【特別企画】
“ポケモンライクなキャラ”だけじゃない! モンスター収集サバイバル「パルワールド」プレイレポート
「ポケモン」×「ゼルダ」×「ARK」のような“ゲーマーに刺さる”タイトル
2024年1月19日 02:00
- 【パルワールド】
- 1月19日17時 発売予定
- 価格:29.99ドル(Steam版、円価格は変動制)
日本のインディーゲームデベロッパー・ポケットペアからXbox Series X|S/Xbox One/PC用モンスター収集サバイバルオープンワールドゲーム「パルワールド」が本日1月19日17時に発売される。価格は29.99ドル。
本作は、日本を代表するRPG「ポケットモンスター」シリーズに登場する“ポケモン”たちを彷彿とさせる「パル」とバトルしたり、共に作業をするサバイバルクラフトゲームだ。筆者が初めて本作のトレーラーを見た時、ポケモンライクなパルが銃を持っている映像に驚いたほか、SNSでも“どんなタイトルなのか想像がつかない”というユーザーが一定数いるようだ。
そこで本稿では、SNSで俄かに話題となっている「パルワールド」のプレイレポートをお届け。実際にプレイしてみると、ポケモンだけではなく様々なタイトルの特徴を昇華し、世界の冒険や農業・工業の自動化、図鑑コンプなど“ゲーマーに刺さる要素”を詰め込んだゲームであることがわかってきた。
推奨環境は意外と重め? Xboxでも遊べる「パルワールド」をプレイするまで
まずは改めて「パルワールド」について紹介しておきたい。本作はオープンワールドサバイバルアクションゲーム「クラフトピア」を手掛けたポケットペアの最新作。オープンワールドやサバイバルクラフトといった要素は「クラフトピア」と共通している。「クラフトピア」といえば、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」からインスパイアを受けつつ、農業や工業といった要素を加えることで独自のタイトルへと昇華していた。
本作で印象的なのは、やはりポケモンライクな見た目のモンスター「パル」たちだろう。トレーラーやSteamの販売ページを見ると、「こんなポケモンいてもおかしくないな」と思うパルたちが銃を持って戦う映像がある。ポケットペアは、AAAタイトルからインスパイアを受けつつ、色々な要素を詰め込むことで唯一無二のタイトルへと昇華させるメーカーだ。「パルワールド」では、どのようなタイトルから影響を受けて制作されたかに注目すると、別の面白さが見えてくる。本稿ではそのあたりにも注目していきたい。
「パルワールド」は、SteamやXbox Series X|S、Xbox Oneにてプレイ可能。さらに、サブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」の対象となっていて、加入者であれば本日1月19日17時よりプレイすることができる。だが、リリース時点でPC版とXbox版のクロスプレイはできず、今後のアップデートで対応予定となっているため、注意が必要だ。
PC版の最低動作環境はCPU「Core i5-3570K」、GPU「GeForce GTX 1050」、メモリ16GB以上で、数年前のゲーミングPCでもプレイできる。一方、推奨環境はCPU「Core i9-9900K」、GPU「GeForce RTX 2070」でここ4~5年以内のミドルレンジ以上のゲーミングPCが必要となる。今回のレポートでは、PC版をプレイしている。
最低動作環境 | 推奨動作環境 | |
---|---|---|
CPU | Core i5-3570K | Core i9-9900K |
GPU | GeForce GTX 1050 | GeForce RTX 2070 |
メモリ | 16GB | 32GB |
ストレージ | 40GB(SSD必須) | 40GB(SSD必須) |
OS | Windows 10以上 | Windows 10以上 |
今回プレイしたのはリリース前のベータ版で、製品版とは一部仕様が異なる場合がある。「パルワールド」は、リリース後も「アーリーアクセス」として提供され、不具合やクラッシュが発生する場合があるため、このあたりは留意しておきたい。
ワールド作成時は、カスタムもできる難易度設定のあと、豊富な容姿が用意されたキャラクタークリエイションに移る。プリセットは12個用意されていて、そのほかにも“腕だけ太い人”などピーキーな見た目にすることができる。なお、現時点でワールド作成後にキャラクターの変更はできないが、今後のアップデートで作成後でも容姿を変更できるようになる予定だ。
キャラクリを終え、ゲームを始めると早速パルたちが登場。謎の島に漂流してしまった主人公(プレーヤー)が目覚めると、一目散に逃げていくパルたちが可愛らしい。だが、次の瞬間映されたのは、どこかのゲームで見覚えのあるタブレットのような端末だった。もしかしてこれは「ゼルダの伝説」シリーズに登場する「シーカーストーン」か……?
