【特別企画】
キャラクターで予習する「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」
「ブレス オブ ザ ワイルド」でのリンクやゼルダ、“英傑の子孫”の活躍を振り返る!
2023年5月3日 00:00
- 【ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム】
- 5月12日 発売予定
- 価格:
- パッケージ版 7,920円(税込)
- DL版 7,900円(税込)
5月12日、任天堂より「ゼルダの伝説」シリーズ最新作「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」が発売となる。前作「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のその後の世界を描きながら、「スクラビルド」や「ウルトラハンド」といった新たなるアイテムクリエイト要素が加わっている。
また新ガジェット「モドレコ」やNPC達と共に戦う「集団戦」などの今までにないアクション要素に加え、探索範囲が「空」にまで広がっているなど、ゲーム全体がとんでもなくパワーアップした作品となっている。要は、発売前に公開された要素を見る限りでも、気合の入り方が段違いな事が感じられるタイトルだ。
そしてファンとして最も嬉しい点は、「ブレス オブ ザ ワイルド」のクリア後の世界で生きる多くのキャラクター達に再び会いに行ける事だろう。というのも、「ブレス オブ ザ ワイルド」はゲームシステムに加えて、「ゼルダの伝説」シリーズの中でもトップレベルにキャラクター達ひとりひとりの魅力が非常に高い作品となっており、主人公「リンク」との強い繋がりや、100年という長い年月を超えたキャラクター同士のドラマ等に焦点を当てた場面が数多く存在する。
一度プレイした人であれば、自分の心にグサグサ刺さる”推し”やキャラクター同士の繋がりがひとつは見つかると言って良いほど、ストーリー性やキャラ立ちといった部分にも力が入れられた作品だと言える。本編後の世界で“今”を生きるキャラクター達がどのように生活しているのか、何なら記憶は失ったままのリンクと、やっと封印から開放されたゼルダがどのような関係になってるのか等、気になる事だらけなプレーヤーも多いだろう。
とはいえ、前作「ブレス オブ ザ ワイルド」が発売されたのは2017年のこと。最後にプレイしたのが5~6年前、というプレーヤーも少なくないのではないだろうか。
そこで今回は、「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の発売前に、PV等でも確認でき、新作でも活躍が期待できるキャラクター達の活躍を改めて振り返ってみたいと思う。
新作になってバッチリ成長した姿になっているキャラクターもいる。より「ティアーズ オブ ザ キングダム」を楽しむためにも、前作の内容を今一度振り返っておきたい。
新作でも現役バリバリ!100年に渡る災厄をうち払った勇者リンクとゼルダ姫について振り返る!
1人の“キャラクター”として活躍する「リンク」
まずは我らが主人公「リンク」についてだ。
主人公を改めて説明する事もないだろうと思われるかもしれないが、今作のリンクは「ゼルダの伝説」シリーズの中でも屈指の強いキャラクター性を持っている存在だ。プレーヤーの分身でありながらもバックボーンや来歴などを加味すると、純粋に1人のキャラクターとして愛せる存在となっている。
「ゼルダの伝説」シリーズとしては珍しく名前の変更ができなかった事も踏まえると、作り手側も1人のキャラクターとして強く見せたかった存在だったのかも、と捉えられる。
