【特別企画】
大橋編集長勇退記念SP「ALL ABOUT マイコンBASICマガジンIII」レポート
2024年5月22日 18:43
第2部前半は「移植テクニックマスター大作戦」
休憩を挟んで、第2部のトークイベントがスタートした。第2部のテーマは「令和に復活!人気連載サバイバル」で、前半と後半に分かれていた。前半は、「移植テクニックマスター大作戦」で、ベーマガでも人気だった連載である。ゲストとして、森巧尚氏、Bug太郎こと谷裕紀彦氏、断空我氏の3人が登壇した。
まず、森氏がPC-8001で大きなキャラを動かすためには、複数行の文字列を画面に表示すればいいと説明し、実際に森氏が制作したPC-8001用ゲーム「BREAK FAST」のデモを行なったのち、高速化のテクニックを紹介した。
「BREAK FAST」は大きなキャラが高速で動いているゲームだが、単純に複数行の文字列を座標指定して表示するようにすると、LOCATE文を複数実行することになるため、時間がかかり、動作が遅くなる。そこで、カーソルを移動する制御文字を使って1つの文字列にまとめると、プログラムが短くなり、動作も速くなる。実際に「BREAK FAST」では、この高速化テクニックが使われている。
この「BREAK FAST」をMSXに移植するには、PC-8001にはないが、MSXでは利用できるスプライトを使うことがポイントだ。スプライトは8×8ドットと16×16ドットがあるが、16×16ドットにすれば大きなキャラを動かすことができる。また、スプライトのデータを2進数で書くのではなく10進数にすることで、プログラムがより短くなる。
次に断空我氏が、コモドール64を利用して、制御文字を使って複数行の文字列を1行で表示させる実演を行なった。実演はダイレクトモードで行なわれたが、コモドール64の場合、制御文字をキーボードから直接入力が可能で、画面では反転文字として表示される。
続いて谷裕紀彦氏が自分が以前制作したPC-8001用縦スクロールシューティング「GIVERS」を紹介した。「GIVERS」は大半がマシン語で書かれており、高速に動作する。「GIVER」制作時に利用したノートも公開され、そこには敵キャラクターの動きやへびのような巨大キャラの移動パターンのテーブルなどが書かれていた。また、谷氏は現在、「GIVER」の続編「GIVER2」を制作中とのことで、制作途中のバージョンを紹介した。
第2部後半は「ゼビウス1000万点への解法」著者のうる星あんず氏が「ゼビウス」全16エリアクリアに挑戦
第2部の後半は、「ゼビウス」の攻略本「ゼビウス1000万点への解法」の著者、うる星あんずこと大堀康祐氏によるアーケード版「ゼビウス」全16エリアクリアへの挑戦が行なわれた。ゲストとして、大堀康祐氏の他に、見城こうじこと鈴木宏治氏、響あきらこと池田雅行氏、手塚一郎氏も登壇し、うる星あんず氏による挑戦を見守った。
挑戦開始前に、うる星あんず氏は「僕もあと1年半で還暦になるんですね。脳が右に行けとレバーの指示を出しても、コンマ1秒遅れるんですよね。なので、今日はね、頑張りますけども」と挨拶して、拍手を浴びた。
うる星あんず氏は、「ゼビウス」のプレイを始めると、複数の指で高速にザッパーを連射しながら、ソルやスペシャルフラッグを的確に出しながら難所を切り抜けていった。本来、「ゼビウス」はテーブル筐体でプレイするものであり、アストロ筐体では画面が大きいため、全体の把握が難しくなる。そうしたハンディをものともせず、誰もが避けられないと思った状況を華麗に切り抜けたシーンでは、会場からどよめきが起こった。うる星あんず氏は、残機に余裕がある状態で全16エリアのクリアに成功。再び会場から大きな拍手が巻き起こった。うる星あんず氏は観客に一礼して、プレイを終えた。