとりのプレイヤーに、戦場の一兵士としての体験を提供する。その体験の中で生まれる数々のドラマを楽しめることが、このモードの最大の魅力なのだ。

多くの兵士たちと前線に突っ込んでいく高揚感。これだけでゾクゾクする快感がある
倒されても諦めるのはまだ早い。ほかのプレーヤーが復活してくれる可能性もあるのだ

死線を彷徨う緊張感が魅力。超シビアなサバイバルモード「Tactical Turmoil」

 もう1つプレイできた「Tactical Turmoil」というモードは、先ほど紹介した「Havoc Warfare」とはかなり違ったシステムで、シビアでより緊張感を感じられるモードだ。

 ゲームの流れは、まずランダムに選ばれたスポーンポイントから開始する。プレイヤーは3人のチーム、もしくはソロでマップを探索しながらアイテムを収集し、最終的にいくつかある脱出ポイントを目指す。ただし、途中で命を落とせばそこでゲームオーバー。この「一発勝負」の緊張感こそが、本モードの醍醐味だ。

ヘリで戦地に赴く。このシーンもまたカッコ良いのだ

 舞台となるのは、軍事基地を思わせる広大なマップだ。いくつかの建物が点在するのと、草木が生い茂っている。これらの自然物は遮蔽物となり、戦術の幅を広げる。建物内部は複雑に入り組んでおり、探索中に敵と鉢合わせすることも珍しくない。この環境が、プレイヤーの緊張感を煽るのだ。

 本モードの特徴的な点は、各オペレーターのスキルにある。「Havoc Warfare」でもオペレーターにいくつかのが種類があることを紹介したが、本モードでも索敵や回復など、ほぼ同じような行動が可能となっている。これにより、戦術と判断力がより重要となる。

 倒した敵からはアイテムを拾える一方で、アイテム収集には時間がかかり、その間に襲撃されるリスクもある。ここで様々なガジェットの使用方法を考えることも、このモードの面白さの一つだ。例えば、仲間を復活させる際にスモークを炊いたり、索敵ガジェットを効果的に使用したりと、状況に応じた判断が求められる。

敵と鉢合わせたときの緊張感たるや心臓が飛び跳ねそうなほど
スモークグレネードなどの道具を使い、有利な展開になるように持っていく

 本モードは、極端なハードコアさはない。死亡すれば(味方が復活できる環境でない限り)即座にゲームオーバーとなってしまうが、残り弾数も見やすいし、いつでもマップを見られる。そういった意味では少し難易度はマイルドと言える。

 他のプレイヤーとのマッチングは自動で行なわれ、設定をオンにしていれば簡単に他のプレイヤーと協力プレイが可能だ。野良プレイより仲の良い友人との協力プレイをした方がより魅力を感じられるだろう。

 筆者はたまたま海外のプレーヤーとマッチングしたことがあるのだが、英語がわからないなりに、「Enemy」という警告や、回復後の「Thank you」など、簡単な会話でも十分に効果的なコミュニケーションが取れ、連携を楽しむことができた。

 本モードの魅力は、その「シビア」さにある。プレイヤーは常に慎重に行動せざるを得ず、一つ一つの判断が生死を分ける。銃声や足音に神経を尖らせ、遮蔽物に身を隠しながら半身を乗り出して戦う。それでも、死は突然訪れる。死亡時のアイテムロストというペナルティも、緊張感を高める要素の一つだ。

 Tactical Turmoilは、「Escape from Tarkov」のようなハードコアなゲームの要素を取り入れつつも、カジュアルな楽しみ方を提供していると感じた。ガジェットの活用や仲間との連携を重視する点が、このモードならではの魅力な点だった。

回復アイテムや弾薬を持っていきたいが、インベントリの広さもあるし、ロストの危険性もある。これらが緊張感をより高めるのだ
アイテムを漁ろうとしているところ。この直後に攻撃されて死んでしまうのだが……
死はあっけなく訪れる。死亡するとどの部分に攻撃を受けたかなどが表示される

 今回のαテストでプレイできたのはこの2モードだが、「キャンペーンモード」も実装される予定だ。ストアページによると「『ブラックホーク・ダウン』作戦に参加することになる」という記載もあり、マルチプレイとは全く異なる楽しさを体験できそうだ。

 正式サービスについての詳細なスケジュールなどはまだ発表されていないが、現時点でプレイできる2モードに関しては非常に高いクオリティとゲーム体験ができた。改めて正式サービスが楽しみな作品である。