【特別企画】

うまぴょいもできる! リアル脱出ゲーム×ウマ娘「勝利出来ないレースからの脱出」体験レポート

トレーナーの苦労を肌で感じるリアル謎解きゲームに挑戦

【リアル脱出ゲーム×ウマ娘プリティーダービー】

9月7日~12月3日

会場:東京ミステリーサーカス4F ヒミツキチラボ(小ホール)

12月7日~2024年1月8日

会場:リアル脱出ゲーム名古屋店

2024年2月1日~2024年4月7日

会場:リアル脱出ゲーム大阪心斎橋店

料金:3,300円~

 9月7日より開催されている「リアル脱出ゲーム×ウマ娘プリティーダービー 勝利出来ないレースからの脱出」は、SCRAPが展開する「リアル脱出ゲーム」と、Cygamesが配信するAndroid/iOS/PC用育成シミュレーションゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」がコラボした謎解きアトラクションだ。

 参加料金は3,300円~で、12月3日までは東京ミステリーサーカス4F ヒミツキチラボ(小ホール)にて行なわれ、その後は名古屋や大阪のリアル脱出ゲーム支店でも順次展開予定となっている。

 今回は関係者向けに公開された事前体験会に参加する機会を得て実際にプレイしてきたので、その時の模様をレポートしていきたい。

新宿歌舞伎町にある「東京ミステリーサーカス」
現在、東京ミステリーサーカスにて開催中のアトラクション一覧

超高難度の謎解きアトラクション「リアル脱出ゲーム」

 「リアル脱出ゲーム」とはSCRAPが展開する体験型の謎解きアトラクションだ。2004年頃に発表されてインターネット上で話題になったいわゆる「脱出ゲーム」のフォーマットを、そのまま現実世界で遊ぶように誕生させたのが「リアル脱出ゲーム」とのことだ。

 未体験者には具体的な説明が難しい「リアル脱出ゲーム」だが、アクション的な要素はなく、提示された謎を閃きで解きながらゴールを目指すというのが基本スタイルだ。体を動かす場合もあるが、ダッシュしたりジャンプしたりといった負荷の高いアクションはむしろNGで、あくまでも知恵と閃きでゴールを目指すところがポイントだ。

 同社の展開する「リアル脱出ゲーム」はオリジナル作品なども用意されているが、アニメや漫画、ゲームなどとコラボした作品も多数あるのが面白いところ。

 例えば筆者が実際に参加したものでは、「名探偵コナン」とコラボした「公安最終試験からの脱出」や、「HUNTER×HUNTER」とコラボした「ハンター試験からの脱出」などがある。いずれの謎もアトラクション終了時に全ての答え合わせをしてくれるわけだが、答えを知ってしまうと、なるほど! となる物ばかりで、原則として理不尽な謎が提示される事は少ない。ただ、限られた時間の中でそのポイントに着目できるか、という正に「閃き」がクリアにおいては非常に重要なポイントとなる。

 今回の「リアル脱出ゲーム×ウマ娘プリティーダービー 勝利出来ないレースからの脱出」ではどのような閃きが必要になるのだろうか。今回のゲームでは1チーム最大4人での参加が必要となる。そのため、1人での参加者は他のチームと合同で行なう場合もある。今回はGAME Watch編集部として筆者1人で参加したため、他誌の編集部と合同でゲームに挑むことになった。

ヒミツキチラボ(小ホール)入口にはグッズの展示などがある
ウマ娘ゲーム内でも今回のコラボを記念したログインボーナスが配布されていた。ありがとうありがとう!

トレーナーとしてスペシャルウィークを鍛え上げよう!

 今回の「リアル脱出ゲーム×ウマ娘プリティーダービー 勝利出来ないレースからの脱出」では、正にゲームやアニメ1期を知る人ならすぐに状況が理解できるシンプルなストーリーだ。舞台は「ウィッシュスター杯」と呼ばれるエキジビジョンレース。その年最も輝いた1人のウマ娘と、その選ばれしウマ娘との名勝負が期待されるウマ娘たちがファン投票によって選出されるというもので、今年は「サイレンススズカ」が最も輝いたウマ娘に選出された。

 ファン投票では「スペシャルウィーク」も選出されたため、仲良しでもありライバルでもある2人は「ウィッシュスター杯」で同じレースに挑むことができるようになったわけだが、そのタイミングでメイントレーナーはなんと海外出張に行ってしまい、トレーニングが行なえないという事態に陥ってしまった。

 残された2か月の期間、「ウィッシュスター杯」に挑むべくトレーニングを行なうサイレンススズカとスペシャルウィークだが、サイレンススズカはメイントレーナーがいないなら自分でトレーニングを行なうという。そこで残された2か月の期間、まだ見習いのサブトレーナーである参加者たちがメイントレーナーの代わりとなって、スペシャルウィークをトレーニングすることになった。

 はたしてサブトレーナーたちはスペシャルウィークを鍛え上げて、サイレンススズカに勝てるのか、夢のレースへの挑戦が、今スタートする!

