【特別企画】

究極のザクを触ってみた! 「GFFMC ザクII C型」体験レポート

この肩が、膝の可動が心を震わせる! 満足感がこみ上げる可動の楽しさ

4月29日発売予定

価格:22,000円(税込)

 「GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE MS-06C ザクII C型」は筆者がずっと気になっていたフィギュアだった。初めて見る人には名前が長すぎて、なんだかよくわからないかも知れない。要するに「ザクの最高級完成品フィギュア」が発売されるのだ。

 「GUNDAM FIX FIGURATION」とはBANDAI SPIRITSコレクターズ事業部が展開するフィギュアシリーズ。メカデザイナーのカトキハジメ氏がデザイン・プロデュースをしているシリーズだ。「METAL COMPOSITE」とはその名の通り金属パーツを含む複合素材を使用していることを指す。「GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE(以下、「GFFMC」)」は、コレクターズ事業部の代名詞とも言える“超合金”の流れを汲む高級フィギュアブランドだ。同じ高級フィギュアブランドとしては「METAL BUILD」がある。

4月29日発売予定「GFFMC ザクII C型」と、「GFFMC シャア専用ザクII」今回はこの商品のインタビューに加え、現在受注中の「GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE RX-78-01 [N] 局地型ガンダム(ロールアウトカラー)」へのこだわりも一緒に聞いる。本稿ではザクの"感触"を伝えていきたい

 筆者は「METAL BUILD」をはじめとした高級フィギュアブランドが大好きだ。資金は限られているため、たくさんは持っていないがお気に入りのアイテムはいくつもある。そういった高級ブランドでザク、しかもシャアザクに続き、"量産型ザク"である。筆者にとってストライクど真ん中のアイテムである。とても気になる。

 今回、本商品の企画者である企画担当者である前田哲也氏と、稲吉太郎氏に「GFFMC ザクII C型」、そして「GFFMC シャア専用ザクII」への想いを、試作品を前にインタビューを行なった。そちらに関しては別稿で取り上げていきたい。本稿ではあえて、ユーザー目線で筆者の「GFFMC ザクII C型」感想を語りたい。開発者の想い、ユーザーとしての感想の2つを読むことで、「GFFMC ザクII C型」のさらなる魅力を引き出せると思う。両方をぜひ楽しんで欲しい。

話を聞いた本商品の企画を担当するBANDAI SPIRITS コレクターズ事業部の前田哲也氏と、稲吉太郎氏。お2人のインタビューはこちらから

手に持ち触ることで実感できる、究極のザクの楽しさ

 「GFFMC ザクII C型」の注目点は、「これまで殆どなかったザクの大型高級フィギュア」ということだ。本商品は「機動戦士ガンダム」40周年を記念して発売された「GFFMC シャア専用ザクII」のバリエーション商品だが、例えば「METAL BUILD」でも主役機のバリエーションは多いが、"敵量産型MS"が商品化はされていない。逆に商品化された「シャア専用ザクII」は主役機に匹敵する存在と言うことでもあるが、それでも商品化には時間がかかったというところに、改めて商品開発の難しさを感じさせられる。

 だからこそ「GFFMC ザクII C型」は特別な存在だ。今回、試作品に加え、発売されるものに最も近いバージョンのものを触ることができたが、重量、質感、関節を動かす感じ……全てが「いいなあ」と思わせられるものだった。

「GFFMC シャア専用ザクII」を経て発売される「GFFMC ザクII C型」。ザクはロボットアニメの流れを変えたと言って過言ではない存在だ。今回は製品とほぼ変わらないバージョンと、一部未塗装の金属部品が目立つ2つの試作品を前に話を聞いた

 まず外見を見ていこう。昨今のコレクターズ事業部の高級フィギュアは"ほぼ全塗装"の商品が多い。金属部品や一部のパーツをのぞき全て塗装されている。個人的には遊んでいると塗料を削ってしまいそうで不安になるのだが、未塗装の成型色そのままの商品は、長く飾っていたりすると未塗装部分の色が変わってくる場合もあり、ユーザーが求める方向での進化ということだろう。「GFFMC ザクII C型」はマットな質感の塗装で、塗装が独特の"厚み"があり、兵器としての迫力が増しているような感じだ。

 楽しいのは腰アーマーの分割部分の黒いライン。これは腰アーマーの裏の"骨"とも言える構造部分がチラリと見えているところで、腰アーマーの裏にしっかりとメカのディテールがある。肩の盾の裏側などにもしっかりメカ描写があり、こういったディテールの"密度"は、「さすがGFFMCだ」という気持ちにさせてくれる。