もちろんこの端末は「シーカーストーン」ではなく、正確には「古代端末」というアイテム。端末には「タワーが鍵だ……。あの木が真実を握っている」と表示されている。面白そうなストーリーでこの先が気になるが、カットシーンはここまで。次の瞬間にはフィールドに立っており、あとはプレーヤーの自由だ。
その後、プレーヤーが最初に降り立つ「風立ちの丘」もゲーマーであれば、どことなく「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の「始まりの大地」を連想するだろう。先述の通り「パルワールド」はAAAタイトルから大きな影響を受けている作品だ。
だが、プレイしていくとAAAタイトルから影響を受けつつ「パルワールド」独自の世界観に昇華していることが明らかになってくる。次項からは、早速「パルワールド」をプレイ。ボス戦からスローライフまで、何をするのもプレーヤーの自由な「パルワールド」の世界観をお伝えしていく。
サバイバル生活やボス戦、農業・工業の自動化まで! コアな要素いっぱいの「パルワールド」
「パルワールド」は“モンスター収集サバイバルオープンワールドゲーム”の名の通り、基本的には何をしても自由なオープンワールドゲーム。最初の30秒ほどのカットシーンを終えた後、プレーヤーはフィールドに解き放たれ、チュートリアルを遂行してもいいし、フィールドをひたすら歩き回って散策してもいい。
だが必要最低限の生活を送るには、やはりチュートリアルを遂行していく必要がある。本作の基本はサバイバルクラフトのため、各所に落ちている木材や石を拾いつつ、斧やツルハシといったツール、槍や弓、防具などの装備、家を作るための資材を確保していく。各所には「探検隊の生き残り」といったNPCも存在しており、プレーヤーに生きる術を教えてくれたり、資材をくれたりもする。
カットシーンで拾っていた古代端末には「テクノロジー」と呼ばれるシステムがあり、プレーヤーのレベルが上がっていくと「原始的な作業台」や「ベッド」といった生活に必要なものがアンロックされていく。レベルを上げていくと様々なテクノロジーを解放でき、畑や発電施設のような農業・工業要素、金属の精錬や薬の調合も可能となる。このあたりのサバイバルクラフト要素は、恐竜サバイバルアクションゲーム「ARK」シリーズを彷彿とさせるものだ。
プレーヤーレベル2になると、テクノロジーの中に「パルスフィア」と「パルボックス」が解放される。「パルスフィア」はパルを捕まえるためのアイテムで、パルに対して投げるとスフィアの中に格納することができる。プレーヤーは手持ちパルを5体まで持つことが可能で、一緒に冒険に出てバトルすることが可能だ。
パルスフィアには、パルごとに“捕獲確率”が設定されていて、このパーセンテージが高ければ高いほど一発でスフィアの中に格納される。パーセンテージをあげるにはパルのHPを削る必要があるため、こん棒などの武器を使ってパルを直接攻撃しなければならない。どのパルたちも可愛らしい見た目をしているため、少し攻撃を躊躇してしまう。攻撃するとパルたちの“肉”が手に入るのも、なんだか生々しい。
ゲットしたパルたちは自動的に「パルボックス」へ転送される。パルボックスをクラフト・設置すると、周囲一帯が拠点として設定される。レベルに応じて、拠点の周辺に一定数パルを出現させることが可能で、出現したパルたちは、なんと拠点周辺でプレーヤーの代わりに働いてくれるのだ。