「ブレス オブ ザ ワイルド」本編では100年の眠りから目覚め、記憶を失った状態でハイラルを救う大冒険に繰り出す事になる。その旅の中で100年前の厄災や失われてしまった仲間たちの事、今もなお1人でガノンを封印し続けているゼルダの事など、彼にとって重要な記憶を徐々に思い出していく事となる。
その中では、英傑として伝説となっているかつての仲間たちの子孫やその関係者達との邂逅や交流が待っている。厄災ガノン討伐のため、リンクはハイラル中を駆け巡る事になるのだ。
「自身が1度完全な敗北を経験している」「記憶を全て失っている」「100年間眠って半ばタイムスリップしている状態」など、ストーリー上で彼に起こっている現象を並べるだけでも、十分濃いバックボーンがある。キャラクターとして、シリーズ内でもかなり奥深く考えられたリンクであることが分かる。
100年前と100年後で性格に若干の違いが見られるのも特徴で、プレーヤーが操作する事となる100年後の彼は喜怒哀楽を顔や仕草でかなりハッキリ表現しつつ、キャラクターとの会話の中で出てくる選択肢もジョーク混じりだったり天然発言が混ざっている事から、特に序盤は気さくな兄ちゃん的なイメージを持ちながら操作していたプレーヤーも少なくないと思われる。
変わって100年前のリンクは、あまり感情を表に出さない無口な青年だ。その理由も、類まれなる剣技の実力から多くの人間に注目されやすかった事で、模範的な人間であろうとした結果のもの、というしっかりしたキャラクター設定を持っている。ゼルダ姫を護衛する近衛騎士かつマスターソードに選ばれた退魔の騎士でもあった彼は非常に高い戦闘能力と強い責任感を持った人物だったのだ。
このように過去と現代でかなりギャップがあるのも愛らしいポイントなのだが、しっかりした心根や根本的な優しさ・勇敢さはそのままというファン心をくすぐる性格をしている。キャラクターのクセが各々強すぎる過去の4英傑やその意思を継いだ次世代のキャラクター達などを始めとした多くの者達と心を繋げられる、正に”The主人公”な存在として活躍したのである。
そして、「ティアーズ オブ ザ キングダム」ではそもそも彼がどのような存在になっているかがまず気になる所。厄災ガノンを退けた英雄として扱われているのか、ゼルダ姫と一緒にハイラルに居るのか、はたまたゲーム本編と同じように世界を自由に歩き回っているのか、明かされた光景が山盛りすぎて考えられる可能性は数多くある。
残念ながら平和な世界が続いている訳ではなく、再び冒険の旅に出ることになるようだが、その旅の中で「ブレス オブ ザ ワイルド」の旅路で出会った仲間たちと再会し、どのようなドラマを繰り広げるのかなども非常に楽しみな部分だ。
さらには今作より新しく右手に禍々しい力を宿しているシーンも確認できる。えらくカッコよくも感じるがそれと同時に絶対マトモな力ではなくも見える。この力によってリンクがどのように変化してしまうのかも今作の注目ポイントとなるだろう。
不遇続きすぎて幸せになってほしすぎる「ゼルダ姫」
次にメインヒロインであるゼルダ姫についてだ。正直筆者は歴代シリーズの中でも「ブレス オブ ザ ワイルド」のゼルダ姫は特に人間味が強く、その上でトップレベルに壮絶な人生を送っているキャラクターだと感じている。個人的にも歴代シリーズのゼルダの中で一番好きだったりする存在だ。
この世界におけるゼルダ姫は王家の姫が持つとされる「封印の力」を自分がいつまで経っても発現させる事ができない事にコンプレックスを持っているキャラクターとなっていて、100年前の世界ではその事を父ハイラル王に責められて落ち込んでしまったり、退魔の剣に選ばれた自分の近衛騎士であるリンクに僻みの感情を抱いて強く当たってしまったり等、人間としての弱さが色濃く描かれているのが特徴的である。
