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2月14日開催、USJ「ドラえもん 4-D アート・アドベンチャー ~のび太の絵画世界物語~」レポート

子どもたちにアートを楽しむ自由な心を。アトラクションに込めた想いとモザイクアート

【ドラえもん 4-D アート・アドベンチャー ~のび太の絵世界物語~】

開催期間:2月14日~8月17日

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは2月14日より8月17日まで、「ドラえもん 4-D アート・アドベンチャー ~のび太の絵画世界物語~」を開催する。2月13日には、オープニングセレモニーとメディア向けの体験会が行なわれたので、その様子をお届けしたい。

オリジナルストーリーが展開する「ドラえもん 4-D アート・アドベンチャー」

 「ドラえもん 4-D アート・アドベンチャー ~のび太の絵画世界物語~」は、USJとしては4回目となる「ドラえもん」とのコラボ。今回は、「映画ドラえもん」シリーズ45周年記念最新作「映画ドラえもん のび太の絵画世界物語」とコラボしている。

 「映画ドラえもん のび太の絵画世界物語」は絵の世界に描かれた壮大な中世ヨーロッパの世界に飛び込み、ドラえもんとのび太たちが大冒険を繰り広げるハラハラドキドキの作品。4-Dシネマも美術館を舞台に、絵の世界を探検するオリジナルストーリーが展開する。

3Dグラスをかけると、キャラクターが間近に迫ってくる

 美術館を訪れたドラえもん、のび太、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫の5人は、このアトラクションのために考案された新たなひみつ道具を使って、絵の中に入って冒険する。もちろん観客も「いっしょパウダー」の力で同行できる。

 ストーリー内には3つの絵が登場し、4-Dシアターならではの立体視や、座席の振動、様々なエフェクトを駆使して、ドラえもんたちと一緒に絵の世界を探検する。絵の中では「映画ドラえもん のび太の絵画世界物語」の登場人物であるクレア、チャイ、マイロらにも出会うことができる。

シアターの正面ではドラえもんたちが出迎えてくれる
プレショーの部屋も美術館風の装飾になっている
正面には仲間たちを探すキャラクターが1人ずつ現れる

 シアターで開催されたオープニングセレモニーには、大阪市内の子供たち約50人が招待されており、アトラクションを体験した後、現れたドラえもんとともに開催を宣言した。どらえもんが子どもたちにアトラクションの感想を尋ねると、ひみつ道具のひとつ「空気クレヨンデラックス」が好きになった、ドラえもんと一緒に絵の中に入れて楽しかったとそれぞれに感想を口にしていた。

どらえもんと招待された子どもたち
子どもたちがアトラクションの感想を一生懸命言葉にしていた
最後は全員で開幕を宣言

 ユー・エス・ジェイのエンターテイメント・クリエイティブ部アートディレクターのマリッサ・ガーナー氏によると、このアトラクションで最も特筆したいのは、長制限がないため小さな子どもが参加しやすいということだそうだ。

 さらに、身長が低い子どもでもキャラクターがちゃんと見えるように何度もテストを重ねたり、座席の動きを少し抑え気味にするなど、「ドラえもん」が大好きな未就学年齢の子どもたちが楽しめるように工夫されているそうだ。

マリッサ・ガーナ―氏(右)と、廣畑直子氏(左)

 ガーナー氏は、アトラクションと同時に、特別授業「ART HAS NO LIMIT!」の CSR活動にも取り組んでいる。この特別授業は、未来を担う子どもたちに対して、パークが掲げる「NO LIMIT!(限界を設けない)」精神で、より豊 かな創造性を育んでいただきたいと願う気持ちから、“アート”をテーマに大阪市内の小学校や特別支援学級、 小児病棟などの子どもたちへ行なった特別授業。

 ガーナー氏の講義が収録されたDVDをベースに、先生や保育士さんたちが子どもたちのお絵描きをサポートした。こちらは後述する、ドラえもんのモザイクアートとしてイベントに合わせてユニバーサルシティ駅に掲示される。

 ブランド・マーケティング部長廣畑直子氏は、「自分が世界に飛び込んでいるような感覚が味わえるコンテンツなので、お子様連れはもちろん、友達同士やカップルでも遊びに来てほしい」と語っていた。

アート教室で子どもたちが描いた絵が「ドラえもん」モザイクアートに

 USJでは社会貢献活動の一環として地元の小学校、特別支援学級、小児病棟などでアート教室を行なった。約700人の子どもたちが描いた絵は、ドラえもんのモザイクアートにしてユニバーサルシティ駅の入り口に展示されている。