今回はベテランの先輩トレーナーに扮すMCが序盤のストーリーを進める

 ということで、ゲームが開始すると会場はトレセン学園へと変化し、会場内のスタッフたちはいずれもトレセン学園の職員に変化する。物語を進行するMC役は前述のメイントレーナーであり、我々参加者たちの先輩といった役回りとなる。

 会場の前面には巨大なスクリーンが配置され、ここでオープニングの映像やプロローグのストーリーなどが実際のウマ娘たちの映像と音声によって進められる。イベントのために録り下ろされたオリジナル音声が収録されており、懐かしさもありつつ新鮮な気持ちを感じられる。

 会場には複数の机が配置されており、ここがサブトレーナーテーブルという設定。そして、参加者たちの作業机でもある。実際の謎解きも基本的には全てこの机上で行なう。専用ソフトがインストールされたタブレットで最新鋭レースシミュレーター「VRウマレーター」を起動してウマ娘たちのステータスをチェックしたり、ウマ娘たちとSNSを使ったコミュニケーションを取りながら情報を集めたりと、ほどよくデジタル機器を活用する必要がある点がポイントの1つだ。

 また、サブトレーナーテーブルにはトレーニングのスケジュールを管理するための専用ホワイトボードなど、ウマ娘トレーナーが実際にゲーム内でも使いそうな小道具の数々がきっちり作りこまれており、リアルなトレーナー気分が味わえるようになっている。

 会場内にはサブトレーナーたちの部屋以外にもトレーニングルームやメインのトレーナー室、ウマ娘たちが授業を行なっている教室なども用意されている。サブトレーナーたちの謎解きは原則としてデスクワークながら、これらの部屋にいく“用事”がある場合のみ、そこに直接向かって職員に用件を伝えることで、謎解きが展開していく。

会場の様子。参加者はサブトレーナーテーブル、という名の指定のテーブルスペースに着席して謎を解いていく
会場全景図。教室やトレーニングルーム、メイントレーナー室などが会場各所に配置されており、必要がある時のみそこに行って謎解きを進めていく
トレーニングルームもかなりちゃんと再現されていた
サブトレーナーたちはチームごとに割り当てられたタブレットを駆使して謎を解いていく

 他にも会場の壁には各所に「ウィッシュスター杯」のポスターが掲示されている。実際に「ウィッシュスター杯」が開催されるならこうしたポスターが貼られるだろうなぁ、と思わせる精巧な仕上げになっており、今回参加予定のウマ娘が全て確認できるようになっているのが面白い。

会場の壁には「ウィッシュスター杯」に出走するウマ娘たちが2人ずつキャッチコピーと合わせて紹介されている。全員分用意されており、そのポスターの完成度にはウマ娘好きも納得の仕上がりだ

挑戦失敗!悔しすぎて夜しか寝られない!

 最初に結論を言ってしまおう。今回、筆者含む3人で編成したサブトレーナー軍団だったが、「リアル脱出ゲーム」の経験者ばかりだったにも関わらず、残念ながら挑戦には失敗してしまった。時間切れだ。途中の謎で時間をかけすぎてしまい、最後の謎にまで到達できなかったのである。

 なお、本公演ではどうしても謎が分からない! という参加者向けにヒントが書かれたヒントキットも用意されている。もちろんいきなり読んでしまうのは謎解きがメインの本アトラクションにおいては勿体ないので、先ずはフルに頭をこき使い、どうしても分からん、というタイミングでヒントを見るのがいいだろう。時間制限を設けるなどの方法も有効かもしれない。

 ちなみに事前体験会に参加した全11チームのうちクリアできたのは僅かに2チーム。いかに本アトラクションの難易度が高いかが伝わるだろうか。

 トレーニング終了後は、メイントレーナーから謎の答えについても全て語られる。仲間たちと悔しさを噛み締めながら全ての回答を見終えると、続いてウィッシュスター杯のレースが行なわれるわけだが、こちらも専用のレース映像が用意されていた。

 個人的にはアニメの演出の凄さをゲームのレース映像に追加したような、ハイブリッドながら最高のレース映像の1つに仕上がっているようにも感じられて、かなり熱くなった。

 レース終了後は、サイレンススズカとスペシャルウィークとの挨拶を経て、最後はみんな大好き「うまぴょい伝説」をスクリーンで堪能できる。しかもライブの雰囲気を味わうために、簡易的な単色「ウマブレード」も用意されており、トレセン学園だった会場はさながらライブ会場に変貌を遂げる。リアルなライブ参加者ばっかりがここに集まったら会場が大変な事になりそうだ。