その上でせめて自分にできる事をやろうと古代遺跡の研究に力を入れたり、並行して霊力を授かる修行も続けながら王女として毅然として振舞ったりなど、自分を律する強い心も合わせ持っている事が非常に魅力的なキャラクターとなっている。
さらにはリンク達と打ち解けて来た辺りからは花を見つけて喜んだり、食用の植物やカエルを見つけた際に早口で知識を披露するなど、本来の性格である天真爛漫な可愛らしい一面を覗かせてくれるのも良すぎるポイントだ。多くの人が共感できそうな、普遍的な人間臭さを持つゼルダ姫も珍しい存在であり、そこが大きな魅力となっているのではと筆者は考えている。
ここまでも相当ハードな人生だが、厄災ガノンが復活してからがさらに悲惨であり、復活後は「封印の力」を行使できないどころか自分が研究していた古代兵器を厄災ガノンに逆に利用される形で4人の英傑や父ハイラル王を始めとした多くの仲間や民を失う事となり、この戦いの中で自分をずっと守ってくれたリンクすらもすぐ傍で失いかけてしまう。
最終的にはこのリンクの危機をきっかけに「封印の力」を発現させる事に成功するのだが、リンクの死を回避し、さらに世界を滅ぼさせないために、この先100年間ずっとガノンを封印し続ける人柱にならざるを得ない状態になってしまう。これがコンプレックスを抱えながらも必死に頑張って来た17歳の少女にする仕打ちか……? と思わずにはいられない。
100年後の世界では厄災ガノンを封印し続けながら、目覚めたリンクを導く存在となっており、プレーヤーが直接出会えるのはゲームの最終版となる。ここまで不遇続きでも折れない心でリンクを待ち続けている姿は歴代のゼルダに引けをとらないカッコいい王女になっていたと言えるだろう。
「ティアーズ オブ ザ キングダム」では前作の戦いにより長年の封印から解放され、王女として生活している姿がPV内にて確認できるが、「これは私にしかできないこと」と凛々しい表情で語るシーンや、リンクと離れ離れになるシーン等もある事からまだまだ苦難の道が続きそうだ。
装いも新たに今度は本当の意味でリンクと一緒に戦えるかもしれないと考えるとワクワクする部分がありつつも、PV内の「私を探して」という発言からも不穏な空気が漂っているため、ぜひ逆境に打ち勝って最後には幸せになってもらいたいキャラクターだ。
これが新時代の英傑なのか!? PVにて判明したリンクと共に戦う仲間たちの活躍を振り返る!
現在公開されている「ティアーズ オブ ザ キングダム」のPVには「ブレス オブ ザ ワイルド」時代にもリンクと繋がりのあるキャラクターが数多く確認できている。その中でも特に物語上特に関わりそうで、なおかつこれまでも活躍していたキャラクターについて次は取り上げていきたい。
何かある度に好感度を爆アゲしていく「シド」
まずはゾーラ族の王子(プリンス)にして4英傑の1人「ミファー」の弟である「シド」だ。個人的にだが、本作で筆者の最推しキャラクターである。語尾に「ゾ!」を着けて話すことが多く、ニカっと笑って歯を煌めかせる仕草がトレードマーク。そして若干やかましい位に暑苦しく語りかけてくるのが特徴的だ。ド派手な言動や行動、熱血漢と爽やかさをごちゃ混ぜにしたようなハツラツな性格、その上素直で裏表のない誠実な性格がどこか可愛らしくもあるキャラクターとなっている。
ただし根の部分は王族らしくしっかりしており、100年前の厄災ガノンの復活を境にハイリア人に対して偏見をや嫌悪感を示す年配のゾーラ族が多い中でも、偏見を持たずにリンクや他族の人々と接する場面が多い。
問題解決の為には王族にも関わらず矢面に立って勇敢に危険に立ち向かう姿を見せたり、問題が起こった際には冷静に対応する判断能力を発揮したりなど、多少変な性格はしているものの何かある度に好感度を爆アゲしていくキャラクターとなっている。
