【特別企画】

「究極タイガー」が稼働36周年! ショットとボンバーで敵を撃ちまくる、歴史に残る傑作シューティング

【究極タイガー】

1987年11月 稼働開始

 東亜プランが開発し、タイトーが1987年11月に発売したアーケード用シューティングゲーム「究極タイガー」が2023年11月で36周年を迎えた。

 本作は、8方向レバーで自機のヘリ「バトル・タイガー」を操作し、ショットとボンバーで敵を倒していく縦スクロールシューティングゲーム。シンプルでわかりやすいルールと、敵の戦車や戦闘機、各ステージの最後に出現する巨大なボスキャラと戦える爽快感の高さも相まって人気を博した。

 以下、本稿では、かつて全国各地のゲームセンターを彩り、多くのプレイヤーを虜にした、数あるシューティングゲームの中でも屈指の名作の魅力を、筆者の体験も交えつつ改めて振り返ってみよう。

【「究極タイガー」ゲーム画面】
※写真はイーグレットツー ミニ版(以下同)

何度遊んでも不思議と飽きない、並外れた爽快感の高さは特筆に値

 本作は、同じく東亜プランが開発し、1985年に発売された「タイガーヘリ」と、1987年(3月)に発売された「飛翔鮫」と同様に、ショットとボンバーを装備した自機を操作して敵と戦うシューティングゲームだが、あらゆる面で、さらなる進化を遂げた。

 通称「アイテムキャリア―」と呼ばれる敵などを倒すと出現するパワーアップアイテムを取ると、自機のショットが少しずつパワーアップするのに加え、本作では4色に変化する武器選択アイテムを取ることでショット性能が変わるようになった。アイテムが赤のときに取ると前方へのショット(※初期装備と同じ)に、緑を取るとレーザー状の縦長のショットに変わり、青は扇型に広がるショット、黄色は上下左右の十字型にショットを放つようになる。特に青のショットは、パワーアップさせると広範囲の敵をいっぺんに攻撃できるのですこぶる快感だ。

 轟音とともに爆風が発生して敵に大ダメージを与え、なおかつ敵弾をも一瞬にして消し去る、ボンバーを放ったときの爽快感も格別。敵や敵弾に囲まれたときのお助けアイテムとして使えるのはもちろん、対ボス戦などでは爆風が発生中に敵に接近してショットを撃ち込み、一気に大ダメージを与えることも可能。ボンバーは3発しか使えない(※アイテムを取ればストックを増やすことが可能)ので、いざというときに備えて温存しようと思いつつ、途中でミスをしたときは非常に悔しくなるが、何回やられても「チクショウ、もう1回!」と、ついつい夢中になってしまうほど、本作は中毒性が極めて高い。

当時のシューティングゲームの定番システム。「アイテムキャリア―」を倒すとアイテムが出現し、写真の「S」マークを取るとショットが1段階ずつパワーアップする
出現後、一定時間ごとに赤、黄、青、緑の4色に変化する武器選択アイテム。写真は青のワイドショット型に換装したところ
対ボス戦で絶大な威力を発揮するボンバー。ド派手な爆発音と爆風が生み出す快感は、何回遊んでも飽きがこない

「究極」の看板に偽りナシの面白さ。サウンドの素晴らしさも特筆に値

 筆者が本作を最初に見たのは、おそらく稼働を開始してから間もない1987年末。場所はタイトー系のゲーセンで、誰かがプレイしている最中に偶然目に入ったと記憶している。敵軍の施設と思しき飛行場や港、あるいは洋上などを舞台に、敵のヘリや戦車、戦闘機、軍艦などが次々と出現する、その迫力とカッコ良さに瞬く間に魅了されてしまった。「このゲームの名前は何ていうのかな?」と、インストカードにふと目を向けたら、実に力強い漢字で「究極」と書かれていたので「何ちゅうタイトルだよ!」と思ったことを今なお鮮明に覚えている。

 自身で本作を遊び始めてからも「次の場面では、どんな敵が出てくるのかな?」と毎回ワクワク感が止まらず、何回プレイしてもまったく飽きることがなかった。また、本作の自機は「飛翔鮫」と同様に「移動速度が遅いなあ……」と思ったことも印象に残っているが、何度か遊んでいるうちに不思議と違和感がなくなった。場面によっては、自機の背後や至近距離からザコ戦車が突然出現し、高速弾を撃ってくるのも本作ならではの特徴だが、そんな敵の奇襲を紙一重でかわしたときも実に気持ちが良かった。

 今月で発売から干支が3周も経過したにもかかわらず、今でも飽きることなく楽しめるのは、本作の完成度が高い何よりの証拠だろう。

ザコと言えども油断は禁物。アイテム類に釣られてうっかり見落とすと、いきなり弾を撃ってくる「スナイパー」が随所に潜んでいる
先のステージに進むと、背後から大型の敵が出現する場面も登場する

 各ステージでそれぞれ異なるBGM(※全5曲)の素晴らしさも、本作を語るるうえでは絶対に外せない超重要ポイントだ。

 あくまで筆者の私見だが、オープニング曲~1面BGMのイントロにつながる場面からいきなり元気ハツラツで、まだ敵が1機も出現していないうちからプレイヤーのテンションを上げまくる。2面のBGMは、1面とはメロディもリズムもまったく異なり、徐々に敵軍の攻勢が強まることをプレイヤーに印象付けるような曲になっている。3面は、広い海原を経て敵軍の港へと乗り込む舞台に、まさにピッタリの軽快な曲だ。

 4面のBGMは「津軽じょんがら節」をほうふつとさせる、その名も「TSUGARU」で、これまたプレイしていてテンションが上がりまくる。そして5面のBGMは、いかにも敵軍の中枢に迫り、クライマックスの場面がやって来ることを想起させる、これまた見事な曲だ。筆者は「お仕事中BGM」として、1988年に発売された本作の曲が収録されたアルバム「究極タイガー -G.S.M.TAITO 2-」を、今でもときどき聴くほど大のお気に入りだ。

 現在でも、本作はタイトーから発売中の復刻ゲーム機「イーグレットツー ミニ」、エムツーから発売中のNintendo SwitchおよびPS4用ソフト「究極タイガーヘリ」でプレイすることができる。どちらも連射ボタンやプレイデータのセーブ機能などの便利機能が搭載されているので、ノリノリのBGMを聴きつつ、日頃のストレス解消、あるいはハイスコアの更新にぜひチャレンジしていただきい。

□PS4版「究極タイガーヘリ」のページ
□Switch版「究極タイガーヘリ」のページ