パルにはそれぞれ得意分野があり、例えば「モコロン」というパルは建築が得意なほか、「ツッパニャン」は採掘、「ペンタマ」は畑の水やりが得意なパルだ。「パルボックス」のレベルを上げていくと、拠点に召喚できるパルの数も増えるため、役割ごとに様々なパルを召喚しておくことで、プレーヤーが必要な資材確保の”自動化”ができるようになっている。サンドボックスゲーム「Minecraft」で“工業MOD”が好きなゲーマーは意外とクセになるかもしれない。
つまり、パルたちはプレーヤーの冒険についてきてくれる相棒であるとともに、プレーヤーの食材でもあり、労働力でもあるのだ。見た目がこんなに可愛らしいパルたちには、プレーヤーが豊かに生きるために必要な要素が詰まっている。
ちなみにフィールド内には、先ほどの「探検隊の生き残り」や集落に住む住人、密猟団などのNPCが存在するのだが、NPCに対しても「パルスフィア」を投げることが可能。極めて低い確率でゲットすることができるが、ゲーム内でNPCをゲットするのは“非人道的行為”となっていて、住人に攻撃・パルスフィアを投げた場合は自警団が出現するほか、密猟団は攻撃をしかけてくるのでオススメしない。実際に密猟団のメンバーをゲットしてみると、クラフトなどの手作業が得意なパルとして扱われていた。
最初のカットシーンにワードが出ていた「タワー」へ行くと、ボス戦に挑むことができる。チュートリアルのラストとなる「レイン密猟団」のボス戦は、4時間ほどかけてプレーヤーレベル10まで上げた筆者でも倒すことができず、2分ほどでやられてしまうほどの強敵だ。しっかりと準備をして装備を整えてからバトルに挑もう。
そのほかにもフィールド内には、ダンジョンや洞窟、謎の建造物がたくさん存在しているほか、パルたちは全部で111種用意されていて、パル図鑑のコンプリートも狙える。またオンラインマルチプレイにも対応していて、ローカルワールドでは最大4人、専用サーバーでは最大32人でプレイできる。マルチプレイではフレンドと一緒に冒険をしたり、トレードなども可能。今後のアップデートでパルの対戦もできるほか、PvPのテストも行なわれているという。
冒険してもよし、ストーリーを追ってもよし、パル収集やゆったりとしたサバイバル生活、農業・工業の自動化を目指すことも可能。一見、ポケモンライクなキャラを売りにしたゲームかと思いきや、コアなゲーマーにささる要素を詰め込んだゲームが「パルワールド」なのだ。
時間があっという間に過ぎていく!“様々なタイトルの特徴を昇華した「パルワールド」
ここまで「パルワールド」のプレイレポートをお届けしてきた。レポート内で挙げただけでも「ポケモン」や「ゼルダの伝説」、「ARK」、「Minecraft」といった様々な影響が垣間見える本作だったが、これらの作品の特徴を吸収しつつ、上手く自己流に昇華したのが「パルワールド」だと筆者は感じた。
今回のレポートにあたって5時間ほど本作をプレイしたが、まだ序盤も序盤といったところだ。筆者はサンドボックスゲームではスローライフを満喫するタイプのため、拠点周辺を強化するために1時間半ほどかけてしまい、本稿の執筆が危ういところだった。時間があっという間に過ぎていくほど、熱中できる要素がいっぱいある作品だ。
一方で一つの目標に向かって突き進むゲームではないため、RPGのようなゲームだと思ってプレイする方は注意が必要だ。自分でやりたいことを探して、実現していくゲームが好きな方は「パルワールド」をぜひプレイしてみてほしい。
(C) Pocketpair, Inc.