他にも姉である「ミファー」がリンクに想いを寄せていた事で幼いころは少し嫉妬していた事を本人に吐露したり、もし「ミファー」とリンクが結婚していたら義兄と読んでいたかもと語るなど、ストーリーの中で性格の強さや奇人ぷりだけでなく所々で弟属性も見せてくれるのもポイントが高い。
「ブレス オブ ザ ワイルド」本編では、神獣の1つである「ヴァ・ルッタ」を攻略する際に力を貸してくれるキャラクター。シド自身も暴走した「ヴァ・ルッタ」を止めるため、ゾーラ族では扱えない雷の矢を放てる協力者を求めて旅に出ていた際に、リンクと出会う事となる。その圧倒的に前向きでポジティブな性格でグイグイと物事に挑んでいく姿勢がとにかくカッコよく、リンクと連携して「ヴァ・ルッタ」と戦った際には、アクションが成功するたびにデカい声でストレートに褒めてくれるので非常に気持ち良くプレイする事ができるだろう。
総じて一緒にいて気持ちのいいキャラクターという表現が一番しっくりくるキャラクターであり、王族らしい誇りと気高さを持ちながら少し抜けている部分もある。カッコ良さと親しみやすさが丁度良く共存したようなキャラクターなのだ。ゲーム内ではその熱い性格とイケてる見た目も相まって親衛隊ができるほどであり、現実世界のプレーヤーでも彼に心を奪われて親衛隊になっている人も少なくないだろう。
公開された「ティアーズ オブ ザ キングダム」のPV内では水上ではなく新たに地上のダンジョンでリンクと共に戦っている姿が確認できる。ゾーラ族は長寿なため見た目上に大きな変化は感じないが、役割を終えて神獣から「ミファー」の魂が開放された後は王子としてどのように過ごしているかが気になるところ。
外伝にあたる「ゼルダ無双 厄災の黙示録」との繋がりもあるのなら心境的な成長にも期待できるだろう。新作でも共に戦う際には「ヴァ・ルッタ」戦の時と同様にリンクを明るく鼓舞してくれる事を期待したい。また力強い「飛べェ!」を聞きたいところだ。
気丈な振る舞いとのギャップでメロメロになる「ルージュ」
次に取り上げるのは幼くして前族長である母を亡くし、その後継ぎとして子供ながらゲルド族の族長となった少女「ルージュ」だ。一人称が「わらわ」な事から分かる通り全体的に古風な口調が特徴的で、少女ながら族長として気丈に振る舞う姿も相まって、実年齢からは考えられないほど非常に大人びた印象のキャラクターとなっている。
しかしその心中では未熟である自分の実力不足を常に感じていたり、そこに加えて自身の憧れである英傑の1人「ウルボザ」や亡き母への想いが入り混じったりなど、精神面の強さの中に成長途中の子供らしい弱さも垣間見える、非常に複雑な心情を秘めたキャラクターでもある。
「ブレス オブ ザ ワイルド」本編ではイーガ団に盗まれた神器「雷鳴の兜」の奪還をリンクに依頼する事となり、それを取り戻す事で神獣の1つである「ヴァ・ナボリス」の攻略に力を貸してくれるキャラクターとなっている。
通常男性は入る事のできないゲルド族の街に侵入したリンクを伝承による知識とシーカーストーンの有無で英傑の1人だと見抜いたり、「ヴァ・ナボリス」戦後に話しかけるとリンクが男だと気付いたりなど、本人が実力不足だと感じているのは過小評価過ぎるんじゃないかと思ってしまうほど長としての洞察力や判断力も高い。
「ヴァ・ナボリス」戦においては「パトリシアちゃん」を駆ってリンク共に自ら戦いに赴き、神器「雷鳴の兜」の力をしっかり使いこなしてサポートしてくれるなど勇敢さと実力も兼ね備えている。
そんな中で彼女はプレーヤー達のハートを撃ち抜くギャップ性も持っているから恐ろしい。ゲルド族に伝わる神器「雷鳴の兜」等を被った際にブカブカ過ぎて殆ど顔が見えなくなってしまったり、愛スナザラシである「パトリシアちゃん」との絡みや自室に結構な数のファンシーな人形が置いてある点など、所々で少女らしい一面を見せてくれる。
