【特別企画】

「Tarkov」系脱出シューター「EXOBORN」発表。竜巻内で飛びながら戦うダイナミックさがポイントに

【EXOBORNE】

発売日:未定

価格:未定

 Level InfiniteとSharkmobは12月8日、新作タイトル「EXOBORNE」を「The Game Awards 2023」で発表した。

 本作は、PCと家庭用ゲーム機向けのタクティカルオープンワールドエクストラクションシューター。他プレーヤーを含む中でのバトルロイヤルと目標の達成、そしてマップからの脱出を目指す「Escape from Tarkov」などに代表されるジャンルとなっている。

 本作を開発したSharkmobは、元々Massive Entertainmentで「Tom Clancy's The Division」を開発したメンバーが数多く集まり独立したゲームスタジオだ。AAAクオリティのマルチプレイ作品の開発をおこなっており、バンパイヤバトロワゲーム「Vampire: The Masquerade - Bloodhunt」をリリース。現在ふたつのプロジェクトに取りかかっているのだが、そのうちのひとつが今回発表された「EXOBORNE」である。

 今のところ発売日は未定だが、本作はいわゆるFree-to-play(基本プレイ無料)ではなくプレミアムゲーム(有料タイトル)としてリリースされる。

強力なサバイバー「リボーン」となり混沌とした世界を生き延びる

 ゲームの舞台となるのは、アメリカ東海岸のコルトンカウントリーだ。時代的には過去や現代というよりも、どちらかというと架空の近未来といった世界観になっている。世界規模で発生した未曾有の大災害が迫り来る中、人類は最後の希望だった「プロジェクトリバース」の元に集結したものの、その試みは失敗に終わってしまう。混沌としたなかで、プレーヤーはインプラントを装備した強力なサバイバーである「リボーン」となって、敵対する相手と戦いながら生き延びていくのである。

 ざっくりとしたゲームのバックストーリーはこんな感じだが、実際のプレイでは3人ひと組で戦っていくマルチプレイのシューターに近いものがある。三人称視点のタイトルだが、ジャンプやロープを使った移動など、「Apex Legends」のようなアクションも盛り込まれている。だが、本作は最後のひとチームとして生き残るバトロワではなく、スカベンジしながら様々な物資を集めて、脱出するというのが最大の目的となる。

 探索で入手したアイテムを持ち替えることができれば、それを次のゲームで活用することも可能だ。しかし、倒されてしまったらすべてを失ってしまう。当然のことながら、より優れたアイテムを入手するためには、それに応じたリスクが生じるのだ。

 リスク要素のひとつとして、各ロケーションにはその場所を守る集団が存在している。ゲームの基本としてはPvPが主体なので、PvPvEのような状況だ。また、必ずしも3人グループになる必要はなく、ソロでもプレイすることは可能ではある。しかし、その場合はグループで行動するときとは異なるプレイスタイルが求められるのだ。たとえばタワーはこの世界でも危険な場所となっているが、ひとりでプレイするときはそうしたポイントはなるべく避けたほうがいいだろう。

 逆にグループでプレイするメリットもいくつかある。たとえば仲間が途中で倒されてしまった場合であっても、回復や蘇生するための手段が用意されている。本作ではマルチでのつながりを重視しており、チームで一緒にゲームが続けられるようにしているのだ。

 プレアルファーのプレイ映像では、車両で移動するシーンやスナイパーライフルなど遠距離武器を使用しているところも確認することができた。ちなみに銃を撃つときは一人称視点だが、移動中は三人称視点に切り替わるといった、ハイブリッドなスタイルが採用されている。

プレーヤーの能力をブーストするテクノロジーの「エグゾ・リグ」

 「EXOBORNE」を特徴づけているもののひとつが、「エグゾ・リグ」と呼ばれるテクノロジーをふんだんに活用した装備だ。元々は自然による災害を食い止めるために生まれたものだったが、プレーヤーは「エグゾ・リグ」で強力なアビリティを開放していくことで、様々な能力を身に付けることができる。

 具体的な例としては、上空に上昇したり「エグゾ・リグ」に組み込まれたパラシュートで移動したりといったこともできる。また、敵からの攻撃を防ぐためのシールドを出すことができるほか、ガジェットを追加することもできるといった感じだ。

 「エグゾ・リグ」とは別に、プレーヤーが手にする武器も重要な要素だ。プレーヤーが操ることになるキャラクター自体には、レベルなどの要素は一切なく、強さの指標となるものは自分が所有しているものがすべてとなる。敵対する相手にたいして、より多くのダメージを与えたいときは、武器をカスタマイズして強化するか、あるいは自分で作り出すしかない。

 「EXOBORNE」では、他のプレーヤーたちが操る「リボーン」とは別に、自然による災害という大きな要素も盛り込まれている。視界が著しく悪くなる暴風などに加えて、竜巻のような巨大な渦が発生し、プレーヤーに襲いかかることもある。こうした自然災害はプレーヤー側から見ても脅威となるが、「エグゾ・リグ」を使用することで、敵対する相手との戦闘で活用することもできるのである。

 公開されたトレーラーの中では、シールドを出して敵の攻撃を避けるシーンや、嵐の中で風に舞いながら空中で戦闘を繰り広げるといったシーンも含まれていた。実際のゲームプレイで、竜巻の中に入って戦うといった状況がどれだけ発生するのかまではわからないが、通常のエクストラクションシューターよりも、エキサイティングなバトルが楽しめるものとなっていることは間違いない。

「EXOBORNE」で目指したのは遊びやすいゲーム

 オープンワールドの対人戦、それも難易度が高そうな印象があるエクストラクションシューターということもあり、どうしても初心者はプレイすること自体に躊躇してしまうかもしれない。しかし、Sharkmobのクリエイティブ・ディレクター兼共同設立者のペター・マンネルフェルト氏によると、本作で目指しているのはアプローチしやすいゲームだという。

 それは簡単という意味ではなく、ゲーム自体は簡単に始めることができるが、マスターするのは難しいという奥深い要素を持っているという意味だ。本作はオープンワールドだが、RPGなどストーリーが決められているわけではなく自分自身が何をやりたいのかも決めることができる。たとえば、スカベンジするといった要素も本作ではかなり重要な位置を占めているが、何を奪ってきてそれで何を作り出すかといったことも、自分で決めながらプレイしていくことになるのだ。

 特にゲームを始めたばかりのプレーヤーへの配慮として、最初のうちは他のプレーヤーとはあまり出会わないようになっている。あくまでもゲームとしてのとっつきやすさを重視しており、最高のPvPではないかもしれないが楽しい作品になることを目指しているのである。

 本作のホーム画面では、様々な要素が用意されている。こちらでは、武器の作成や「エグゾ・リグ」のカスタマイズなどが行えるほか、ミッションを選んで挑んでいくこともできる。ちなみに公開イベントや、プレーヤー自らが選んで挑戦するコンテンツも用意されているほか、定期的なアップデートも行われる予定だ。

 プレイスタイルにもよるが、1ゲーム辺り平均で15分~30分ほどでサクッと遊ぶことができるため、たとえ失敗したとしても、すぐ次のゲームに挑んでいくことができるお手軽さも魅力だ。まだまだ情報が少ないため全貌が見えにくいところもあるが、今後の続報についても注目していきたい作品である。