【特別企画】

新要素・BPで攻防に大きな変化が!? 話題沸騰中の「GBVSR」プレスイベントレポート&ディレクターインタビュー

【Granblue Fantasy Versus: Rising】

11月30日 発売予定

価格:6,600円~

 Cygamesは、長い歴史と多くのファンを持つ「グランブルーファンタジー」を題材とした対戦格闘ゲーム「Granblue Fantasy Versus: Rising(以下「GBVSR」)」の発売を11月30日に予定している。

 本作は前作にあたる「Granblue Fantasy Versus(以下「GBVS」)」のゲーム性を継承しつつ、新たな要素「BP(ブレイブリーポイント)」を活用した「レイジングストライク」や「ブレイブカウンター」による今までに無い駆け引き、多数の人気キャラクターの追加プレイアブル化、オンラインロビーの強化に加え、格ゲーとは別に遊べるパーティーゲームの追加など、単純なアップデートでは無く新作として発売するに相応しい多くの追加要素が魅力となっている。

 今回はそんな本作のβテスト同等のオフラインバージョンをプレイしつつ、本作のクリエイティブディレクターを務める福原氏にインタビューできるプレスイベントに参加した。改めて本作を触った所感とインタビューから判明した福原氏の考えについて触れていきたいと思う。

【『GRANBLUE FANTASY: Versus -RISING-』#01 ティザートレーラー】

 「GBVSR」を語る上でまず欠かせないのが前作「GBVS」から継承されるゲーム性とコンセプトだ。原作「グランブルーファンタジー」の魅力的なキャラクター達を起用しつつ、スマホRPGの中では表現できなかったカッコいいアクションを2D対戦格闘ゲームとして実現。加えて、数ある格ゲーと比べて初心者でも楽しくプレイできる事に注力された操作方法やアクション性を取り入れている点が大きな特徴となっている。その上で格闘ゲームとしての読み合い要素や、キャラクター毎の特徴を再現したバトルスタイル等もしっかり押さえ、原作ファンと格闘ゲームファンの双方から楽しまれているタイトルと言えるのだ。

コマンドバトルを前提とした原作では見られないようなバトルアクションを実現したシリーズ最初の作品と言っても過言ではなく、キャラクターの特徴を押さえた各々のバトルスタイルも際立っていて非常に完成度が高い
筆者的には色々とネタキャラにされる「ローアイン」ですら前作で解釈一致のモーションをしっかり実現していた事で、相当な愛を持って作られた作品なんだろうなと感じている
近年の格闘ゲームでは多くの作品に取り入れられているボタン連打だけで簡易的なコンボに繋がるサポート機能に加え、いわゆるコマンド技が「特定ボタン+方向キー」の簡易入力でも発動するシステムだった事で初心者でも難なく楽しめる作品となっていた

 そして今作「GBVSR」ではそんな前作の特徴を引き継ぎつつ、ゲーム体験を進化させる新要素が数多く追加されている。その最たるモノが「ブレイブリーポイント(以下、BP)」を活用したアクションの数々だ。今作のバトルでは開始時から「BP」と呼ばれるポイントを3つ保有している状態でスタートとなり、この「BP」を消費する事で発動できる強力なアクションが用意されている。

 相手のガードをクラッシュさせるか、さらなるコンボに繋ぐ事が可能な「レイジングストライク」と「レイジングチェイン」、ガード中またはガードクラッシュ状態から相手を無理やり吹っ飛ばして仕切り直しを狙える「ブレイブカウンター」が主な「BP」を使用するアクションとなり、どちらも今作の攻防を支える重要なシステムだ。「BP」は消費したら回復しない等の独特な仕様とも相まって、今作ならではの駆け引きが新たに生まれる大きな要因となっている。

「レイジングストライク」はガードクラッシュさせながら相手の「BP」を減らすため、相手に避けられさえしなければ大きく有利をとれるアクションとなる
「レイジングチェイン」も追加で奥義ゲージを消費するというコストはあるが、コンボを繋げて連続で大ダメージを狙えるシステムとなっているため、全体的に攻撃性がバリバリに上がるシステムが導入されたと言える
上記の攻撃性を牽制するために一緒に導入されたと言っても過言ではないのがこの「ブレイブカウンター」だ。いわゆる「ガーキャン」に近い感覚で運用が可能だが、接近戦を嫌うキャラクター等は無理やり相手と距離を取れる手段を実質3回得たようにも感じ、攻めに「BP」を使うよりこちらを優先する戦略も考えられる。どのように「BP」を運用するかがキャラクター毎に変わりそうで楽しめるシステムだ