腰アーマー裏のメカニカルな描写。この"密度"が、「GFFMC」ならではのクオリティの高さを感じさせてくれる

 筆者はザクに関しては、可動、スタイリング、プレイバリューなどの点において、「ROBOT魂 <SIDE MS> MS-06 量産型ザク ver. A.N.I.M.E.」でかなり満足していたが、「GFFMC ザクII C型」はそれとは異なる魅力をはっきりと示している。インタビューで詳しく語られているが、本商品は「ver. A.N.I.M.E.」を参考にしつつ、これまでの技術を盛り込んで進化発展した商品なのだという。

 「GFFMC ザクII C型」はやはり動かすのが楽しい。足の付け根をぐいっと動かし足を前に出したり、膝を深く曲げて装甲部分が連動する様に楽しんだり、可動範囲の広さと、「GFFMC」ならではの細かいパーツを緻密に組み上げたメカニカルな演出で、動かすだけでそのポテンシャルを実感し、「すごいアイテムを手にしてるんだ」と思う。この満足感こそが高級完成品フィギュアの楽しさだろう。

 今回の「GFFMC ザクII C型」で筆者がグッときたのは腕の付け根。引き出し関節に加え、縦軸の回転機構が入っている。この細かいパーツを支えるのが金属パーツの強度だろう。従来の引き出し関節にさらに可動軸が加えられ、より多彩なポーズを可能にしている。ここの処理は特に本商品が金属を使った利点を活かし、かつ最新のフィギュアであることを実感させられた。

可動において最大の注目ポイントと言える膝関節。曲げていくことで太もも上部の装甲、膝裏の装甲が移動し、内部パーツがチラリと見える。実際のMSの関節を間近で見ているような「機械らしさ」を感じさせる演出だ
強く感心させられた腕の付け根の関節構造。腕を引き出すだけでなく、さらに上に上げることができる。もちろん肩にも関節があり、組み合わせることで非常に複雑な表情が出せる

 もう1つ感心させられたのが足首の可動だ。ザクはデザイン上足首の自由度が低いように見えるが、「GFFMC ザクII C型」では足が引き出せ、かつ角度がつけられる。さらに足部分も3パーツで構成されしっかりと地面に接地する。バズーカを撃つシーンなど地面を踏みしめるポーズに有効に活用できそうである。

 インタビューで細かく説明している「武装」も注目ポイント。「GFFMC ザクII C型」は、「GFFMC シャア専用ザクII」よりバズーカが1本多く、「B型」が用意されている。バズーカ2本差しというまるでケンプファーのようなフル装備にできる。これはとても楽しい要素だ。

デザイン的に自由度が少ないように見える足だが、足首を引き出せる上、足底も3パーツで構成されているためこちらもかなり多彩な表情付けができる
「GFFMC ザクII C型」は、「GFFMC シャア専用ザクII」よりバズーカが1本多く台座パーツのブリスターに収納されている。基部を交換することで異なるタイプのバズーカにできる

 今回はあくまでインタビューだったため、「GFFMC ザクII C型」でたっぷり遊べなかったのは残念な点だった。本商品のポテンシャルを真に理解するためにはやはり遊ばなければいけない。こういった商品で遊ぶ最も具体的な方法は、「武器を構えること」だ。マシンガン、バズーカ、ヒートホーク、ショルダータックル……ザクがいかに攻撃するか。構え方でも色々なやり方がある。

 そして「GFFMC ザクII C型」は多彩で柔軟な関節構造で、これまでのフィギュア以上に表情付けが楽しめるのだ。肩のアーマーをほんのちょっと本体からずらすだけで全体のボリュームがアップする。腕を少し上に上げるだけで力の入ったポーズとなる。足の表情付けもまた多彩だ。フィギュアのポテンシャルが上がるほどそれは楽しくなる。

 筆者はお気に入りのアイテムは机の近くに飾り、仕事の合間にことあるごとにいじっている。ほんのちょっと各部を動かすだけでそのポーズはキリッと締まる。また"動き"に勢いを加えられる。「GFFMC ザクII C型」はそのようにポーズを取らせ、微妙に調整をするのが楽しいフィギュアだ。そしてアクションフィギュアである以上、他のポーズも同じようにとことんまでカッコ良さを追求できる。インタビューと本稿で「GFFMC ザクII C型」の優れたポテンシャルを実感して欲しい。

ザクは多彩な武装を使いこなすロボットだ。「GFFMC ザクII C型」はその関節構造で様々なポーズを取らせられる。力の入り具合、動きなど、意識して手を加えることで、ポーズはドンドンカッコ良くなる