 遠目にはドラえもんのイラストだが、通常のモザイクアートよりも1枚が大きく使われているので、近づくと子どもたちの絵1枚1枚を楽しむ事ができる。大阪市立総合医療センター小児科病棟副師長の鶴賀圭吾氏によると、今回のアートに使われている絵は約700枚。大阪市立総合医療センターからは、その時入院していた5歳から15歳くらいの子どもたちが参加したそうだ。テーマは特になく、それぞれ自分が描きたいものを描いている。虹がったり、ニコニコマークで埋め尽くされていたり、地球が描いてあったりと、子供の自由さやインスピレーションの豊かさを感じる。

鶴賀圭吾氏

 鶴賀氏は、「入院は子どもたちから日常を奪うような体験になっている。子どもたちにとって病院は、そこにいたくない場所だと思いますが、その中でも子供たちが唯一楽しみにしている時間は保育士さんと遊ぶ時間であったり、病気以外のことに目を向けられる瞬間で、それは本当に大事だと思っています。薬では直せないものを直す効果がエンターテイメントにはあるとすごく感じていて、少しでも子どもたちが病気から意識をそらせるような時間を作る取り組みを今後もしていきたいと思っています」と、この活動の意義を語ってくれた。

ドラえもんを拡大していくと、子どもたちが描いた絵になる

新フード試食レビュー。絵画のようにカラフルなプレートはどれも子どもも楽しめる優しい味

 アトラクションに合わせて、新作グッズやフードも多数登場する。グッズについては詳細はnのレポートを参照して欲しい。フードメニュは、スタジオ・スターズレストラン、シネマ 4-D ストア前フードカート、ステージ22前ポップコーンカートにお目見えする。スタジオ・スターズ・レストランでは、2種類のプレートや、キッズプレート、デザートが食べられる。

スタジオ・スターズレストランのメニューとポップコーンバケツ
筆者が試食したのは「絵かきドラえもんのふわとろオムレツ&ハンバーグプレート」

 「絵かきドラえもんのふわとろオムレツ&ハンバーグプレート」は、オムレツ、ラタトゥユ、フライドポテト、ハンバーグがパレットに出した絵具のように並んだ優しい味わいの一皿。グリッシーニとクリームチーズで作った筆が添えられており、見ているだけで楽しい気持ちになる。

 「のび太のらくがき?!ダブルカレープレート」は、キーマカレーとスパイスカレーの上に、のび太と鉛筆が添えられたプレート。スパイスカレーといっても辛くはないので、辛いものが苦手な子どもでも安心して食べることができる。

 デザートは「ドラえもんのわくわく!チョコ&ぶどうパフェ」と「ドラえもんのカラフルペイント・レアチーズケーキ」の2種。パフェは小さな板チョコ、マーブルチョコ、星のスプレッドにチョコチップクッキーとまるでチョコのおもちゃ箱といった贅沢な見た目。白いバニラクリームの下にもホワイトチョコが隠れている。クリームの下には甘いぶどうゼリーと、ブドウの実が入っている。レアチーズケーキは、パレット型のクッキーとイチゴクリーム、果物が添えられた、一足早い春を感じさせるカラフルなデザート。

 また、ホログラム加工でドラえもんたちが浮いて見える「ドラえもん 3D ドリンクカップ」はしっかりした作りなので、持ち帰って使うことができる。

パフェはかなりのボリューム。色々な味と形で楽しませてくれる

 フードカートのストリートフードは、ドラえもんの青色をイメージした「ドラえもん チュリトス ~あんバター~」。チュリトスにかかっている砂糖も青色をしている。「ドラえもん ボロネーゼ&チーズまん」は、映画の舞台となる中世ヨーロッパを感じさせるイタリアン味のどらえもん型まん。

 ステージ22前のポップコーンカートでは、絵筆を持ったかわいい「絵描きどらえもんのポップコーンバケツ」が販売される。

ストリートフード勢ぞろい
シアター前のフードカート

ドラえもんたちとの冒険を通じて、自由に絵を描く楽しさを

 今回、オープニングセレモニーに参加した子供たち。見知らぬ大人に囲まれて、多くのカメラマンから砲台のようなレンズを向けられて、緊張している様子が見えたが、ドラえもんが現れると一気にテンションが上がり、なんとか触ろうと一生懸命手を伸ばしている姿がほほえましかった。

 「映画どらえもん」の第1作「のび太の恐竜」が公開されたのは1980年。45周年を迎えた今、ほぼすべての現役世代が、幼少期にワクワクしながら「ドラえもん」を見たり、読んだりしていたはずだ。その気持ちは今の子どもたちも変わらない。

 小さな子どももその保護者も一緒に楽しむことができる 「ドラえもん 4-D アート・アドベンチャー ~のび太の絵画世界物語~」。春休みから夏休みまで、USJを訪れる機会があればぜひドラえもんたちと一緒に不思議な冒険を体感して欲しい。