 さらにド派手な新要素として忘れちゃいけないのが「アルティメットアビリティ」の存在だ。各キャラクター毎に持つアビリティ(必殺技)を強化して放てるシステムとなり、演出が派手になるだけでなく威力の向上や相手をスロー状態にする共通効果、さらには技によっては無敵時間の追加や有利フレームを取れるようになるなど、バトルの立ち回りに強い影響を与える新要素となっている。

 前述した「レイジングストライク」や「レイジングチェイン」の追加と合わせて考えると相手へプレッシャーを掛ける選択肢が大幅に増え、今作は全体的にアクティブに攻撃を狙うプレーヤーがしっかり有利状況を作れるようなシステムを構築している印象だ。

公式にて取り上げられた一番オーソドックスなグランの「レギンレイヴ」を例にすると、威力の高い飛び道具を発射できるだけでなく弾の打ち合いになった際にスロー効果で相手より先撃ちができる事で撃ち勝ちやすくなる事が確認できる。本来撃ち勝てない技のぶつかり合いでも「アルティメットアビリティ」に変化させる事で勝てる機会ができるなど、技の読み合いもさらにハイレベルになりそうだ

 他にも新たな攻撃の始動として使えそうな「ダッシュ攻撃」の追加や、ボタン連打による簡易コンボのフィニッシュを下段かオーバーヘッド(中段)に派生させる事ができるようになる、細かな部分でもアクションが追加されている。ここまで取り上げた追加アクションだけでもプレイの変化を楽しめそうだが、そこに加えて逆に「オーバーヘッドアタック」や「タクティカルムーヴ」など前作から姿を消したアクションも幾つか存在しており、ただのアップデートではなく新タイトルとして一新されゲーム性の変化はかなり凄まじい印象だ。既存プレーヤーは新しい気持ちで楽しめつつ、新規プレーヤーは前作のプレイ経験が必須にならず、逆に遊びやすいと言えるのは良いポイントだと考えられる。

「ダッシュ攻撃」をコンボ始動とできるキャラクターは間合いを詰める選択肢として扱えるが、既存のシステム内でもできるダッシュ小パンとどう使い分けるか、キャラクターの操作性によっては「ダッシュ攻撃」が暴発しないように注意する必要があったりなど、自分のプレイ次第で色々と使いどころを見極めが必要な要素
「新トリプルアタック」と紹介されるボタン連打コンボのフィニッシュ変更は簡単な操作で相手に択を迫れる点が優秀だが、そこからのコンボ継続が難しい点がネックではある。あと少し削るだけで良い場面の安全な攻撃の選択肢や押し込みプランとして活躍が見込めるか……?

 アクション以外の進化も凄まじく、「オンラインロビー」では前作よりも遥かに拡大したエリアの中で他のプレーヤーと対戦や交流ができ、さらには格闘ゲームとは全く関係ない数々のパーティーゲームをプレイできる「ぐらぶるレジェンドバトルっ!」なるコンテンツも追加されている。

 こちらもかなり本格的なゲームでありながら、プレーヤーに何かしらの報酬が出る形になっているため、ただの息抜きとして遊ぶのも良いし逆にパーティゲームを極めてトップを目指すのも面白いだろう。今作からプラットフォームを超えたクロスプレイが可能になった事も後押しし、前作に比べてゲーム全体でプレーヤー間のコミュニケーションをさらに深められる土台をしっかり作り上げている印象だ。

2頭身のアバターキャラを操作してオンラインロビーを駆け巡ったり、パーティゲームで競い合っている可愛らしい姿が確認できる
対戦で敗北し荒んだ心も、ロビーに帰ってきて可愛いアバターで友人と交流したり息抜きにパーティーゲームを遊べば意外と癒えてしまうかも……!?

 さらに新作の気になる新キャラクターだが、現状だけでも4名追加されることが決まっており「ストーリーモード」では前作のストーリーに“加えて”新たな章が追加される。新キャラクターを含めた多くのキャラクター達の新たな活躍を楽しむことができるだろう。

 格闘ゲームとしてのプレイ体験の変化と進化、ゲームの土台となるオンラインプレイ環境の再構築、ストーリーやキャラクター追加による世界観の掘り下げ等々、見事に「グラブル」ファンと格ゲーファンの両方の層をしっかり満足させる気概を感じるような、新タイトルとして打ち出すに相応しいコンテンツ量だなと筆者は感じている。

前作で登場した24名のキャラクターに加えて現状でもプラス4名。さらには追加DLC等で増えていく事も考えると総キャラクター数にもかなり期待できる!
ストーリーモードも増えたキャラクターによって厚みが増す事で、より原作の物語を追体験できる仕上がりになっている事だろう

 次のページでは新たに追加される「BP」についてや、βテストでのフィードバックを受けた考えなどをクリエイティブディレクター福原氏に伺ったインタビューの模様を紹介する。