そのため普段の気丈な振る舞いからのギャップで心を撃たれメロメロになったプレーヤーも多いのではないだろうか。強くカッコいい女性像と可愛らしい少女性を存分に発揮しているのがルージュなのだ。
「ティアーズ オブ ザ キングダム」でも彼女はしっかりと登場が確定しているが、なんと少女ではなく美しい大人の女性に成長した姿での活躍がPV内で確認できる。
「ブレス オブ ザ ワイルド」本編や「ゼルダ無双 厄災の黙示録」では本人がまだ子供だったため「雷鳴の兜」でのサポートがメインで肉弾戦は「パトリシアちゃん」にお任せといった感じだったのだが、今作では背丈も伸びて逞しくなり、しっかりとその両手に剣を携えて雷を操っている姿が映っている。その姿はまるで憧れだった英傑「ウルボザ」の姿を思わせるようでジーンと来てしまう。
時の流れによって圧倒的に成長したルージュが今作ではどのように活躍してくれるのか期待しかない。
どんどん魅力的になる”不器用な漢”「テバ」
続いて取り上げるのはリト族の戦士「テバ」だ。「テバ」は英傑の1人「リーバル」に憧れている村一番の弓の名手で、方向性は全然違うがリーバルに似て多少口が悪い部分があり、初見だとリンクに対して厳しめな口調で話してくるため、気難しい性格をしているような印象を受ける人も多いかと思う。
しかし実際は神獣「ヴァ・メドー」の偵察にて負傷した仲間達のために自分一人でも「ヴァ・メドー」を止めよう奮起したり、最初はよそ者として侮っていたリンクに対して実力を認めた後は対等な存在として扱い、それまでの無礼だった態度を詫びるなど静かな”不器用な漢”といったキャラクターとなっている。
もしかすると口調の悪さはリト族の特徴なのかも知れないが、基本的には責任感が強く誠実な性格をしているため、捻くれた性格はリーバルの個性だったことがテバを見ているとよくわかるほどだ。
「ブレス オブ ザ ワイルド」本編では神獣の1体「ヴァ・メドー」を食い止めるためにリンクと行動を共にする事となり、リンクを背に載せて空を飛ぶだけでなく、自分を囮にして攻撃面はリンクに任せるといった危険な役目を自ら担ってくれる。
その結果かなり酷い傷を追ってしまうが「かすり傷だ」と言い通し、その上でリンクを励ましながらダンジョンへ送り出すなど漢気溢れるイケメンムーヴを連発してプレーヤーの心を熱くしてくれた。人に余計な心配をさせまいとする不器用ながらもカッコいい男らしさは我々も見習わなければならないだろう。
そんな彼も実は妻子持ちで1児のパパであり、その息子が「チューリ」だ。まだまだ幼いリト族の少年であるチューリは「ヴァ・メドー」を解放した後にテバから訓練を受けている描写を「ブレス オブ ザ ワイルド」内では確認する事ができる。
基本的には素直で元気な子供らしい性格をしているのだが、父親である「テバ」の口調が変な風に移ってしまったらしく、リンクに対しても時折謎に強めの言葉を繰り出してくるキャラクターだった(本人に悪気はない)。「ゼルダ無双 厄災の黙示録」ではテバも息子に対してはしっかり”お父さん”をしている場面が多く、不器用ながらも優しい父の姿を見れてホッコリする事が多い。
なぜ今回「テバ」だけでなく「チューリ」も紹介したかというと、「ティアーズ オブ ザ キングダム」のPV内にて成長してリンクと共に冒険する「チューリ」が確認できたからだ。そして気になるのは、「テバ」の姿が見えなかったことだ。
「チューリ」自身は「ルージュ」同様に体躯も言動もかなりしっかりした成長した姿になっており、リンクと共に空を掛ける姿が公開されて非常に心強い仲間になっているであろう事が期待できる。しかしこのポジションは他のキャラクター達から察するに神獣戦で活躍した「テバ」の方が統一感があるように感じるのも事実だ。