 ということで一通りのゲームを終えると、参加者が撮影してOKの画面に切り替わる。この画面については撮影してX(Twitter)などのSNSへの投稿が許可されている。終了後に参加者たちが写真を撮り合ったりする光景もほのぼのしていて、楽しいひと時だ。

前面のディスプレイにはウマ娘たちの新規映像が流れ、このリアル脱出ゲームのために録り下ろした音声が使われる
各サブトレーナーたちの机に置かれたアイテムの中にはヒントキットも用意されている。使うか使わないかも含めてチーム内でちゃんと話し合って使おう
レース映像も今回のために新たに作成されたオリジナル映像だ
レース終了後は「うまぴょい伝説」のライブ映像も楽しめる。こちらも「ウィッシュスター杯」の出走メンバーで編成されたオリジナル映像のようだ。各サブトレーナーたちの机には予め簡易ウマブレード(ピンク)が用意されているので、ライブの雰囲気まで満喫できる
なおこのウマブレードは謎解きには一切使用しない
終了後は会場内に設置のスクリーンやディスプレイ上にこうした画面が表示される。こちらは参加者も撮影OKとなっており、撮影後は自由にSNSなどで投稿OKとなっている

物販も楽しい!豊富なオリジナルグッズも用意

 実際のアトラクション会場は東京ミステリーサーカス4Fのヒミツキチラボ(小ホール)だが、東京ミステリーサーカスの1階は総合受付と飲食スペース、そして物販スペースが用意されており、開催中のアトラクションにちなんだグッズ類が多く販売されている。筆者は過去に参加したリアル脱出ゲームにおいても、毎回何かしらのグッズを購入しているほどで、個人的には物販のオリジナルグッズの出来も楽しみの1つとなっている。

会場に貼られていたオリジナルグッズのお品書き
イベントに参加してグッズを購入、SNSに投稿する事でオリジナルグッズが貰える「スタンプラリー」も行なわれている様子。詳しくはイベント特設サイトなどをチェックしてほしい
フードコートでフードまたはドリンクを購入することでオリジナルコースター配布サービスもやってるようだ。詳しくは会場でチェック!

 今回の「リアル脱出ゲーム×ウマ娘プリティーダービー 勝利出来ないレースからの脱出」についても、おまけの謎が同梱された「謎付きクリアファイル」としてスペシャルウィークとサイレンススズカの描きおろしイラストが描かれたクリアファイルを用意。個々に買うと各1,000円だが、3種類セットでは、単品購入できないもう1枚のイラストの物が用意されているため、3種セットがお得だ。

 また、脱出成功/失敗のかわいいイラスト付きステッカーが各500円、紙のメモを立ちながら使う場合などに重宝するA4サイズのクリップボードは2,000円、トートバッグは1,500円でどちらもオリジナルのデフォルメイラストが描かれており、筆者は今回トートバッグを購入した。イラストのかわいさもさる事ながら、幅360㎜×高さ370㎜とかなり大型のトートバッグとなっており、作りもかなりしっかりしているので、多方面で安心して使う事ができそうだ。

 今回のウィッシュスター杯出走ウマ娘たちの缶バッジがそれぞれ500円で全10種類。チャーム付きキーホルダーは全8種類で各900円。ただし、これらはランダム販売のため、全種類制覇しようとすると財布がヤバいことになりそうだ。

 他にもパスケースが1,500円、B2サイズの記念ポスターが800円、記念ピンバッジが1,300円、アクリルスタンドがスペシャルウィークとサイレンススズカそれぞれ各1,500円となっている。

物販の展示コーナー
筆者が購入したトートバッグ。作りもかなりしっかりしていていい感じ

原作の魅力が伝わりやすい、さすがのシナリオ

 以上、簡単に「リアル脱出ゲーム×ウマ娘プリティーダービー 勝利出来ないレースからの脱出」の事前体験会の様子をレポートした。繰り返しになるが、本作においてネタバレは致命傷なため、記事でも極力配慮して執筆している。

 SCRAPが展開するコラボ物の「リアル脱出ゲーム」アトラクションは、どの作品もとにかく世界観の再現が見事だ。原作に対する愛や勘どころを毎回キッチリと押さえた上でのシナリオになっているため、原作のファンが遊んだ場合に、そこに違和感を感じる事が殆どないどころか、原作以上に原作らしいエピソードが描かれており、ファンも大満足の完成度と言える。

 さらには原作を知らなかったり、あまり興味がない人がプレイした場合も、謎解き自体に原作で知っておくべき要素は皆無のため、安心してプレイできるだけでなく、原作の魅力が伝わりやすいシナリオなので、そこから原作に興味を持つ人が増える、正にWin-Winの構図と言える。

 ウマ娘をプレイしたことがない人が遊んでも「リアル脱出ゲーム」としての完成度は高く、逆にウマ娘のファンが遊べばさらに楽しめること間違いなしのアトラクションに仕上がっている。興味を持った人は1度遊んでみてはいかがだろうか。