「ティアーズ オブ ザ キングダム」のストーリー内で「テバ」の身に何かあったのか、単純に逞しく成長した息子と世代交代したのか、はたまた実は2人とも活躍する予定なのか……。どのように物語が紡がれるのか非常に楽しみな部分だ。
成長した姿はどうなる……? 伸びしろたっぷりの「ユン坊」
最後に、PVには登場していないが、恐らく登場するだろうという期待を込めてゴロン族の「ユン坊」について取り上げたい。
ユン坊はゴロン族の英傑「ダルケル」の子孫であり、中々厳つい顔が多いゴロン族の中でもまだ子供な事もあって穏やかで優しい顔をしている。豪快な性格をしていた「ダルケル」とは真逆に臆病で少し弱気な性格をしていて、初めてリンクと出会った際には魔物と勘違いして慌てふためくなど情けない姿を晒していたりもする。
しかしダルケルの能力だった「ダルケルの護り」を受け継ぎ、神獣「ヴァ・ルーダニア」を追い払うためにその技を駆使して自身を大砲の弾にする事自体には躊躇いがなく、「ヴァ・ルーダニア」と相対する際には「今日もやったるコロ…」と闘士を露わにするなど、しっかりと「ダルケル」らしい勇敢さも受け継いでいる。
「ブレス オブ ザ ワイルド」本編では「ヴァ・ルーダニア」に侵入したいリンクの手助けをする事になるのだが、ハイリア人であるリンクを気遣い、敵に見つかって火山弾を撃ち込まれないように進む事を提案する優しさや、苦手な隠密移動をする際にはリンクに必死ついて行く根性を見せたりと、見ているとつい応援したくなるような頑張りシーンが多いキャラクターとなっている。
「ヴァ・ルーダニア」の解放後には幽体となっている「ダルケル」と「ユン坊」がお互いに手を振り合うシーンは男心をガッシリ掴んでくるし、その後ユン坊の口調が幼さの残る「コロ」から「ゴロ」に変わるなど全体を通して少しずつ成長している過程が強く描かれている印象がある。
現状公開されている「ティアーズ オブ ザ キングダム」のPVにはまだどこにも成長した「ユン坊」の姿が映っていないため、どのような変化を遂げているのかは不明瞭な状態だ。とは言え「ブレス オブ ザ ワイルド」でしっかり活躍しているキャラクターなので、少なくとも関係はしてくるはずだ。
他のキャラクター達の成長した姿から考えると「ブレス オブ ザ ワイルド」の頃には残っていた幼げのある顔が、より「ダルケル」に近いゴッツイ顔に成長している可能性も考えられる。前述した3名と合わせて新時代の英傑と言われる位の活躍を期待したい。
今回は主に「ブレス オブ ザ ワイルド」にて英傑たちの末裔として活躍した4キャラクターについて取り上げたが、他にもリンクにひそかな想いを寄せる少女「パーヤ」や、数少ない100年前のリンクの事も知っている「インパ」や「プルア」と言ったシーカー族の面々、さらにはそこそこの頻度でリンクに迷惑をかけるイーガ団の総長「コーガ様」といったような、思い返してみるとビックリするほど印象深いキャラクター達が存在している。
PVに映っていないだけで他にも続投で活躍するキャラクターは数多く存在する事が予測でき、「ティアーズ オブ ザ キングダム」から登場する魅力的なキャラクター達もちゃんといる事だろう。
今多くの人々が続編の「ティアーズ オブ ザ キングダム」に大きな期待を寄せている状態かと思うが、それは前作となる「ブレス オブ ザ ワイルド」が、キャラクター描写に非常に力を入れていた作品だったこともひとつの大きな要因ではないかと今回改めて感じることができた。
新作でも力の入ったキャラクター描写でプレーヤーをエモの海に沈めてくれるだろうと期待している。発売まであと僅かだが、この機会に再び「ブレス オブ ザ ワイルド」や「ゼルダ無双 厄災の黙示録」をプレイして世界観を振り返ってみてはいかがだろうか。今だからこそ、より強い感動を味わえるかもしれない。
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